月別アーカイブ: 10月 2017

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すすき工房

地元千葉県出身で、今年奄美大島に移って制作を続ける
すすき工房、伊藤昌代さん。
20代の作家からの、ちょっと感激のメッセージをご紹介します。

Q1
「工房からの風」にはどのような作品を出品しますか?

A1
身近な植物から抽出した色で絹糸を染め、
その糸を用いて織ったショールを出品します。

手触りが良く日常に取り入れられるショールを織りたいと思っています。

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人の肌に合う色が出したくて、
家の庭にある植物や栽培した植物を煮出して色を染めます。
経糸と緯糸がよれることなく組み合わさるように
糸もいろいろな種類や太さのものを混ぜて使用しています。

布自体は個性的なわけではないかもしれません。
でも使っていくうちに馴染んでいってその人のものになっていったら良い。
そういうものが織りたいと思って制作をしてきた布たちです。

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伊藤さんは20代。
今展の中でも特に若手作家ですが、
作品は渋くオーソドックス。
そして、奄美大島での生活の中で、
じんわり変化、進化している最中のフレッシュな布が織りあがっています。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、どのようなことを思いましたか?

A2
ついにこの時が来たか!と思いました。

まだ自分が何をしたいのか分からなかった中学生の頃、
ふと読んだ文章で織るということに興味を持ちました。
同じ頃「工房からの風」というイベントを知りました。

その当時は自分が本当に機を織る人になるとは思いませんでした。
ましてや自分が織ったものを「工房からの風」に出すことになるとは。

わたしにとって織ることの原点と繋がるここが、
自分の作品を発表する場になることに
とてもご縁を感じるとともに気が引き締まる思いがします。

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ついにこの時が来たか!
とは、私たちこそです。

「工房からの風」で工藝やものづくりに触れた子どもたちが、
美大に行ったり、ものづくりの道へ進んだら、
どれもどんなにうれしいことだろう、
そう思ってきました。
お子様向けのワークショップテント「素材の学校」など
まさにその想いの結晶です。

中学生で「工房からの風」に触れた伊藤さんが、
武蔵野美術大学に進み、こうして仕事としての染織を手掛けられたこと。
ここからが始まりですから、他の出展作家の方々とのよきご縁を得て、
じっくりと伊藤さんならではの染織の鉱脈を
探り当てていただきたいと応援しています。

Q3
すすき工房さんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
わたしは今、奄美大島で生活しています。
鹿児島のはるか南にある離島です。
奄美の自然や文化は独自の個性がありとても魅力的で、
ここでは語りきれないくらいです。

中でも一つ挙げるとすればここは大島紬の産地ということです。
離島であるが故に大島紬の技術は現代まで守られて来ました。

島のおばあちゃんたちは皆、
若い頃織りをしたことがある人や今も現役でしている人ばかりです。
今も数は減っていますが、島の中に機織り関連の工場がのこっています。
大島紬はとても奥が深くまだまだ秘密を探らないといけません。
文句なしで最高の技術がここにはあります。

織ることをこんなに身近に感じられる場所にいるのは
とても幸せなことだと思っています。
この環境に自らの制作もとても刺激を受けています。

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大島紬ゆかりのおばあちゃんと実際に触れあえる
最後の一瞬なのかもしれませんね。
その経験は一生の財産になることでしょう。

すすき工房さんの出展場所は、コルトン広場、
スペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
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木村悠希さん

Q1
陶人形をたっぷりと制作する木村悠希さん。
「工房からの風」にどのような作品を出品しますか?

