Q1
スペイン在住で、TALLER URARAKA として創作活動をされる片岡陽子さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品なさいますか?
A1
スペイン北部で紅型 ステンシル 草木染の技法を使い日常使いの布小物を作っています。
カバンやポーチの様に持ち歩くもの、クッションカバーやコースターの様に家で使うものの両方を出展します。
地中海から吹くユルイ風、素朴なカタチと天然顔料 植物染料の優しい色合をこの機会に感じていただけたら幸いです。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、
空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
大切な道具
左から夫ルイス作、樫の木のスリ棒(豆汁作り用)、
いくつかある中で一番愛用してる英国製の刀(型彫用)、
昨春沖縄の恩師から頂いたルクジュー(島豆腐を乾燥させた型彫台)、
蚤の市で買った古いブラシ(型洗い用)。
写真にはないですが義母から譲り受けた1960 年代製足踏みミシンも、
長くつきあいたい大切な道具の一つです。
Q3
TALLER URARAKAさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
街を離れて、森のそばで布染めて、畑耕して…という暮らしになって10 年。
時々再読する宮沢賢治さんの作品集が、より深いところで共感でき励まされます。
自然と語らい共生しつつ暮らしの中で四季折々の詩を紡ぐことと、
それを作品を通して色んな方達とシェアしたいという想いが、制作の火種となっています。
「工房からの風」では、出展作家が決定した後、全体ミーティングを2回行います。
今年も北海道から沖縄まで、はるばるさまざまな地に工房を構える作家が毎回9割以上、
ここニッケ鎮守の杜に集います。
片岡さんはスペイン在住のためこのミーティングには参加が叶いませんでしたが、
毎回メールでやりとりしたり、一度は電話でもお話しができました。
電話でお話ししたい、とのご希望でしたので、何かご質問などメールでやりとりできないことでもあるのかしら?
と思いながら、時差を考えての電話でしたが、ふふ、所謂「用件」はなかったような気がします。
なにか「用件」「質問」に応えなければ!と思ってしまったオカタイ私の頭を
ゆるやかに解いてくれるような、ほんわかとしたごあいさつの会話。
海外との電話に慣れないこちらの緊張感が拍子抜けするようなお声は、
陽子さんというお名前がぴったりのあたたかさでした。
TALLERとは、工房のことなんですね。
工房うららか。
まさに、そのままのお人柄を想像しながら、東京のご実家から沖縄を経て、
スペインで制作を続けてこられたひとに思い巡らせました。
たぶん、今頃は緊張できゅうきゅうとなっている出展作家の方々。
その緊張感も得難いものですけれど、気持ちが一色になってしまうのもつまらないですよね。
ゆるやかな空気が流れていそうな片岡さんのブース。(あ、想像ですけれど!)
スペインの森のほとりで宮澤賢治を愛読する人の作るもの、作り続ける気持ちが、
「工房からの風」をわたる一筋になってくれることが、どんなに豊かなことかと思います。
TALLER URARAKAさんの出展場所は、おりひめ神社の後方。
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