李慶子さん(ガラス)
Q
大阪でガラス工房を開く李慶子さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?
A
“透明なガラス”
ガラスを始めてずっとそれだけをつくっているので、今展も同様です。
秋の夜長を楽しむための、お酒にまつわる器は豊富にと考えています。
そして、秋の植物を楽しんでいただくための、花器も沢山出展します。
Q
李さんとって「工房からの風」どんな風でしょうか?
A
自身の工房を持って、13年目の今年。
がむしゃらにやってきましたが、
今までも色んな風にのったり、立ち向かったりしてきて、
今の自分があると思います。
今年の秋に体験するこの風は、それでも初体験の風。
少し緊張がはしります。
でも、ふんわりのって、色んなものをみたり、感じたりできる風になれば、と。
Q
あなたが子供のころ、初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。
A
ランチョンマット、お弁当包み、コップ入れ、の3点セット
確か、小学校6年生の夏休みの自由課題か何かでつくりました。
母からわけてもらった黄色の生地と白のレース。
その頃の私はピエロに凝っていて、刺繍の本で見つけたピエロを2パターン
それぞれに刺繍し、黄色い生地2枚の間にレースを挟みこみミシンで縫い上げました。
丸底で巾着のコップ入れは、ミシンがけの時に苦労した記憶があります。
母に随分アドバイスしてもらったけれど、作業はほとんど自分でやり
母にも先生にも随分褒められ、嬉しかったのを覚えています。
その後、中学、高校、とずっとお弁当を持っていくのに使っていました。
何度洗濯してもほころびたりしていないので、刺繍・縫製とも
丁寧な仕事だったんだなぁ、と今見ると思います。
すっかり色あせていますが、今でも引き出しの中にあります。
今回の全出展者の中でも、李さんはベテラン、実力作家です。
透明のガラスは撮影がとても難しく、私もなかなかうまくご紹介できないのですが、
実際に見て、手に取ってみると、宙吹きガラスならではの美しさにしみじみします。
ぽってりとしていたり、ふんわりとした形なのですが、
きっちりと造形できる人のぽってりだったり、ふんわりだったりするので、
その美しさが違うのです。
たとえば、きっちりデッサンができる人が、デフォルメして描いたもののような。
ゆるりユニークな造形は、ともすれば飽きが来やすかったりもしますが、
李さんのゆるりユニークな造形は、使うほどにいいなぁ~と思うのでした。
(と、これは愛用者の私の個人的な実感なのですが)
大きなものから、小さなものまで、バリエーション豊かな作品構成となることと思います。
李さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って、レンガ道と花壇の間の緑の空間。
ガラスと緑と光のハーモニー。
ゆっくりお楽しみいただけますように!
大谷房子さん(染織)
Q
愛知県ですっきり爽やかな布づくりを進める大谷房子さん。
3回目となる「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?
A
ストールは今回のメインビジュアルをイメージしたりんごチェックを。
裂き織りバックやポーチ、麻のリバーシブルバックなど身の回りのものと、
今回ピローケースを出品します。
機械織りの布で作られたものが多いとは思いますが、
一日の休息のときに心地よく眠りにつきたい、
そんな思いで織りました。
Q
大谷房子さんにとって「工房からの風」はどのような風ですか?
A
言葉に表せないほど清々しい風です。
当日まで向かい風や追い風と向き合って制作をして、
辿り着き感じられるこれから糧ともなる風です。
Q
大谷さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。
A
「ノッポさん」を見てはあれこれつくっていました。
家中のものを材料にしていたように思います。
夜、どうしてもお腹が空いて
小麦粉こねてうどんつくって食べていたのが印象に残っています。
はじめから目分量は今もなおです。
「ノッポさん」世代の方も、きっとたくさん来場くださいますね!
