2025年10月の記事一覧

「出展作家紹介/工房からの風」New

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けもの舎(鹿骨細工)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
けもの舎さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
耳飾りでお作りしている「雫」という作品は、私が猟師として山の中で出会う木々の朝露をイメージしております。
また、ケルト紋様やアイヌ紋様など、寒い地域の伝統的なエッセンスを取り入れ、お手に取られた方の温かい暮らしを祈りながら作成しております。
素材の軽さ、彫りの繊細さを実際にお手に取ってご覧いただければと思います。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
指輪でお作りしている「霖」(ながめ)という新作は、初秋に長く続く雨をイメージしお作りしています。
この長雨が止むと霜が降り、鹿が鳴く奥山から冬が少しずつ降りてきます。
山のイメージを吹き込みつつ、マットな質感の白色をお楽しみいただきながら、日常的に使える軽さのあるものを。
この作品を身につけた方に少し良いことがありますようにと祈りながらお作りしています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、深山けものさんに起こった変化について教えてください。

A4
春に参加した「工房からの風」のMTGにて、風人の作家さんからこんなお声をいただきました。
「工房からの風では、来場する皆さまが、必ず皆さまを温かく迎えてくれます」。

普段、山や工房にひとりきりで作業している私にとって、この一言は、「自分の作品が誰かの生活の中に繋がるイメージ」をより強く持たせてくれました。
たくさんの来場者さまとお会いし、山のこと、作品のこと、お話しできるのを楽しみにしております。

 

けもの舎さんは岩手県盛岡市で猟師をし、鹿骨細工のアトリエを営んでいらっしゃいます。

「現代の森林の課題に対し、けもの舎では、地元の猟師さんから鹿の骨を買取り、活動の資金源としていただくことで、長く継続して捕獲を行える環境を整えていこうと考えています。」

想いが芽生えても、それを実践として継続させていくのは簡単なことではないはず。
初めてお会いした深山けものさんは、しずかに力強さを凛と感じさせる方でした。
きっとこの仕事を続けて来られた中で培われたものなのだと思います。

鹿骨細工は「工房からの風」では、初めての出品目。
けもの舎さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って奥の稲荷社の手前。

ホームページはこちらです。
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追記
けもの舎、深山けものさんは、もちろんご本名ではなく作家名。
今回、山野うさぎさん、という作家さんもいらして、ストレートな作家名を付けられる方が揃ったなぁと思ったのでした。
また、作ることにとどまらず、その前のこと、環境や社会のことにも強く想いを馳せる、しんこきゅうさんや吉田慎司さんたちの活動も、深山けものさんに響くように感じています。

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糸花生活研究所(木工+織)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
糸花生活研究所さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
手芸道具である木製手巻きメジャーは、作り続けている作品のひとつです。
思い描いた形と使いやすさを求めて失敗も繰り返しながら、受注制作で1点ずつ制作するところから始めた作品で、初めての展示では、たった2点完成させるのが精一杯でした。
今回はじめて2桁の数をご用意できましたので、ずらりと並んだ姿をお見せできるのが嬉しいです。
動物や植物の絵柄を描いた、それぞれ一点ものです。
くるくる巻き取る楽しさを、実際にお手にとって試してみていただきたいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
手織りのための道具【バックストラップルーム】です。
手織り機の制作と手織り教室の講師をしている私たちの、中心にある作品のひとつです。
私たちの作る織り機の中で最も小さな織り機であるバックストラップルームは、「工房からの風」からのご縁で生まれた道具です。
会場の中にあるギャラリーらふとさんでのWSのために制作し、皆様にお使いいただいたのがはじまりでした。
昨年の「工房からの風」でのワークショップでも、お客様に手織りをご体験いただきました織り機です。
今回は道具に植物の絵を描き、飾っていて嬉しい道具、持っていて嬉しい道具を目指して制作しました。

こちらは、昨年の「工房からの風」でのワークショップの様子です。
ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。

今回3回目の出展となる私たちは、普段は手芸道具を軸に制作をしているのですが、工藝・クラフトの展覧会に手芸道具を並べることには、ずっと不安がありました。
そのため、前回までは木の食器をメインに構成し、脇役に手芸道具や手織り作品を並べていたのです。

