2024年 工房からの風

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制作公開(デモンストレーション)

「工房からの風」では、
風人さん達(出展経験作家)による制作公開の時間もあります。

<男の仕事場テント|ニッケ鎮守の杜 おりひめ神社奥>

菅原博之
10:30~11:30 『自然に反った板から木のプレートを作る』

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藤武秀幸
13:00~14:30 『椅子に布を張る』

菅原博之
15:00~16:00 『自然に反った板から木のプレートを作る』

<風セレクションテント|コルトン広場>

松塚裕子
13:00~13:15 『陶皿に文様を彫る』

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加藤キナ
13:30~13:45 『革のコサージュを作る』

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<galleryらふと前デッキ>

勢司恵美
10:30~11:30 『真竹のひご作りと籠作り』
(デッキ上のため、雨天中止)

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いずれも見学自由です。
かぶり付!ご希望の方は、お早目に開催場所へGo!

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大野七実さん(陶磁)

Q
地元千葉県市川市で作陶を続ける大野七実さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?

A
手びねりと型を使って制作した、カップやお皿など日常使いのうつわと、
花のうつわを出品いたします。
そっと誰かの暮らしの風景になるような、
そんなうつわがつくれたらいいなと思い、色を重ね、制作しています。
秋の手仕事のお庭の恵みいっぱいに囲まれ、
植物とうつわとの軽やかな響き合いも見ていただける展示にしたいです。

それともうひとつは。
「いちにちひとつのカタチをつくる」
を今回の私の craft in action として、
普段の仕事とは別にお見せしたいと思っています。

自分にとってうつわってなんだろう?
そんな問いかけがいつも私のつくる時間の中に漂っています。
掌のなかの小さな土の塊から、1日ひとつだけその日のカタチを残す。
日記を記すように…
ルールは玉作りだけ。
そんなことを春のおわり頃から始めました。
毎日制作に向かえない環境にいる自分にとって、
それはひとつのチャレンジでもあります。
遅く帰った夜でも仕事場に寄り、その日のうつわをひとつだけつくって帰る。
そうして必ず土に触れるのです。

うつわについて思うこと。
日々続けること。
この手から生まれるカタチ。
美しいもの。

こたえはずっとずっと先にあるものなのかもしれません…。
この秋、風に向かう私の時間がこころの種となり、
いつか淀みなくうつわの静かな深みへと映してくれることを信じて。
今は丁寧に手を動かす毎日です。

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Q
故郷に吹くやわらかな風。
わたしの大切な道しるべのようにいつもこころの奥にそっと感じていたい風です。

若い頃にご縁をいただき、
「工房からの風」が生まれてからの歩みをそばで見てきました。
毎年ずっと見る側にいましたが、またここからはじめたい
という再出発の想いから、今年初めて応募を決意し、出展が決まりました。

初心に還る思いと、緊張と、わくわくと、、、
私にとって home のような場所。
その場にはじめて立つ自分は、どんな想いを蓄え、
またここからどこへ羽ばたいていけるだろうか?
澄んだこころで次の頁をめくれるように…。

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Q
針仕事から木彫りまで、とても器用で多趣味だった祖母と。
身の周りのことは工夫してなんでも独自に作ってしまう父と。
そして、もっとも影響を受けた (今も受け続けている) 尊敬する姉と…。
幼き頃からつくることが自然と身近に感じられる恵まれた環境に育ちました。

小さい頃は、姉と2人でお庭に宝物を隠しその地図を描いて遊んだり、
梅林や川の土手を走りまわり、木の実や草花を集めたり…。
姉の後ろにくっついていつも遊んでもらっていましたね。
あっ、今も関係性は昔と変わらずたいして進歩していませんが…、笑。

毎年夏には家族で千葉の海に旅行に出かけました。
砂浜で大きなお山をつくり、固め、そこにあっちとこっちと両方から穴を掘るんです。
崩れないようにそうっと、そうっと掘りすすめ、
ようやくトンネルが貫通し、姉と指が触れたその瞬間。
つながったことがただ、ただ、とてもうれしくて、
よろこんで、はしゃいでいました。

