2024年 工房からの風

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逢見祥平さん/木工

Q1
今年は、木工作家の方もとても充実しています。
さまざまな想い、さまざまなかたち。
初出展の逢見祥平さんは、「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
群馬県の山奥、長野と埼玉と接する位置にある上野村で、原木から木の器を制作しています。
地元の伐採業者や材木市場から集めた原木をチェーンソーで切り出し、木工ろくろで木を回しながら自作の刃物で削り出しています。

これからの寒い季節に出番の多くなるお椀や湯呑み等を中心に、丼やぐい呑みなども出品します。
通常の仕上げ工程を終えてから木目を際立たせる浮造り加工し、
その上から鉄媒染で黒く染め、拭き漆を重ね、最後に木目に白漆を擦り込んだ仕上げのものがメインになります。
内側が拭き漆仕上げのものと、蒔地仕上げのものがあります。

そして今回はじめてお披露目する新作の器もあります。
肌寒い秋冬に食べたい親子丼やうどんに最適な5寸丼や、
家族分の炒め物やパスタにも使える6寸鉢、
晩酌が楽しみになるぐい呑み、
など、食卓をより楽しく温かくしてくれる器たちを持っていきます。


ぐい呑み 拭き漆


お椀 鉄媒染白漆


6寸鉢 鉄媒染白漆


5寸鉢 吹き漆 内蒔地面


お椀 鉄媒染拭き漆

Q2
逢見祥平さんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
祖父の作った深皿です。
おそらく、私が生まれる前から実家にあるものです。
家族分の炒め物や煮物、たくさん食べたい時は、このお皿にチャーハンを山盛りにしたり。
30年以上ずっと食卓の一員として活躍しています。

私自身もものづくりをする立場となってからは、祖父の作った深皿のように、ずっと食卓で使ってもらえるような器を作りたい・・・
そんな目標にもなっています。

なんと風格、味わいのある器なんでしょう。
見せてくださってありがとうございます。
陶芸家だったおじい様から日々の食卓を通しても、脈々と続くものがあるんですね。

逢見祥平さんの出展ブースは、おりひめ神社正面から見て左側です。
ホームページはこちらです。
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川端マリコさん/木工

Q1
岐阜県大垣市で木工制作をする川端マリコさん。
「工房からの風」では、どのような作品をお持ちくださいますか?

A1
古い時代の木工の手法を用い、おもに北欧形のスプーンを中心に制作しています。
材料は森林整備の過程で伐りだした流通することのない、身近で育った新鮮な生木の小径樹です。

丸太を割り、斧と2種類のナイフでスプーンを削りだしています。
割った表情をみて手書きで絵を描き、手彫りし、樹の生み出すゆらぎをフォルムに残すよう仕上げており、すべて一点ものです。
特にサクラ類は小径樹の表情が豊かで、削り進めてゆくなかで現れる色や模様の個性は万華鏡を覗いているような楽しさがあります。

樹の育った場所へのフィールドワークもあり、体力と精神力のバランスが難しく年間300点ほどしか制作できない地道なものづくりではありますが、
健やかに森と関わりながら樹とともに創ってゆくことは日々の制作の喜びとなっています。
使い手のみなさまの銘々の手やお皿に馴染む作品を繋ぎ、身近な樹や森を想いながら食事の時間を楽しく・美味しく過ごしていただくためのお手伝いができましたら幸いです。

当日は新鮮なヤマザクラの丸太を持参し、ブースで日常と変わらぬ制作もいたします。
伐られた経緯、フレッシュならではの瑞々しさや華やかな香りにも触れていただけるよう準備中です。

活動拠点である岐阜県本巣市周辺で育ったヤマザクラやウワミズザクラを使ったオイル仕上げの作品を中心に、作品を通じてご縁のある長野県木曽町育ちのシラカバを使い、一部拭き漆で仕上げた作品を出品いたします。
樹皮をスプーンの持ち手に残した拭き漆仕上げの作品は、今回大きめのサイズをご用意しました。
漆を纏った樹皮の美しい表情が個性的な作品となりました。