A1
陶器で作った、てのひらに収まる程の大きさの小さな人形を出品します。
モチーフになるのは、おおかみみたいな、きつねみたいな、
正体のはっきりしない不思議ないきものたちと、
手足の長い、ひょろひょろのこびとたち。
最近、胴の長い人も現れました。
みんなあまり表情をつけず、
どんなことを考えているのか、何をしているところなのか、
見る人それぞれに想像を膨らませてもらえるようにしています。
会場では、みなさんにそっと手にとって楽しんでいただけるといいなと思っています。

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かわいくってファンシーなだけの陶人形はきっと選を通過しなかったと思うのですが、
木村さんの陶人形には、かわいいけれど、かわいいだけではない何か、
があるように思います。
その何か、に想いを巡らすこと自体、すでにこの作品に役割が生まれていますねー。
まずは会場で、一点一点(一体一体)と出会ってみていただきたいと思います。

Q2
「工房からの風」に出展が決まったとき、
木村さんはどのようなことを思いましたか?

A2
通知が届いたのが12月の25日だったので、
「最高のクリスマスプレゼントがとどいた!!」
という感じでした。

しかしながら嬉しいのは、本当に嬉しかったのですが、
作品の展開にいきづまり、とてもとても悩んでいた時期で
「当日に向けて作品がどう変わっていくのか、
当日並ぶ作品はどんなふうになっているのか」
ということを一番思った気がします。
「どう取り組んでいったら先にすすめるんだろう?」
と取り組み方から本気で悩みながら、ああでもない、こうでもないと
いろいろ試しながら、制作を続けています。

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スコーーンと確信をまっしぐらに進む作家もいらっしゃれば、
木村さんのように、どうして悩むの?と思ったほど、
ご自身の世界観を持っていながら、迷われる方もいらっしゃいますね。
今展を通して、ぜひ自信を確かにされるといいですね。
そうやって、現在活躍中の作家の方、たくさんいらっしゃいますから。

Q3
木村さんの工房のある街のすきなものやところ、
自慢できることを一つ教えて下さい。

A3
すきなところを一つ、、というと、景色でしょうか。

家や、家の近くの山、電車から見える景色が好きです。

岐阜県というと、金華山に長良川だよね、と言われることが多いのですが、
私の住んでいるところは愛知県犬山市との県境で
家からも犬山城が見えており、そのすぐ前には木曽川が流れています。
大きな建物もなく、空が広くて、おおきな川のむこうにぽつりとお城がある景色が
のびのびとして、でもちょっと特別な感じがして好きでした。

夕暮れ時に愛知県側から電車で岐阜県側にわたると、
きらきらした川と逆光の犬山城が近くに見えて
静かで美しい景色だなあと毎回心が洗われるような気分になります。

鵜飼の時期になると川であがる花火も毎年の楽しみです。

木村悠希③ (600x800)

工房のある街の、景色が好き、ってとても幸せですね。
好きだと思える景色の中で生み出されていくもの。
まもなく揃ってお目見えですね。

木村悠希さんの出展場所は、稲荷社の脇。
インスタグラムはこちらになります。
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木村悠希④ (600x800)

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立原あかりさん

千葉県で着尺など伝統的な作品をコツコツ制作する立原あかりさん。
若い織り手の方からのメッセージをご紹介します。

Q1
立原あかりさん、工房からの風には、どのような作品を出品しますか?

A1
在来の綿である和綿を手紡ぎし、そのままの色、
もしくは藍染めや草木染めをして織ったマフラーやハンカチなどを出品いたします。

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経糸、緯糸とも手紡ぎ糸を使用しているので、
お使いいただくうちに、やわらかく、風合い良く育っていきます。

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ぜひ手に触れて、感触を味わっていただきたいですね。

Q2
工房からの風への出展が決まった時、どのようなことを思いましたか?

