Q1
アトリエカンタの新井良子さん。
「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?
A1
工房からの風に出展が決まってから、今まで作ってきた作品を作り方から全て見直しました。
今持っている力でできるだけ錫の可能性を感じていただけるように、酒器を中心に花器、食器、雑貨など色々なフォルムやテクスチャのものを出品いたします。
こんな事も出来るんだ、、面白い素材だな、と思っていただけければ幸いです。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
私を一番シンプルにしてくれるのが、この行商用の背負子です。
これは、元舞台美術の方に依頼して作っていただいたもので、ディスプレイ台にもなります。
これを背負って出展すると、「モノと自分」ただそれだけという感じが気持ち良く、凛とします。
背負って電車移動すればそれなりに注目されますが、意外とそれ程でもありません。
そういう事を思い出させてくれるかけがえのないモノです。
Q3
アトリエカンタさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
錫をやっていきたいと思い始めたのは、やっている方が少ないからです。
その分、やり尽くされていないと感じていました。
私は、ものづくりという面で優れているとはいえないけれど、
錫を好きだという点においてはかなりいい線いくのではないか…
そう思ったのがきっかけです。
ものづくりを始めてから、色んな方に迷惑をかける事が多くなりました。
それでも笑って許して、ずっと変わらず応援してくれる。
その方々そのものが私の種火です。
ヨーロッパでは食器の素材として広く使われてきた錫、ピューター。
日本では、お茶の味を引き立てたてると言われ、その表情のある種の寂びに、茶の湯などでも重用されてきた素材です。
伝統的な造形は熟したものがありますが、現代の私たちの暮らしの中で、素敵に心地よく使う錫の器って、もっと広がってよいように思います。
錫ならではの今の器。
アトリエカンタさんも、そのような想いもお持ちかと思います。
そのために、伝統をリスペクトしつつ、発送を柔らかにしてものづくりに励んでいらっしゃるのですね。
まずは、ひとつずつのかたちを生み出し、提案していく。
この積み重ねの中で、アトリエカンタさんならではの錫の作品世界が確立されていくのだと思います。
今展では、まずブースで作品を見て、触れていただき、その使われる姿を想像して、作家とお話をしていただければと思います。
そうそう、この魅力的なディスプレイ台も見てみたい!ですよね。
ぜひ、感想、コメントもお伝えくださいね。
アトリエカンタさんの出展場所は、スペイン階段前です。