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- 2024/11/03 director's voice 風の表情
- 2024/11/03 director's voice 岡林厚志さん(木工・風人)より
- 2024/11/02 director's voice 宮﨑眞さん(木工)より
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2024年10月の記事一覧
「出展作家紹介/工房からの風」New
director's voice
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つくるひとの手−工房からの風景 Index
今展より6名の作家から寄稿いただいた
「つくるひとの手−工房からの風景」をまとめました。
◎この文章は、当日、風人テントで写真と共に展示いたします◎
—-
■ 吉田欣司(木工) これまで
■ 片岡陽子(Taller Uraraka・紅型染め) カタルーニャでの紅型制作
■ hada makoto(木彫) 今日も作っている
■ 川端マリコ(木工) 森を知り、樹を活かすものづくり
■ 上山 遼(dairoku・陶芸) 「日常」の中に閃きを
■ 角舘徳子(こぎん刺し) 彼女たちの時間
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彼女たちの時間 角舘徳子さん(こぎん刺し)
今展より6名の作家から寄稿いただきました。
「つくるひとの手−工房からの風景」
:::
彼女たちの時間
角舘徳子
いつも自由になりたかった。
制約から逃れ、役割から逃れ、自分ではないものになりたかった。
旅に出ようと思った。
約束事の多いこぎん刺しからできるだけ離れたい一心で。
遠ざかるために走った、泳いだ。風を切り水を切り。
身を置く場所を変えてもみた。
今まであったことのない人たちに会い、もまれ働いた。
少し自由になった気がした。
けれどクタクタになって体を横たえるとき、無我夢中でつくる日々をどこかで懐かしんではいなかったか。
布の目に忠実なのは、なんだか格好悪く思えた。
あるときはキャンバスを前に、粘土を前に、形を作った。
いつしか私は一定の形を刻んでいることに気づいた。体の中にあるリズムに突き動かされている。絵画の筆の跡は、彫刻の指の跡は、針目にとてもよく似ていた。
制作に明け暮れた日々を懐かしく思い出す。
こぎんを刺す間、私は目と手だけの存在になる。そこに思念はなく、空っぽの頭に時々音楽が流れるだけ。私の求めていた自由とは自己を忘れることではなかったか。
三年前、遠ざけていた子供を産んだ。
何一つ思い通りにならない毎日。
けれど、大嫌いだった、再び何かに縛られる日々は、なぜだか心地よかった。
死なせてしまうのではないかと恐れていた子供は、とても弱々しかったはずなのに、自分の持つ、生きる力で今日も起き、食べ、排泄をしたり、たどたどしい言葉で話したりしている。
”ありがたい”何かに感謝する。
神に?日々に?家族に、支えてくれる人に。
流れる音楽に、取り囲む美しいものたちに。
今日も揃って息をしている。それだけで満足してしまえるようになった。心底生きにくいと感じていた世界がやさしくなった。
寝静まった夜、ふと思う。過去の彼女たちはどんな気持ちでこぎんを刺していたのだろう?家族のため?自分のため?それは自己表現の為だろうか。
今ならわかる。彼女たちは離れたいから刺すのだ。
無になって、母親でもお嫁さんでも、自分でもなくなって、瞑想の中でただ刺す。手と、目だけの空っぽの頭で。クタクタの体。きっと横たわれば1秒もしないで眠ってしまう程の。けれど横にはならず腰掛けて針を持つ。
その自由は、私も求めていたものに違いなかった。だから刺している間、私と彼女らは確かに繋がっている。愉しく自由でたまらなく愛おしい時間のために、そして生きるために。
今日もこぎんを刺している。
そういうことに決まっていたのだと思う。
director's voice
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「日常」の中に閃きを 上山遼さん(dairoku・陶芸)
今展より6名の作家から寄稿いただきました。
「つくるひとの手−工房からの風景」
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「日常」の中に閃きを
上山遼
兵庫県にて「物質」「日常」「感覚」をテーマに制作しています。
小さい頃から焼き物に興味があった訳ではなく、むしろそのような世界とは無縁で、とにかく外で遊ぶ子供でした。
