director's voice

古賀雄大さん(ガラス)

Q1
富山県で吹きガラスを制作する古賀雄大さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
揺らいだテクスチャーのflowシリーズのグラスなどテーブルウェアを出品させて頂く予定です。

「吹きガラス」の「宙吹き」という技法で、約1300℃に溶けたガラスに息を吹き込み制作しています。

flowシリーズが生まれたきっかけは“失敗”からで、失敗してぐちゃぐちゃになってしまって、バケツに入れられたガラスの表情がどこか美しく、その造形が唯一無二のものであったことに惹かれてこのシリーズを作りました。

溶けたガラスならではの流動性を活かしたテクスチャーや光の屈折による見え方、目立ち過ぎず、中に入った物がより美しく見えるものをイメージして制作しています。

Q2
古賀さんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
吹きガラスで形を成形する時に使用する「ジャック」と呼ばれる道具です。
溶けたガラスは熱くて直接手では触れないので、道具を使って成形して制作します。

ジャックは“なんでも”という意味があるらしく、吹きガラスを制作する際になんでもこの道具を使用します。
例えばグラスなら側面、底、飲み口など。
制作の際に1番よく使う道具がこのジャックです。

先輩の職人さんたちがそれぞれ自分の道具で制作する姿に憧れていました。
僕にとってはとても高価で手の届かない道具でしたが、そんな時に安く譲ってもらたジャックです。

その時のワクワク感や道具を大切にする事、ものづくりに対する熱量を忘れない為に、今はほとんど出番はありませんが、初心を忘れない為にいつも道具箱に入っているお守りのような道具です。

フォルムの美しい吹きガラスを制作する古賀さん。
富山からは毎年力のあるガラス作家の方が出展くださるので、今年もとても楽しみですね。

古賀さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、入って左側、下草萌ゆる空間です。

古賀さんのインスタグラムはこちらです。
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