お山は波に消されかたちが残るものではありませんが…。
さかのぼって記憶を辿り、幼き頃の私のものづくりの初めては、
夏の海のあの砂山のように思い出されます。

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「いちにちひとつのカタチをつくる」

七実さんとはお会いする機会が多いのですが、このことは知りませんでした。
素敵な試み。
驚きました。
きっと不言実行、確かなものになってこうして、伝えてくださったのですね。

驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、七実さんは今回が初出展。
長く続けてこられた陶芸ですが、次の地平に向かおうというとき、
この場を選んでくださったのですね。

慎重に石橋をたたいて渡る七実さん。
10月のお庭での展示に向けて、どれほど真剣に向き合ってこられたことでしょう。
人気の食器、花器の数々、いちにち一つずつ作られたかたち。
準備万端、たくさんの魅力ある作品に満たされますね。

3のメッセージをからも、七実さんの心の中には、
ストーリーがたくさん息づいているのですね。
その手になる器自体は静かな表情ですが、
そこにひそむ物語性が器の表情の奥行となって、
七実さんならではの風合いを生みだしています。
お料理も、花も、美しく、優しさに包まれた表情で受け止められていきます。

七実さんのこと、拙著「手しごとを結ぶ庭」の最後の章で綴っています。
お手元にありましたら、再読していただけましたら。
→ click

大野七実さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の中央花壇のほとり。
お姉さまの大野八生さんも丹精くださっているお庭の中で、
にこやかに皆様をお迎えすることでしょう。

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高見由香さん(染織)

Q
東京で織りの制作を続ける高見由香さん。
二回目の「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
カシミヤで織った二重織りのストールや麻のレース織のハンカチ
そして今回初めて「ものつくりの人のための」麻のエプロンを出品します。

レース織ハンカチ

Q
高見さんにとって「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
「季節の変わり目に吹く風」
一つの季節が終わりを迎えて、
新しい季節になる前のわずかな時間に吹く風のように感じています。
変化をもたらす風なので力強く、
疾走感があり、次の季節を予感させる匂いのある風です。

前回の出展から6年。
この風が吹き終わる頃には
新しい季節の中にすっくと立っていられたらと思います。

二重織ストール

Q
高見さんの初めてのものづくりは何でしょう?
印象的なものを教えて下さい

A
「小さな紙の部屋」

少女の頃、折込チラシの家の間取図を見るのを好んで、
そればかりを抜き取ってはジーっと眺め、
「私の部屋はここ。お兄ちゃんはあっち(めっぽう狭い)。
テーブルはここに置いて、ベッドはあそこ。
カーテンは赤にして…」
なんて考える時間が至福の時でした。

当時、理想の間取図(風なもの)をチラシの裏にかいて、
ベッドやテーブル、鏡台なんかを紙で組み立てて
小さな小さな部屋をつくり、そこに理想郷を見ている少女時代でした。

エプロン

ものつくりの人のためのエプロン、素敵ですね。

「糸をあやつる人 木を削る人
ガラスを吹く人 金属を叩く人
土を練る人 料理をつくる人
ものをつくるすべての人へエールを込めたエプロン」

高見さんのブログにこのように書かれています。
「工房からの風」を通じて、
同時代に生きるたくさんの作り手と出会い、
交流を続けてきた高見さんならではの想い。
ひとつの形になったのですね。

続けていくこと。
「工房からの風」の募集要項には、
プロもしくは明確にプロを目指す人、
という条項がありますが、続けていくことがプロ、ということでしょうか。

でも、最近思うようになりました。
続けていくことって、意思ばかりではないのだと。
続けざるをえないひと。
作らざるをえないひとが、結果として続いているのだと。

初出展から今までの間に、出産、育児と
人生の多忙な日々を送る高見さんですが、
ボリュームの大小はあれど、制作から離れることはありませんでした。
それは、意思というより制作することが、
高見さんの人生の中で自然なものに育っていったのではないでしょうか。

もちろん、人それぞれですから、
お休みすることが必然な方もいらっしゃるでしょう。
それも然り。
そして、続けながら、布を進化させている高見さんも然り。
その自然に豊かに育まれた布が、もうすぐ「工房からの風」にやってきます。