今回3回目の出展が決まり、私たちのいつもの精一杯の手仕事をご覧いただけたらとの思いから、思い切って、手芸道具をメインに展示構成をしてみる予定でいます。
求める方がいてくださるのだろうかとやはり不安が付き纏ってはいるのですが、大きなチャレンジの気持ちです。

見慣れない道具もあるかと思うのですが、なんでもお聞きいただけたら嬉しいです。
お越しくださる皆様とお話できますことを、とても楽しみにしています。

Q3
糸花生活研究所さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
木工と手織りと絵付け、それぞれ工房と言えるほどの場所は持っていないのですが、部屋を見回して目に入る印象的なものとして、糸を巻き取るための道具【かせくり機】を選びました。
手作りしている手芸道具の一つです。
いつも机の脇にスタンバイしてくれているかせくり機が、暮らしの中にある私達の仕事場の目印のような存在です。
今回もディスプレイとして、いつも使っている子を持っていく予定です。
もし間に合えば、出展作品にも一点加えられたらと、制作を進めています。(どうなるでしょうか…!?!)

木工の藤原洋人さんと、染織の藤原真子さんが展開する「糸花生活研究所」。
真子さんが学んだスウェーデンでの手工芸のテイストを大切に、現代日本での生活の中にあたたかに灯るようなものづくりを進めておられます。

初めて出展くださったのは、コロナ禍のさなか、マスクと消毒に気を配りながらのことでした。
ほぼ初めて登場くださったので、唯一無二の作品展開、構成に驚かれるお客様が多かったように感じましたが、
その後の精力的なお仕事の継続の中で、すっかりファンの方々を増やしてこられたように思います。
今回は、手芸道具もふんだんに出品くださるとのこと、楽しみにされる方がいっぱいですね、きっと。

糸花生活研究所さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの奥。

ホームページはこちらです。
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しんこきゅう(木工)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
しんこきゅうさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
wine cupのご紹介をさせていただきます。
このbrown obiのシリーズは今年1月に販売したばかりなので定番とまでは言い難いのですが、ワインカップの足を作るのには通常のコップを仕上げる刃物とは違い、幾種類の刃物を使います。

木の器を作る職人の事を木地師と言いますが、木地師は自分で鍛造し刃物を作ります。
基本的な刃物の形はありますが、よって人それぞれに腕の長さや座高の違いにより刃物が異なります。
さらにワインカップなどは人によって作り方は千差万別です。
刃物だけでなく、削る順番、材料を機械に固定する方法さえも異なります。

私がこの形に取り組んだのは外注を作り始めたのがきっかけです。
作れるようになるまでたくさんの試行錯誤を繰り返しました。
今では自分のやり方が固定されてきましたが、知り合いの木地屋さんの挽き方を見るたびに新しい発見があります。
そして何より作るのが楽しい形です。
作れるようになるまでの道のりが一筋縄ではいかなかったからこそ、想い入れのある形になっております。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
今回この展示会で初めてお披露目することになるお皿があります。
名前はまだ決まっていませんが、山中漆器の伝統技法の加飾挽きを使った器になります。

こちらの器は削る際に刃物が飛び跳ねる「飛び鉋(かんな)」と呼ばれる刃物を使います。
木地師は刃物の事を鉋と呼びます。
小鹿田焼をイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。

木の器に模様が彫られている器は一度は目にしたことが有るのではないでしょうか?
こたつの上に置いてあるミカンの鉢や、茶たくなど主に昭和時代の物に潜んでいます。
私はこの技法ををもう少し現代の人も使いやすい形にできないかと模索していました。

しかしながら、問題なのは一定の模様にそろえることが難しいことです。
そこで「工房からの風」のディレクターの稲垣さんに相談したところ、
「それがいいんじゃない」と。

これには天地がひっくり返りました。
同じものを作らなくてはお客様に収められないという職人の固定概念が覆ったからです。
作家は自分の好きなものを作ってよいという、一見当たり前なのかもしれませんが、私にとっては別次元への転生です。
今も不思議でふわふわしています。
作品やこれからの方向性が変わってくるんだなと、新たな道の上にいるように感じており、どんな世界や自分に出会えるのかこれからが楽しみです。
そんな私の一歩をご覧いただけたら幸いです。

Q3
しんこきゅうさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
轆轤というと粘土を思い浮かべる方が9割です。
私が使っている轆轤は木を削ります。
産地によっても轆轤自体も刃物の形状も異なります。

