director's voice

堀内亜理子さん 漆 北海道

今回最北端からの出展は、旭川。
漆の、堀内亜理子さんです。

Q
ありこさんは、 「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?

A
器とお弁当箱が中心です。
今回はためらわずに漆絵を描こうと思っています。
モチーフは自分が美しいなと思った食べ物、野菜の花、植物です。

お弁当箱や重箱は、おむすびやマフィンが縦に立てたまま入る、深さのある形にしました。
おむすびと漬け物があれば充分です。
(どちらも究極の女(母)の料理!)

これは、ちまきでしょうか!
ありこさんの器、漆絵が大胆に、そしておもわず笑顔がこぼれるような健やかな美しさを湛えています。
今回、写真がうまく間に合わなかったとのことですが、
イナガキ、実物拝見して、なんだか、爽やかな気持ちになりました。
無難なものにとらわれず、自らの美意識を信じてほしいです、ぜひに!

それにしても、
おむすびやマフィンが縦に立てたまま入るお弁当箱。
実物を拝見しましたけれど、とってもすばらしかったです。
かたち、丁寧に重ねられた塗り。
長く長く使って、次の世代にも残したいほど。
ちなみに、弁当箱フェチのスタッフは、「買う!」と、即決でした!!
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出展が決まってから、ありこさんご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?


とにかく自分との対話を深めようと決めました。
最終的にパソコンも手放しました(笑)
この展覧会に向けて費やす時間が約半年でしたから…
出来ること、無理なこと、年を重ねること…色々考えました。

とにかく「手を動かすことが喜びだ!」と発見できた事は、
これからの人生において役立っていくと思います。
自分の「手」がこの世の中で役立つことを望みます。

工房からの風は、本当の意味で「工房を建てる」ような作業になりました。
日々流れていくと、なかなか足を止めて考えるのは勇気がいりますからね。

あ、ありこさん、お会いするたびに(まだ3回くらいですが)、その描く文様のように、
大胆に!明るい笑顔ばかりが印象に残っていますけれど、
こんなに深く、真剣に今展への出展をとらえてくださっていたのですね。

パソコンを手放し、その時間、向かう気持ちをものづくりに集中させていく。
って、言うは易しのことと思います。
でも、その成果は、これからの作家としての時間を、ぐっと味わい深いものにしてゆきますね!
このような方がいてくださるから、工房からの風を続けていこう!と心より思います。

「本当の意味で「工房を建てる」ような作業」
いい言葉。
思索も工房の重要な要素なのですね。

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Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
ありこさんが大切にしている言葉を教えてください。


(潜在意識に入れようと思って、実はいっぱい壁に貼っているのだけど~(笑)その中のお気に入りを…)

「真心を込めて届ける」

「自分に正直であれば、私たちが共通して持つ‘何か’に出会える」(ピナバウシュ・ダンサー)

「手癖でものをつくらない」(齋藤徹・ベーシスト)

作品写真のかわりに?工房でのポートレイトを送ってくださいました。
作る時間の気配がしんと伝わってくるよいお写真ですね。
ありこさんの姿も、そこはかと伝わってきますし。

そんな、堀内亜理子さんの出展ブースは、スペイン階段前のテント。
ぴかぴかの明るい表情で、一所懸命に漆の器のお話し、してくださいますよ!