director's voice

die Tasche(革)さんより

コルトン広場、モニュメント周りのテントで出展くださった革のdie Taschさん。
風人さん数名が、小さな革財布を選ばれていたと。
お財布には特にこだわりをもって制作されているそうで、同じ作り手として、響きあうものがあったみたいです。

die Taschさんから届いたメールの一部を共有させていただきますね。

・・・この度は工房からの風出展させていただき誠にありがとうございます。
また、諸々の手厚いサポート、細やかなご連絡など大変ありがたく存じます。

無事に工房へも帰り、後片付けなど済ませ、日々の暮らしに戻りました。

出展が決まり、2月のミーティングから開催日まで、
「工房からの風」のことはずっとついて回っていました。

「新しいことへのチャレンジの場」
という言葉がありました。
当時の自分にはまさにぴったりの言葉で、
この1年で鞄の新作をいくつも完成させることができました。
また、出展時の什器を抜本的に見直し、形状や見やすさなどを考慮し、一から作り直しました。
形而下での変化はそのように表すことができました。

そして恐らく今後にもつながっていくと思われる、精神的な部分こそ、大きい変化があったと思います。

ミーティングでの忌憚ない言葉により怯む気持ちもありつつ、大きな礎のような思想を受け取ったと思っています。
風人さんのひたむきな姿勢、朴訥とした語り口の奥に感じられた情熱に、確実に灼かれるような思いがありました。
ひとつのことに対して真正面から対峙する、ということの難しさ、大変さ、それをまず改めて感じ入り、さらにその大変な事に実際に取り掛った経験談であったと思います。
そのような事業を成し遂げた人たちの言葉として受け取りました。
そしてその舞台としての「工房からの風」

「50組の出展作家がいるとすれば50組の個展を同時開催するイメージ」
という言葉がありました。

それが出来るような工夫を凝らしつつ、なんとなくうまいこと出来ているかよくわからない状態で挑んだ初日。
自身のブースにのみ注力していた状態で、緊張や様々な新しいことに身を引き締めることで、周りを見渡す余裕はあまりなかったように思い返します。
二日目の朝、庭人さんたちとつくられたという草花を見て、その言葉と繋がった感じがありました。
ゆったりとした気持ちで、この大きな町(と形容していいのでしょうか(工房からの風)の空間のことです)を構成する一つとしてのdie Tasche、という気持ちで、半ばたゆたうような気分で過ごしていたように思います。
とても楽しく過ごすことができました。

die Taschさんとは、なかなか機会が持てずに開催までゆっくりお話しができなかったのですが、こうして丁寧なメールをいただけて、企画者としてはとてもうれしいです。
このように真摯に取り組んでくださったこと。
当日をこのように感じでくださったこと。
すべてdie Taschさんの財産になりますね。

そう、私宛に書いてくださった文章ですが、「書く」ことはまずご自身と向き合うことですから、ご自身のためにとても豊かなことと思います。
この場に掲載するしないは関係なく、ぜひ、一区切り、書いてみることをお勧めします。
この経験をもっと育むために。

die Taschさんの開催前のメッセージはこちらです。
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