焼きものに携わる前は、看護師として働き、傍ら写真作家としても活動をしていました。
写真という媒体と向き合い、展示活動をする中で、「何か自分からかけ離れていることをしている」ような感覚に陥っていきました。
自分の手の届く範囲のものや「日常」の生活環境に視点が移った頃、偶然TVで放送していた珠洲焼のドキュメントを見ました。
その中で作家が土練機から出てくる板状の土の塊をそのまま焼いて、板皿を仕上げている姿を見て、真新しい感覚に出会いました。
小学校の図工で粘土からマグカップを作った記憶はありますが、生活の中で当たり前にある食事の場で必要なうつわが「こんなにダイレクトに土からできているのか」となんとも言えない気持ちになりました。
その感動を胸に、実際に珠洲を訪ね、陶芸体験をしたところ、自分の手で土に触れることでさらにその感動は大きくなり、「土」という自然のものと、自分の手でそれに触れる行為が非常に心地よかったのです。
そして、帰ってすぐ写真という「光」という媒体から「土」へと対象が変化をし、陶芸制作を始めました。
自分はバブル崩壊後生まれで、物心ついた頃には生活の中に沢山の物が溢れており、自分が日々使っている物が一つ一つどのようにできているのかも、理解せず使用していました。だからこそ「日常」に潜む再発見は非常に興味深いものでした。
さらにデジタル社会が台頭している現代で、昔と比較すると「もの」を所有することが圧倒的に少なくなってきて、スマホ主体で生活を営む人も多いと思います。
デジタルという質量のないもので溢れた生活では、身体性を持って何かに触れる機会が少なく感じます。
そのような状況だからこそ、「日常」という半永久的に続く生活行為の中で、人間の身体「感覚」を通して「物質」を想起させたい。
そのことによって、自己の「身体性」を取り戻し、生活の中での心身が豊かになっていくものを制作できればと思い、焼き物に携わっています。
director's voice
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森を知り、樹を活かすものづくり 川端マリコさん(木工)
今展より6名の作家から寄稿いただきました。
「つくるひとの手−工房からの風景」
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森を知り、樹を活かすものづくり
川端マリコ
みずみずしい丸太から手道具だけで作品をつくる日々は、素材の個性を受け入れ、良さを見つけて活かすことの繰り返し。
斧で割るたびに新たな表情との出会いがあります。
個性を五感で愛でながら、心身健やかでいられること、場所に縛られることなく、穏やかに樹と向き合いながらあいまいで、人間的なものづくりができることは、この時代、とても幸せなことなのかもしれません。
素材は木材になることのない、伐りたての間伐樹です。
自ら森林整備に参加し、森を知ること、育った地へ足を運び、空気を知ることを制作のはじまりと考えています。
伐られた樹ではあるけれど、新鮮なうちは感情のある共同制作者と思い、触れ合っています。
言葉はなくとも、かすかに感情の起伏があり、長く触れていると少し心を傾けてくれている感覚があります。
乾いたあとの、樹の生み出したおおらかなゆらぎが美しかったとき。
さらに手のひらのなかで削って、削って、作品へ生まれ変わったときの表情の違い。
成長のつづきを見ているようで、制作の励みとなっています。
樹は身近な存在ではあるけれど、もちろん寿命があります。
守ってゆくことは大切ですが、無理に生かされている樹が、日常を脅かす存在になってしまうのはとても辛いことです。
良きタイミングにどのようなプロセスで活かし、その後長く使ってゆくかを考えることも大切であること。
木材として流通することのない、身近な素材を扱うものづくりをきっかけに、森や樹から学んだ視点です。
樹の命を生涯もっとも長く使う食具のスプーンに変え、生かし続けることができる、このものづくりに不思議な縁を感じています。
使うことで日常に寄り添う樹や森を想う、ゆるやかなつながりの種となる作品を地道に生みだしてゆきたいと思います。
代々、食に関わる家系で育ちました。
幼い頃の、樹々に囲まれた環境での楽しみは食事の時間。
いくつになっても、私にとって森と食卓はしあわせの場所です。
手にぴったりと馴染む食具を使うことは、
食事の時間を楽しくしたり、美味しく感じたりする力があると感じています。
ふぞろいの丸太から手彫りで削りだしたぴかぴかのスプーンは、同じものがありません。
人間らしく自分のものさしで選ぶ楽しさや難しさを知っていただき、その感覚を大切にしていただけますように。
