foot of the mountain(木工)
北陸、富山県で木工をされる中西健太さん。
foot of the mountainという名前で作品を発表しています。
Q1
foot of the mountainさんは、
「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
色々な形の取っ手が付いた、木の食器をメインに出品する予定です。
私の製作活動は取っ手付きのボウル作りからスタートしました。
趣味の登山の時に鞄に掛けられるものが欲しい、と思ったのがきっかけです。
生活の中でも吊るしたり重ねたりと役に立つことが分かり、
形・大きさ・樹種・仕上げなど様々に、楽しみながら製作を続けています。
その他、ボウル作りから派生した作品をはじめ、
色々と出品したいと思いますので、
お好みのものを探していただけたら嬉しいです。
登山に役立つ道具がものづくりの発想の起点というのが、
とてもユニークですね。
そこから、ぐんぐん発展していくことも。
あらためて見てみると、取っ手って面白くって広がりがありますね。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
音楽が好きで製作中にもよく聴いています。
ジャンル問わず気分に合わせて聴きますが、
学生時代にギターを弾いていた影響か、
ギターの入った音楽を流すことが多い気がします。
特にガットギター(ナイロン弦のギター)の音色が好きで、
Joao GilbertoやBaden Powellなどのアーティストがお気に入りです。
ギターの音からは木の響きを感じるので、やっぱり木が好きなのだと思います。
木を用いた楽器はとても多いですね。
foot of the mountainさんも、
いつか音とゆかりのあるものを制作されるかもしれませんね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
展示台として使っている、桐の丸太。
初めてクラフトフェアに出展した時に用意したものです。
磨きながら使い続けていたら、良い風合いになってきました。
普段は製作時の椅子として使われています。
桐は軽いので大きさの割に持ち運びやすく、
今では製作・出展ともに欠かせない相棒になっています。
「工房からの風」にも持って行く予定でいますので、
作品と一緒にご覧いただければと思います。
桐の丸太!ぜひ見てみたいです。
foot of the mountainさんの出展場所は、
ニッケ鎮守の杜、手仕事の庭の近く。
トキニワカフェ席も近いので、ぜひお立ち寄りください。
foot of the mountainさんのホームページはこちらになります。
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竹下努さん(陶芸)
岐阜県土岐市で作陶される竹下努さんからのメッセージをご紹介します。
Q1
竹下さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
白磁の器を出品いたします。
李朝白磁と言う昔の韓国の焼き物から
インスピレーションをもらって作っているので、
普段見られない形の器だったり、
目跡や砂高台と言う聞きなれない箇所が見どころだったりします。
白磁ならではの美しさを写真からも感じますね。
地肌に釉薬がしっとりかかって、得も言われぬ肌合いも白磁の魅力のひとつ。
竹下さんの白磁、たっぷりお手に取って見せていただきたいです。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか
A2
J-ポップ、J-ロックを聴くことが多いと思います。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
蕎麦を盛るための笊。
なんてことない量産の竹で出来ている平笊ですが、
蕎麦を盛るためにはこれ以上ないのかなと思い大事にしています。
今回、「焼き物が大好き!」という方にもおすすめのブースが幾つもあります。
竹下さんのブースもそのひとつです。
ニッケ鎮守の杜中央部、本部テントの近くでぜひご覧ください。
平野日奈子さん(陶芸)
岐阜県多治見市で作陶をする平野日奈子さん。
3回目となる出展では、どのようなメッセージを寄せてくださったでしょうか。
Q1
平野日奈子さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
特に見ていただきたい作品がありましたら、教えてください。
A1
グリーンのコバルト釉、粉引き、色釉の食事の器、
飾る器、装身具などを並べようと思っています。
お皿と料理の組み合わせを考えることが楽しくなってきて、
平皿をたくさん作ろうと思っています。
新しい釉薬の宇宙のようなお皿もぜひ見てほしいです。
平野日奈子さんの器といえば、ふんわりとした印象の粉引き。
それが、今回は新しい釉薬に取り組まれていて、とてもカラフル。
そして、装身具にも展開が広がってうれしい驚きです。
平野さんは3回目の出展ですね。
同じく三回目の出展となる鈴木美佳子さんも新展開でした。
新たな取り組みで数年を経て出展くださること、
企画者としてはとても嬉しく思っています。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
普段はラジオを聴いていることが多いのですが、
午前中や夜遅くに季節や気分にあったものを聞いています。
今年の夏はとても暑かったので折坂悠太さんのアルバムをよく聞いていました。
草のにおいや、さーっと気持ちのいい風が吹いてくるような気分になっていました。
ここにもラジオ派が!
