Q1
東京都多摩市で制作をするenkuの原田賢一さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
藍の葉を発酵させたすくもと呼ばれる染料から藍を建て、天然の藍のみで染色し、様々な革小物を製作しております。
革はすぐには染まらない為に手のかかる素材ですが、一切色を足したりせず藍だけでここまで濃く染め上げております。
革も藍も天然素材ですので、二つとして同じ状態の物はありません。
それぞれの状態を見極めながら、一枚ごとに合わせて少しづつ工程を変えながら染色を行っております。
染料と時間をかけ徐々に色づき奥深さを増していく様は、革を育てているような感覚。
手がける時間が長い程、愛着も増していきます。
革というのは不思議なもので、同じものを作っても使い手により様々な表情に変化してまいります。
共に過ごした時間と共に愛着を増していく革が、より自然に近く温かみを感じるものであったらと思い作り続けております。
Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
この仕事を始める頃からお世話になっている、今は無き加賀谷刃物製作所さんの革包丁です。
職人気質が多い浅草周辺で、何も知らない若手にも刃物のイロハや研ぎ方など優しく丁寧に教えてくださいました。
革包丁以外にも道具の選び方を教えていただいたり、こんな道具があったらと相談すると、食い切りやケガキ、時には特注で製作してくれたフチ捻やヘリ落としなど用意していただきました。
今でも私の仕事を支えてくれている大切な道具達ばかりです。
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
300年以上の歴史を持ち、東京都の伝統工芸品に指定されている江戸屋さんの「引き染め刷毛」です。
革に染料を馴染ませたり、型染のノリを落としたり、藍を落とす時や革を濯ぐ際など、私の染色工程に欠かせない道具として愛用しています。
今では親指と人差し指で握り、形も重さも心地よく感じるくらいに馴染んでおります。
藍が見事に染みついた頼もしい手。
布ではなく革を染めてのものづくり。
なかなか出会えない独自の展開を進めるenku、原田さんのお仕事です。
今回、12名の作家の制作光景を映像を編集したものを制作しています。
youtube版は少し長めで、インスタグラム版は短めに制作しました。
enkuさんも登場しているインスタグラム版はこちらになります。
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工房からの風、当日のenkuさんの出展場所は、おりひめ神社、お社の裏手。
ホームページはこちらです。
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