房子さんの布は、「これ手織りですか!??」
というほど、緻密で正確でまっすぐな布。
まっすぐ、というのは、まあ、象徴的な意味ですけれど。
そのまっすぐな布の魅力が発揮されるのは、
使い続ける中でのこと。
ガンガン使って、洗って、また使ってもびくともしない。
びくとどころか、何とも言えない風合いが育っていく。
ストール、ネックウエア、バッグ、ポーチ・・。
最初は、ちょっと愛想なし?のような実直な布が、
気付けば、なんとも愛着のわいた布に育っています。
(これも、私の個人的な実感ですが)
愛想なし、なんてちょっと失礼な言い方しましたけれど、
糸のいろいろ、撚りのいろいろ、そして、染め色のバリエーション。
実はそれぞれの違いは、さまざまで、
房子さんの一枚ずつの布への想いがしっかりかたちになっています。
今回もきっと清々しい展示をしてくださることでしょう。
大谷房子さんのブースは、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐ。
HPはこちらになります。
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三浦侑子さん(ガラス)
Q
岡山県でガラス制作をする三浦侑子さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?
A
ガラスの野菜や果物のオブジェ、器などを出品します。
秋の収穫祭のような楽しく美しい展示になればと思っています。
Q
三浦さんにとって「工房からの風」は、どんな風でしょうか?
A
頭の中をびゅーびゅー、ぐるぐると吹く風ですが、
近年の台風のようにめちゃくちゃな風ではなく野分と言った方が近いと思います。
終わったあとに気持ちの良い野分晴になるよう、頑張ります。
Q
三浦さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?
A
子供のころ、泥だんごを作るのが好きでした。
きれいなだんごにする為に、最後にさら砂をつけてみたり、
小石をできるだけ取り除いてみたりしていた気がします。
6月の「風の予感展」に出品くださった三浦さん。
その時、かぼちゃがとても人気でした。
工房からの風の季節は、収穫祭の季節。
ガラスの実りでブースを満たしましょう!
と、楽しいプランが生まれました。
そして、透明の花の器などもとても使い心地のよい器。
収穫祭のオブジェとともにどんなかたちがやってくることでしょう。
三浦さんのブースは、コルトン広場スペイン階段前のブース。
モニュメントに面した明るい空間にきらめきのガラスが輝きます。
新しく誕生したHPはこちらです。
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廣川 温さん(陶芸)
Q
信楽で作陶する廣川温さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?
A
耐熱の器と粉引の器です。
耐熱の器は、直火・オーブンにかけることができる器です。
それは、日常使いの食器でもあり、同時に調理道具でもあるということ。
アイテムとしては、片手鍋、ごはん鍋、耐熱プレートなどの定番で制作しているもの。
新しい形状として、グラタンなどのオーブン料理に使いやすい
小さめの耳付きボウルを発表する予定です。
粉引の器は、桜色と水色の器を出品します。
一般的に粉引というと、白い器ですが、僕は淡色の色釉をかけています。
そうすることにより、得られる質感を大事にしたいです。
カップ、マグカップ、ボウル、プレートなどの日常使いのアイテムのほか、
一輪挿しなど小さめの花器などを出品予定です。
耐熱、粉引ともに、日々の生活の中にあるもので、
手に取りたいなと思ってもらえるものを、と思い制作しています。
Q
廣川さんにとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?
A
春風のように、わくわくするような、そわそわするような風です。
作家としてこれを機会に新しいなにかを、
見つけることができるといいな、と思っています。
出展が決まった今春から、制作するときにはいつも
「工房からの風」のことを意識していました。
当日を楽しく過ごすことができるように、
あとひと月、制作もラストスパートですね。
Q
廣川さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?
A
5,6歳のときに作った動物の箸置きです。
当時、すごく気に入っていたので、印象に残っています。
虎、あひる、ラッコ…数個作りました。
その中のいくつかは今も実家にあるのですが、
赤土に白マットをかけたもので、今の自分が見ても雰囲気がありますね。
7,8年前に友人の目に触れる機会があったのですが、
「温の造形力のピークやな」と言われました。
ある程度、事実なので言い返せない、っていう…。
信楽で作陶する廣川さんは、
以前ほかの陶芸作家の方のお手伝いで
「工房からの風」を体験くださいました。
今度はご自身の「風」として、お庭にやってきてくださるのですね。
廣川さんのお父様も陶芸作家で、galleryらふとの前身のギャラリーでは
たくさん耐熱鍋をご紹介していましたので、
今も市川周辺には、その作品を愛用されている方が多いかもしれません。
時を経て、温さんの器と食卓で再会!なんて素敵ですね。
温さんも得意とする耐熱の器、そして、桜色、水色の粉引き。
この半年間心の中にそよがせてくださった風がどんな成熟に結びついたことでしょう。
楽しみにお待ちしています。
廣川温さんのブースは、ニッケ鎮守の杜。
レンガ道が終わる、杜空間のちょうど真ん中あたりです。
HPはこちらになります。
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matsuricaさん(ガラス)
Q
美しい色合いが印象的なガラスのmatsuricaさん。
「工房からの風」では、どのような作品を出品くださいますか?
