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2016年10月の記事一覧
「出展作家紹介/工房からの風」New
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hyakkaさん(木工)
神奈川県相模原市で、百年愛される家具を目指して制作をする
hyakkaさんからのメッセージをご紹介しましょう。
Q
hyakkaさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
テーブル、椅子、ベンチなど、
時を経るにつれ美しくなってゆく無垢の木の家具を中心に、
花器やパン皿といったこものたちも出品します。
そのほとんどが工房からの風に向けて製作した新作になります。
美しく機能的、だけではなく、木の魅力を引き出すこと。
自分の奥底を掬い取ること。
木にも人にも誠実であること。
そんなことを意識して製作しています。
花器は以前から製作しているものですが、
今回初めて、生木の丸太から作り出しています。
今までは質の揃った「木」でしたが、
今回の相手はまさに「樹」。
かたちも表情も実に様々。
毎回、丸太とにらめっこして作り出し、
削りながらかたちが変化していくこともままあります。
毎日ひとつずつ作ることを日課にして、
一日一回、真剣勝負をしています。
当日は椅子の試し座りスペースも設ける予定なので、
ぜひ座り心地なども確かめにいらしてください。
きっと「おっ」と思っていただけると思います。
「工房からの風」では、あまり家具のご紹介はしていないのです。
大きなものなのでお渡しが小物のようにはいきませんし、
作家との信頼関係がちゃんとないと、アフターケアも含めて
きちんとご紹介できませんから、
複数回出展の作家ですでに信頼関係が結ばれている方で出展いただいています。
今回は、これからご紹介するstudio fujinoさんが該当作家ですね。
hyakkaさん、実は初出展ですが、お話しののち、
信頼してこのような家具の多い構成になっています。
場所もテント外にも椅子などを置けるようにご提案していますので、
ぜひ、座り心地などお試しになってみてくださいね。
Q
hyakkaさんとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
「こどもの頃に感じていた台風」だと思います。
怖さとワクワクが入り混じった感覚。
風に煽られ、びしょぬれになっても楽しい。
そして何より、台風が過ぎた後の美しい風景。
まるで台風が余計なものを剥ぎ取っていったかのように、きらきらと澄んだ空気。
そんな光景が見られることを夢見て、製作に励んでいます。
余談ですが、今回出品する花器の中には桜の木のものがあります。
僕のブースは桜の木の真下。
循環というのかなんなのか、なんだか感慨深く感じました。
桜は削ると良い香りがするんです。
当日はそんな甘く爽やかな風が会場全体に吹き渡ると良いですね。
そうなんです。
桜の木の下。
今年は早目の紅葉黄葉が始まりだしました。
Q
hyakkaさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
hyakkaは、「百年愛される家具」を目指して製作しています。
ひゃっかという言葉を漢字にすると、百科、百貨、百花、百果など、
いくつかの漢字が当てはまりますが、共通するのは「百」という数字。
あまり意味を限定したくないという思いもありました。
・・というのは半分後付けのような話で、
実際は、独立するずいぶん前、
妻とどんな屋号がいいか話していたとき、妻が出した案が「百果」でした。
その後もいろいろと考えましたがパッとしたものが思いつかず、
なし崩し的にhyakkaになったのでした。
(妻曰く、「たくさんの果実が実るように」、
百果だったそうです。今、知りました。)
百果。
とてもいい名前ですね。
奥様の想い、通じますように~
(工房からの風は果実をメインビジュアルにしていますし!)