一点ものの作品、130点を出品いたします。
それぞれお手に取り、さまざまな角度からご鑑賞くださいませ。


ディナースプーン


ヤマザクラとウワミズザクラの作品


拭き漆仕上げの作品


ヤマザクラの生木


当日はブース内で制作いたします。
このような感じで行う予定です。

Q2
川端マリコさんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
燕鎚起銅器の湯沸です。
ぽわんとしたフォルムや所々不規則な槌目模様、仕上げの金古色がさらに古びた姿・・・すべて好きです。

故郷である新潟県で茶器類揃えは昔から身近なものですが、わたしは観葉植物の水遣りとして使っています。
かわいさと風格が相まり、窓際で日々堂々と輝いています。
機械打ちのようではあるけれど、槌目模様がまばらなところに、人の手で作られた良さを感じます。
仕事の跡が残るテクスチャー好きは、幼い頃から身近にあった槌目模様が原点なのかもしれません。
銅は水をまろやかにするといわれており、植物は今日も健やかそうです。

HÖBAL SPOON
と名付けて活動される川端マリコさん。
いつも、たっぷりの文で想いを綴ってくださいます。
きっと、ここでは語りつくせない!~というわけではありませんが、
風人テント企画の「つくるひとの手ー工房からの風景」ご紹介する6人の作家のおひとりとして、寄稿文をいただいております。
こちらも、後日、このブログで掲載いたしますので、ぜひお読みください。

川端マリコさんの出展場所は、おりひめ神社の後方。
ホームページはこちらです。
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ipsilon/時計

Q1
埼玉県で時計制作をされるipsilon(イプシロン)さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
時計の文字盤・ケース・ベルト部分をデザイン制作した、ハンドクラフトウォッチを出品します。
今回は金属の仕事に重点を置こうと考え、蓋付懐中時計、バングルタイプの時計を意識的に作りました。


蓋付懐中時計
金属版を叩いてついた凸凹に愛着がわきそうな蓋の付いた懐中時計です。


●△□bangle watch WHITE
まるさんかくしかくを配置したbangle watch。文字盤は3色展開でお作りしました。
アクセサリーのように気軽に使っていただけたら。


simbolo J
産休明けすぐに作り始めたデザインです。
細かな時間を知るためではない時計を作りたくて、インデックスは記号のように。
ケースの大きさとベルトの華奢さ、アンバランスさが当時の自分に寄り添ってくれたような気がします。
今でもお気に入りのデザインです。

Q2
ipsilonさんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
留学していたイタリアフィレンツェでたまたま立ち寄ったマーケットで出会ったカップです。
女性の作家さんだったと思います。
土っぽい感じと温かみを感じるフォルムが好きで、手に取りました。

当時実家暮らしだった私が、初めて強い思いを持って買った食器だったと思います。
その後もマーケットにその作家さんがいるとひとつ。またひとつ…
最終的には4つになったカップ。
帰国の際はタオルや洋服でぐるぐるまきにしてスーツケースに詰めて大切に持ち帰ってきました。

イタリアに留学されていた方、金属装身具のm a n a m iさんもでしたね。
風人の彫金作家高橋亜心さんも。
イタリア談義に花が咲きそうですが、当日の賑わいの中で、そのような時間は作れるでしょうか。

ipsilon hand craft watch さんの出展場所は、おりひめ神社の後方。
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celeste/革・靴

Q1
スペイン語でスカイブルーを意味するceleste。
そのセレステを工房名とする稲垣哲さん。
「工房からの風」には、どのような作品をお持ちくださいますか?