A
手の中でころころ転がして遊ぶ硝子玉を出品します。
万華鏡みたいなイメージです。
今 作っている作品の表現はヒカリをコンセプトにしています。
動きによって、変化するヒカリと色の表情がきれいだと思ったので
身につけるもの(人の動きによって変化するヒカリ)を制作してきましたが、
今回は装身具ではないものに挑戦してみました。
今までつくってきたピアスなども出品します。
空間や時間によって移り変わるヒカリと色の表情を楽しんで頂ければと思います。
Q
matsuricaさんにとって、『工房からの風」はどんな風ですか?
A
いいにおいのする風。
どこかの家の夕飯のにおいとかキンモクセイの花のにおいとか…。
どこからかやってきて、探しにいったらすごく素敵な場所だったらいいなあと思います。
Q
matsuricaさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか。
A
幼稚園で描いたお母さんの絵。
クレヨンの色を全部使ったドレスを着せたら
「みんなに家でこういうの着てるの?って言われて笑っちゃった」
と言われたのを覚えています。
あの頃からいろんな色を使うのが好きだったのかなって思います。
今年の案内状(B4を折りたたんだもの)の中でも
ひときわ印象的なmatsuricaさんの作品。
シャボン玉がきらきら輝くようで、そのかたちも美しいですね。
(案内状は、こちらから出力もできます。
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今回は、新たな取り組みにもチャレンジされたとのこと。
美しい画像の作品もその一部なのですね。
実物と出会えるのが待ち遠しいです。
matsuricaさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、
galleryらふとの奥側、岩のある空間。
きっとmatsuricaさんなら、その岩や空間を素敵に活用して
一期一会の展示をしてくださるのでは!
と思っています。
matsuricaさんのHPはこちらになります。
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OTA MOKKOさん(木工)
Q
箱根で寄木細工の作品作りをされるOTA MOKKOさん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?
A
天然有色木材の色、木目を生かしてつくった寄木細工の作品です。
使っているのは主に日本で育った木材、約20種類。
一つ一つ模様や色合いを変えることでその表情は異なります。
木材が持つそれぞれの素材感、個性を手にとって感じてもらえたら嬉しいです。
Q
OTA MOKKOさんとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?
A
「工房からの風」に出展が決まる前までは、
ゆっくり地に足をつけて暮らしていきたいと想いながらも、
慌ただしい毎日を過ごしていました。。
しかし、出展させていただく事が決まり、
あらためて自分がものづくりをして暮らしていく事、
自分のつくりたいモノを見つめる時間を大切にしよう
という気持ちが生まれました。
そんな中で、今の自分の中にはゆっくり落ち着いた風が流れています。
Q
OTA MOKKOさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか。
A
小学校低学年の頃、近くの沼でザリガニ釣りが流行り、
学校から帰ってきてすぐに、駄菓子屋さんにザリガニのエサとなるスルメを買い、
日が暮れるまで釣りをしていました。
そこでライバルに差をつけるために初めて「ものづくり」
をしたのが割り箸を繋げてつくるザリガニを二匹同時に釣れる特製の釣竿でした。
そのおかげで大物が釣れたり、小刀を使い指を縫ったりと思い出がたくさんあります。
その時の記憶が、ものづくりへの追及する事、
独自性を大切にする事を学ばせてくれたのかもしれません。
寄木細工で有名な箱根に工房を持つ太田憲さん。
山形生まれ、埼玉育ちながら、木工への想いが募り、
箱根に家族と共に移り住み、技術を習得して、独立されました。
寄木ならではのものづくり、そして、今の人の心に響くものづくり。
熱い想いを秘めながら、さまざまな方たちとの出会いを重ねられて、
OTA MOKKOさんならではのオリジナリティー豊かな作品を作られています。
ぜひ、お手に取ってその不思議な美しさに触れてみてくださいね。
OTA MOKKOさんのブースは、ニッケ鎮守の杜花壇の奥。
陶芸のヤマジョウさんとお隣です。
HPはこちらになります。
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ヤマジョウさん(陶芸)
Q
長野県高遠で作陶するヤマジョウさん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?