多治見とえば、特に暑さで有名ですね。
陶芸にも厳しい夏だったことと思います。
草のにおいや、気持ちのいい風、呼び寄せたくなりますね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
祖母が作った鎌倉彫の朱色のお重です。
側面にそれぞれ梅の柄が彫ってあって、
小さな頃にぴったりのところに合わせてわっとうれしくなった
気持ちを今でもすごく覚えています。
お手製の鎌倉彫のお重!とは。
作り手の皆さんは、さすがよき手をもつ方の血を引いているのでしょうか。
日奈子さんのように大切に使い続けてくれる手のもとにあって、
お祖母様もきっと満足されていることと思います。
平野日奈子さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
モニュメント方面に開けたテントで爽やかな笑顔の
日奈子さんが出迎えてくださいますね。
ホームページはこちらになります。
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中里洋平さん(漆)
「工房からの風」では、漆器をメインに制作する作家は毎年1名ほどご紹介しています。
今年は長野の工房で制作をする中里洋平さん。
これから伸びてゆかれる作り手の方です。
Q1
中里洋平さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
漆器の椀や皿、鉢、弁当箱やカトラリーを出品致します。
木地はロクロなどを使わず、
無垢の広葉樹をノミやカンナで刳りぬいて作っています。
木の表情を消しきらないように漆を塗り、
かつ長く安心して使えるよう、
縁や底にはしっかり塗って、
丈夫に仕上げることを心がけて制作しています。
独学で形作りから漆塗りまでを手掛ける中里さんの仕事。
素朴で使いやすいかたちながら、
均一、画一ではない、よきおおらかさが木の風合いと相まって、
なんとも味わいのある器となっています。
手がけたひとつひとつの部分に補強などの意味があって、
共に時を過ごすほどに美しく育つ器だと感じています。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
マリア書房から発刊されていた「緑青」という骨董雑誌が面白く、
古本屋を巡っては、少しずつ集めています。
幅広いジャンルで、国内外問わず各地の古民芸を紹介していて、
珍しい品々を集めた特集が多いので、新鮮な発見があります。
また寄稿している骨董店の情報も載っているので、
実物を見にお店へ訪ねて行く楽しみもあります。
古きよき、、、といっても、
ほんの30年前くらいまでにはまだ残っていた
身の回りの美しいものたち。
案外その頃に少し古く感じられたものの中に、
今見出すべきよきものがあるような気がします。
中里さんの作るものに感じる美しさ、
目指していかれるものづくりには、
そのような懐かしさがこめられているような気がします。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
以前展示で見た、アジアの古い木彫品が印象に残っています。
動物の彫刻があしらわれた容れ物や食器、彫像など多岐に渡るのですが、
どれも大胆な彫りの入った迫力のある造形で、
また表面は真っ黒で鈍く艶掛かっていました。
食器などは腐食や虫食いを防ぐ為に吊るして保管するそうで、
かまどの煙にいぶされて黒く煤まみれなり、
磨かれたり、人の手の脂が加わったりと、
長い年月を経て独特の表情をしたコーティングとなって行くそうです。
日本でも、囲炉裏の自在鉤や、台所で祀られていた大黒様の彫像なども、
同じように黒光りしいている物を見かけます。
長い間、人の手で大事に育てられきた物に宿る表情には、
強く心動かされるものが有ります。
黒光りとは、時と人の手が共に磨いた輝きですね。
中里さんの手になる器や匙も、使われるほどに艶を豊かにしていくことでしょう。
中里洋平さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
唯一の漆器の作品ブースです。
鈴木美佳子さん(陶芸)
「工房からの風」には3回目の出展となる陶芸作家の鈴木美佳子さん。
以前は福島県で作陶されていましたが、
震災後に長野県に移られてからは、初めての出展になります。
Q1
鈴木美佳子さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。
A1
すべて日々の生活の中で普通に使う器(花器)です。
小さいものから、お箸置き、小鉢、中鉢、
5・6・7寸プレート、ボウル、ピッチャー、
ポット、花器、角皿などです。
特に見ていただきたいのは、
今まで作っていた土もの(白化粧など)と、
新しい品もの(象嵌)を見比べてほしいと思います。
全然違うようで、どこかに共通点がある様子が伝えられたらいいと思っています。
驚くほどに作風に変化が生まれた鈴木さんの陶磁器。
特に磁器の器は以前には見られなかったものですが、
ほのかに愛らしさを湛えた雰囲気は新旧どちらの器にも感じられます。
鈴木さんが希望されるように、ぜひブースでお手に取って見比べてみてください。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
本で、松浦弥太郎さんの「しごとのきほん くらしのきほん 100」を最近よく手にしています。
ものづくりだけではないのでしょうが、
