director's voice

今野恵さん(フェルト)

2012年に出展くださったフェルトの今野恵さん。
二回目の工房からの風です。

(「工房からの風」を初めて知って、
このブログを読んでくださっている方もいらっしゃいますよね。

「工房からの風」では、出展作家が固まらないように、
そして、複数回の出展の時も新鮮な作品構成で臨んでいただけるように、
一度出ると最低二年は応募いただけないようになっているのです)

Q
今野恵さん、今回の「工房からの風」には、
どのような作品をお持ちくださいますか?

A
様々な羊種の天然色の羊毛を使い、
帽子・マフラー・ショールを主軸に
冬の装いに寄り添うアイテムを展示予定です。

マフラーとショールは布フェルトの技法で肌触りと柔らかさを、
帽子やバックは従来のフェルトの技法で作り、
強くたくましい生地に仕上げました。

くつろぎのひとときに温もりを添えてくれるラグやクッションも
従来のフェルトの技法でしっかりと密な生地に仕上げました。

細くしなやかな毛のメリノはマフラーやショールに、
山岳系や原種に近い羊はバックや敷物にと、
目的に合った羊毛を選び、
技法の選択により羊毛の個性が生きるように作っています。
ぜひお手に取って羊毛の個性を感じていただけましたら嬉しいです。

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限界フェルト。
今野恵さんの前回の作品はその名の通り、限界まで縮絨させた丈夫な丈夫なフェルト。
動物の息吹がダイレクトに感じられるようなフェルトの質感と、
それをモダンなセンスで統合させた独特の世界が印象的でした。

今回は、そこに幅が広がって、表情がぐんと柔らかく、華やいできました。
この二年間の制作の充実が感じられますね。

帽子や巻き物。
インテリアのもの。
ぜひお手に触れて、そのたっぷりとした素材感、
造形の素晴らしさを体感してみてくださいね。

Q
今野恵さんにとって「工房からの風」はどのような風でしょうか

A
実りの風。

今年2回目の出展となります。
4年ぶりの工房からの風です。

前回の出展の後、たくさんの「実り」が私の中に収穫されました。
制作と向き合う精神力、体力、
お立ち寄りいただいたお客様との出会いとご縁、
出展作家さんたちとの繋がり。
大切なものをたくさんいただきました。

そして、4年前の実りの展示から、
また再び土を耕し種まきして育て、
ゆっくりとじっくりと新しいアイデアを作品にしてきました。

今年も実りの風、吹きますように。

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ええ、ほんとうに広がっていかれましたね。
今回は、きっとより客観的に工房からの風を感じられて、
実りが豊かになるのでは。

ところで今野さん。
この私からの問いかけに、二通のメッセージをくださったのでした。
もう一つには、八風吹不動(はっぷう吹けども動じず)という禅語
について書かれてあって、とっても豊かなメッセージだったのですが、
こちらのほうを掲載くださいと。
どうしてなのかしら???
ブースでぜひお尋ねになってみてくださいね、八風吹不動。

Q
今野恵さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてください。

A
結婚を機に夫の姓になり、活動名を今野恵にしました。
それまで続けてきたフェルト作家としての在り方を見直し、
第二ステージへ進む決意とともに屋号も「KONNO FELT WORKS」に。
羊毛の個性がわかる、堅実でシンプルなフェルトを作ろうと思い
屋号もわかりやすい名前にしました。

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羊毛の個性がわかる、堅実でシンプルなフェルト。

今野さんがそう思えば思うほど、今野さんらしさがふんわりにじみ出ていくようで。
矛盾しているようなことを書きましたが、
ほんとうの個性ってそういうものかもしれません。

今野恵さんの出展場所は、おりひめ神社の鳥居のふもと。

ホームページはこちらになります。
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