director's voice

杉田創作(木工)

Q1
岐阜県加茂郡で杉田創作という工房名で木工作品を制作する杉田悠羽さん。
杉田さんも2020年の出展を見送らなくてはならなくて、今回新たに挑戦くださったのでした。
いよいよですね。
20回目のアニバーサリー展、どのような作品を出品されますか?

A1
主にコーヒーとスパイス関係の作品をお持ちします。
特に力を入れている木製のコーヒードリッパーはコーヒーロースターさんの意見を盛り込み、性能と使い勝手を重視しました。
近年、コーヒーを豆から挽いて楽しむ方が増えておりますが展示では木製道具の魅力をしっかりお伝えできるように準備したいと思います。

スパイス関係は胡椒や岩塩、山椒などにも使えるスパイスミルをお持ちします。
ミルで大切な刃の部分はデンマークから輸入しているセラミック刃になります。
このセラミック刃は日本と関わりが深く、高い熱量を感じます。

また活動の主軸でもある南京鉋という小さい鉋も出品予定です。
開催日には削りの実演しておりますのでぜひ試し削りしていただきたいと思います。

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Q2
杉田さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
大切にしている道具はなんといっても南京鉋です。
南京鉋で木を削っている時はしっかり木という生命に向き合っている感じがします。
現在、鉄の道具をつくる鍛冶屋さんが激減しております。道具を使ったものづくりを通して手道具の魅力を伝えられたらと思っております。
今年は「削りロバ」という馬型の折りたたみ作業台が新たに仲間入りしました。
これがあれば出展のときも実演やワークショップが出来るので本当に心強い仲間たちです。

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Q3
杉田さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
進路に迷っていた時期に一本の匙に出会いました。
その匙は刃物で仕上げられており、特に裏面の刃物跡がとても、とても美しい匙でした。
この匙のおかげで今の自分があります。
匙一本が人の心を動かす‥願わくば人に良い影響を与えられるようなつくり手になりたいと思います。

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この二年間で作品が広がり深まったように感じられる杉田さんのお仕事。
使い手の日々に潤いを与えてくれる道具との出会いがありますね。

杉田創作さんの出展ブースは、ニッケ鎮守の杜に入って右手すぐ。
金属の橋本瞳さんが隣です。

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