director's voice

橋本晶子さん 篠(すず)竹 岩手

今年も民具の若き作り手が出展くださいます。
岩手県の伝統工芸、篠竹の橋本晶子さん。
すずだけ、と呼ばれる細めの竹は、
東北の暮らしを支える道具づくりに生かされてきました。
現在では、多くが高齢の作り手ばかりとなった中で、
30代の橋本さんが精一杯制作に励んでいます。

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Q
橋本さんはどのような作品を出品くださいますか?

A
「すず竹」という細い竹を使い籠を作っています。
伝統的な物から、普段あまり市場に出回らないものまで、
暮らしにそっと寄り添う籠をご用意しております。

素材の調達から、ひごづくり、そしてデザイン、制作と、
一貫してものづくりに従事する橋本さん。
伝統的なものは先人への敬意を心に宿しながら、使い人の手に添うよう丁寧に。
オリジナルの作品は、新たな使い手との出会いが広がるように新鮮に。

素材調達から完成まで時間のかかるものづくりですが、
辛抱強くこつこつと制作する橋本さん。
「工房からの風」に出展が決まってから、
ひときわ時間を惜しむように作品を作りためてくださっています。

素材のこと、後継者のこと、経済のこと。。。
現実には、たくさんの困難も抱える中にあっても、よきものを作りたい!
という想いの純度が、橋本さんの仕事には貫かれているようです。

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Q
出展が決まってから、橋本さんご自身やお仕事などに何か変化はありましたでしょうか?

A
目標が明確になったことで、あらためて一日一日を大切にしていきたいと思うようになりました。

民俗学のフィールドワークもしている橋本さん。
おじいさんやおばあさんのお話しをじっくり聞いて、それをのこし、
また、ご自身の制作や生き方にも生かしていることを伺いました。

今回の「工房からの風」を通しては、同世代の作り手たちとの出会いを通して、
また新たな種を心に蒔かれたのではないでしょうか。
橋本さんのような方から、また次の世代につながっていくものが、
たくさん生まれてくるような気がします。

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Q
橋本さんの好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
大切にしている言葉を教えてください。

A
「人とのつながりが人を育てる」

つくり手として今の私があるのは、たくさんの人たちの支えがあったからこそ。
普段こもりがちな作業が多い分、大切にしたい言葉です。

この夏、橋本さん、今回出展のこぎん刺しの角館徳子さん、藍染めの戸塚みきさん、
箒の吉田慎司さん、真竹の勢司恵美さんとの座談会を開きました。
その時のことも、いずれ記事に!
そして、何より根源的なものづくりに惹かれるこの方たちの仕事が、今年は一堂に会します。
(吉田さん、勢司さんには、一部作品販売のほか、ワークショップで参加いただきます)
こんなつながりからも、橋本さんのお仕事、ますます豊かになっていかれますね。

橋本晶子さんの出展場所は、おりひめ神社の正面右側。

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