A1
牛革をメインに使った革靴と、バッグ 財布 ベルトなどを出品したいと思っています。

しっかりと足を包み込み、足に馴染んでくる革と、滑りづらい素材の靴底で
「シンプルで歩きやすい」をコンセプトに革靴の製作をしています。

お客様の好きな色の革、糸、靴底の素材の組み合わせで、オリジナルの靴が生まれます。


内羽根


革スリッパ


ストラップ付サンダル


スエードショートブーツ

Q2
celeste稲垣哲さんが12歳のころ、将来は何になりたいと思っていましたか?

A2
12歳の頃はプロサッカー選手になりたいと思っていました。
まだJリーグもない時代でしたが、毎日サッカーボールを蹴っていました。


内羽根ブーツ

celesteとは、南米ウルグアイのサッカー代表チームのユニホームカラーで、愛称でもあるとのこと。
そのウルグアイで4年間サッカーに打ち込んできた経験もある稲垣哲さん。
出展場所は、ニッケ鎮守の杜、おりひめ神社お社の奥。

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いゑもり/金工

Q1
広島県から初出展くださる矢竹純さん。
「いゑもり」という工房名で制作をされています。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
主に銅を使った金属工芸で出展します。
金属工芸に欠かせないのは火と金槌、そして当て金と呼ばれる道具です。
叩いてなまして(火をあてて赤くすること)を繰り返すことで形を作っていきます。

今回出品する作品は衣食住のなかで食と住に力を入れました。
薬缶、急須、カップ、ぐい呑み、一輪挿し、ミラーなど
生活に馴染み愛着を持って使えるような作品を目指しました。


筒薬缶


コーヒー豆皿


茶匙

Q2
いゑもりさんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
栗のコースターです。
いつもお世話になっている木工作家の方から購入しました。
工房にお客さまがいらした時にコーヒーなどお出しする時に愛用しています。

金属を叩いて形作る鍛金(たんきん)による制作。
かたい金属が、やわらかな表情となって、美しい生活道具となっていきます。

今回も「工房からの風」のメインビジュアルを描いてくださった大野八生さん。
ちょうど鍛金の絵をかいてくださったが、今日印刷があがってきました。
当て金と金槌、こんな感じです。

いゑもりさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、おりひめ神社お社の向かって左側。
インスタグラムはこちらです。
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石毛みほさん/竹細工

Q1
二回めの出展となる石毛みほさん。
「工房からの風」には、どのような作品をお持ちくださいますか?

A1
栃木県大田原市にて、真竹(まだけ)でかごを作っています。
竹林で竹を切ってくるところから自分でやっています。

バッグのような持ち歩くものと、食卓で使えそうなものを主に作りました。
同じ編み方でも大きさや形を変えて、種類を多くしたつもりです。

普段使いながら末永く使えるものであったらいいなと思っています。
楽しんで見ていただけますように。


束ね編みバッグ


差し六ツ目編み盛かご


麻の葉編み舟形かご


かごの底の方のぷっくりしたところが私は好きです

Q2
石毛みほさんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
飛びかんな模様のうつわです。
他のうつわは電子レンジにがんがんかけていますが、このうつわはかけていません。
あまり意識はしてなかったのですが、大切にしているのかも。
テレビでこの模様の付け方を見てからこの模様が好きになったように思います。
色も気に入っています。

飛びかんな。
陶芸(工藝)特有の言葉に惹かれます。
美しさが、石毛みほさんの竹細工に通じますね。

石毛みほさんの出展場所は、稲荷社のほとり。
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奥田紀佐さん/蝋燭

Q1
初出展の奥田紀佐さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
蝋燭を出品いたします。
灯す前も灯している間も灯し終えた後も美しい蝋燭、をモットーに空間に馴染む蝋燭を制作しています。

焚き火の火に魅了され、家の中でも灯せる蝋燭に興味を持ったのが始まりでした。
材料である蝋には様々な種類があり、蝋の配合によっても様々な表情を楽しむことができます。
今回の展示では蝋の幅広い魅力を感じていただきたく、異なる質感のものをいくつか制作しました。
また、嗅覚でも楽しめるよう”秋の果実”をイメージしてブレンドした精油の香りの蝋燭も展示する予定です。
朝起きた時、仕事に集中したい時、黄昏時、夜更とともに・・日常の様々なシーンで少しでも蝋燭を取り入れていただけたら。