hyakkaさんのブースは、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐ。
そう、桜の木の下です。
ホームページはこちらになります。
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金城貴史さん(木工)
初出展の木にまつわる作り手の方を
続けて4人ご紹介いたします。
まずは、岐阜県から出展くださる金城貴史さんです。
Q
金城さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
使いやすさ、耐久性を重視した、木と漆の匙。
木の匙を作り始めて、6年になります。
作り始めた当初は、見たことのないような面白い匙を作ろうと、
変わった形の匙を楽しんで作っていました。
1年ほど経ったころから、実用的な使いやすい匙へと目標が変わっていきました。
実用性を重視すると、匙は見慣れた「普通」の形へと変化していきます。
それでも残る、私の造形の感覚や癖、
また、経年の表面劣化を軽減する為に紙やすりによる研磨を行わず、
刃物にて最後まで削り上げるという仕上げの方法が、
作品の個性になってくれればと考えています。
私の考える「普通」の匙を、ぜひ手に取ってご覧ください。
経年の表面劣化を軽減する為に紙やすりによる研磨を行わず、
刃物にて最後まで削り上げるという仕上げの方法
などは、完成した作品の姿を見ただけではわかりにくいところですが、
販売時だけ見栄えがよいのではなく、使い続けられたときに、
よさがしみじみわかるもの。
そういうものが「工房からの風」にたくさんあってほしいと思っています。
金城さんのジャムスプーン。
今年の工芸都市高岡クラフトコンペティションで奨励賞を受けられたとのこと。
我が家でもヒメシャラのジャムスプーン愛用中です。
金城さんのブログから画像を一点拝借してご紹介しますね。
Q
金城さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
作った物を評価される場というだけではなく、
これまでの製作活動そのものを問われているような気持ちで日々を過ごしています。
風が吹いているとするならば、私にとっては向かい風で、
これまでの道のりでどれだけ足腰が鍛えられていたか、いなかったか、
自覚する良い機会になっています。
たとえ、向かい風が強くなろうと、風向きが変わり、
強烈な追い風が吹くようなことになっても、
前後に煽られることなく、てくてく自分の足で、速度で、歩いて行きたいものです。
てくてく自分の足で、速度で、歩いていくって、大切ですよね。
他力本願で追い風を願うのも人間ぽくっていいですけれど、
やっぱり、そうなるばかりではないですもの。
佳き風がそよぐ二日間を、ぜひ過ごしてほしいです。
Q
金城さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
工房名は特につけておらず、本名で活動しております。
子供の時から、何かに名前を付けるのが下手で、
昔流行したテレビゲームで主人公の名前を決める時にも、
さんざん迷った後なんだか恥ずかしくなり、
結局自分の名前を付けたりしていました。
「金城」という名字は、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
沖縄に大変多い名字です。
一クラスに3,4人はいます。
私の父が沖縄の人間で、幼稚園から小学校までを沖縄で過ごしました。
現在も実家は沖縄にあります。
「貴史」という名前については、
もともと歴史を切り拓くという意味を込めて
「拓史」という名前にしようとしていたらしいのですが、
「タクシー、タクシー」とからかわれる恐れがあるということで、
「貴史」にしたそうです。
改めて考えてみると、「拓史」にしなかった理由はよく覚えているのですが、
そこから「貴史」にした理由はあやふやです。
字画でしょうか・・・
タクシー、、、、なるほど!
金城貴史さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
galleryらふとの参道側です。
杜に佇む木の匙屋さん、のイメージでこの場所をご提案しました。
きっと、愛らしくも、実のある木のスプーンに満ちた空間が生まれますね。
金城さんのホームページはこちらです。
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gra..さん(帆布バッグ)
KUUSI6さんはフェルトのバッグを中心に出品されますが、
続いては、帆布のバッグを中心に出品くださる
gra..さんからのメッセージをご紹介いたしましょう。
Q
gra..さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
【日常を持ち歩くカバン】
帆布を使ったシンプルなカバン。
布と布・イロとイロを繋いで作るカバンや小物。
子供から大人まで使っていただけるカタチをお持ちします。
埼玉県行田市で、オリジナルの型紙から
二枚仕立ての丈夫で使い心地のよい帆布バッグを制作するgra..さん。
おひとりの手で一貫したバッグづくりに勤しまれています。
手作り感を無理に出すのではなく、
それでも手仕事ならではのこまやかな造りならではの存在感が特徴です。
Q
gra..さんにとって『工房からの風』は、どのような風でしょうか
A
自分の中に吹き込んできた強い風
今はそれを1つ1つカタチにしています。
自分の中に吹き込んできた強い風
gra..さんのこのフレーズには、実感がこもっているのを感じています。
帆布自体は既に作られたものなので、そこからの仕事であることが、
「工房からの風」にふさわしいのか、
gra..さんは少し迷われていた感じがありました。
VANILLAさんもそうでしたね。
ひとりの人間が(VANILLAさんはご夫婦ですが)素材を厳選し、
自らの感性でデザインし、自らの技術でかたちづくった、
暮らしの中で生きるもの。
こうして生まれたものに宿るものを、
「工房からの風」に来場くださる方々は求めてくださっていると思います。
そんなこんなを個人ミーティングでお話ししながら、
gra..さんの表情が、どんどん自信とよき緊張感に満ちて
輝いていったのが印象的でした。
「工房からの風」に向かって一心に制作くださっているバッグには、
そのよき自信と緊張感に裏打ちされたパワーが詰まっていますね、きっと。
Q
gra..さんの工房名について由来やエピソードを教えてくださいますか?