仕事をするうえでよい言葉が簡潔に書いてあるところが好きです。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
母が作ってくれた木のお盆です(大小2枚あります)。
私が娘を出産した際に作ってくれました。
普通の形で使いやすく毎日活躍しています。
後ろにびっくりするくらい大きく母のサインと娘の名前が入っていますが、
使うときには見えないので、まあ良しとしています。
お盆を作ってくださるお母様!って。
すばらしいですねー。
サインが記された裏側、見せてほしいような・・。
美佳子さんの器を載せることもできて、大切な宝物ですね。
鈴木美佳子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜のレンガ道に面したところ。
アーモンドの木の近くです。
平田いぶきさん(金属)
千葉県で制作を続ける平田伊吹さんからのメッセージを御紹介します。
(いぶきさんて、素敵なお名前ですね)
Q1
平田いぶきさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。
A1
金属を素材とした装身具とBookマーク(しおり)を出品します。
大きめのキルトピンも多く出品しますので、
これからの季節ストールに合わせて使っていただけたらと思います。
印象的なデザインのキルトピンは、活躍の場が多そうですね。
そして、Bookマークをたくさん展開されていて!
本好きの方へのプレゼントにも洒落ていますね。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
作業中はFMラジオをつけている事が多いです。
新旧問わず、色々なジャンルの曲を聴く事ができますし、
ラジオをつけているとリラックスして作業できる気がします。
作り手でラジオ派の方はとても多いのです。
人の営みの気配とその距離感がいいのかもしれませんね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
小学生の時に父親が作ってくれた手作りの竹馬です。
周りの友達はほとんど市販のスチール製の物を使用していましたが、
私は自宅の裏山に生えている竹を使って父が作ってくれた竹馬を使っていました。
今でも時々、ふと竹馬に乗りたくなる時があります。
よい思い出です。
こちらもなんて素敵なお話し。
草や木を素材に作ってもらったものたちの存在感のあたたかなこと。
それにしても、竹馬、最近見なくなりましたね。
平田いぶきさんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前となります。
平厚志さん(陶芸)
二回目の出展となる陶芸作家の平厚志さん。
前回は地元市川市からの参加でしたが、
今回は新天地、静岡県からやってきてくださいます。
Q1
平さんは「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
粉引きを自分のなかで進めた「浮花(うか)」の技法でつくった、
下地から文様の浮かびあがる白いうつわたち。
平さんの粉引きの黄みがかった色合いと、
ねっとりとした風合い自体が美しいのですが、
それに加えて「浮花」技法による文様が独特のアクセントになっています。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
うつわへの模様付けのときは、
映画「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」
のサウンドトラックを聴いて気持ちを昂めるときがあります。
揺さぶられますよね、多方面から。
平さんの絵付けは、このような昂揚感の中で描かれているんですね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
うつわを作るときに使う、手作りのだんごゴテ。
市販のものより、これが一番使いやすい。
どんな手作りのだんごゴテなんでしょう。
よかったら画像送ってくださいね。
のちほど掲載しますので。
平厚志さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜のまんなかあたり。
手仕事の庭と、おりひめ神社エリアの重なるあたり。
ホームページはこちらになります。
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松村淳さん(ガラス)
美しいガラスのオヴジェを制作する松村淳さん。
7月に日本橋三越本店で行ったプレイベントでも
とても好評をいただきましたね。
Q1
松村淳さん、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。
A1
ガラスのオブジェや装身具などを出品いたします。
私は窓に使用される工業用板ガラスを何枚か重ねて貼りあわせたあと、
切削や研磨をして仕上げる積層ガラスの手法を用いて制作しています。
今回は今年の「工房からの風」のビジュアルテーマである
「木」をモチーフにした作品や、
移り変わる季節の寂寥の風景をイメージした作品に力を入れました。
積層ガラスならではの奥行きある透明な空間のなかで記憶を辿り、
静かな時間を過ごしていただけると嬉しいです。
写真とはまた違った独特の表情をもった作品。
野外ではどのように皆さんの目に映るでしょうか。
陽の光にも恵まれますように!