轆轤の起源を調べると、縄文時代から回転体の木製品は見つかっています。
そして木製品の回転体でよく知られているのは「百万塔」です。
天平宝字8年(764)から宝亀元年(770)という短期間で100万という大量の数が制作されました。
この百万塔は簡素に書くと小さな3重の塔で、いわばワインカップの足の部分が3つ重なった塔です。
さらには塔の中心部は筒状になっており「相輪」という輪が連なった蓋が付いています。

蓋を開けると「「陀羅尼(だらに)」」というお経が入っています。
最古の印刷物です。
これらは反乱が起こった後に今後は繰り返さないよう祈願をこめて制作されたもので、現在も4万塔法隆寺に保管されています。

現代の轆轤の技術でもこれを作るのはかなり難儀です。
当時どのようにこの短期間で作られたのか?
刃物はどんなものだったのか?

個人的に考えてしまうのは、ろくろの資料を調べると必ず出てくる二人一組になって一人は紐を引っ張り一人は削るという昔の製法です。
しかしこれが本当に盛んだったのか不思議でなりません。

また、山中漆器の起源は「お椀が川の上流から流れてきた」この出会いがきっかけで轆轤挽きが盛んにおこなわれるようになったそうです。
以上の事からも川辺の近くでの制作、水車を使った轆轤だったのではないかと推測してしまうのです。
水車の轆轤も存在したという資料は残っていますが、全国に的にはやはり二人一組の手挽きが主流です。

また昔は県から県に移動することは制限されていました。
滋賀県で惟崇親王が轆轤を全国に広めたという言い伝えがありますが、その時に発行される「許状」これらは本当に木地を作る為に使われていたのでしょうか?

長くなってしまいましたが、私が言いたいことは、こんなにも謎が多いロマンが詰まった日本の手挽き轆轤を失っても良いのか?ということです。

西洋のウッドターニングは日本でもたくさん使われています。
作家さんもたくさんいらっしゃいます。
そして時代の流れはNC旋盤でPCに繋ぎデータを作れば勝手に機械が作ってくれます。

私が作っているのはただの木の器です。
されどそこには時代と、幾人の人が伝え今に至ります。
日本の歩みの一つを簡単に手放して良いのでしょうか?
伝統工芸とはなにか?
私は常に問うてしまうのです。

しんこきゅう、堆朱杏奈(ついしゅあんな)さんから、長いメッセージをいただきました。
少しまとめて短く掲載させていただいた方が、この場では読んでいただきやすかな、と思いました。
けれど、とても大切なことが綴られていて、どこも削ることができなかったので、そのまま載せさせていただきますね。

堆朱さんの印象はたたかうひと。
願うものを作るために出会う矛盾を見過ごさず、解決しようと臨んでいらっしゃるのだと思います。
そのような日々の中、「工房からの風」のミーティングを通して新たな出会いを得られたのですね。
同じものづくりながら、職人とは異なる作り手との出会いは、発想の転換や視野の広がりにつながっていくかもしれません。

「それがいいんじゃない」
私が素直に応えたフレーズが、天地をひっくり返したとは!
私もびっくりです‼

しんこきゅうさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、おりひめ神社の脇

インスタグラムはこちらです。
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ところで「堆朱」(ついしゅ)さんとは、木工にぴったりのご苗字だと思いましたら、足利時代から続く由緒ある家系の繋がりであるとのこと。

NUMERO TOKYOに詳しい記事がありますので、ご覧いただければと思います。
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鷺谷綾子さん(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
鷺谷綾子さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
3年程前から作っているお猪口です。
パウダー状に砕いたガラス粉と色を混ぜたパーツを一緒に焼成しており、白色の中に色が流れていく表情が気に入っています。

ガラスは色や粒度によって溶け方が異なるので、どんな風に流れたか、石膏型を割り出す時は少しワクワクもします。
原型はろくろで作っており、一つひとつ形を変えています。
色も形も様々なので、一期一会を楽しんでいただきたい作品です。
同じシリーズでコップやお皿も出展予定です。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
器のほとんどは鋳造の技法で制作をしていますが、フュージングやスランピングの技法も取り入れています。
この長皿はザラメくらいの粒度のガラスを溶かして板を作り、バリを取った後、石膏型にのせて焼成し、熱をかけてお皿の形に曲げています。
型に流し込む鋳造と違い、ガラス粒の溶けた表情や熱で動いた跡が見えるのが魅力だと思っています。