A
カバンを作る前に、友人達とロゴのデザインなどをしていて、
graがその時にデザインしたロゴの1つで
自然と自分が作るモノの名前となっていました。
..は、そこから先に進んで行くような気持ち
皆んな違う道を進んで行ったので、
【今もモノ作りしてたんだね】
って、何処かで見つけてくれたらいいなと思う気持ちもあるのかな..
夢を描き、その夢の中に飛び込み、まさに夢中に作り続けて来られた日々。
今もモノ作りしてたんだね
って、共に夢見た友人は、きっと見つけてくださいますね。
あ、「工房からの風」でかも。
gra..さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に広場側から入って
右側の桜の木の前に並んだ4つのテントのうちのひとつ。
木工のhyakkaさんと、陶芸の山下透さんの間です。
ホームページはこちらになります。
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KUUSI6さん(フェルト)
今回、フェルトでの参加はおふたりいらっしゃいます。
只今初出展作家のご紹介中ですので、
まずはKUUSI6さんからのメッセージをご紹介いたしましょう。
Q
KUUSI6さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
羊の原毛を縮絨させて作ったバッグやポーチ、
マフラー等身に着けるものを中心に、
他に小物では羊毛の豆皿やキーケースなどをお届けする予定です。
バッグを中心に自然の情景を切り取ったものを
モチーフとして羊毛の線で柄を施しています。
田舎で育ったこともあり小さい頃から葉っぱや
虫や雑草のある情景に触れてきました。
そこにある小さな動きを見つけては楽しんでいたように思います。
作品づくりの根底にはその頃に見た自然の情景もどこか関わっているように思います。
北欧の心楽しい笑顔が浮かぶようなプリント模様を思わせるフェルト作品。
大人の愛らしさ満載のバッグや小物ですね。
Q
KUUSI6さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
作家活動をしていて、ずっとどこに出て行くべきか悩んでいた時期。
そのような時に吹いて来た風なので、
漸くやっと、吹いてきた追い風。
とても待ち望んでいた風です。
「工房からの風」に向けて、じっくりと時間をかけて
自分の制作に向き合うことができたように思います。
この風と共に辿り着く場所が心地よい場所であるように
今はしっかりと焦らずに歩みたいと思います。
フェルトの作り自体もしっかりとされていて、
そこに施された文様の素敵さからとても高い完成度を感じました。
どこかおっかなびっくりでお話しが始まった個人ミーティングでしたけれど、
終わって帰られるときは、よき自信に満ちた表情をされていて、
ああ、きっといい展示にしてくださるなぁと、確信したのでした。
Q
KUUSI6さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
KUUSI(クーシ)とはフィンランド語で数字の「6」と
「もみの木」という二つの意味を持ちます。
この作家活動を始めたのが2006年で、
6という数字は昔から何かと縁のあるものでした。
工房名を付けるなら6という字を使用したかったんです。
当時から北欧のものに影響を受けていたこともあり、
フィンランド語で6という意味でKUUSIにしようと思ったのですが
もみの木という意味もあると知って、
子供の頃よく見ていた神社の大木を思い出しました。
子供の頃はその大きさに圧倒されていましたが
どっしりとした安心感もあって見ていると落ち着く大木でした。
二つの意味を持つKUUSIという語にしっくりきて決めたのを覚えています。
当時から10年経ち2016年になって「工房からの風」に出展が決まりました。
偶然にも「あ、また6だ!」と思い嬉しくなりました。
はい!また、6ですよ!!