A
一部ではありますが、土、稲藁や雑木の灰などの
原料も地元で採れた物を使い仕事をしています。
長野県伊那谷らしいやきものです。
食器を主に、甕、徳利 等の「雑器」を出品いたします。
Q
ヤマジョウさんにとって、「工房からの風」はどんな風でしょうか?
A
「扇ぐ」
自分に向けたり、他へ送ることもできる、
自ら行動して起こす風。
初め、風は他から吹き、時に追い風になったり向かい風になるものだと思っていました。
けれど、出展が決まった時からの経過を考えてもそのような風は感じられず、
この質問の答えは「無風」ではないかと思ったこともあります。
そんな時、ラジオから落語が流れてきました。
なんとなく聴いていると、噺家が扇子を使って色々な仕草を表現することが想像でき、
落語では扇子の事を風とよんでいると思いだし、
その事がきっかけで自ら起こす風に繋がりました。
当日、自分が扇いでいる風がどの様に感じていただけるかはわかりませんが、
自他共に心地好いものになれば嬉しいです。
Q
ヤマジョウさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。
A
「ものづくり」とは呼べないような遊びですが、
小学校4年か5年のときに従兄弟と作った「かまくら」です。
高さ2メートル程で、中には子供が5・6人入れました。
これを聞くと長野県での話だと思われるかもしれませんが、
自分が生まれ育ったのは東京都の西(山梨や埼玉に近い)で、そこでの事です。
「雑器」とご本人がおっしゃるように、
使い継がれてきた懐かしさを感じるような陶器が
ヤマジョウさんのお仕事。
作られた器は、その表情からは意外なほど、手にとると軽やかで驚きました。
伺えば、単純な重量だけではなく、持った時の重心を考えて、
軽やかになるように轆轤を弾いたり、工夫されているとのこと。
若い作者のものづくりへの想いと自信が清々しく伝わってきました。
民藝に心惹かれる方は、はずせないブースになりますね。
味噌づくりの甕などもおすすめです!
もちろん、民藝に関わらず、
器好き、料理好き(食べること、呑むことも!)の方もぜひ。
そして、「工房からの風」には、毎年地元市川の男性の方々で、
楽しみにしてくださっている方も多いので、きっと喜ばれそうですね。
ヤマジョウさんのブースは、ニッケ鎮守の杜、花壇の奥側。
おおどかでありながら、爽やかな焼き物がたくさん並べられていることでしょう。
aeiさん(金属)
Q
愛知県常滑で金属装身具を主に制作するaeiさん。
「工房からの風」に、どのような作品を出品くださいますか?
A
日々の生活の中にひっそりと隠れている
美しいものをモチーフにした装身具や小さなオブジェが並べます。
使う素材は銀や真鍮などの金属をはじめ、天然石や海の漂流物も。
季節を感じ、その時その一瞬を大切に、
絵画を描くように景色を作品に落としこんでいます。
◎波にのって風になる(貝殻の蝶々のブローチ)
常滑の海で採取した貝を使用しています。
波で漂い続けた貝殻が、蝶々となって人々の生活に寄り添います。
Q
aeiさんにとって、「工房からの風」は、どんな風でしょうか?