そして、スプーンの表情が変わってくるころには、頼もしい食事のパートナーでありますように。
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今日も作っている hada makoto(木彫)
今展より6名の作家から寄稿いただきました。
「つくるひとの手−工房からの風景」
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私は作品を作るが、 本当に作っているのは 「もの」 なのか。
出展し始めた頃に、 同じ方と別のクラフトフェアでお会いし、 その時の会話が印象深く残っている。
一度目にお会いした後、 ご自身の誕生花を調べられたそうだ。
私のいないところで作品をきっかけに、 目の前の人は 「調べる」 という行動を起こした。
何か一つ気づくと見え始めるものがあるように、 会話の一つやささやかなことでも、 作品がきっかけで何かが起きることは嬉しい。
作品の先にあることを垣間見た。
モチーフを決める時に 「好き」 だけではない軸になるものを求めた。
好みとは別でつながるもの。
花は花でも 多年草になった背景。
もともと多年草をよく育てていた。
でもかまいすぎやうっかり放置で枯らすことが多かった。
多年草であっても次も花を見られることは当たり前ではなかった。
これが人との出会いに通じるものを感じた。
クラフトフェアは時期がほぼ決まっている。
それを開花時期と捉えて、 フェアを土に、 作品を花と捉えてみた。
繰り返し咲くことは当たり前ではない。
その中で出会うこと。
再会もあり得ること。
これはまた咲く花になり得て、 持ち主と作品にまた会えるものかもしれないと思った。
育てなくても、 街中に多年草はある。
見慣れた景色の中のその存在に気づくか否か。
それは何をもたらすのか。
毎月祖父の月命日に行くが、 家からお墓まで半分以上が上り坂。
ラストは猛烈な激坂。
しんどくて俯きながら進んでいるとアスファルトの割れ目の花に気づいた。
しんどくてもかわいいに気づいて笑った。
ちょっと元気をもらった。
また 歩き出して少ししてから、 モチーフにしたことある花だったかも、 とまた笑った。
気づいた。
本当に作っているものは、 ちゃんと応募用紙に書いていた。
「見慣れた景色を改めてたのしめるような毎日」 で 、
「手に取って下さる方がいて完成していくような作品」。
私一人で完成しないものを今日も作っている。
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カタルーニャでの紅型制作 片岡陽子さん ( Taller Uraraka )
今展より6名の作家から寄稿いただきました。
「つくるひとの手−工房からの風景」
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カタルーニャでの紅型制作
片岡 陽子 ( Taller Uraraka )
私の紅型との出会いは17歳の頃、東京国立博物館で沖縄本土復帰20周年記念「海上の道」展にて古典紅型の着物を数点拝観したことでした。
鮮やかな色合、色が少しはみ出たり、模様がずれたりしても気にならない伸びやかな絵柄に魅了されて、沖縄県立芸大で紅型や染織の技法を学びました。
当時は京都出身の伊砂利彦先生が常勤、非常勤講師に城間栄順先生と金城昌太郎先生が古典柄の模写や道具の作り方などまで教えに来ていました。
伊砂先生は富本憲吉の「模様から模様をつくらず」という言葉を繰り返し説き、スケッチからオリジナルの図案を作る大切さを学びました。
大学を卒業してからはアルバイトをしながら制作・展示活動。染色専攻同期で紅型を続けたのは私ともう一人工房へ入った方だけでした。
“呼ばれている気がする”
自分の直観に従い、1年間暮らせる分位の貯金をして、2003年夏に単身渡英した事が大きな転機になりました。
行ってすぐは自分の英語のレベルの低さに呆れ、旅行と暮らすのでは必要な語彙量が全然違うと悟り反省…
それでも運よく語学学校で友達にバイトを紹介してもらい、将来の伴侶とも出会えました。
彼は2年休職して渡英しており復職を希望、2005年秋には彼の故郷スペイン北部カタルーニャのジロナへ一緒に移住することになりました。
まずスペイン語を学んだものの、周りは皆カタルーニャ語を話すため、2言語を学ぶ事には随分苦労しました。
徐々に街から田舎へ移り、東京に生まれた私が、今は人口300人程の村に在住しています。
畑を耕し、鶏を飼ったり、自然に近い暮らしで、染仕事との向き合い方も変わってきました。
2013年~紅型を教えはじめ、3年後に自営業の登録をした時は、何年続くかな?と思いました。
日本から遠く材料の入手も難しい中で紅型を続ける意味とは?
