director's voice

per.(装身具)

Q1
2018年に出展くださったper.さん。(ピーイーアール)
今回の「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
メインアイテムであるブローチ作品を中心に、時折限定的に展開しているイヤリングやピアスなどの作品も一部ご用意し、今作・新作おり混ぜた展示を思考しています。

彫金技法をベースに、独特の佇まいながらも工藝品のような造形美と機能性にこだわりながら、一点ずつ手作業で制作しています。

老若男女問わず、誰のそばにもそっと寄り添えるようなジュエリー作品を、ぜひ直接ご覧頂きたいです。

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Q2
per.さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
制作で使うものはどれも重要ですが、なかでも「すり板」は思い入れが強いです。
すり板とは、材料を糸のこで切る、ヤスリをかけるなど、様々な工程の支えや台として用いる彫金には欠かせない道具。
基本的な作業の大半をこの板の上で行います。

こちらは per. として活動し始めたときから約6年程使用しているもので、作品の形状に応じて当てる箇所を加工したり、自然に削れたりして、徐々に馴染んできました。
じっくり眺めてみると、歩んできた過程や作品の変化などが垣間見え、これまでの悲喜交交が詰まっているように感じます。
今後も大事に扱いながら、制作活動の記憶を一緒に重ねていきたいと思います。

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Q3
per.さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
金属作家 岩江圭祐さんの「SUSAB/game」を挙げさせて頂きます。
多角的なアプローチにより、美しく独創的な作品を制作されていらっしゃいますが、特に「SUSAB」シリーズはユニークです。
一見すると金属の塊のそれらは、五感を慰める遊具としての用途を備えています。
握って質感を確かめたり、佇まいをじっと眺めてみたり…
なんでもないようなこの行為が、不思議と癒しや安心感を与えます。

私の所有している「SUSAB/game」は3種のテーブルゲームがモチーフ。
素材感や作用は変わらずに、造形が具象化することで、それぞれの特徴的な所作の心地良さも楽しめます。

岩江さんの “物と人の関係性” への独自の視点。その魅力をさらに身近なものとして落とし込まれた「SUSAB/game」は、まさしく工藝的であり、秀逸だと強く感じます。
手の中で遊ぶたびに、多くの気づきと刺激を頂ける、私の大切な一品です。

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4年ぶりにお会いしたper.さんは、作品がふくふくと広がり、深まり、
作家として豊かな4年間を過ごされたことを感じさせてくれるお仕事ぶりでした。

「工房からの風」当日には、その全容が並べられますね。
作品を巡ってのお話とともに、楽しむ方々多いのではないでしょうか。

per.さんのブースは、コルトン広場、スペイン階段前。

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