director's voice

Taller Uraraka/染布

Q1
2019年にスペインから出展くださったTaller Uraraka、片岡陽子さん。
コロナ禍を経て、再びこの場へやってきてくださいます。
今展にはどのような作品をお出しくださいますか?

A1
沖縄で学んだ紅型の技法を使って身近な動植物をモチーフに型を彫り、顔料と庭の草木から色をもらい暮らしまわりの布物を染めてます。
使い手の日々の暮らしに寄り添い、使ううちに愛着がわき家族のように長く付き合っていただける布モノ制作を目指しています。

Taller Urarakaは日本語でウララカ工房という意味。
スペイン北部の森から心ゆるむウララカな気分を届ける小さな染工房です。

カレンダーや小銭入れの様な小品から、のれんや半幅帯地など少し大きめの作品もいくつか出展します。
この機会に実際に見ていただけたら嬉しいです。


巳年型染カレンダー
今年11年目となるカタルーニャの田舎暮らしを図案にした型染カレンダー。
2025年は地元の土からの顔料もとりいれて全体的に温かい素朴な風合。
世界中どこの国でも使える様に月曜始まりで日曜だけ赤くなっています。
西と東の文化の架け橋となるような、一年を通して季節の移ろいを楽しむカレンダー。


A5ノートカバー≪龍≫
最近は紙に書く・描く人は段々少なくなってきているかもしれませんが、私は紙に書くことで自分と対話します。
日記や染色メモ、料理レシピ、図案などふだん一番使っているA5ノートのサイズで布カバーを作りました。


風呂敷布≪森≫
58㎝四方の風呂敷布。
モノを包むだけでなく、テーブルに敷いたり棚の目隠しやクッションを包んだり、一枚の布として自由に使って頂けたら。


ポシェット≪野花≫ 日々の散歩やちょっとした外出に、身軽にスマホやカードだけ入れて出かけるサイズのポシェット。


ポーチ≪飛魚≫
内ポケット付きで筆入れ、化粧品、裁縫セットなど日々の細々したモノを入れる多目的ポーチ、底幅があり安定して立ちます。

Q2
Taller Uraraka、片岡陽子さんが、12歳の頃になりたかった職業を教えてください。

A2
動物に関係のある仕事。
実家が井の頭自然文化園の近くにあり、当時小学生以下は入場無料だったので頻繁に通っていました。
水生動物園の飼育係の方と親しくなり、水族館の裏側で生まれたての水鳥のヒナや病気で隔離された動物を見せてもらったり、水槽の上から係の方と一緒に餌をあげたりしてました。

好きなテレビ番組は野生の王国とムツゴロウ王国シリーズ。
結局動物に関連した職にはつきませんでしたが、暮らしの中で動物たちの方が、人より一緒に過ごす時間が長いかもしれません。
図案の中にも自然と動物達が登場します。

東京・井の頭公園近くで育ち、沖縄で紅型染めを学び、スペイン・カタルーニャ地方に暮らしながら制作を続ける陽子さん。
その独特な紅型染めは、まさに「うららか」な印象です。
思わず笑顔になるようなデザインが、しっとしとした色合い、風合いと相まって不思議な心地よさを感じさせてくれます。
それは、まさに作者からいただく印象で。
スペインからやってくる作家と作品を介したお話をぜひに。

Taller Urarakaさんのブースは、ニッケ鎮守の杜に入って右手、銀座アスターを背に4基並ぶ中。
菅野あゆみさんのお隣です。

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そして、工房や暮らしを映したyoutubeも是非、ご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=VxxwBt-y3YM&t=17s