A
はじめは、ざわざわとした安定しない風。
出展できる喜びと不安が半分ずつありました。
今回の出展が決まり、今までの作家生活を見直す大きなきっかけとなりました。
ミーティングを重ね、様々な方と意見交換の場をいただき、
悩みから喜びまでたくさんの事を考えることができました。
普段、頭にはあるけれど口に出すことのなかった言葉。
表面上しか完成できなかった作品たち。
すべてを洗い直しました。
根っこの部分を育て、
栄養を吸い上げることができるようになったという気分です。
あとは、本番、
心地よい風と共に花が咲きますように。
◎風の口笛 (オニユリの現物鋳造)
◎原っぱらっぱ
◎こぼれ落ちた砂糖
Q
aeiさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なものを教えてくださいますか?
A
紙粘土が大好きでした。
テレビでみたドールハウス職人さんが
粘土で小さな小さな食べ物をつくっているのを見て、
見よう見まねでつくっていました。
小学校2年生のある日、学校を辞めてしまう先生に
お別れのプレゼントとして粘土細工をあげようと思いましたが、
納得いくものができず、結局渡す事は叶いませんでした。
今思いだしてもやはり悔しいです。
:::
「工房からの風」の出展が決まる3月の終わり。
そして、本展の10月。
この半年強が、とても濃密になる作家が毎回現れます。
aeiの桑山明美さんもきっとそのようなひとり。
この機会をかけがえのないものととらえて、
自分の仕事を見直し、整え、
ほんとうの喜びに向かって制作できるようにされました。
初夏にゆっくりお話しした時と、晩夏にお会いした時。
別人のような晴れやかで爽やかな表情でした。
それは、きっと作品にも表れていることでしょう。
迷いの時は、竹の節目。
節目があるからしっかり強くなって、また次に伸びやかになれる。
節目を豊かに乗り越えたaeiさんの作品、とても楽しみにしています。
aeiさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、
galleryらふとに近い花壇の前。
浜辺や野原で出会った自然の姿を
金属をもちいて装身具に留める作品も多いaeiさん。
花壇を抜ける風とともに、作品も気持ちよく佇んでいることでしょう。
HPはこちらになります。
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AC CRAFTさん(木工)
Q
岐阜県美濃市で木工の制作をするAC CRAFTの石井学さん。
二回目の出展となる今回の「工房からの風」に
どのような作品を出品くださいますか?
A
「日本の森林ですくすくと育っているスギ、カラマツなどの針葉樹。
それらの材をどう使って、暮 らしの中で生かしていくか…」
を一つのテーマに活動をしています。
「柔らかい」「軽い」という特徴を生かせたら…と制作した家具と、
「材特有の表情」を生かせたら…と制作した小物などを出品したいと思っています。
その他、「堅さがほしいなあ…」というものは、
クリ材で制作していきたいと思っています。
Q
AC CRAFTさんにとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?
A
心の風車をぐるぐるとまわしてくれる風。
Q
石井さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。
A
小学校3年生でキャンプ部に入ったとき、切り出し小刀を買ってもらい、
竹のスプーンを作りました。
自分の切り出し小刀を手に入れたことがとてもうれしかったことを覚えています。
丁度同じ頃に、授業で糸鋸を使い小黒三郎さんデザインの木のパズルを作り、
いまでも宝箱に入っています。
そのころにした「ものづくり」がとても印象的で、いまでも記憶に残っています。
「休ちゃん」(握って楽しむ木の塊)
:::
今年の1月、岐阜県立森林アカデミーで特別講座を持たせていただいたとき、
卒業生の石井さんと再会しました。
美濃市は和紙とうだつのある町で、小京都のような佇まいの美しい街並みがあって、
その中に、AC CRAFTさんの工房兼ショップもありました。
郊外の豊かな山林、そして美観地区、ここに暮らし、制作する中から、
石井さんならではの森の循環、
自然や歴史との響きあいを感じる作品が生まれてくるのですね。
galleryらふとでも、AC CRAFTさんの作ったひのきのスツールを愛用しています。
ひのきならではの軽さと、使い込むほどの艶めいた木の色合いが、
ギャラリーに来られた方々にもとても好評です。
木工と言っても、用いる樹種でお仕事はだいぶ異なります。
AC CRAFTさんの作品、その木にぜひ触れて、
素材の恵みを感じていただきたいと思います。
AC CRAFTさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐの進行方向右手。
昨年までは、カフェのテントがあったところに、今年は作品が並びます。
AC CRAFTさんのHPはこちらです。
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ci.cafu metal workさん(金属)
Q
ci.cafuは、チ、カフーと、お読みします。
沖縄で金工制作をされる喜舎場智子さんと平澤 尚子さんのユニット。
さあ「工房からの風」には、どのような作品とともに
はるばるやってきてくださるのでしょうか?