今回の会場である美しいお庭で、蝋燭のある空間が生み出す優しい世界をお届けしたいと思っています。


作品名 「オブジェ」


作品名 「漂うもの」

Q2
奥田紀佐さん、12歳のころ、将来なりたかった職業について教えてください。

A2
記憶を辿ると12歳のころになりたかった職業は「服飾デザイナー」でした。
地元の手芸屋さんで安い生地を選んで、洋服作りの本に付属していた型紙からスカートやベストを作っていました。

もしかすると、私の名前の由来が靴デザイナーの高田喜佐さん、と両親から聞いたことも幼心に何か影響を受けたのかもしれません。
数十年後会社員を経てまた私の原点のようなものづくりに戻ってきたことに、今回12歳を振り返ってさらに感慨深いものがありました。


作品名 「透く灯り」

「KISSA」の高田喜佐さんゆかりのお名前とは。
いずれ、ものづくりの道に進まれたのは、必然だったのかもしれませんね。
ろうを用いた表現の世界、そして、使い手に手渡したあとを想っての世界。
見る人も、イマジネーションを静かに躍動させて向かい合う喜びがありますね。

奥田紀佐さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、稲荷社のほとり。

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福月洋装店/服

Q1
神奈川県大磯町でおひとりで服の制作をされている福月洋装店さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
生地を仕入れてデザインから型紙、縫製、仕上げまで全てを1人で行っています。
長く着て欲しいのでデザインはシンプルに、素材は良いものを使うようにしています。

生地は日本の工場で作られたものにこだわっています。
今回の展示会では柿渋染めや炭染め、荒炊き染めといった染め上がりに表情のある生地を多めに使いました。
また、出身地新潟の亀田縞という綿の先染織物はとても丈夫なので、力の掛かる内衿、カフス裏等に使い自分だけの見えないおしゃれを楽しんでもらえたらと思います。

暮らしの中でこんな洋服があったらいいなとか、お客様からの何気ない言葉から発想を膨らませたものをデザインに落とし込んでいます。
一部アイテムはデザイン展開して、メンズ対応もしています。


ウエストタックシャツワンピース
ローウエストの切り替えとたっぷりしたスカート部分が大人っぽいアイテム


長袖シャツ
DIY、園芸、畑仕事などおしゃれに作業したくて作りました。


五分袖ワンピース
夏は1枚で、寒くなったら長袖カットソーとスカートやパンツと合わせて、一年中着れるワンピース。


3wayカシュクール
前のボタンの留め方で3通りの着こなしが出来ます。

Q2
大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です

A2
庄三郎の裁ち鋏と糸切り鋏です。
ブランドを立ち上げてから最初の誕生日プレゼントで主人から贈られました。
それまではロータリーカッターや海外ブランドの布用鋏でした。
重さが全く違うので最初は親指の付け根にタコが出来たり手首が痛くなりましたが、今ではこの重さが安心感に繋がり綺麗に早く裁断出来るようになりました。

服作りに、鋏は肝!ですね。
素敵な贈り物。

福月洋装店さんのブースは、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの参道をはさんだ側。
木工の福田陽平さんの近くです。
フィッティングもできるように構成くださいます。

福月洋装店さんも映像に加わっています。
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福田陽平さん/木工

Q1
岐阜県で木工作品を制作する福田陽平さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
ピネル工房 福田陽平と申します。
岐阜県で木の作品を作っています。
工房からの風では一点ものの木のスツールを展示します。