A2
できるだけ多くの作品を織らなくては、と焦りも感じましたが、
一点一点を丁寧に、素材と向き合って製作しています。

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ええ、そうですね。
「工房からの風」には、布に目の肥えた
すばらしい使い手の方々も多くいらっしゃいますから、
気負わず、縮こまらず、素直に見ていただいて、
ご意見をいただいたらいいですね。
閉じた雰囲気にしてしまうと、投げかけも受けられなくなりますから、
ぜひリラックスして臨んでくださいね。

Q3
立原さんの工房のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
田んぼや畑が多いところ、
草木染めの材料となる植物が採れる自然のあるところが気に入っています。

どのような草木で染めた糸が布になって登場するのでしょうか。
立原あかりさんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
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渡辺真由美さん

スタイリッシュな中にどこかほっこりとした味わいのあるガラス。
「ütutu」というスタジオを持って制作する
渡辺真由美さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
渡辺さんは工房からの風にどのような作品を出品しますか

A1
日々過ごす日常のなかのひとつひとつが、
気持ちよさやうれしさに繋がることを大事に思っています。

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ただ水を飲む、そんないつもの事も気持ちよく感じられるような、
毎日のなかに繋がり、ストン!と入り込めるものを。
わたしらしく提案できるかたちで。
グラスや器、フラワーベースなどを中心に出品致します。

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若い作者ですから、まだまだうんと伸びしろがあると思うのですが、
すでにスタイルが立ち上がってきていますね。
シンプルなかたちと厳選した色。
作品群を示すことで、世界観を伝えることができる作家だと感じています。
土の器もすっきり気持ちよいですね。

Q2
工房からの風への出展が決まった時、どのようなことを思いましたか?

A2
4月から活動の本格始動を始めるための準備を整えている段階で
「工房からの風」からの出展通知を頂きました。

驚きとうれしさで、ニヤつきがしばらくは止まりませんでしたが、
同時にまた、このタイミングで「工房からの風」に
出展できる機会を頂けた事への感謝の気持ちと責任。
そして「つくる」ということを更に深めることのできる、
今のわたしにとって、とても意味のある機会になると
そんな風に思い心臓がピリッとしました。

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今回もこの場が大きく世に出る初めての機会の方が多いのです。
企画側への伝え方はそれぞれですが、渡辺さんはまっすぐ明るく、
気持ちのよい伝え方をいつもしてくださっていました。
作品にもその明るさ、前向きな姿勢がよく表れていますね。

Q3
渡辺さんの工房のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
制作時は、くっきりとした山の輪郭や緑、
きれいな空気と木々に触れることのできるアトリエにて制作をしています。

この辺りは地域の人が手をかけて、
街の木や花を管理してくれていたり、
日常の環境を大事にしている雰囲気を感じることができます。

少し高台の位置にあるため、
近くの山に霧がかかることもあり、
本当にきれいな景色を見せてくれます。
そんな場所でわたしもまたくっきりとした輪郭をもつ、
毎日のなかのものを制作していきたいと思っています。

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写真もとってもきれい!
北関東の山の端を仰ぐ工房では、
お父様が金属によるインテリア制作をされているそうです。
今回も、什器としてすてきなものが登場しそうですね。

渡辺真由美さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
本八幡方面からきて、一番初めのところになります。

ホームページはこちらになります。
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望月若子さん

金属で装身具や暮らしの小物を制作する
望月若子さんからのメッセージをご紹介しましょう。

Q1
望月さんは「工房からの風」に、どのような作品を出品しますか?

A1
日常使いできるアクセサリーや、自宅で楽しめるオーナメントなど出品します。
普段、アクセサリーを身につけない方にも楽しんでいただけるものを色々準備中です。

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軽やかな、心楽しい作品群。
選ぶのに夢中になってしまいそうですね。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、どのようなことを思いましたか?

A2
日記や写真で備忘録をつける人がいるように、
わたしの場合は、金属を使って記録しています。

作ること自体は、自分の記憶の整理なので、
やりたいように好き勝手やっていますが、
人に見てもらうことや購入していただくことには、
常に迷いや不安があります。

出展が決まった時、”その活動いいね!頑張ってね!”
って背中を押してもらえたような、応援してもらえたような、
安心とか勇気とか入り混じった不思議な(でも前向きな)気持ちになりました。

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お花の生け方も自由で楽しそう!
金属の花器のイメージから放たれた感じですね。

Q3
望月さん「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
工房近くには、大きな畑と、
畑に隣接して小さな公園があり、四季を全身で感じることができます。