Q3
鷺谷綾子さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
ガラス学校時代に作った電気炉です。
いわゆる実験炉サイズなので、一度に多くは焼けませんが、小さい器の焼成や試作、ガラスカレットの水砕など、使い勝手がよく常に稼働しています。
使い始めてから10年が経ち、だいぶ年季が入ってきましたが、これまで一度も故障なく動いてくれています。

古代メソポタミアに起源を持つパート・ド・ヴェール技法などによって制作されるガラス作品。
白と組み合わされたカラーのゆらぎも鷺谷綾子さんのガラスの魅力です。

2回目の出展となった今回は、ニッケ鎮守の杜、おりひめ神社鳥居のふもと。
スダジイやクスの高木の木漏れ日にガラスがどんな風に映えるでしょうか。

鷺谷綾子さんのインスタグラムはこちらです。
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樋野由紀子さん(染織)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
樋野由紀子さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
作り続けているものの1つに絹のストールがあります。
“身につけるもの”という事で、肌触り、軽さ、保温性に長けている絹でストールを制作する事が多く、
また、草木染めをした時の発色の良さもあってさまざまな色を使っています。
ぜひ、触って、巻いてみていただけたら嬉しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
特に見ていただきたい作品は、獣毛を使ったストール、マフラーです。
今まで獣毛は羊毛のみで制作していましたが、今回初めてヤク、キャメルのマフラーを制作しました。
全て自然色で手紡ぎで行っています。
今後、ほかの獣毛や極細の紡績糸でも制作したいと考えています。
出展する数は少ないですがぜひお手に取って見ていただきたいです。

Q3
樋野由紀子さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
私の工房に、私が織ったマットの上に料理家のなかしましほさんのマフィンがある写真(パネル)があり、いつも気分を上げてもらっています。

以前イベントで島根のクラフト製品に合わせ、なかしまさんのお菓子とコラボという企画がありました。
そこで使用されていたパネルを記念にいただいたものです。
昔からなかしまさんのお菓子の本をもっていてファンでしたので、とても嬉しく今でも大切にしています。

島根県出雲市から参加くださる樋野(ひの)由紀子さん。
出雲の波音が聞こえる工房で、機(はた)の音を響かせながら織られた布には、
古えから続く佳き手仕事の確かさと、今を暮らす人の心に彩りを与えてくれる美が宿っています。

樋野由紀子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、gallerらふとの前、スダジイの木の下。

インスタグラムはこちらです。
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そして、出雲の工房からの映像も是非ご覧ください。
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村上愛さん(金属装身具)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
村上愛さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
タガネで一打ち一打ち、こつこつと音を立てながら、放射線状に打ち描いた装身具です。
制作を重ねるうちに打ち方も洗練され、繊細な揺らぎが耳元を彩り輝かせる装身具へと成長しました。
様々な大きさの展開も、作り続けたからこそのこだわりのバリエーションです。
ぜひ手にとって繊細な輝きを見ていただけると嬉しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
巳年に「長いもの」とそして「再生」という想いも込めた、チェーンのブレスレットです。
装身具を作る際に出る美しい銀板の切れ端を溶かし塊にし、線引きという方法で一から細い線を生み出しています。
その線を曲げ、ひと鎖ひと鎖を繋ぎ合わせ、1本の長いチェーンを仕立てていく。
小さなことも日々積み重ねていくと大きな輪が広がる。
そんな想いも込めたブレスレットです。

Q3
村上愛さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
制作の相棒でもある「糸のこ」です。
3種類のサイズを持っていますが、左側のものは学生時代から愛用している、一番古く思い入れのある道具です。
金属板の大きさによって糸のこを使い分け、切りたい形や表現したい細かさに合わせて繊細な刃を選び、付け替える。
そうして様々な装身具を生み出しています。

“身に纏う方を引き立て、日々を彩る装身具”
をコンセプトに、『Gacha atelier』として作品を発表される村上愛さん。
岡山県倉敷市から参加くださいます。
真鍮を中心とした金属の繊細な輝きと明快なフォルムの装身具が、木漏れ日の中でどのように映ることでしょう。