KUUSI6さんのラッキーナンバーの今年。
佳き扉が開かれていきますね。
KUUSI6さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
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竹口 要さん(陶芸)
滋賀県東近江市のことうヘムスロイド村で作陶される
竹口 要さんからのメッセージをご紹介します。
Q
「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
ヨーロッパのアンティークな感じをイメージさせるような
日常使いの器をメインに作っています。
基本的に、私の作る器はフチが薄目になっているので
見た目からもシャープな感じの物が多いです。
そんな器を使い、普段の生活の中ほんの少しだけ背筋を伸ばし
シャンとたくなるような時間をつくれたら良いなと思っています。
今回は、定番の器だけでなく新しい器を出したいと思っています。
今回の出展作家の中では、すでに充実のお仕事展開をなさっている竹口要さん。
作家としての作品の完成度が確かで、世界観も確立されていて、
きっと、素敵な空間を工房からの風に生み出してくださることと思います。
Q
竹口さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
難しい質問ですね。
私は、台風の為に延期になった全体ミーティングに参加出来ず、
出展作家のほとんどの方とお会いしておりませんし、
風人の皆様のお話も聞けずにここまで来ましたので、
まだ、これだと言うものを実感出来ていないと思います。
ただ、台風が接近する中、イベントの会場となる場所、
特に出展場所に案内していただいた時に
庭園や大きな木などを見て安心したことを覚えています。
そこが、自分の工房のある
ヘムスロイド村の風景に似ていたからかもしれませんし、
幼い頃遊んだ神社に似ていたからかもしれません。
私は、まだ、風がどのような風になのか分からないのですが、
ニッケ鎮守の杜の中で、色々な素材の出展作家の方々や
風人の方々と素敵な風をつくれたらと思っています。
ええ、そうでしたね。
せっかく滋賀からいらしてくださったのに、台風のせいで予定変更になってしまって。
年齢的にも私は作家の方にお伝えすることが多い立場になりがちなのですが、
竹口さんとはもっと対等にいろいろお話をしてみたかったです。
(それは竹口さんの年齢にかかわらず)
ヘムスロイド村に今度はぜひお訪ねしたいと思います。
皆さんもぜひ。
ことうヘムスロイド村 → click
Q
竹口要さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
私は、箱が好きなんです。
紙の箱、木の箱、ブリキの箱、色々なサイズや素材の箱を集めています。
そして、それぞれの箱に合った中身をジャストサイズで収納し、
その箱を大きな箱の中に並べて収納。
そんな事が出来る箱が好きだったので自分の工房名を「小箱」にしました。
いや本当は、今までの話も本当の事なんですが、
実際のところは実家の片隅に作った工房が小さかったからです(笑)
本当に小さな小箱のような工房だったので。
kobako
という工房名、印象的でした。
こういういわれがあったのですね。
そして、この文章の展開、うまいですねー。
竹口要さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
ちょうど真ん中あたりの場所に、凛とした器が並んでいることでしょう。
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福井 一伯さん(陶芸)
静岡県浜松市でくるり窯として作陶される
福井一伯さんからのメッセージをご紹介いたしましょう。
Q
「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
生活の中で使って頂ける器
(ポット、碗、プレート、マグカップなど)を中心に持っていく予定です。
土に白泥をコーティングした粉引きの器を中心に制作しています。
器によって土と白泥の組み合わせが違うため、様々な土の表情が見られます。
制作工程の中で生まれる景色や土の風合いを大切にしています。
粉引きや灰釉の陶器。
私たちの暮らしになじんできたそれらを、
丁寧に爽やかに焼きあげたものが、福井さんの陶器です。
古陶磁の美しさも心に置いての作品は、
使い心地の良い、いつものテーブルにすっととけ込んで、
新鮮な風をそよがせてくれる姿をしています。
Q
福井さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
工房からの風は自分にとって大舞台で
緊張や不安、期待が入り混じった大きな風のように感じます。
そういった風が制作の原動力になり、今までには無かった
新しい器が生まれたような気がします。
福井さんもこの出展を機に、誠実に
新たな制作に取り組んでくださいました。
芯の通ったお仕事には、淡々とご自身の道を拓いていかれる様子が感じられて、
それが作品によく表れているように思います。
思わず手が伸びるいつもの定番の器。
ぜひお手に取ってゆっくりと掌となじませてみてください。
Q
福井さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
私の名前は一伯と書いてカズノリと読みます。
両親が神社で付けてもらったそうで、
もう一つ、候補があった中から一伯を選んだようです。
なんと読むのかよく聞かれますが気に入っています。
30代に入られたばかりの福井さん。
素敵なご本名のほかにも、くるり窯という工房名でも発表なさっています。
くるり窯の由来は、ブースでぜひ聞いてみてくださいね。
福井さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
モニュメント広場に向かったテントです。
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モノエさん(陶芸)
陶芸の出展作家は12名。
毎回、ほぼ同数での構成です。
複数回出展は、梅田かん子さんおひとり。
