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染と織 樹庵/染織

Q1
今回、最南端、沖縄県から出展くださる樹庵さん。
沖縄県の浜比嘉島から。
浜比嘉島を存じ上げなかったので、お調べしたところ、地図ではこのような位置にありました。

浜比嘉島から「工房からの風」へ、どのような作品を出品くださいますか?

A1
「島の自然を染め、情景を織り込む」をテーマに沖縄県の浜比嘉島で布を織っています。
島で採取した植物を中心に草木で糸を染め、ストールやコースターなどを手織りで制作しています。


吉野格子ストール(相思樹)

昨年、浜比嘉島の山道で長年島の生活を見守っていた大きな相思樹が伐採されました。
樹皮を剥いで井戸水で炊き出すと真っ赤な液が現れ、どんな色に染まるのかワクワクしながら染液に糸を浸しました。
今回はその相思樹の色を生かした作品を中心に出品します。
淡いピンクからこげ茶色まで様々な色に染まりましたが、特に数ヶ月かけて染め重ねた深い茶色のストールは制作過程での学びも多く、この展示会に向けて織った中でも特に思い入れのある作品です。
植物の繊細な色合いをぜひ見ていただきたいです。


ロートン織ストール(相思樹)


花織とヤシラミのコースター(福木)

そのほか太番手のリネンで織ったコースターや名刺入れ、敷き布などを出品します。
作品を通して島の風をお届けできれば嬉しいです。

Q2
樹庵さんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
インドネシアの手織りの布です。

沖縄や日本の織物と比べて密度の高い文様はエキゾチックで、東南アジアの熱帯雨林を思わせる濃密さですが、技法や色使い等ところどころ沖縄の織物と通じる部分があるのがとても面白いと思います。
実際、交易を通して琉球王国と東南アジアには深いつながりがあり、沖縄の伝統織物にも影響を与えたそうです。

学生時代インドネシアの伝統織物や芸能に興味がありバリ島に1ヶ月ほど滞在しましたが、人々の暮らしや景観、生み出される芸術にはやはり沖縄と通じるものがあり、その土地の風土と海を越えた交流の中から、染織をはじめとした独自の文化が立ち現れるのを肌で感じることができました。
この時の経験が浜比嘉島で制作する上での基盤になっていると思います。

とてもシックな作品からは意外でしたが、樹庵さんは30代半ばの作家。
制作の根本、泉が豊かにある方なのだと思います。
その手に成る布を介して、風土のこと、染織のこと、皆様もお話ししたいことがたくさんだと思います。

樹庵さんの出展場所は、コルトン広場。
スペイン階段前のテントで、モニュメントに向かって開かれたところです。

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