A
私達が主に使っている素材は真鍮とシルバー、鉄などです。
装身具やオブジェを中心に制作しております。
古代から続く普遍的な美しさをもつ形を表現するとともに、
元々は装身具として作られてはいない、
日常品の一部分を切り取ったシンプルな中にも仕掛けや遊び心のある
作品作りを心がけています。
写真の銀の鎖のバングルは身を守る為の武具の一つ、
鎖帷子の一部のパーツをアクセサリーにしたものです。
真鍮のブローチ達は、元は折りたたみ定規から発送を得て
その日の気分で色々な形に変化させることの出来るものです。
ペンダントの紐は、ワックスコードを使ったものもありますが
もう一つ沖縄の染織作家の方に染められた絹糸を分けて頂き、
様々な発色の糸をよったものとの二種類を出します。
その他にも、ピアスやヘアゴム、モビールなど様々なバリエーションで
普段の沖縄の店舗そのままに楽しんで頂こうと思っております。
Q
ci.cafuさんにとって、工房からの風はどんな風でしょうか?
A
風も色の様に季節や地域によってたくさんの呼び名があることを知りました。
私達にとって工房からの風はまさに「恵風」。
万物を成長させる、めぐみの風です。
今まで、個展やグループ展などを中心に活動してきましたが、
県外でのこの様な野外作品展は初めてです。
色んな分野の方達と一緒に出展することでたくさんの刺激を受けて
今後の活動に反映されていくと考えております。
Q
ci.cafuさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。
A
トイレットペーパーの芯を使った双眼鏡。
それを持ってよく一人で近所の電気メーターなどを見て
ブツブツいいながら探検していました。
ティッシュの箱にセロハンを貼った水槽。
岩やワカメ、魚を一杯作って泳がせていました。
ci.cafu (チ、カフー)。
沖縄らしい響きの言葉ですが、どんな意味なのでしょう?
ci (チ):イタリア語で『 そこに 』『 私たちに 』
cafu(カフー) :沖縄の方言で『 カフー(果報)』『 幸せ 』
この二つを合わせた造語とのことです。
響きは沖縄らしい工房名ですけれど、
作品や展開は、特に沖縄らしさを出さずとも、
ご自分たちならでの世界観が伝わるようにしたい、と伺いました。
誰か風やどこか風ではない、ci.cafu
(あ、洒落みたいになっちゃいますねー)ワールド、
ぜひ工房からの風でそよがせてくださいね。
遠路はるばるのご出展!
どうぞお気をつけて~、来場者の方々と共に、
スタッフ一同お待ちしていますね。
ci.cafuさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って右手。
AC CRAFTさんのお隣です。
HPはこちらになります
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佐藤亜紀さん(染織)
Q
京都で染織を行う佐藤亜紀さん。
二回目の「工房からの風」では、どのような作品を出品くださいますか?
A
糸を草木で染めた手織りのストールを出品します。
絹糸で織り上げた、さらりとした素材感のものや、
絹糸を中心に、綿糸をところどころ織りこんだふっくら感があるものがあります。
それから、絹糸とウールで織ったあったかもののマフラーもそろえています。
季節のうつろいとともに感じる光や空気感、
日常の中で目に耳にする断片からイメージをふくらませて、制作しています。
素材や色のここちよさを感じてもらえたらうれしいです。
Q
佐藤さんにとって、「工房からの風」はどんな風でしょうか?