高見由香さんのブースは、おりひめ神社鳥居のほとり。
galleryらふとの前方です。

HPはこちらになります。
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sonorさん(革)

Q
革素材でものづくりを行うsonorさん。
「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A
国産のエコレザーピッグスキン使用した、
今まで定番で作ってきたルームシューズ、トートバッグ、ブックカバーなどの小物・・・
新しく製作したコンパクトに収納できるバッグなどを出品します。
やさしい革の風合いとピッグスキンならではの軽さを手にとって感じていただきたいです。

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Q
sonorさんにとって「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
今回の出展が決まって以来、
自分のものづくりとじっくり向き合える機会をいただけていることを実感しています。
『工房からの風』当日の会場の風と出会いを楽しみに準備を進めています。

私自身は、季節の匂いを運んでくる風のように、
同じ匂いでもいつも新鮮でどこかホッとするような
そんな風であれたらと思っています。

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Q
sonorさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
小学生のころ祖母が自宅で開いていた洋裁教室。
そこに集まる方々が楽しそうに手を動かしていることに憧れ、
無理を言ってワンピースを作らせてもらったことがあります。
今考えれば当然完成度は低かったと思いますが、
完成したワンピースを着て出かけたときの
何とも言えないよろこびは今でも鮮明に覚えています。

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自作のワンピースでお出かけする小学生って!
すでに、現在のsonorさんの片鱗が現れていたのですね。

そんな器用で手仕事が大好きだった園田明子さんが、
墨田区でなめされるエコレザーピッグスキン(豚革)と出会って、
その素材の良さを生かしたものづくりをしよう!
とsonorを立ち上げたのでした。

優しく柔らかな風合い、使うほどになじむ感触、
トートバッグや、ルームシューズを中心に、新作のバッグも誕生したようですよ。
すっきりクールな造形と、穏やかな色調のハーモニー。
作り手のsonorさんとお会いすると、なるほど~!と納得されることと思います。

「かぞくのじかん」(婦人之友社)の手芸コーナーにも時々登場されていますので、
sonorさんのものづくりのエッセンス、ご覧になられた方も多いかもしれませんね。

sonorさんの出展場所は、おりひめ神社の正面に立って左側。
高木の茂る空間で、ほんわかクールなバッグや靴と出会っていただけますように。

sonorさんのHPはこちらです。
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ますみえりこさん(織)

Q
ますみえりこさんは、二回目の出展。
今回の「工房からの風」ではどのような作品を出品くださいますか?

A
古い蚊帳からイメージした、からむしの布を織ってみました。
これをバッグに仕立てて持っていきます。

あと、今まではからむしだけを織っていたのですが、
最近は他の素材の糸を使って織ったりもしています。

今回はリネンの糸で織ったハンカチの初お目見えの場としました。
きゅんとくるような作品を持っていけたら…と思っています。
ディスプレイも愉しい感じになる予定です。

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Q
ますみえりこさんにとって「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
優しく背中を押してくれる風。

去年の秋くらいから今年の初め頃、
からむしで作品を作っていることや
ものつくりのことで悩んでいた時に稲垣さんから
「ますみさんの好きなように作っていいんだよ」
と言ってもらえたことが勇気になりました。

工房からの風に出展できたことが
優しく背中を押してもらえたように思います。
今年の工房からの風はますみワールドでシュワシュワと弾けて、
愉しんでいきたいと思っています。

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Q
ますみさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
子供の頃は作っている意識が無くいつも何か作って遊んでいたように思います。
草を摘んで茎で紐みたいなものを作ったり、花で色水を作ったり…。
雨の日は家で絵本を作ったり…。

でも、一番は泥団子作りです!
この泥団子作りはどこの砂や土がよく固まるかとか、
水の入れ具合や磨きかたなど自分なりに研究して作っていました。
最初は一緒に作っていた友達が飽きていなくなっても、
ひとり黙々と作っていた記憶があります。

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からむし。
苧麻(ちょま)は、中世では人々のもっとも身近な衣服の素材であって、
今でも小千谷縮や越後上布など夏の和装地としても活用されています。

