director's voice

機会

機会

「工房からの風」では、出展前に集まる機会を設けます。
1回目は、1次通過の方で1月
2回目は、2次通過も加わり第一回の全体ミーティングを4月に
3回目は、8月の終わり

先日、2回目となる全体MTGを行いました。
北海道から沖縄まで。
任意の参加ながら、万障繰り合わせて集ってくださった作家の方々。
ニッケ鎮守の杜中央の八重桜の前で記念撮影。

当日の私からの最初のご挨拶を要約してこちらへ。

ようこそ!
第23回工房からの風に応募くださり、ありがとうございました。
そして、見事選考を通過されましたこと、あらためて敬意を表します。
ようこそ!と心から皆さんを歓迎いたします。

工房からの風
これは、ひとつの「機会」です。
この機会を、10月25日、26日の当日、出展してよかった!
としていただくのもよいでしょう。
まずは、ぜひ、そうしていただきたいと思います。

でも、もっと欲張りになってみませんか?
この「機会」をもっと豊かに、重層的にしてみませんか。
まず、今日、こうして出席されたこと。
すでに「機会」にされていますね。
今日の「機会」は、「出会い」と「気づき」の「機会」と私は思います。
多くの作家の方にとって、「はじめまして」の出会いが多かったことと思います。
この出会いは、ただの出会いではありません。
この国において、同時代に工藝、ものづくりに真剣にとり組む、決して多くはない人同士の出会いです。
このはじめましてから、今後のものづくり人生にとって、かけがえのない作家仲間がきっと生まれてくることでしょう。

そして気づき。
今日、私も心を込めて皆さんのこれからの作家人生、ものづくりの時間に向けて、惜しみなく想いを言葉にしたいと思っています。
その中から、皆さんにとって養分になるような気づきを得ていただけたらと願っています。
また、風人さん、スタッフ、何よりこの場に集った自分以外の作家の方々の言葉も、きっと気づきにつながると思います。

けれど、ひとつアドバイスです。
気づき、とは、いくら言葉が降ってきても、受け止める側に求める心がなければ、気づきになりません。
ぜひ、今日、変な緊張なんか手放して、しなやかに佳き物事を、全身で吸収していただきたいと思います。

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今回、初めてZoomも活用してみました。
現場での臨場感には及ばないかと思いますが、この機会、経験をゼロではなく少しでも得ていただけたらとの想いです。
広い空間での音声を拾ってのことで、聞きづらい点もあったかと思い申し訳ない気持ちもあったのですが、
Zoom参加された東北在住の作家の方から、素敵なメッセージをメールでいただきました。
一部を許可をいただきましたので、共有いたしますね。

直接参加に勝るものはもちろんありませんが、それでも
“技術を高めることは礎となる”、
“万人にウケる必要はない”、
“供給量と需要量のバランス”、
“工房からの風がゴールではない”
などなど、気付きとなったり得心したりしました。

ベクトルの違う、激励と発破と受容を如雨露(ジョーロ)に入れてそっと注がれたような、勝手ながら愛に包まれた様な気分でおります。

効率重視の現代にあって、一つ一つを手で生み出す仕事は、時代の求めに逆行するところがあるかもしれません。
それでも、省くことのできない、手がけなければおけない工程を経て生み出していく制作。
それを続けていくためには、何をあきらめず、何を手放すか。
それには、まず自分の真ん中にあるものや初期感動という源泉などをしっかり見つめなおして、そこからぶれないことだと思います。

私がエラソーに言っています(書いています)が、
これは、現在幸せなものづくり人生を送っている、成功している作家の方の姿から学んだことなのです。
私は、それを次の世代の作家に伝えているだけ。
愛をもって。

第23回工房からの風
北海道から沖縄まで、全国に散らばった55の工房では、すでに秋の実りに向けて制作が始まっています。
今年の工房からの風、乞うご期待ください。