Q1
2015年に出展くださったväliさん。(ワリ、とお読みします)
「工房からの風」には、7年ぶりですが、今回はどのような作品を出品されますか?
A1
かぎ針を用いた糸装身具と、色を纏うと題して製作している天然石のお品をお持ちします。
今回装身具とは別に、近年好きで製作している古布のものも出品します。
近年、国内外で襤褸(ぼろ)の評価があがり、襤褸に関しては取引があるのですが、その一方、評価をされない古布が存在します。
私が使う古布は、襤褸より綺麗で、すこし襤褸としての魅力には欠けるかもしれないけれど、触れた感触が優しいもの。
そんな布で自分が作っていて楽しいと感じたものをプラスで製作しました。
あえて金具を付けず、装身具の概念を取り外し、自由に身につけてもらえたらいいなと思っています。
Q2
väliさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
部屋の片隅に置いているイギリスの古い椅子です。
ここに座って繕いをしたりお茶の時間を楽しんでいます。
(椅子の上で座っているくまさんは次回繕いをする予定です。
骨董市の隅っこの方でそっとこちらを伺っていたので、レスキューしてきました。)
沢山の人が代わる代わる座ってきただろうその椅子は、木の質感や座り心地が良く、身体が守られている様な優しさも感じるいい椅子です。
Q3
väliさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。
A3
生活の中に工藝品がそこかしこにあって、どれも大切に愛用しているからどれを紹介するべきかと悩みましたが、今回ご紹介するのは、毎日何度となく愛用している木製のカトラリーです。
自称スプーンコレクターで、様々な素材、形のスプーンを所持しています。
きっかけはフランスに行った時、道具の種類の多さに圧倒され、カトラリーだけでも用途が分かれていて面白いなと思って集め始めました。
木製のカトラリーを作っている人はたくさんいるけど、この方は他の人とは違う何かがあります。
この何かは私の感覚だから言葉に置き換えることは難しいけど、でもすごくいい仕事をしています。
糸を編むことで装身具を生み出すväliさんですが、骨董の目が効き、金継ぎや繕いなど細やかな手仕事も深く探求と実践を続ける方でもあります。
幅広いようでいて、関心を寄せて手を動かすことは一貫しているväliさんには、「väli」というブランドを超えて、水野久美子さんとしての制作発表をしてほしいなぁと思ってきました。
とはいえ、途方もなく細かな手しごとゆえ、今回その全容を表現していただくことは叶いませんでしたが、
ほんの兆しでも感じていただけるような展示にしていただけるかと思います。
väliさんの出展ブースは、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの左側(おりひめ神社に向かって)。
作家ページはこちらになります。
→ click