ますみさんは福島県の昭和村の織姫制度でからむし織を学び、
関東に戻ってからも制作や、ワークショップなどを通じて、
からむし織の技術をつなぎ、伝えてきました。

けれど、素材栽培や関わる方々が齢をとられて、
それを継ぐ人の不足や、震災の影響など、
からむしを自分のまんなかの仕事として進んできたますみさんには、
迷うことが続いたことと思います。

からむし織のことだけでとらえると、
適したことがなかなか伝えられませんが、
からむしと真剣に向き合っているますみさんならではのものづくりはきっとあるはず。
その思いで「今こそ思うままに手を動かしてみては」
とお伝えしたのでした。

ほんの一滴の雫にもならない言葉から動きが進んだのは、
ますみさんご自身の力ですね。
からむしならではの作品の他、
独特な色遣いに個性が光るますみさんならではの
楽しい利かせ色も美しいハンカチも誕生したり。

素材に向き合うことに一所懸命なほどに、
ときに縛られて苦しくなることがあるのかもしれません。
そんなときには、一度心を解放して、心の向くままに作ってみるのもいいかもしれませんね。
そうして作られたものには、きっと残るべきものはしっかりと残って、
新鮮な制作の流れが生まれ、動き出していくのだと思います。

今回のますみさんの伸びやかさ、幸福感に満ちた布が、
多くの方に伝わりますように。

ますみえりこさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、
galleryらふとの奥、岩のある空間。
おりひめ神社の参道に入ってすぐのところです。

ブログはこちらになります。
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nibiさん(金属)

Q
東京で金属装身具を制作するふたりのユニットnibiさん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
日常に、それぞれの人の肌との色合いに、
なじみの良い色味や質感のアクセサリーなどを。
伝統彫金技法を用いた、
真鍮の経年変化さえも楽しめるブローチやトレイなども連れて行きます。

ひとりひとりの空気感の調和や、中和。
ささやかに、けれども確かにそこにある。
そんな日々を共に過ごせるアクセサリーたちを。
そして、金属のアクセサリーは、
ゴールドかシルバーの2色だけではないので、
自分の肌の色やお洋服、
雰囲気になじむアクセサリーを見つけていただきたいと思います。

金属の微妙な色合いと質感、 肌に触れる金属はノンメッキ。
金属の素材自体にこだわり、ひとつ、ひとつ、手作りしています。

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Q
nibiさんにとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?

A
“伝えたいと思える、ものづくりへの思いを運ぶ風” でしょうか。

“すべてのもの、ものづくりが、ひとりひとり、誰かの生活につながっている”
風というよりも、すべてがつながっている
“心地良い風の通り道” とも思います。

②nibi-バングル

Q
nibiさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
ものづくりをした、という記憶をたどると
不思議と今でも鮮明に憶えているのが、
実家京都のお隣、滋賀の信楽焼の窯でロクロの体験工房に行ったことです。
ロクロで器を作るはずが、
完成したのは4本の腕がある阿修羅のようなキングコング、、、。
工房の方の苦笑いを今でも思い出します。

それ以外で記憶にあるのが、子供の頃に熱中していた水墨画。
書家を目指していたけど、
結局は学校の書道の教員となった母の影響か、
思い出せば毎日のように割り箸に墨をつけて色々と書いていました。
褒められるのが嬉しかったのを今でも憶えています。
共働きで忙しく働く母に、
少しでも自分に興味をもってもらいたい
という子供心からくるものかもしれませんね。
ちょっと脱線した話となりすいません。
(芳田)

初めてのものづくりが何だったか、
ということよりも思い返す幼少期には、
日常にものづくりや伝えることがあったように思います。

私の通った幼稚園には窯があり、
みんな赤土の粘土をどろどろになりながらいじって、
ねじねじした植木鉢を作ったり、
沢山の大人たちの力を借りていたのだろうけれど、
お母さんへの贈り物に
とにかくへんてこな焼きものをつくったりと楽しかった記憶ばかり。

大人になって見ると、
当時作りたかったであろうものとはえらく違う造形のひとのような置物や花瓶。
グループでブレーメンの音楽隊のものがたりの世界を人形劇で紹介するのに、
みんなで木のお家を作って、
登場する猫さんの頭を紙粘土で作って、
お顔を描いて自分のお人形さんになりきって♪

