director's voice

zum Beispielさん ステンドグラス 埼玉

zum Beispiel
ドイツ語の工房名を持つステンドグラスのワタナベナオコさん。
ツゥム バイシュピェル (カタカナ表記は難しいですね、稲垣記)は、
英語でfor exampleの意味。
さあ、どんな作品、そして、どんな思いの方なのでしょうか?

:::

Q
「工房からの風」に、zum Beispielさんはどのような作品を出品くださいますか?


色ガラスの代わりに、落ち葉を使ったステンドグラスを出品します。

普通のステンドグラスもそうですが、
落ち葉を使ったステンドグラスも透過光で見ると格段に美しくなるので、小さなランプが中心です。
ランプは吊り下げ、置き型、壁掛けタイプがあります。
その他気軽に楽しんでいただくために小さなアクセサリーなども出品します。

ナオコさんは、宇宙のまんなかとつながっているような印象のひと。
ステンドグラスをしたかった、というよりも、
木の葉の美しさをかたちにとどめるために、独学でこの制作を深めてこられました。

数年、時間をかけて続けながら、あっちにぶつかり、こっちにぶつかりながら、
今年、急激に芽吹きだしたナオコさん。
すべてが、必要な養分だったんですねー
春にお会いしてから、その成果のひとつでもある作品も、どうんどん進化しているようで、
今からその姿を見れることが楽しみでなりません。

美しい色ガラスや模様ガラスをつないで作られるステンドグラス。
その色彩と文様を、落ち葉が奏でるとは、なんと独創的なことでしょう。
初期感動をずっと心に置いて育み続ける日とならではのお仕事ですね。

紅葉し始めた桜の木の下のテントで、
どんな木の葉のステンドグラスが輝いているのでしょうか。

:::

Q
出展が決まってから、ナオコさんご自身やお仕事に変化はありましたか?


これはいつも思うことなのですが、
工房からの風の出展が決まったときにも、
自分は落ち葉に生かされているなぁと感じました。

活動を始めてまだ2年足らずですが、
その短い間に落ち葉はすてきな機会と不思議なご縁をいくつも運んでくれました。

そのたびに葉っぱに感謝しています。

工房からの風の出展決定後にあった一番大きな変化は
葉っぱがつないでくれた不思議なご縁から結婚したことでしょうか。

自分でも予想もしなかったことだったので驚いています(笑)


 
ナオコさんのブログには、感じる心と、
それを文章化するための整えの息遣いがよく伝わってくるのです。

「工房からの風」については、こちらに特に書いてくださっていますので、
ぜひお読みいただけましたら。
 →  

他にも、新たな暮らしの中で発見されるきらきらとした日々の息吹きも
新鮮に綴られています。

:::

Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
zum Beispielさんが大切にしている言葉を教えてください。


嫁ぎ先のおかあさんは毎日コツコツ広い庭の草むしりをしながら、
「少しずつでもやっていればだんだんに草はなくなっていくよ」
というようなことをよく言っています。

一度に刈って済ませてしまおうと急ぐふうでもなく、
やってもやっても終わらないのに飽きるふうでもなく、淡々と毎日少しずつやるのです。

例えばある特定の雑草や草花が増えすぎると、それを中心にコツコツ取り続ける。

大きくしてしまうと取るのが大変だし、種ができればまた増えてしまうから、
芽を出すそばから毎日地道に取っていく。

するとそれは数年後にはぐっと減るというのですが・・・
毎日コツコツを数年計画ですから、相当気の長い話です(笑)

「だんだんにやっていけばだんだんにできてくる」

私はおかあさんのこの口癖を好きだなぁと思うのですけど、
長いスパンで物事を見る視点と目の前のことを
地道に続ける姿勢の中に
個人的な感情が全く含まれていないところがいいんです。

いいとか悪いとか、好きとか嫌いとか、損とか得とかいう欲や感情を含まない、
どこまでも淡々とした姿勢。

焦らず急がず淡々とだんだんにやることでひとつのことを成す。

いいなぁと思います。

「たんたんとだんだんに」

うん、これを座右の銘にしましょう。

たんたんと、だんだんに。
いいですね、この言葉も。

zum Beispielさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜「galleryらふと」花壇側の脇。
ステンドグラスのランプもほのかに灯っていることでしょう。

ホームページはこちらになります →