自ら足を運び選んだ樹種は、幅も厚みも、木取りする場所で表情は違ってきます。
ぼくが好む木は、曲がっていたり、節や、割れなどその地の自然の環境を彷彿させるものや、虫喰いや、木が乾燥する際の経年変化した時を感じさせる木に惹かれます。
そんな木を世界に一つしかないスツールの形に整えてみました。
是非木の声を、触れて、座って聞いてみて下さい。


スツール 栗


スツール楓


スツール黒柿


cow スツール HI 栗


四脚スツール 栗

Q2
福田陽平さんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
A2
大切にしているわけでも、工芸品でもありませんし、深くは考えてはいませんが、木の仕事をしている時に出る端材を、「これいいな」と思った時に工房の端っこに置いて飾ったりしています。
流木などの自然と時間が作ったものも好きですが、人の手が加わった物だけど、意図してないからこそ出てきた、ただの木の端材にも、何か愛おしさを感じています。
実は今年、そんな端材に少し手を加えただけの作品展も行ったりしてみました。


福田陽平出展場所は、ニッケ鎮守の杜の一番西側。
稲荷社のふもと。
スツールをテントいっぱいに並べて、座り心地を楽しんでいただこうと構想くださっています。

インスタグラムはこちらになります。
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hada makoto/木彫

Q1
京都で木彫制作をされるhada makotoさん。
先日は、はるばる「おりひめ神社」での、祈願祭にも参列くださりました。
いよいよやってくる「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
木彫作品をお持ちします。

繰り返し咲く多年草をモチーフに、彫刻・着色したブローチ、置物、オブジェを制作しています。
多年草は街中にもあり、時には景色の一部になっていたり、山奥でひっそりと繰り返し咲いているような草花です。
そんな多年草のように、持ち主の日常にとけこみ馴染むような作品になれば、
そして作品を通して見慣れた景色を改めてたのしめるような毎日になればと願いながら制作しています。

作品には、あなた・作品・私をつなぐような一言を添えています。
添える一言は、花言葉や花の特徴から考えたものです。
よければそちらも合わせてご覧くださいませ。


ブローチ:イソギク


ブローチ:(左)シュウメイギク (右)ワダン


photo03(箱の置物)/ 置物:ツルフジバカマ

Q2
hada makotoさんが12歳のころ、将来なりたかった職業について教えてください。

A2
小学校の卒業文集なども探しましたが記載が見当たらず。
うっすらした記憶ですがなりたかった職業は、デザイナーか絵描きさんのどちらかだった気がします。

幼稚園入園前、人馴れのためにと色々な体験教室に行った結果、一番興味を持っていたというお絵描き教室に通うことになりました。
小学生になっても通うことは普通のことでした。
お教室では先生が考えた様々なことをしていたので、なりたかった職業は、このお教室の影響が大きいですね。
(結局20年以上、最後の方は根性で通っていました。苦笑)

以前久しぶりに残っているスケッチブックを見たのですが、この時から実験を感じるものが少しありました。
母が面白そうなものを見つけては与えてくれたのでそれも感謝ですね。
うまくはない、ただ年相応のきれいな絵。
だけど何かを試していて、ドキドキそわそわワクワクが潜んでいる。
今も根っこは変わっていない気がします。

なりたかった職業は、きっと叶えている途中です。
でも、もし12歳の私に会えるなら
「叶えたと言えば叶えてる」
と意地悪くニヤッと笑いたいなと思いました。


オブジェ:ブルーモーメント

「なりたかった職業は、きっと叶えている途中です。」
素敵なフレーズですね。すがすがしい。

hada makotoさんがなぜ多年草を木彫にしているか。
その色合いを、青系のバリエーションで繊細になされているか。
想いの奥行きがとても深くて、簡単にわかったように思うともったいないような気がします。
少し、その奥行きに触れていただけるきっかけの文章になればと、この夏の企画展時に私が綴った文章をリンクしますね。
click

