director's voice

繍 ぬいとり/刺繍

Q1
北海道から二回目の出展となる「繍 ぬいとり」の羽田久美子さん。
今回の「工房からの風」には、どのような作品をお出しくださいますか?

A1
細い一本の糸で刺繍をして、眼鏡ケースや鞄などを製作しています。
今回は定番の眼鏡ケースを生地とモチーフ、糸の色の組み合わせを様々に30点。
ちいさなお花を6個刺繍した巾着型のショルダーやそれぞれに違うモチーフで刺繍したサコッシュ。
A4の入る大型の鞄やちいさな手提げ鞄、新しくエプロンも製作しました。
散歩道、ブレーメン、skip、swag、kohanaなど、モチーフにもストーリーがありますのでたのしんでご覧いただけたらと思います。


ショルダー鞄 kohana
生地に合わせてモチーフと糸を選んでちいさな花を刺繍しています。
ふっくらと丸いフォルムですが細い持ち手と色使いで大人っぽい雰囲気に作りました。


ちいさな手提げ鞄「otomo」
日々の暮らしのおともにお使いいただけるようにと定番で初期の頃から作り続けている鞄です。
写真のモチーフは新作の「ガーランド」です


今回新しくエプロンを製作しました。
胸のところにワンポイントなものが5枚。
写真はマスタードの生地にタネツケバナです。


スワッグの刺繍のワンショルダーです。
束ねたスワッグは、刺繍しながら実際に植物を組み合わせている気分です。
バランスや糸の配色など、楽しく刺繍しました。
このほかに2種のスワッグも製作しています。


定番の眼鏡ケースの中から
「ブレーメン」というモチーフのものです。

嬉しかったこと
楽しかったこと
ちょっと頑張ったこと
それでもうまくいかなかったこと
心地よかったこと
笑いあったこと
大切にしたいこと
誰かに伝えたいこと

みんな種となり灯るように花を咲かせる

ブレーメンのモチーフはそんな思いをこめています。

Q2
繍 ぬいとり、羽田久美子さんが12歳のころ心に描いた将来の職業はどのようなものでしょうか?

A2
「保育園の先生」
ちょうど小学校高学年の頃、親戚の中に次々と赤ちゃんが産まれました。
集まりがあるたびに、わたしの楽しみはそのちいさな子どもと遊ぶこと。
その後、短大を出たわたしは幼稚園の先生となりました。
先日の展示会に、当時わたしのことを先生と呼んでくれていた女の子が立派な働くお母さんになって会いに来てくれました。

:::

羽田久美子さんは、思い描いた職業に就かれたのですね。
そして、現在は刺繍作家となって、当時の教え子と再会できるなんて、素晴らしいことと思います。

繍 ぬいとりさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜中央部、手仕事の庭の花壇の前。
文章をつづられているNOTEはこちら → click

風に向かって という文章には、今展への思いがまっすぐ綴られていますので、ぜひお読みいただければと思います。
一本取りの糸で布に描かれるように刺された植物や風物の息吹き。
手仕事の庭とどんなハーモニーを生み出すことでしょう。