村上愛さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの手前。

ホームページはこちらになります。
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そして、工房からの映像も是非ご覧ください。
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tama glass (ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
tama glassさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
「ガラスの花のマチ針」

もとは実用的な形のマチ針を作っていましたが、「可愛くて使えない」「飾って眺めてます」という声をきっかけに、あえて“飾れるマチ針”へと発展した作品です。
作り続けるうちに、花びらの形や色合いが少しずつ変化し、より豊かな表情になってきました。
工房からの風では、花畑で花を摘むように、たくさんのマチ針の中から花や葉っぱを選んでいただけます。

繊細な作りのため裁縫には向きませんが、針山に挿して眺めたり、小さな花瓶に合わせてオブジェのように飾ってお楽しみいただいております。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
今回は「小瓶」を中心に展示します。
鳥や花のモチーフの栓がついた小瓶や、洋梨やクリスマスツリーをかたどった小瓶など、見ているだけで心が弾むような小瓶たちを豊富に並べ、ご覧いただきたいと思います。

すべて耐熱ガラスを素材に、バーナー技法で吹いて制作しています。
心惹かれるものが並ぶ部屋の一角に、そっと仲間入りさせてもらえるような美しい小瓶を作れたら…。
そんな願いを込めて制作しています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、tama glassさんに起こった変化について教えてください

A4
今までは考えが及ばなかったことに思いを巡らすようになったと感じています。

「工房からの風」への出展が決まるまでは、この場に立てること自体が大きな目標でした。
けれど今は、作り手として何を真ん中に据え、この先どのように作り、どんなふうに周りの世界と繋がっていきたいのか。
そんなことを考えながら制作している自分に気づき、少し驚いています。

ミーティングでいただいた数々の言葉や交流が、じわじわと自分に染み込んできたのだと思います。
この出展を終える頃には、またどんなことを考えるようになり、どんな景色が広がっているのか。
変化の続きがとても楽しみです。

tama glass 多賀屋泰子さんは、「工房からの風」の事前MTGにすべて参加されました。
多賀屋さんご自身に欲するものがあるから、吸収されるものごとが豊かだったことと思います。
「工房からの風」をこれから続く作家活動の思考の柱を育む機会にしてくださったこと、うれしく思います。

tama glassさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜のゲートから進んでgalleryらふとの手前。
ホトトギスやシュウメイギクといった秋草揺れる花壇のほとりです。

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tronco (革・帆布)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
troncoさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
「お道具入れ」は、troncoが長く作り続けている定番の作品で、自分の道具を収めるために作ったことが始まりです。
カラー帆布に加え、天然素材で染めた生地を取り入れ、季節ごとに変わる色合いも楽しんでいただけます。
仕事の道具や趣味のもの、ちょっとした日用品まで、思い思いの使い方で暮らしのそばに置いていただけたらうれしいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
一枚の革を細く裁ち、一本一本を編み上げて形にする革かご。
しっかりと編み上げることで、丈夫で長く使えるかごになります。
日々の手の中で少しずつ馴染み、革の表情が深まっていく過程を楽しんでいただければと思います。
これまでのたて型やよこ型に加えて、今回は新しくショルダータイプも制作しています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、troncoさんに起こった変化について教えてください。

A4
「工房からの風」への出展をきっかけに、新しい作品ができると『これを応募してみよう』と考えるようになりました。
出展が決まると、まわりの人から『今度は何を作るの?』と聞かれることも増えて、励みになっています。
今は、昨年から始めたハギレワークの新しい作品作りに取り組んでいます。

革のサンダルも含め、多彩なアイテムをおひとりで制作されるtronco(トロンコ)、立花怜己(れいな)さん。
今回で3回目の出展となります。

今回の出展場所は、ニッケ鎮守の杜レンガ道を抜けて、galleryらふとに向かう途中。
ホームページはこちらになります。
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工房からの風の映像もご覧ください。
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makoto sakurai(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
makoto sakuraiさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
Tumblerです。
何度か手からグラスが滑り落ちて割ってしまった経験からデザインを発想しました。
口を広げることにより薄く、口当たりも良くなります。
大小2サイズ展開して持っていきたいと思っています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
Shelterです。
チリやホコリから守り、何気ないところで豊かさを感じられると思います。
小さい方に爪楊枝や綿棒を入れたり、多肉植物も入れられます。
大きい方にも少し大きめのサボテンを入れたり、乾燥ハーブを入れてデフューザーとして使って頂いてる方もおられます。
使う方により用途のアイディアにバラエティがあって楽しいです。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、makoto sakuraiさんに起こった変化について教えてください。

