director's voice

平井亮大さん(陶芸)

Q1
静岡県田方郡で作陶する平井亮大(りょうた)さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品されますか?

A1
私は静岡県の柿農家に生まれ、幼少期から伊豆の豊かな山や海が遊び場でした。
今回出品する作品にはそんな遊び場で出会った自然界の無垢な優しい色合いを表現したいと思っています。

柿農家の剪定作業で出る枝葉と田んぼから取れる藁を灰にして釉薬を作ったり、海で拾った貝殻で模様を付けたりしています。
作品を使って頂けるのが嬉しいので,マグカップなどの食器をメインに、できるだけ自然界では手に入りにくいものは加えない無添加なモノづくりを意識しています。

不安定な原料を使い、手跡の残るように作っているので1つ1つ雰囲気が違います。
是非手に取って選んで頂けたら嬉しいです。

・柿灰釉コーヒーカップ
実家の横にある柿畑は子供の頃の遊び場で5月の若葉の黄緑色が大好きでした。
柿灰釉は酸化焼成で黄色、還元焼成で緑色になります。
日常の中での使いやすさと容量を重視してサイズ展開しています。

・灰釉豆皿
自由度の高い豆皿はあえて不安定な原土や砂などを混ぜたり、柿や藁の灰釉を組み合わせて1つ1つ違う豊かな表情が見られるように作っています。
河原の石を拾って集めたくなるようなそんな気持ちになって頂けたら嬉しいです。

・花器(柿灰釉)
陶芸を始めて花器を作ったりするようになってから花がもっと好きになりました。
主張し過ぎない落ち着いた色とカタチを意識して制作しています。

Q2
平井さんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
剣先
自身でノコ刃を削って作ったもので陶芸を初めて教わった頃からずっと使っている相棒。
私は自分の手が一番の道具だと思っているのですが,剣先は手ではできない細かい削りや粘土を綺麗に切る作業には欠かせないです。
持ち手の部分がノコギリになっているのでその部分でも作品を削ったりできて大活躍なのです。

自分の手が一番の道具
って言えるのは素晴らしいことですね。
(そういえば、沖縄のnikadoriさんも、言っていました!)

そして、柿農家という生家や、生まれた土地の自然を敬愛し、自らの仕事につなげていること。
30代になったばかりの平井亮大さんの地に足のついたものづくり。
これからの展開も楽しみです。

平井さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
陶芸の千田徹さんの隣で、もっとも本八幡駅側です。

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