春は公園の桜が満開で一面ピンクの世界に覆われ、
夏になると畑で採れた野菜の朝市があり、
秋になると、栗やどんぐりが地面に落ちていて、
冬になると、畑が霜に覆われます。
すごくラッキーな時は、たぬきも見られます。

作業をしていると籠りっきりになるので、
四季を感じやすい場所にいるということはとても大切だと思っています。

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工房でもくもくと作りためてくださった作品が、
いよいよお披露目ですね。
望月若子さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
tumblrはこちらになります。
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フクシマアズサさん

茨城県でホウキの原料、ホウキモロコシを、
種蒔きから畑で育て、収穫したその素材でホウキを編む若き女性、
フクシマアズサさんからのメッセージをご紹介しましょう。

Q1
フクシマアズサさんは「工房からの風」に、どのような作品を出品しますか?

A1
種から育てたほうきを出品します。

私の住むつくば市には、
明治中期からほうき作りが行われてきた地域があります。
私は、その地域のベテラン職人さんに教わった技術で、
原料の栽培からほうき作りを行っています。

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今回出品するほうきたちは、
今年の春~夏にかけて育てたものです。
サイズは、小さなコーヒーブラシから、
卓上ほうき、片手ほうき、両手で掃ける大きなほうきまで。
原料のホウキモロコシは、
大きな穂から小さな穂まで色々な大きさのものが育つので、
草に合わせてほうきを作ろうとすると、様々な種類のほうきができていきます。

穂は夏の青いうちに収穫したものなので、とても柔らかく軽やか。
その掃き心地は、是非お手に取って、感じてみていただきたいと思います!

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ひとりの作り手が素材から手掛けたホウキを使いことができるなんて、
現代の日本では夢のような出来事ですね。
そして、なんと美しい編み模様でしょう。
想い、哲学と実践されていることの素晴らしさが、
美しい形となって存在していること。
フクシマさんのお仕事は始まったばかりですが、
よい意味でマイペースに思うままに制作を続けていただきたいと願っています。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、どのようなことを思いましたか?

A2
「登るべき頂を見つけた!」

「工房からの風」への出展が決まったときは、
上空の霧がすーっと晴れて、進んでいる先に高い高い山の頂上を発見した気分でした。

私は、ほうき職人を志して3年目になります。
1年目2年目は、師匠から技術を学びつつ、
小さな畑で実験的に栽培をしていました。

実家が農家なわけでもなく、資金があるわけでもなく。
地元から離れた場所で、アルバイトをやりながら、
一人で、ほうきをやろう!と決めて。
霧の中を、信じる気持ちだけを頼りに、
ほうき作りをものにすべく進んでいたと思います。

そして3年目の今年。
大きな畑を借りて、本格的に栽培をやると決めて、
その決意と共に「工房からの風」へ応募。

選考通過の通知は、進んできた道は間違っていなかったんだ!
と、これまでの日々が報われる気持ちでした。
同時に、絶対に失敗できない!
やるべきことは全部やろう!
なんとしてでも登り切る!
と、決意を新たにする瞬間でもあったと思います。

05

まあ、なんと大きなことを(笑
でも、ほんとうにそう思ってくださったんですねー。
ありがとうございます。
まずは、ここに向かって取り組まれ、ぜひこの場での新たな出会いをもって、
ホウキを作るお仕事の持つさまざまな可能性を育んでいってくださいね。

Q3
フクシマさんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

人の豊かさに尽きます。
ほうき作りの技術を教えてくれる師匠、
畑を貸してくれた地主さん、
声をかけてくれる方、応援してくださる方々。

今借りている畑は、
元アルバイト先で知り合った方が地主さんと繋いでくれて、借りることができた場所です。
地主さんもすごく優しくて、
「種まきいつやんだ?機械動かさねぇといかねぇからよ。うなってやっから」
と電話してくれたり、ちょくちょく見に来てくれたり。
畑の近所の方も、作業途中に声をかけてくださったり、
差し入れまで頂いてしまったり。