正直何度も首をかしげつつ、その度に続けろと夫を始め周囲の方達に励まされ、良きご縁が広がり、今がある事に感謝しています。
国内でも海外でも作家として生きつづけるのは容易な事ではありません。でも海外だからこそ紅型を通して日本・沖縄と文化の架け橋になれたらと、ここでの自分の役目が少しずつ見えてきました。
模様は日々の暮らしからつむぎ、素材(染料・顔料・布地)も地元のものを取り入れ、カタルーニャならではの紅型表現が出来る様に日々制作しています。
地中海のゆるやかな染仕事を、ぜひ実際に観て触れて楽しんでいただけたら幸いです。
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これまで 吉田欣司さん(木工)
今展より6名の作家から寄稿いただきました。
「つくるひとの手−工房からの風景」
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これまで
吉田欣司
建築、インテリアの学校を卒業後、家具製作会社を経て、2016年に京都府亀岡市に、無垢の木を使ったテーブルや椅子、TVボード等のインテリアを中心としたオーダーメイド家具工房として独立しました。
独立当初から家具で余った端材でお皿やお盆を製作して、マルシェやイベントに出展するようになりました。
家具製作からこだわっていたのは、鉋や鑿など伝統的な手道具で仕上げることで、木を削る感触や仕上がった木の質感に魅了されていきました。
コツコツと同じ作業を繰り返すことが苦にならない性格だったこともあり、次第に家具より小物を製作する割合が増えていったことがきっかけでクラフトフェアに応募しようと思った矢先、コロナ禍となってしまい出展することができなくなりました。
2020年4月から3年間はとても有難い事に県立施設の木工指導員として間伐材を利用した木製遊具の製作や木工教室を開催する仕事を経験させていただきました。
コロナ禍の3年間は木工指導員をしながら、少ない時間を見つけては自身の作品を製作して、年に数回、百貨店で出展の機会をいただいていました。
先がどうなるのかわからない状況でしたが、木工作家としていつでも活動開始できるように、手道具や刃物の研ぎ方など木工の基本技術をもう一度見直し、新たに漆の作品を製作したり、この期間を利用してコツコツと作品の幅を広げていきました。
日々意識していることは学生時代に建築家の先生から教えてもらった【手で思考する】という言葉です。
もちろん建築と木工とではその解釈もスケールも違いますが、特に木工は手を動かして作りながら形を考えることがやりやすい分野なのかと思います。
また、たくさんの数を作ることも意識しています。
繰り返したくさん作ることで技術も上がり、その中で新たな発見があるからです。
2023年3月末に木工指導員を退職して、クラフトフェアや百貨店に出展し、本格的に活動を開始することができました。
やはり作品を発表する場があることは本当に嬉しく、2024年2月にはご縁をいただき大阪のギャラリーにて自身初の個展を開催させていただくことになりました。
コロナ禍でずっと思い描いていた木工作家としてやっと歩み出せた気がします。
同年に工房からの風に出展させていただくことが決まり、これまで積み上げてきた物をたくさんの方々にご覧いただける機会ですのでしっかりと準備して当日を迎えたいと思います。
director's voice
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出展作家紹介 Index
director’s voice での出展作家紹介をまとめました。
◎公開にあわせて、順次、リンクを追加します◎
<陶磁>
■ atelier4
■ Oostveld Pottery
■ 木村悠希
■ 齊藤智美
■ 佐藤牧子
■ shiro
■ dairoku
■ 高橋祐也
■ 二川 修
■ 渡辺信史
<ガラス>
■ 佐々木 光
■ 重松 歩
■ 長谷部陽子
■ 増田早紀
■ 山崎雄一
<木工・漆>
■ 天野琴音
■ 逢見祥平
■ 川端マリコ
■ hada makoto
■ 福田陽平
■ 水村真由子
■ 宮﨑 眞
■ 吉田欣司
<染・織・布>
■ 春日麻衣子
■ 菅野あゆみ
■ 園田雪乃
■ 染と織 樹庵
■ Taller Uraraka
■ 谷口亜希子
<こぎん刺し>
■ 角舘徳子
<刺繍>
■ 岸田志穂
■ 繍 ぬいとり
■ photage
<洋服>
■ 福月洋装店
<金工>
■ いゑもり
■ 池田ひなこ
■ 空想遊牧民 仔山羊
<革>
■ equus ferus
■ celeste
■ die Tasche
<装身具>
■ Asuka Shimada
■ KOHAN
■ 坂本美奈子
■ m a n a m i
■ moe matsuda
<腕時計>
■ ipsilon
<白樺樹皮>
■ 迫田希久
<竹細工>
■ 石毛みほ
<籐籠>
■ Autumn Basket
<蝋燭>
■ 奥田紀佐
director's voice
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吉田欣司さん/木工
Q1
京都府亀岡市で木工制作をされる吉田欣司さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?
