director's voice

TAJIMA KISHIKO 染め 東京

Q1
TAJIMA KISHIKOさんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

A1
柿渋染め、草木染めを主としてストールなど身に纏うもの
包むもの掛けるもの
そのままでも多用途に使っていただきたいもの
また袋物など手を加えたものも提案させていただいて
染めや布に親しんで愉しんでいただきたいと思っています。

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Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
染め場の風景です。
今の会社の仕事場の一角を借りています。

以前は古い平屋に住んでいて多摩川も近く畑に囲まれ、染めを始めたのもその環境あってはじめたものでした。
子育てと製作とゆっくり続けていければと思っていた矢先、
家の取壊し立退きとすでに日常だと思っていた染めのある暮らしを考え直す時期となりました。
そもそも染めを作ることを続けたいのだろうかと思うこともありました。

染めは絵を描くような自分にとって私的なものでもあったので、
自宅ではなく(染めとは別の)仕事場である会社の一角を使うことは、
気恥ずかしさと関わりを思うと少し複雑な思いもありました。
けれど、どちらかを選ぶことなく、それぞれあって作ることに関わっていきたいと思い、
大げさに言えば宣言や覚悟のようでもあり、今は清々しく見られる好きな風景です。

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Q3
TAJIMA KISHIKOさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
最近夫と話すのは「いつまでからだを動かしていけるだろう。」ということです。

震災、災害、病気 自分の力の及ばない出来事は、
暮しや仕事を振り返り時に変わらざる得ないこともあります。
自分が作ったモノを売るという行為自体は、まだこの数年にしかなりませんが
お会いした方々が言ってくださる「世界観」というものがあるとするなら、
その何度か繰り返した立ち止りと振り返りのなか、
かたちを変えながら消さずにいられたからかもしれません。

きっかけ、出会いは遠いことになりますが、
いつまでといいながら共にある作り手に出会えたことは種火のもとになり、
その先の様々な出会いにも通じているのだろうと感謝しています。

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二回目の出展となるTAJIMA KISHIKOさん。
染めへのアプローチが独特で、染め上げられた布の存在感に心を揺さぶられる人や、
暮らしに生かしたいと思う方が多くいらっしゃいます。

今展でも、素材としての魅力的な布、形になった布、
さまざまなTAJIMA KISHIKOさんの心に叶った布が、
たっぷりやった来ることと思います。

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TAJIMA KISHIKOさんの出展場所は、おりひめ神社脇。
漆と木工の中村理木工所さんの近くです。

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