本当に、初めてのものづくりが何かというよりも、
そんな風に日常にものづくりや伝えることがありました。
(石原)

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金属装身具とひとことで言っても、その素材はさまざまです。
たとえば、金といっても、いろいろ。

nibiさんは微妙な金属の色合い、風合いを大切に、
長く長く使っていただくほどに、愛着がますように、
素材の特長に心を配った制作を進めています。

自分には、どんな金属が似合うのだろう?
と思ったら、ぜひnibiさんのブースへ。
それぞれの素材と、
それを生かした意匠と技術の響きあった装身具をご提案くださいますよ。
きっと、今までにない金属装身具の味方、選び方に触れられることでしょう。

nibiさんのブースは、ニッケ鎮守の杜、稲荷社のほとり。
HPはこちらです。
→ click

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阿部春弥さん(陶芸)

Q
長野県で作陶する阿部春弥さん。
「工房からの風」へはどのような作品を出品されますか?

A
磁器の暮らしの器を出品します。
毎日の食卓に登場するような、皿や鉢、カップやマグなどです。

白磁やルリ色の器に、黄磁という黄色い器も出品します。
磁器は何となく冷たいイメージのある方もいらっしゃるかと思いますが、
少し温かみのある色合いの器です。

型を使って成形する「輪花」や、文様を浮き上がらせる「陽刻」。
「しのぎ」や「面取」といった、削って器の表情を出した器もあります。

形や色によって、色々な表情を見せてくれる器を
楽しみながらご覧いただけたら幸いです。

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Q
阿部さんにとって、「工房からの風」はどんな風でしょうか?

A
今は、遠くのほうで吹いている強い風です。
その風を、離れたところで見ていて、
これからこっちにやって来るぞ!覚悟しろ!って。
その風の事を恐れながらも、
近づいてくるのをワクワクドキドキしながら待っている。
そんなイメージでしょうか。

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Q
阿部さんの初めての「ものづくり」はどのようなものでしたか?
印象的なものを教えてください。

A
小さいころは、ものを作ることが好きではありませんでした。
そんな少年の転機は高校2年の時でした。
家庭科の服飾の授業です。
Yシャツとスカートを作りました。
型紙を作り、布を切りミシンや手で縫う。
ものを作ることが好きではない少年のやる気は知れたものです。
ですが、思いのほかやってみると楽しかった。
夢中で作ったのを覚えています。
後悔があるとするなら、
真紫のYシャツと穿く筈の無いスカートを作ったことでしょうか。。。

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阿部さんの器は、端正で清潔感のある器。
当日、ご本人に会われると、なるほどー!
と思われるのではないでしょうか。

日本の暮らしの中で、使い継がれてきた佇まいの美しい器。
それを気負うことなく、今の暮らしに添うように。
阿部さんの器は食卓にすっとなじみながら、
新鮮な風を渡らせてくれるようです。

阿部さんの出展場所は「ニッケ鎮守の杜」。
中央部レンガ道に沿ったところ。
爽やかな器にぜひ出会っていただけますように。

HPはこちらになります。
click

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Mellow Glassさん(ガラス)

Q
長野県から出展されるMellow Glassさん。
二回目の「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?

A
長い長い冬の時間をすごして
雪のなかからポッとでてきてくれる
黄色の花の力強さや儚さのように
日々の時間を
記憶のカタチにのこせたらと思う日々
わたしのなかの日々のこと
あたたかくて
すこし淋しい記憶
涙がポロポロこぼれることも
そんなわたしの記憶をカタチにしています

静かな時間のなかで
じっくりと硝子に向き合う
そんな時間の中からうまれてきた作品たちを
工房からの風でお披露目したいと思っています。

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Q
Mellow Glassさんにとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?