A1
木と漆を素材に鉋や鑿などの伝統的な手道具で仕上げた器やお盆を製作しています。
光の環境によって白やグレイ、青のようにどこか捉えどころのない霧のような色味が特徴です。
汁椀や珈琲茶碗、リム皿、お盆、などの普段使いできる木漆製食器を中心に分厚い木の塊を刳り貫いた大型木器
や花器など木のオブジェも出品予定です。
作品を並べるだけではなく、展示の構成も楽しんでいただけると幸いです。
Q2
吉田欣司さんが12歳のころ、将来なりたかった職業について教えてください。
A2
プロサッカー選手です。
小中高とサッカー漬けの毎日を送っていました。
モノづくりとは無縁で学生の頃はサッカーをしていた思い出しかないくらいです。
その後、建築デザインの学校を卒業後、木工の世界に魅了されて現在に至りますが、
何か一つの事を突き詰めて熱中できる性格が、結果的に木工の仕事に合っていたと思います。
プロサッカー選手希望が、おりひめ神社周辺にそろいましたね。
吉田さんのブースは、鳥居の前の手水舎の前です。
吉田欣司さんの作品は、まずその色合いに心惹かれるのではないでしょうか。
ありそうでなかった、なんとも美しい色合い。
その色合いが、確かな造形力でつくられたかたちと響きあって、吉田さんならではの器として誕生していると感じます。
当日、どんな光のもとで、どんな風に映ることでしょう。
吉田欣司さんのインスタグラムはこちらです。
→ click
director's voice
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逢見祥平さん/木工
Q1
今年は、木工作家の方もとても充実しています。
さまざまな想い、さまざまなかたち。
初出展の逢見祥平さんは、「工房からの風」には、どのような出品をされますか?
A1
群馬県の山奥、長野と埼玉と接する位置にある上野村で、原木から木の器を制作しています。
地元の伐採業者や材木市場から集めた原木をチェーンソーで切り出し、木工ろくろで木を回しながら自作の刃物で削り出しています。
これからの寒い季節に出番の多くなるお椀や湯呑み等を中心に、丼やぐい呑みなども出品します。
通常の仕上げ工程を終えてから木目を際立たせる浮造り加工し、
その上から鉄媒染で黒く染め、拭き漆を重ね、最後に木目に白漆を擦り込んだ仕上げのものがメインになります。
内側が拭き漆仕上げのものと、蒔地仕上げのものがあります。
そして今回はじめてお披露目する新作の器もあります。
肌寒い秋冬に食べたい親子丼やうどんに最適な5寸丼や、
家族分の炒め物やパスタにも使える6寸鉢、
晩酌が楽しみになるぐい呑み、
など、食卓をより楽しく温かくしてくれる器たちを持っていきます。
Q2
逢見祥平さんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。
A2
祖父の作った深皿です。
おそらく、私が生まれる前から実家にあるものです。
家族分の炒め物や煮物、たくさん食べたい時は、このお皿にチャーハンを山盛りにしたり。
30年以上ずっと食卓の一員として活躍しています。
私自身もものづくりをする立場となってからは、祖父の作った深皿のように、ずっと食卓で使ってもらえるような器を作りたい・・・
そんな目標にもなっています。
なんと風格、味わいのある器なんでしょう。
見せてくださってありがとうございます。
陶芸家だったおじい様から日々の食卓を通しても、脈々と続くものがあるんですね。
逢見祥平さんの出展ブースは、おりひめ神社正面から見て左側です。
ホームページはこちらです。
→ click