director's voice

さこうゆうこさん

透明で美しいフォルムの吹きガラス作品をつくるさこうゆうこさん。
工房からの風には3回目の出展となります。

Q1
「工房からの風」に、さこうさんははどのような作品を出品しますか?

A1
コップ、ボール、皿、花の器など、
日常の身近な時間の中で使うモノを持っていきます。

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過去2回の出展をきっかけに沢山の方に知っていただけた水栽培ポットは今回はお休み。
水栽培ポットに負けず劣らず、
細々と長く作り続けてきた器たちを秋の庭に並べられたらと思っています。

ボールや皿はダエンやサンカクなど丸ではない形もいろいろ。
花の器は大きなモノ、小さなモノ、吊るすモノ、置くモノ、いろいろと。
水栽培ポットはお休みしますが、やはり植物が好きなので、
ついつい花の器を多く作ってしまいます。

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さこうさんご自身がとてもセンスのよい方ですが、
その作品もまさにそう。
透明だけでの展開で、まったく奇をてらわずにすうっと作品を立ち上げる。
(吹き上げる、、ですね)
一杯の水も、一個の果実も、一輪の草花も、
その透明がかたちづくるフォルムで、洗練された姿になる。
感度の高い雑誌によく掲載されるたびに、
編集者の方々のアンテナって、やっぱりすごいんだなーと思ったりするのです。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、さこうさんはどのようなことを思いましたか?

A2
作ること、続けることに精一杯、流されがちな時間を少しゆるめて、
足元を確かめたいな・・・と思っていました。

ただこれが、一人だとなかなか難しく、立ち止まる為のエネルギーが足りません。
「工房からの風」の持っている空気や力をかりて、確かめる時間を持ちたいと応募しました。
気負うことなく、でも丁寧に、しっかりと秋までの時間を味わいたいと思っています。

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吹き硝子の窯を持つ作家の方々は、
スケジュール管理が特に大切になってきますね。
定点観測のように、「工房からの風」の機会を通して、
ご自身の制作、作品をブラッシュアップしていく。
さこうさんが活用くださること、とてもうれしく思います。

Q3
さこうさんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
岐阜県の真ん中に位置するところで刃物が有名な町ですが、
我が家はその中でもはずれの山の中、少し前まで村だったところ。
訪ねてくる人のほとんどが、あまりの山の中で驚かれます。

山の中で何も無い。
この何も無いところが好きなところ。
何も無いから、道端の草や山裾の蔓、実、小さなものに自然と目が行きます。
虫や動物にも。
風や風に乗る植物の匂いにも。
見逃してしまうような小さな世界に、きれいなモノを見つけた時、風の匂いが
想像の世界に連れて行ってくれる時、何も無いここが好きだなぁと思います。

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私も伺ったことがありますが、
奥まっていながら、どこか空気が開けているような、
制作にはすばらしい環境だと思いました。

何も無い、ことに惹かれるさこうさんだからこそ、
何も無い、ように一瞬感じる作品が研ぎ澄まされているのでしょうか。

さこうさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐ。
緑の中で、美しき透明のフォルムに、心ふるわせていただけますように。

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