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?
A2
大切にしている本はいくつかありますが、
一番アトリエで多く開いたのは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です。
何度かモチーフとしてオブジェ作品を制作したこともある物語です。
発行から80年以上経った今も多くの人々が愛し研究し続けられている物語ですが、
私は孤独や哀しみを静かに抱いている登場人物たちや、
彼らの纏う慎ましい優しさに心惹かれます。
ジョバンニがお母さんへ声をかける言葉、
カンパネルラがジョバンニを思う気持ちなどのひとつひとつが優しさに満ちています。
銀河鉄道の夜に限られていませんが、
物語の文体から賢治の生き物や自然への眼差しが
温かく慈しみをもったものであると感じます。
制作する上で大切にしている静けさや孤独、
哀しみについて考えることはこの物語から多く影響され、
私の原風景として広がっています。
ちょっと立ち止まりたいときやなんとなく穏やかでないときなどに開き、
心静かに制作に臨めるよういつもアトリエに置いています。
松村さんのガラスはけっして饒舌ではない分、
その奥行にさまざまなものが詰まっていて、
観る人の想像力を膨らませてくれるのではないでしょうか。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
10年ほど前、当時は友人だった今は夫からもらったプッシュパペットです。
プッシュパペットは中にテグスや糸が張ってあり、
底部の板を押すと糸が緩むことで台の上の人形が
くたっとした姿になるおもちゃです。
ヨーロッパ旅行のお土産としてもらいました。
木のぬくもりや牧歌的な雰囲気も味わい深く愛おしい。
私も旅先で購入するなど少しずつ集めています。
飾っているだけでもかわいらしいですが、
プッシュパペットの魅力は押さえる力を緩めるときに緩んだ糸が
またピンと張りシャキッとしたように元の姿にもどるところ。
単純ながら何気なく触っていると私もシャキっとしようと元気をもらえます。
そっと励ましてくれる大切な存在です。
こちらも素敵なお話ですね。
プッシュパペットって知りませんでした。
木の玩具ならではの趣きもいいですね。
画像をいただくと、読者の皆さんにも伝わりますね。
ありがとうございます!
松村淳さんの出展場所は、おりひめ神社の近く。
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niu.(装身具)
静岡県で金属の装身具を制作するniu.さん。
新たな取り組みも始まったようですね。
メッセージをご紹介しましょう。
Q1
niu.さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。
A1
木・銀・真鍮素材を使った装身具を展開致します。
なかでも、niu./ニウというブランド名の由来でもある、
木を使ったシリーズにご注目いただきたいです。
『木と金属』異素材の組合せからなる装身具。
それは単に素材の組合せではなく、
2つの素材の必然性のある融合を目指しています。
装身具は小さな世界。
その小さな世界の中で、金属に木を響かせた展開を繰り広げるniu.さん。
見過ごしてしまいそうで、見過ごせない世界があるでしょうか。
ぜひ、お手元でじかに触れてみてください。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?
A2
The fin.をよく聴いています。
イギリスを拠点に活動する日本の3ピースバンドです。
新しくてどこか懐かしい、浮遊感のある心地よさ、
Liveで聴いた感覚を思い出しながら、工房でよく流しています。
製作のリズムにのりだすと、
自分だけの無音の世界になっている事がほとんどです。
その夢中になっている時間が、大好きです。
夢中になっている無音の世界。
作る人が共通に抱く桃源郷の音楽でしょうか。
The fin.
youtubeで聴いてみました。
niu.さんの雰囲気ととっても合っていましたよ。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
マホガニーで作られたウクレレ。
実は、今年の誕生日の贈り物だったので、
これからゆっくり楽しい時間を作っていくものです。
テンポのいいjazzを弾けるように、楽しんで練習していきたいです。
まったくの初心者ですが、夢はどんどん広がります!