そんなふうに、気遣ってくれる方がすごく多いのが、私の住む街です。
私のほうき作りは、一人でやっているようで、
応援してくださる人たちの力あってのものだと思います。

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それは一重にフクシマさんがよき人の輪を引き寄せているんですね。
そして、こんな風にがんばっている若い人がいたら、
応援したくなりますよね。

フクシマアズサさんの出展場所は、galleryらふとの前方。
時間があれば、ホウキ編みも実演されているかもですが、
ちょっと忙しくって難しいかもですね。
でも、いろいろなお話しぜひ、直接なさってみてください。
ホウキのヒキダシ?たくさんお持ちですから。

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小島亜伊 さん

大阪で七宝による制作を進める小島亜伊さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
小島亜伊さんは「工房からの風」に、どのような作品を出品しますか?

A1
使いやすいネックレスやブローチを中心に、
コンセプトが面白いものなど色々な種類のものを用意しています。

七宝の持つ色をあえてくすませ、
本来はタブーとされる焼きムラや変色をあえて引き出し、
ツヤを消して質感を柔らかくしたもの等、
様々な角度から見たものを出品します。

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新作のピンブローチは使わない時、
買って頂いた(プレゼントなら渡す時)時を意識して作ったシリーズを発表します。
シンプルだけど、だからこそ心や空間が潤うような
そんな気持ちのお手伝いがしたいと思い作っています。

いつも身に着けたいな、と思ってもらえるようなものから、
お守りのように側にいてほしいものまで
一点一点気持ちを込めて作ったものが並びます。

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七宝、エナメル。
美しいお仕事ですね。
単一な表情ではなく、色がない混ざった独特の色合いが小島さんの七宝のひとつの特徴。
ぜひお手元でその表情をご覧になってみてください。

Q2
小島亜伊さんは「工房からの風」への出展が決まった時、
どのようなことを思いましたか?

ただただびっくりしました。
尊敬している作家さんが「工房からの風」に育てられた
と言っていたのを思い出して、
私も同じ舞台に立てるんだと嬉しさと緊張が一気に来たのを覚えています。

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舞台!
まもなく始まりますね。

Q3
小島さんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
この質問を頂きとても嬉しく思います、ありがとうございます。

私が住んでいる街、大阪は皆さんのイメージ通りいつも賑やかで活気のある街です。
その中でも、私の工房がある街から少し行くと
千林という下町情緒が今も続く大好きな商店街があります。
戦後焼けなかった長屋や、3代続くお店、銭湯、
昔の良きものが今もそこらじゅうにちらばり、
人と人とのふれあいがとても温かい街。

商店街を活性化させる為のプロジェクトにも参加させて頂き、
私の七宝でさらに千林商店街の魅力を知ってもらえたらと
2年前からワークショップも毎年開催しています。
遠方は名古屋からご参加頂いたり、
今後も私が出来るこの街との繋がり方をしていきたいと思っています。

私は人が好きなので、工房にこもってひたすら作るタイプではなく、
人との繋がりがあるから作れるのだと思います。

商店街とコラボレーションしたものもあり、
街の人の声をダイレクトに聞いて形にする、
1人では出来ないことも体験させて頂きました。
ただ好きで、もっといろんな方に来て頂きたい思いで
千林商店街マップを自費で作ったり、
完全なライフワークの1つ になっています。

この街と関わるようになり、
地域の繋がり方やこれからの生き方を意識するようになりました。

自慢できる事がありすぎてまとまらないのですが、
この街の温かさが自慢です。
顔と顔がつながり、そこから生まれる対話がとても面白い。
新しい文化も良いですが、
私は昔ながらのこの街にいつもエネルギーを貰い制作の肥やしにしています。

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熱い!ですねー(笑
小島さんの優しく明るい関西弁が聞こえてくるようです。
会場でもきっと楽しい会話が交わされることでしょうね。

小島亜伊さんの出展場所はコルトン広場、スペイン階段前。
ホームページはこちらです。
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比呂

間で陶芸をされる比呂さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
比呂さん、「工房からの風」にはどのような作品を出品しますか?

