今回の木工作家の中で唯一の女性、山口陽子さん。
CHIGUMA(チグマ)という工房名で作品を発表しています。
Q1
CHIGUMAさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
無垢の木を使った手彫りのお皿、ボウルを中心に、
スプーンやカットボード、漆ぬりのプレートなどを出品します。
器はひとつひとつ、
心地よい厚み、心地よい重みを探りながら彫りだしていきます。
手で持ちあげたときの感触を大事にしています。
自然の美しさを感じられるような、包容力の豊かなものとなるように。
ぜひ末長くお使いいただけたらと思います。
CHIGUMAさんの器の魅力は、心地よいヴォリューム感。
やや厚めの形でありながら、洗練されたフォルムなのです。
薄くて洗練、というのは比較的ありますが、
厚くて洗練というところが印象的で、
普段使いはもちろんですが、リビングのインテリア的な木の器としてもおすすめなのです。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?
A2
むかし旅人になりたかったので、、
工房ではいつもどこかのワールドミュージックを。
最近は Caetano Veloso をよく聴きながら
気持ちだけブラジル旅行してます♪
作られる木の器ととっても似合った音楽ですね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
まっさきに思い浮かんだのは、
軽井沢にあるアントニン・レーモンド設計の聖パウロカトリック教会です。
木工をはじめる前、教会建築に魅せられ建築を学んでいて、
何度も足を運びました。
とんがった三角屋根、それが豪快に木の丸太を組んで作られていて、
野性的というか木の持つ力強さを感じました。
それでいて差しこむ陽のひかりを優しくうけとめて、
空間全体がとてもやわらかく、心地よい。
そのときは自分が木に携わる仕事をするとは思っていませんでしたが、
木という素材を体感し、その魅力を知るきっかけとなりました。
山口さんの興味関心のあること、学んできたこと。
そのひとつひとつの種子のようなものが、
じんわり木の器となって現れているのでしょうか。
山口さんという作り手のならではの美意識、
作りたいものがきっと明確にあるのだと感じています。
今はまだその一部が完成したところなのかもしれませんが、
あせらず、ひとつひとつの姿を完成させて、
新鮮な木の器、作品づくりを進めてほしいと願っています。
CHIGUMAさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、
galleryらふとの前方、砂利道をはさんだあたりです。
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