director's voice

廣川 温さん(陶芸)

Q
信楽で作陶する廣川温さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
耐熱の器と粉引の器です。

耐熱の器は、直火・オーブンにかけることができる器です。
それは、日常使いの食器でもあり、同時に調理道具でもあるということ。
アイテムとしては、片手鍋、ごはん鍋、耐熱プレートなどの定番で制作しているもの。
新しい形状として、グラタンなどのオーブン料理に使いやすい
小さめの耳付きボウルを発表する予定です。

粉引の器は、桜色と水色の器を出品します。
一般的に粉引というと、白い器ですが、僕は淡色の色釉をかけています。
そうすることにより、得られる質感を大事にしたいです。
カップ、マグカップ、ボウル、プレートなどの日常使いのアイテムのほか、
一輪挿しなど小さめの花器などを出品予定です。

耐熱、粉引ともに、日々の生活の中にあるもので、
手に取りたいなと思ってもらえるものを、と思い制作しています。

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耐熱プレート鎬8寸

Q
廣川さんにとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?

A
春風のように、わくわくするような、そわそわするような風です。
作家としてこれを機会に新しいなにかを、
見つけることができるといいな、と思っています。

出展が決まった今春から、制作するときにはいつも
「工房からの風」のことを意識していました。
当日を楽しく過ごすことができるように、
あとひと月、制作もラストスパートですね。

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一輪挿し

Q
廣川さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
5,6歳のときに作った動物の箸置きです。
当時、すごく気に入っていたので、印象に残っています。
虎、あひる、ラッコ…数個作りました。
その中のいくつかは今も実家にあるのですが、
赤土に白マットをかけたもので、今の自分が見ても雰囲気がありますね。

7,8年前に友人の目に触れる機会があったのですが、
「温の造形力のピークやな」と言われました。
ある程度、事実なので言い返せない、っていう…。

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片手鍋(深)

信楽で作陶する廣川さんは、
以前ほかの陶芸作家の方のお手伝いで
「工房からの風」を体験くださいました。
今度はご自身の「風」として、お庭にやってきてくださるのですね。

廣川さんのお父様も陶芸作家で、galleryらふとの前身のギャラリーでは
たくさん耐熱鍋をご紹介していましたので、
今も市川周辺には、その作品を愛用されている方が多いかもしれません。
時を経て、温さんの器と食卓で再会!なんて素敵ですね。

温さんも得意とする耐熱の器、そして、桜色、水色の粉引き。
この半年間心の中にそよがせてくださった風がどんな成熟に結びついたことでしょう。
楽しみにお待ちしています。

廣川温さんのブースは、ニッケ鎮守の杜。
レンガ道が終わる、杜空間のちょうど真ん中あたりです。

HPはこちらになります。
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