A
2012年の10月に工房からの風に参加し体感して、
気持ちがいっぱいになったのか帰路のあと熱をだしました。

工房からの風という舞台だったから
ありがとうっていう感無量の熱だったのかもしれません。

あれから時間がたち
いろんな人が素敵に出会えるあの場所にまた立つんだと思うとき、
舞台をつくりあげるみなさんのすごい熱量を感じています。

たとえるなら
「お熱のでるような風」かな。

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Q
Mellow Glassさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
小さな頃から私は土いじりが好きで庭先で泥ダンゴをつくっていました。
それは子ども遊びの域を超えていたそうです。

ヒカル泥だんご制作の過程のように
泥でつくりたいものをつくり
翌日サラサラの砂をかけて徐々に硬くしていき、最後には磨きあげ
カチカチのピカピカの泥作品をつくっていたそうです。
毎日毎朝庭にでて
縁の下にしまってある泥の作品を取り出して砂をかけ
また新しい泥だんごをつくりをしていたそうです。
そして
真冬になっても同じように泥作品のお世話をして
私の手の甲は、いつもあかぎれていたそうです。

うっすらと私の記憶の片すみに、その当時のことが残っていて
木の板の上にいろいろな泥だんご作品を大切にのせていたことを覚えています。

いまも日々粘土で硝子となる原型づくりをしているのですが
小さな頃からなにもかわらないのかもしれませんね。

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長野の山や森を近くに暮らすMellow Glassさん。
四季折々、季節の中で出会う自然の恵みと
ガラスでの作品制作を響かせて、
Mellow Glassさんならではの世界を創りだします。

それは作者の心の景色ともいえる世界。
「工房からの風」に向かって、
こつこつ作りためてくださった作品をたくさん抱えて千葉にやってきてくださいます。

森から辿り着くのは杜。
おりひめ神社の奥、高木からの木漏れ日の渡る空間で、
Mellow Glassさんのガラスと、
ガラスと響かせた自然のかけらたちが囁きあうことでしょう。

Mellow GlassさんのHPはこちらです。
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väliさん(金属・糸 装身具)

Q
東京で制作されるväliさん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
糸を編んだり、金属を加工したアクセサリーを出品します。

糸は通常では編物に使用しないような細い糸や
日本刺繍なので使用する金糸や銀糸を利用しています。

もともと、編みものは誰かの身体(首であったり、手であったり、体であったり)を温める道具です。
そんな身近にある道具を、身につけて楽しい装身具に仕上げています。

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Q
väliさんにとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?

わくわくな風
楽しみな風
はらはらする風
不安な風

決まった日から、頭の隅に秋の事を考えて生活していました。
考える度に、胸がきゅんとなったり、
背筋がぴしっとなるような日々を過ごしています。

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Q
väliさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
小さいころボランティア活動をしていました。
その一環で、老人ホームに寄付するおむつを作った事があります。
肌に当たる部分や布の端の処理など、
幼心に気をつけなければいけないと教えられました。
そんな事があって、いまでは見えない部分や細部は気をつけて処理する様にしています。

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väli は、「わり」と読むのだそうです。
留学されていたエストニアの言葉で、
空間、領域っといった意味だそうです。

エストニアとは今もご縁が続き、
ワークショップやインスタレーションを展開にし渡航されているväliさん。
繊細な作品のすばらしさに加えて、胸のすく空間演出にも力を発揮されています。

「工房からの風」での出展場所は、
ニッケ鎮守の杜、galleyらふとの脇、参道に面したところ。
空間に、ぽっと灯るようにväliさんワールドが佇んでいることでしょう。

väli さんのHPはこちらです。
→ click

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牛尾範子さん(陶芸)

Q兵庫県淡路島で作陶される牛尾範子さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
日常に使う器を中心に出品します。
ひとつひとつ手にとってみていただければと思います。

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Q
牛尾さんにとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?