そして当日は、マホガニーで作られた装身具もお持ちします。
見かけましたら、このウクレレ話を思い出していただけると嬉しいです。
素敵なお誕生日プレゼント。
音楽を奏出る時間が、これからのniu.さんに加わりますね。
赤味も美しいマホガニーの装身具は、
ぜひ今年のブースで見つけてみてみてください。
niu.さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
インスタグラムはこちらになります。
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中矢嘉貴さん(木工)
静岡県富士宮市に「木ものNAKAYA」を開く中矢嘉貴(よしたか)さん。
2011年の初出展から7年を経て、再び「工房からの風」に、
戻ってきてくださいました。
Q1
中矢さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。
A1
照明:ランプシェード、テーブルランプ、
アッパーランプ、キャンドルランプ
花器:卓上花器、掛け花入れ
うつわ:お茶碗、サラダボウル など、
主に身近な木を使ってつくったものを出品します。
サクラ、コナラ、クヌギ、ヒノキ、イチイ、
ヒメシャラなどでつくりました。
主に富士山周辺に生えていた木で、それぞれに思い入れがあります。
クヌギ
エノキ
2011年の出展時には、ランプシェードはまだ生まれていなかったのでした。
今は、中矢さんの代表作になってきましたね。
地元ゆかりの木の姿を活かした作品作り。
一点ずつをじっくり見るのも見応えがありそうです。
木の表情を愛する中矢さんならではのブースになりますね。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?
A2
工房で音が出ない静かな作業をするときは、
クラシック音楽や洋楽を聴くことが多いです。
作業中は歌詞がなかったり、
言葉がよく分からない(聞き取れない)音楽の方が心地よいようです。
作曲者が楽しんでつくっているのが分かるような曲が好きです。
同じように楽しんでものづくりをしよう!といつも思うのです。
このキャンドルホルダーのフォルム、楽しいですね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
沖原沙耶さん作の竹のスプーンを愛用しています。
素材の特性(丈夫さ、軽さ、しなやかさ)とか自然の風合いとか、
色んなものがひとつになっていて心地よく、
気付くといつも手に取っています。
使うたびに
「自分もそれぞれの木の特徴に合わせたものづくりをしよう、しなきゃ!」
と、原点のようなものを再確認する良い機会をもらっています。
「かたくて削るのたいへんだろうな」とか
「この1本をつくるのにどれだけ捨てている部分があるのだろうか」とか、
普通は考えないようなことまで想像してしまいます。
素材である竹にあわせて切る時期を決め、
材料を用意するところから始まるものづくりからは学ぶことが多く、
使っていて背筋が伸びる思いがします。
沖原さんは中矢さんと一緒に出展してくださった方。
竹でカトラリーを作っていらっしゃいます。
素材にこだわる、とか、素材を大切にというのは言い易いことですが、
実践すること、続けることの大変さは、
誠実にそうしようと思う程に大変なのではないでしょうか。
巡り合ったひとつひとつの木、
それに手を添えたときに現れる表情を想いながらの中矢さんの仕事。
久しぶりに会場でじっくり見ていただけますように。
中矢嘉貴さんのブースは、おりひめ神社の脇。
今回、中矢さんのテントの他に、
おりひめ神社の奥3つのブースにも中矢さんのランプシェードを灯すことになりました。
こちらもぜひお楽しみくださいね。
中矢さんのホームページはこちらになります。
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渡辺信史さん(陶芸)
鎌倉に工房を築いた陶芸作家渡辺信史(しんじ)さんからのメッセージをご紹介します。
Q1
渡辺さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
「工房からの風」では、「灰釉の噐」と「炭化焼成の噐」を中心に出品いたします。
釉薬のみの無地の器と渋い色の加飾の器。
どちらも美しいかたちの使い心地のよい器が揃います。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
「そば猪口図鑑」
ろう抜きで絵を書く際、どのような柄があるのかを知りたくて手に取りました。
自然をモチーフにした柄や、吉祥文様など、とても参考になり、