A1
日常使いの食器を中心に、地元の赤い陶土を使った器を展示します。

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日々の暮らしの中で、ほんの少し自然を感じられるような、
花器・盆栽鉢などの小物も出品します。
シンプルで、飽きのこない、料理が映える器を心がけて制作しています。

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土物を中心に、食の器、花の器が揃いますね。
盆栽鉢など、探している方、工房からの風ではいらっしゃいますね、きっと。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、
比呂さんは、どのようなことを思いましたか?

A2
以前、「工房からの風」の展示を見に行ったときに、
木々に囲まれた中での展示が、
クラフト作家たちの小さな村を訪れたかのような雰囲気で、
素敵だなと思いました。

また、作り手さんたちの作品に対する思いが伝わる展示だな、
と思っていたので、出展が決まったときは、とても嬉しかったです。

今度は自分が、物作りに対する思いを伝えられるような展示が出来ればと思います。

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『クラフト作家たちの小さな村』
は、企画者のイメージです。
感じ取ってくださって、こうして出展いただくことになって。
とっても嬉しいです。

Q3
比呂さんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
私は現在、茨城県の笠間という、
小さな陶器の産地で作陶しています。
器づくりを自分の仕事にしたいと考え、
都内から初めて笠間に電車で来た時の、
窓から見た圧倒的な自然の緑の印象は、
今でも心に残っています。

そしてそんな自然豊かな中で生活している人々は、
大人も子供も、純粋で素朴な人たちです
自然を身近に感じながら、
その大切さ、心地よさを、日々実感しています。

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工藝好きの方なら、笠間に親しみを持つ方も多いですね。
産地ならではのものづくりの方々と自然が多い中で、
比呂さんの器が生まれてくるんですね。

比呂さんの出展場所は、「galleryらふと」と参道の脇の日本庭園調のスペース。
ホームページは、こちらになります。
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AppleMark

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石川恵美子さん

金属を素材に彫金の技法で作品を制作する
石川恵美子さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
石川さんは「工房からの風」にどのような作品を出品しますか?

A1
金属を素材に、彫金の技法で、制作した作品を出品します。

錫(スズ)という金属の器・皿・小皿・箸置・茶托・1輪挿し・キャンドルスタンドや、
アクセサリー(真鍮・シルバーチョーカー、シルバーチェーンネックレス・ピアスなど)など様々な作品を制作していきます。

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作品は、自分の描いた形から、金属板を糸鋸で切断し、
ヤスリで整え、槌で曲げたり叩いたり、
鑞(ロウ)付け・溶接したり、鏨(タガネ)で彫りを入れたり、
模様を入れたりと1つ1つの工程を経て完成した作品です。

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伝統のある街で、伝統的な仕事をきちんと身に付けられた石川さん。
金属ならではの表情を器などでぜひご覧になってみてください。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、石川さんはどのようなことを思いましたか?

A2
今回、私は初出展となります。
私は住んでいる所も出身も北陸で、
「工房からの風」という、ちょっと離れた所にある関東方面での出展が決まった時に、
感謝の気持ちで一杯になりました。
作品が誰かに何処かに伝わっていることを実感した瞬間です。
そして微力ながら、がんばらねばと身を引き締めた想いも芽生えてきました。

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出展が決まってから、いよいよですね。
この期間に創られたもの、やってくる二日間で感じたこと、
これからの糧になりますように。

Q3
石川さんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
街の中に、芸術や文化を感じられる所が数多く点在し、
現在もなお進行形で、芸術・文化の発展に尽力しているところは、住んでいて実感します。
そこに住んでいる私も、芸術・文化の勉強になっていることを実感します。

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石川さんの工房名はスノーフレーク。
スズランスイセンのことでしょうか。
可憐な花の名と金属の美しさが響きあいます。

石川さんの出展場所は、コルトン広場、
スペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
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ako hiroshige

手編みで帽子を制作をされる
ako hiroshigeさんからのメッセージをご紹介します。

Q1
「工房からの風」に、ako hiroshigeさんは
どのような作品を出品しますか?