A
初めての出展の時は、染織を学んでた頃からのあこがれの風に吹かれることに、
かちんこちんに緊張しておもいっきり背伸びしようとしてました。。。
それからも、ゆるゆると私の背中をおしてくれる風。
知らぬ間にかかえこんでいた不要なものを少しずつそぎ落として、
やっと見えてきた自分自身。
自分が自分でいることの大切さが府に落ちました。
懐の深さでつつんでくれる、やさしさにあふれた風だと思います。
Q
佐藤さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。
A
実家が商店をしていたので、家に段ボールがとにかくたくさんありました。
なので、段ボールを重ねたり、くりぬいたりして、あそび道具をよく作っていました。
でも家の中でじっとしていられず、
草むらや田んぼの畦道をかけまわるような野趣あふれた子供でした。
野山であそびながらも、物語や空想の世界のことが頭の片隅にいつもありました。
子どもの頃から、手先は不器用で大ざっぱ、
機織り仕事を選ぶとは意外とも言えますが、空想力は活かされてるように思います。
初めての出展の時、ミーティングの時から、ほんとうに緊張されていた亜紀さん。
けれど、当日はなんとも穏やかで晴れやかな表情で、
お客様と布を介して交流していましたね。
とても素敵な画像がいくつも残っています。
その後も、galleryらふとや三越展などで作品発表を続けてくださって。
織りあげる布もぐんぐん自在になってこられました。
絹を中心に草木染をする亜紀さん。
日本的な情緒だけではなく、どこかエキゾチックな大胆さもその色遣い、
柄出しにうかがえます。
今回は、うんと華やかものから、シックなものまで、幅広く布が織りあげられたようですね。
そのどれもが、亜紀さんならではの光を宿した布となって、
今年の来場者の方々に手渡されていくことでしょう。
佐藤亜紀さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜
レンガ道をおりて、テニスコート側の花壇のほとりです。
HPはこちらになります。
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morinosuさん(金属)
Q
東京西部で金属装身具を制作するmorinosuさん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?
A
これまでは真鍮を腐蝕させて凹凸のあるデザインをほどこした後に
着彩し樹脂を塗布したものを主としていたのですが、
今回は、樹脂を塗布しない、真鍮の生地を活かしたものを主に出品いたします。
手に持った時の感触も楽しんでいただけたらと思います。
Q
morinosuさんにとって、「工房からの風」はどんな風でしょうか?
A
洗濯機のような風です。
グルングルンと悩み迷うけれど、
次第に余分なものが落ちてきて、まっさらにしてくれる風。
Q
morinosuさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?
A
初めてのものづくりは、おそらく土団子あたりかと思います。
土いじりが好きで、よく爪に土が入っていました。
土いじりの延長でか粘土も好きで、紙粘土で動物の顔をつくり、
手が隠れるくらいの大きさの布を顔の下に差し込んだだけの
シンプルな指人形をつくった記憶があります。
何の動物をつくったかは覚えていないのですが、取り付けた布が
チェック柄だったのをよく覚えています。
morinosuさんの2番のメッセージ。
実感がこもっていて、うまいっ!と思わずうなりました。
洗濯機、グルングルン・・・。
この数か月、まさにそんな感じのmorinosuさんでしたから。
(ご本人は、えっーそんなー!という感じかもですが)
もともと銅版画作家で、そこから発展しての装身具作りへの展開。
応募時には、すべての作品に樹脂が施されてありました。
それはそれできれいなのですが、金属のままの表情もよいのではないだろうか?
そう思ったのは私だけではなくて、風人さんや他の出展作家の方々からも、
いろいろな感想が寄せられたのでした。
まっすぐで原石のようなmorinosuさん。
そして、そのお人柄が、多くの方々の感想を呼び寄せたのだと思います。
とはいえ、新たな展開へ繰り出すのは、とても大変だったことと思います。
しかも、短期間で。
でも、もともと持っていたもの、そこに耳を澄ませてのお仕事ですから、
大変ながらも、充実されていたことと思います。
当日、銅版画展を見るような展示かもしれませんね。
展示の壁は、来場者の皆様の服や帽子となって。
morinosuさんの展示は、ニッケ鎮守の杜に入って、レンガ道をおりて左手。
小振りなテントに、物語がぎゅっと詰まっていることでしょう。
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