A4
出展が決まって大変喜びました。
また、ミーティングに参加させていただいて、スタッフの方達や出展者の方達とも交流できた事で、
皆んなで一丸となり良いクラフトフェアにしようという意気込みを感じ、私も最大限努力し、展示を成功させたいと強く思いました。

北陸、富山県で制作されるスモーキーな色合いに研ぎ澄まされたフォルムのガラス。
ニッケ鎮守の杜の中で、どのように光と出会うでしょうか。
ちょうど中央の本部テントの近く、坂田琢磨さんのお隣のブースです。

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BLUEPOND(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
BLUEPONDさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
『ORIGAMI』 平皿

”この世で1番シンプルなお皿があるとしたら、それはどのようなお皿だろう?”
と考え、生まれた作品です。

硝子は、透明で、光そのものを集めたり反射したりします。
それは空気や水や氷のようで、時には記憶や想い、願いのようでもあり、まるで
「目に見えない大切なものを触れられる形にしたような不思議な素材」
だと感じています。

硝子の光が、お皿にのせるモノそのものを、そっと引き立てるとともに、ご使用になる方、おひとりおひとりの個性や魅力、暮らし方、生き方自体にも光を添えるものとなりますように願いを込めています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
『ミニオブジェ』 

板ガラスをカットして、縦の状態で並べて焼成することで成型する小さなオブジェです。
ある程度予測をしながら窯にいれ、熱を加えますが、焼成後、窯を開ける際に、硝子達がどのような動きを見せたのかを確認する瞬間が大好きで、重力と硝子と一緒に制作しているのを実感できるのが楽しいシリーズです。

朝昼晩の時間帯や、晴れや曇りなどの天候の変化によっても、光や影がうつろいます。
そして、角度や視点を変えるだけでもかなり違った表情を見せてくれます。
室内では窓際や照明のある場所に置いたり、様々なシチュエーションで観察(鑑賞)していただきたい作品です。

クリアなガラスや磨りガラスを施したもの他、金彩や白金彩の焼き付けをしているものなどもあります。
全て一点もので同じではありませんので、惹かれるものがあれば、お手に取ってお楽しみいただけましたら幸いです。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、BLUEPONDさんに起こった変化について教えてください。

A4
自分がこれまで続けてきたことはどのようなことだったのかを客観的に捉え直したり、立ち位置を再認識する機会になりました。
今後の方向性がより明確になるといった変化が起きたように思います。

硝子への興味はもちろん、光や音や香りや感覚、様々な素材との関係性、意識や未知なもの。
暮らしや自然の摂理について知りたいという好奇心が制作や日常の原動力になっています。

これまでは、その時々で求められるものに合わせ、部分的にお届けする機会が多かったのですが、
”自分の世界を思い切り出したらいいと思います”
とのアドバイスをいただいたことで、枠に囚われず、まるごと表現していいんだという安心感が生まれました。

アクセサリーや暮らしの小物からオブジェ、音にまつわる作品など様々になるかと思いますが、
緑の美しい会場へ、”工房からの風” をお届けして、今回ならではの光を一緒に愉しんでいただけますよう準備に励みます。
当日お会いできますのを心より楽しみにしております。

”暮らしに光を添える” デザインアトリエ BLUEPOND
という名前でお仕事を展開する青池茉由子さん。
青 池 なので、ブルーポンド!なのですね。

札幌のビルの一角を素敵な工房に仕立てて、光とともにある作品作りに励まれています。
夏の終わりにお訪ねしたのですが、工房には「硝子琴」が。

妙なる調べ、光の音色。
青池さんは音楽活動もなさっていて、なんとも愛らしいお声のヴォーカルとウクレレ奏者。
BLUEPONDのガラスには、光と共に音色も感じさせてくれる作品なのでした。

装身具、器、オヴジェ、楽器・・・広やかであって、芯はつながっているBLUEPONDの作品群。
ニッケ鎮守の杜中央部、花壇のほとりのテントでご覧ください。

ホームページはこちらです。
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