A1
ヤクとキャメルの原毛の手紡ぎ糸で編んだ帽子とネックウォーマーを。

やわらかくてふんわりした素材が好き。
これまで色んな素材を織ったり編んだりしてきましたが、
数年前に和綿を知って糸紡ぎをはじめてから、
紡ぎの素材探しの中で出会ったのが、ヤクの原毛。
紡いでも編んでも優しく柔らかいまま、ずっと探していた感触。
手にしっくりと馴染んでくれて、心地よく仕事ができる素材です。

帽子を初めて編んだのは、スウェーデン留学中に最初の冬を迎えた時。
外の冷たい寒さに頭や耳が痛くて、今すぐ帽子が欲しい!
遠い町まで買いに出るよりそばにある毛糸で編んだ方が早いと、
クラスの友達に教わって編んだのがきっかけです。

実際は、編み上げるのに何週間もかかったので、
買いに行った方がきっと早かったのですが。
今は便利な世の中で
「普段の生活に必要なものを自分で作る」
というとてもシンプルなことを忘れがちですが、
異国の田舎暮らしではそれはごく自然なことで、
時間の流れもゆるやかで穏やかな日々でした。
帽子は、私の手仕事の原点を思い出させてくれる、
心温まるアイテムです。

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『ずっと探していた感触』である素材を用いて、
『手仕事の原点』である帽子を作る。
ako hiroshigeさんのお仕事には、喜びと確かさが詰まっていますね。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、どのようなことを思いましたか?

A2
長年、自分探しをしながら制作を続けてきましたが、
表現方法も作るものも絶えず変化していたので、
なかなか自信が持てず一貫性もないように感じていました。

でもそうではなくて、
広いすそ野から自分なりのてっぺんへと登っていく道を、
長い時間かけて少しづつ進んでいるところなんだ、と思えました。
道に迷い遠回りをしながらも、その時々に感じることを大事にやって来てよかったと。

まだその道は続きますが、これからも自分自身と向き合って進んで行きたいです。

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『広いすそ野から自分なりのてっぺんへと登っていく道を、長い時間かけて少しづつ進んでいる』
という言葉は、よほど自分を見つめないと出てこないものですね。
見つめる時間もとても大切ですが、今回のように、
たくさんの方々の「手」や「想い」を感じながら、
ひたすら手を動かすこともako hiroshigeさんには必要な時間だったかもしれませんね。
案ずるより生むが易し、なんでもwelcomeになって、自信をもって開いてみる。
今展がそんな機会になったらよいですね。

Q3
ako hiroshigesさんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
ステキなお店がたくさんある!

カフェ、ケーキ屋さん、パン屋さん、
定食屋さん、雑貨屋さんなど、どんな種類のお店でも、
しっかりした軸を持った人が経営するお店には、独特の魅力があります。

そのお店にあるモノや人が作り出す空気が心地よいと、
カラダの真ん中からじんわりとするような。
そんなほんわかした気持ちや元気をもらえる場所や人に出会ったとき、
この街に越してきてよかったなぁと思います。

田舎ではないけどちょっとゆったりめな街での日常、手仕事のある暮らし。
“今”を大切にしたいです。

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素敵な町ですね。
私はどこだか知っていますが(笑)、お書きになっていなかったので、
謎?なままにしておきますね。
関心のある方は、ぜひ直接会場でお尋ねになってみてください!

ako hiroshigeさんの出展場所は、galleryらふとの脇、
参道のほとり。
小さなニット帽子屋さんが森に出現!みたいな
絵本の中のような展開になったらいいですね。

ホームページはこちらになります。
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