Q1
岐阜県大垣市で木工制作をする川端マリコさん。
「工房からの風」では、どのような作品をお持ちくださいますか?
A1
古い時代の木工の手法を用い、おもに北欧形のスプーンを中心に制作しています。
材料は森林整備の過程で伐りだした流通することのない、身近で育った新鮮な生木の小径樹です。
丸太を割り、斧と2種類のナイフでスプーンを削りだしています。
割った表情をみて手書きで絵を描き、手彫りし、樹の生み出すゆらぎをフォルムに残すよう仕上げており、すべて一点ものです。
特にサクラ類は小径樹の表情が豊かで、削り進めてゆくなかで現れる色や模様の個性は万華鏡を覗いているような楽しさがあります。
樹の育った場所へのフィールドワークもあり、体力と精神力のバランスが難しく年間300点ほどしか制作できない地道なものづくりではありますが、
健やかに森と関わりながら樹とともに創ってゆくことは日々の制作の喜びとなっています。
使い手のみなさまの銘々の手やお皿に馴染む作品を繋ぎ、身近な樹や森を想いながら食事の時間を楽しく・美味しく過ごしていただくためのお手伝いができましたら幸いです。
当日は新鮮なヤマザクラの丸太を持参し、ブースで日常と変わらぬ制作もいたします。
伐られた経緯、フレッシュならではの瑞々しさや華やかな香りにも触れていただけるよう準備中です。
活動拠点である岐阜県本巣市周辺で育ったヤマザクラやウワミズザクラを使ったオイル仕上げの作品を中心に、作品を通じてご縁のある長野県木曽町育ちのシラカバを使い、一部拭き漆で仕上げた作品を出品いたします。
樹皮をスプーンの持ち手に残した拭き漆仕上げの作品は、今回大きめのサイズをご用意しました。
漆を纏った樹皮の美しい表情が個性的な作品となりました。
一点ものの作品、130点を出品いたします。
それぞれお手に取り、さまざまな角度からご鑑賞くださいませ。
当日はブース内で制作いたします。
このような感じで行う予定です。
Q2
川端マリコさんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。
A2
燕鎚起銅器の湯沸です。
ぽわんとしたフォルムや所々不規則な槌目模様、仕上げの金古色がさらに古びた姿・・・すべて好きです。
故郷である新潟県で茶器類揃えは昔から身近なものですが、わたしは観葉植物の水遣りとして使っています。
かわいさと風格が相まり、窓際で日々堂々と輝いています。
機械打ちのようではあるけれど、槌目模様がまばらなところに、人の手で作られた良さを感じます。
仕事の跡が残るテクスチャー好きは、幼い頃から身近にあった槌目模様が原点なのかもしれません。
銅は水をまろやかにするといわれており、植物は今日も健やかそうです。
HÖBAL SPOON
と名付けて活動される川端マリコさん。
いつも、たっぷりの文で想いを綴ってくださいます。
きっと、ここでは語りつくせない!~というわけではありませんが、
風人テント企画の「つくるひとの手ー工房からの風景」ご紹介する6人の作家のおひとりとして、寄稿文をいただいております。
こちらも、後日、このブログで掲載いたしますので、ぜひお読みください。
川端マリコさんの出展場所は、おりひめ神社の後方。
ホームページはこちらです。
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