彫金を藝大で学ばれ、大手宝飾会社のデザイン室で勤務された経験をもつ漆原圭子さん。
独立して、漆原さんの心と手により近いものづくりを丁寧に始められました。
Q1
漆原圭子さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
金属の繊細な線とキラキラした珠がついた、大ぶりなアクセサリーや、
植物をモチーフとしたアクセサリーなどを出品します。
特に見ていただきたい作品は、
大きな丸い面に小さな金属の珠が一面にぎっしりついたブローチです。
実際にお手元で見ていただくと、
金属の繊細な表現がひとつのデザインに収れんされて、
漆原さんならではの装身具に形づくられています。
Q2
漆原さんが工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
最近は「ギルバート・オサリバン」の「Alone Again」が好きで聴いています。
誰でも聴いたことのある曲だと思いますが、
この曲の旋律が私の心の琴線にふれて、切なくなるんです。
どこか懐かしさを感じる曲ですよね。
切ない気持ちも、漆原さんの作品のエッセンスに潜んでいるような気がします。
作り手の瑞々しい感受性は、ものづくりの原動力のひとつですね。
『見る人の心がふるえるような、音楽の旋律のようなアクセサリーを作りたいと思っています』
という漆原さんの掲げる想いが感じられるメッセージですね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
私が幼稚園生の時、とある日曜日にお父さんと木工制作する企画がありました。
私の場合、父が仕事でどうしても来られなくて、母が来てくれたんです。
もちろん母は、木工なんてできなくて。
周りのお父さんたちは本格的な鳥小屋とか作って、すごいんですね。
母は、どうしたら良いか分からなかったのでしょう、
小さな小さな簡単な木のベットを作りました。
子供心には、周りのお父さんたちの本格的な作品の方がうらやましかったんですけど、
今にして思えば、あの小さな木のベットはかわいらしかったなあと。
母はもう、他界しましたが、あの木のベットは忘れられません。
美しいストーリをありがとうございます。
慣れない木のものづくりを精一杯行うお母様の姿は、
今の漆原さんの中にきっとあるのでしょうね。
漆原圭子さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
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