現在も作業台から手の届く所に置かれています。
武蔵野美術大学で陶芸を学び、その後陶工房で勤務をしたあとに独立した渡辺さん。
陶芸に関してさまざまに学ばれたことと思います。
それらが作られたものの骨格となって、今の作品につながっているのだと思います。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
「炭と灰」
草や木を燃やし、新たな姿に生まれ変わり、様々な場面で活用されています。
私の器を制作する際にも、釉薬の原料や窯焚きの際に使用したりと、
無くてはならない存在です。
轆轤をひき、形を整える際に使う「コテ」も木製であったりと、
工房の中には姿を変えた木や草がアチラコチラにいました。
まさに、大切にしているもの!ですね。
今回の質問を機にあらためて工房を見渡してくださって、
草や木と結びついたご自身のお仕事を見つめてくださった渡辺さん。
出展場所はニッケ鎮守の杜に広場側から入ってすぐです。
Chizuca(装身具)
装身具、アクセサリーといっても、素材や技法はいろいろですね。
地元千葉県から参加くださるChizucaさん。
その作る装身具はどのようなものなのでしょう。
Q1
Chizucaさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。
A1
草木染めした糸で編んだ装身具を展示します。
秋の実りをイメージしたもの、木の実やどんぐり、
枯れ枝などをモチーフにしたものを中心に飾ります。
栗の皮やイガイガ・どんぐりの皮など秋の恵みから色をいただき、
深いシックな色合いに染め上げました。
らふとのお庭からいただいたよもぎの葉や
コブナ草などでも糸を染めたので、
お庭巡りも楽しみながら作品を見ていただければ嬉しいです。
特に見ていただきたいものは、
幼い頃の記憶や心象風景を表現した言葉と共に、
作品を飾りますので、情景を思い浮かべながら見ていただきたいです。
Chizucaさんの仕事は、まずは染めることと編むこと。
こうして素材を作ることに多くの時間を要します。
全体のトーンは白。けれど、その白が見事にどれも異なって、
独特のグラデーションを奏でています。
聴こえるか聴こえないか、
そんなかそけきことこそ大切に染められた草木染の糸から始まる世界を、
手元でじっくりご覧いただければと思います。
また、今展のために構成された言葉と作品の世界も
とても楽しみですね。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
大切にしている本は、人間国宝・志村ふくみさんの著書「色を奏でる」です。
草木染めを始めたころ、伝統工芸展の会場で購入した一冊です。
四季折々の美しい風景写真と合わせて、
志村ふくみさんの言葉のエッセンスが散りばめられています。
ものを作ることに迷いが生まれたり、
一度立ち止まってみようと思ったとき、手にとって読んでいます。
つい最近もふと思い出して読み返してみたところ、
冒頭に今回の「工房からの風」のテーマである草木の生命、
五行について触れられていました。
自然の大きな営みの中では、私の迷いなど取るに足らないものだ、
とふくみさんの紡ぐ言葉にいつも気づかされ、初心に返ることができます。
今年、Chizucaさんは、ここのお庭に何度も通ってくださり、
お庭の手入れのお手伝いもしてくださいました。
その折々に手にされた植物との交流も、きっと今展の実りに。
個々の作品はもちろん、ブース全体から、
それらを感じていただけるのではないでしょうか。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
祖父母の暮らしていた木の家です。
建築を生業にしている父が設計をした家で、
大工だった祖父が庭でカンナ掛けをしたり、
ロフトを祖父が増築している姿が思い出に残っています。
家の中には余った材木がそこかしこに転がっていて、
檜や杉の香りに包まれていました。
子供の頃から木は身近なものだったので、
今でも古い家具には愛着を持っています。
祖母から譲り受けた木のスツールも大切にしていて、
布地を張り替えながら使っています。
「祖父母の暮らしていた木の家」
なんて、すぱっと言えるのってすばらしいですね。
Chizucaさんの今に、脈々とつながっている草や木の営みなんですね。
Chizucaさんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
お庭の息吹きも感じながら見ていただけますように。
ホームページはこちらになります。
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