director's voice

Deep Gorge(陶芸)

Q1
Deep Gorgeという工房名で作陶する高田寛子さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
屋号のDeep Gorge(ディープゴージ)は、幼少期を過ごした米国東部コネチカット州の当時の住所、Deep Gorge Roadから名付けました。
ニューイングランドで培った感性と、日本の陶芸技術を組み合わせた独特の作風が特徴のブランドです。
「たおやか」をテーマに、信楽から取り寄せた2種類の陶土 x 自作の3種類の釉薬 x 2種類の焼成方法を組み合わせて、土の器を作陶しています。
和食器や洋食器といった用途にとらわれない、Versatile=多用途なデザインを心がけており、手に取ってくださった方の解釈で如何様にも使えるうつわを、出品致します。

例えば、代表作のCUP&SAUCERは、コーヒー、紅茶、日本茶、お酒、ジュース・・あらゆる飲み物が似合うデザインを想定して作りました。
お客様がいらした時はソーサーを茶托として。
普段はちょっとしたおやつを載せたり、取り皿としてカップと一緒に。
ハレの日もケの日も寄り添える、食器棚のスタメンを目指しています。

奇をてらわない、不完全だけど、特別。

くらしに寄り添い、何気ない一瞬を大切にしたくなる日々の器をご覧ください。

Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
道具、というには大きすぎるかもしれませんが、私にとって大切なのはやはり陶芸用の窯です。
電気とガスを併用する窯を用い、12~16時間かけて1250度まで温度を上げて作品を焼成しています。
そのあとで、24~30時間かけて冷ます時間も同様に大切な制作過程です。

陶芸にはたくさんの工程がありますが、泣いても笑っても、最後は窯の神様に作品を預けて仕上げていただく気持ちで毎回の焼成に挑んでいます。

神奈川県鎌倉市で作陶されていたDeep Gorgeさんは、この秋、群馬県北軽井沢に引っ越しをされるとのことです。
陶芸作家が工房を移転するのは、大きな変化ですね。
その直前の「工房からの風」への出展は、ひとつの節目、集大成にもなるのかもしれません。

Deep Gorgeさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、入って右手に添ったところ。
手前隣に、金工の玉置久実さん。奥隣に革のoceanoさんのテントになります。

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