director's voice

加賀雅之さん(木工)

岡山県に工房を構える木工作家加賀雅之さん。
Semi-Acoという工房名でも活動をされています。

Q1
加賀さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。

A1
木の器、特にお皿類を中心にお持ちする予定です。

僕のものづくりのテーマに
「同じカタチをいくつもつくれる技術と芯を持つ」
というものがあります。

「手仕事」を言い訳にはしたくないという思いから、
自身に課したテーマの一つです。
ですが、今回は新たに「一点もの」にも挑戦してみようと考えています。
小さなチャレンジですが、僕なりに大きな一歩です。

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加賀さんの誠実なものづくり。
小さなチャレンジ!と言われる一点物の作品を見せていただくのも楽しみです。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?

A2
工房ではいつもラジオをかけているので好きな本の話しを。

ものづくりに対して直接的に関係しているかは分かりませんが、
辻まことさんの「山からの言葉」という本が好きです。
僕は山屋じゃないけれど、山屋の視点はとてもしっくりと腑に落ちる。
きっと僕も、街には住めない種類の人間のようです。

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山屋の視点、気になります。
加賀さんからも、読んでみたい本を教えていただきました。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
今住んでいる自宅兼工房は、築70年近くになるいわゆる古民家。
初めてこの家を内見した時、作業場にしようと思っていた離れ屋の梁の
釿(ちょうな)の跡が美しくて、その場で購入を決めました。

たまたま近くで畑仕事をしていた老人が元の持ち主で、
聞けば元大工さん。
残念ながら昨年の9月に亡くなってしまったのですが、
釿の跡に感動して購入を決めたと伝えた時の
とても嬉しそうな顔を、今でもはっきりと覚えています。

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このお話しもとても素敵なストーリーですね。
元の持ち主の元大工さんの笑顔が浮かんできます。
こうして、心ある人に使いつながれていくもの。
加賀さんが作るものも、
きっと同じようなことを願って作られているのではないでしょうか。

加賀雅之さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
銀座アスターを背中にしたテント群の中にあります。

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