A
「工房からの風」とは、、、、
と想像をふくらましながら最初のミーティングの場所にいました。
色々な風が吹く中、立ち止まりゆっくりと呼吸し、
その空気を感じたいと思います。
静かかもしれませんが自分なりの風をと思います。

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Q
牛尾さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
初めての記憶というとあまり覚えていないのですが、
印象的な事柄というと、家の裏に田んぼや畑、池があり、
そこで木などを拾い、家というか小さな空間を作ってよく遊んでいました。

そしてその中に入り、そこから見える田んぼや畑、
空や海などの風景を見るのがとても好きでした。
今でも、その時の匂いや風の感覚が残っています。

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牛尾さんの幼いころの原風景、体験が、
今の制作にも根っこでつながっているのですね。

淡路島から千葉までは距離がありますが、
「工房からの風」の風景と作品がなじんで、
どなたかの暮らしに届くといいですね。

牛尾さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
静かな風、、というよりにぎやかな風になりそうですよ。

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WS 橋本晶子さん(すず竹)

Q
岩手県の橋本晶子さん。
昨年は出展くださって、今年はワークショップで参加くださいます。
どのようなワークショップをしてくださいますか?

A
すず竹と木を組み合わせた正方形のトレイを作ります。
こちらでは、蕎麦ざるとも言われているものです。
市場にあまり出回らず、岩手でも使用する人が少なくなりました。
残していきたい商品の一つを実際に作っていただきたいと思います。

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『すず竹でトレーを作る』
10:30~12:00
14:30~16:00
両日定員各5名様
3000円
WORKSHOP Aテント・コルトン広場モニュメント周り

各回30分前から受付をいたします。
とくにご希望の方は、
30分より前にテントにいらしていただいたほうがよろしいかと思います。
場合によっては、お並びいただく場合もございます。

Q
橋本さんから、
今年度の出展作家の方にひとことエールをお願いします。

A
あっという間の二日間です。
肩の力を抜いて、臨んでください。

Q
橋本さんの小さな頃の「ものづくり」は、いつのどんなものでしたか?

A
お正月の準備のためにに親戚一同が集まり、
一年の思い出を語りながら、お飾りやしめ縄を作ったことです。

ものづくりの時間を通して、
家族の健康を気遣ってくれた祖父母の優しさが今も記憶に残っています。

:::

今号の「風の音」では、
「工房のある町へ」の一泊二日の旅をナビゲートくださっています。
岩手県盛岡市と二戸町、一戸町へ。
地元の橋本さんならではの旅、このままのルートで行ってみたい!です。

また、モニュメント周りにあるテント
「風セレクション」では「かご」と「つぼけ(小)」の販売もあります。
ご希望の方は、どうぞお早目に~!

橋本晶子さんのブログはこちらになります。
→ click

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WS 武井春香さん

Q
今までに二回出展くださった山梨の武井春香さん。
今年の工房からの風では、どのようなワークショップをしてくださいますか?

A
自家製柿渋で小風呂敷を染めるワークショップをいたします。

渋柿を搾った生の柿渋で、綿生地の小風呂敷に
筆書きで自由に染め付けをしていただきます。

『柿渋で小風呂敷を染める』
10:30~12:00
両日定員各8名様
3200円
WORKSHOP Dテント(galleryらふと前)

hal101015

各回30分前から受付をいたします。
とくにご希望の方は、
30分より前にテントにいらしていただいたほうがよろしいかと思います。
場合によっては、お並びいただく場合もございます。

Q
今年度の出展作家の方に、武井さんからひとことエールをお願いします。

A
みなさんの作品が見られるのをとても楽しみにしております。
私自身もワークショップという形での発表ですので、
お客様にとって良い時間になるようにしたいと思っております。

Q
武井さんの記憶、印象に残る小さな頃の「ものづくり」は、いつのどんなものでしたか?

A
5,6歳だと思います。
祖母が草取りをしているときに、
畑のかたわらで、おおきな雑草の葉っぱ(ギシギシとか)
で石をくるんでみたり、持ち手を作ってつるしてみたりしていました。
「見て!見て!」でもなく、
祖母も私もそれぞれに、黙々と。

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武井さんのワークショップで使う柿渋は、自家製のもの。
青くてジュースみたいでびっくりします(飲めません~!)。

今号の「風の音」では、
「果実を巡る布仕事」というタイトルで、
武井春香さんの取材頁を作らせていただきました。
桃と干し柿の出荷農家さんでありご実家の仕事とともにある布の仕事。
「風の音」、本部テントで、ぜひ入手してくださいね。

尚、武井さんの作品販売は、今回はありませんのでご了承くださいませ。