それから、この週末からコルトンプラザ館内のデジタルサイネージで、3本計10名の作家の動画を放映しています。
youtubeにも上げましたので、よろしければご覧ください。
hada makotoさんの動画はこちらです。
(あと1本アップロードできていないので、すべて出来ましたら改めてご案内します)
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hada makotoさんの出展場所は、galleryらふと西側の参道脇。
森の中の小さなギャラリー?のような愛らしい存在になっているのではないでしょうか。

インスタグラムはこちらになります。
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岸田志穂さん/刺繍

Q1
金沢在住の岸田志穂さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
自身で染色した布の上に手刺繍で模様を刺しています。
布の織り目を数えながら、一定のリズムで刺す事による幾何学模様化を得意としている作品と、シルクのオーガンジーを染め形を囲う様にステッチしているアクセサリーを出展予定しています。


寄り道道草お散歩バック
型捺染で地面と草を染め、その上から樹々やお花を刺繍しました。少しのお散歩にちょうど良い大きさのバックです。


のはらブローチ
それぞれに、少しづつ物語の中に出て来そうな森や野原を閉じ込めました。ブローチとして身につけれる小さな物語を想像してみるのも楽しいかもしれません。


草陰の耳飾り
幼い頃、草陰にひっそりとなっているリュウノヒゲの青い実を見つけると、心がルンとしたのを思い出し制作してみました。
シルクのオーガンジーと淡水パールで制作しており、少し大きさは有りますが、軽い仕上がりとなっております。

Q2
岸田志穂さんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
糸切り鋏
学生の頃、福島県の工人祭りで購入したものです。
祖母の家にあった裁縫箱変わりのクッキー缶の中にそっと入っていた曾祖母の鋏を想い出し、そのくらい長い時間大切に使っていきたいと思ったのを覚えています。
その頃から十数年経ちましたが、沢山の糸を切ってくれる相棒として日々の中に居てくれています。

素敵な糸切り鋏と、その鋏に寄せる想いですね。

岸田志穂さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの正面のテント。
インスタグラムはこちらです。
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shiro/陶芸

Q1
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
白磁の装身具、オブジェ、照明を出品いたします。

白磁の清らかで澄んだ空気感を日々の暮らしのなかで愉しんでいただけるよう、素材としての可能性を探求しながら、ひとつひとつ丁寧に手作業にこだわり制作しています。
無釉薬で焼成し、手作業で丹念に磨き仕上げています。何度も何度も磨くことでしっとりとした質感になります。
私は手にとったときのこの質感、清らかさに包まれる感覚がとても好きです。
ぜひ手にとって感じていただきたいです。

本展では新しい試みの照明を展示いたします。透過性の白磁の柔らかな透ける白を愉しんでいただけたら幸いです。
身につけたり飾ったり…
白磁の草花をどうぞお愉しみください。


「一輪の花」装身具
金具を茎に見立てた片耳ピアスです。
日本の美意識を大切に、季節の移ろいや草花の儚い美しさを表現しています。


「bouquet 」
花びらの瑞々しさや柔らかさを表現しています。
オブジェのように飾ったり、ブローチとしてもお使いいただけます。


「fly」装身具
花びらが舞い、種が飛び立つイメージで制作しています。
何かに縛られることなく自由に飛び立てるような願いを込めています。
ピアス、ブローチに仕立てています。

Q2
shiroさんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
益子焼のお皿
益子焼を愛用する家庭に育ち、母から譲り受けたお皿です。

何をのせても美味しそうに見えるので出番が多く、縁が欠けてしまいましたが自分で金継ぎしながら愛用しています。
永く愛用していただける作品を私自身も目指し日々制作に励んでいます。

白磁とは、とても個性的な素材ですね。
きめ細やかで、透光性があって。
その個性をたっぷりと活かして創られるshiroさんの作品群。

一方、大切にされている器が益子焼というのも印象的なことですね。

shiroさんは、先日の千客万来安全祈願祭に、静岡からご参加くださいました。
浄らかな白磁に粛々とした祈りがふさわしいひとときでした。

shiroさんのインスタグラムはこちらです。
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