あと11名の方々は初出展の作家です。
初出展の作家の方々からの
メッセージをご紹介してきましょう。
東京八王子で作陶するモノエさんからのメッセージです。
Q
モノエさんは、「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
(コーヒー)カップがメインとなるかもしれません。
カップをのぞくと底にイスやハシゴが入っている、
ちょっと不思議なカップです。
他にも「陶が創り出す空間の美しさ」をテーマに
作製している器や花器、オブジェ等の作品も展示する予定です。
「陶が創り出す空間の美しさ」
この白磁のカップの中の世界もまさにそうですし、
小瓶をならべて創りだす空間の無限な広がりも。
器であり、人の営みの空間で色合いや
音階を生み出すようなモノエさんの陶磁器です。
Q
モノエさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
正直まだわかりません。
ただ、例えるなら今はまだ嵐の前の静けさであり、
来るであろう嵐の予感を感じさせる生暖かい独特のにおいを含んだ風。
時々強く吹き、戸をかたかた揺らし、
これから激しくなってくるのではないだろうかという不安を煽る。
しかし内心ではどんな嵐が吹くのだろうと興奮し
ドキドキワクワクして眠れない子供のような気持ち。
そのように思っていらっしゃる方が多いですね。
それだけ、来場される方々への期待が高いのかもしれません。
佳き嵐は起こるのか、あるいは、肩透かしをくらうのか、
それはきっと、作家の心の映り様なのだと私は思うようになりました。
どんなことでも喜べる人は喜べるし、
どんなことでも凹む人は凹みますし。
あ、モノエさんのところで書くことでもなかったですね。
でも、嵐の前の静けさを想う作家の方々皆さんへのエールのつもりです。
Q
モノエさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
「モノエ 」という名前で活動していますが本名ではありません。
もともとは二人で活動しており、
その二人の名前、森(モリ)と尾上(オノエ)でモノエです。
もう7、8年程前から尾上一人でやっているのですが
モノエという名前は気に入っていたので現在もそのままです。
ええ、ほんとうに素敵な響き。
どこかのヨーロッパの単語のような。
モノエさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って真ん中に近いところ。
レンガ道に沿ってテントが建ちます。
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RIRI TEXTILEさん(染織)
今回、ほかにもテキスタイルネーム!な
染織の作家がいらっしゃいます。
和泉綾子さん。
RIRI TEXTILEの名で作品を発表されています。
Q
RIRI TEXTILEさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
草木染め、手織りのストールやクロスを中心に展示したいと思っています。
藍染めの産地である埼玉県・羽生市で染めた藍の濃淡、
最近気に入っている矢車附子で染めた色、
光の加減で柄の陰影が美しく浮かび上がる無染色の糸の組み合わせ。
その時々のリズムで刻まれる模様たち。
長く側に置いて、変化をいとおしむことができるようなもの。
いまの私が美しい、かっこいい、と思ってつくる布をお持ちします。
ぜひお手に取ってみていただきたいです。
いまの私が美しい、かっこいい、と思ってつくる布
これが和泉さんが「工房からの風」を通じて、
タブン、自問自答を繰り返してこられた先の答えなのではないでしょうか。
その答えが、和泉さんの心、気持ちにとっても正確に感じられて、
ああ、このひとは、ほんとうに丁寧に向き合われたんだなぁと、
しみじみ読ませていただきました。
染織の世界は特にディープで、素材や技法に特化して
作家の興味関心が向かうことが多いように思います。
数年前に和泉さんとの初めての出会いがあったとき、
和泉さんが何をしたいのか、私自身の未熟もあってよくわからなかったのです。
そして、わからない、ということをストレートにお伝えしてしまったので、
和泉さんはくるしく思われたかもしれません。
にもかかわらず、その後も折に触れてお目にかかることが叶い、
今年は出展作家として参加くださることに。
でも、ここで和泉さんはもしかしたら、またまた迷われたかもしれませんね。
「自分の真ん中を」なんて、すぐ言いますから、私、(苦笑
いまの私が美しい、かっこいい、と思ってつくる布
これって、まさに、和泉さんの真ん中ではないですか!
そのことに、もっともっと自信を持ってほしいなぁ、
というのが、今の私の願いです。
でもきっと、そうなっていますね。すでに。
「工房からの風」の当日は、ぴかぴかの笑顔の和泉さんしか想像できませんもの。
Q
RIRI TEXTILEさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
その風の中に身を置きたいと思いながらも、
どんな風なのかわからなくて、
おっかなびっくり部屋の中で縮こまっていました。
自分にとってどんな風なのかまだ分からないけど、
窓越しに見るだけだった風の中へ、
怖がらないで飛び込んでみたいと思っています。
そ、そんなに怖くないですから(笑
Q
RIRI TEXTILEさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
工房名の由来をよく聞かれるのですが、くだらない話が発端です。
学生のとき、ひょんなことから友達同士で
外国人みたいなニックネームをつけ合おう!という話になり、
ついたニックネームがリリーでした。
本名にかけていたりする訳でもなく、
その場のノリで特に意味はなかったのですが、
なぜかそのニックネームがクラス中にすっかり定着しました。
その後、作家として名前をつくろうと思った時に、
字面(英語表記は照れくさかったのでローマ字でRIRIと)
が気に入っていたことと、
呼んでもらいやすいシンプルな名前がいいなという思いから、
工房名はRIRI TEXTILEにしました。
余談ですが、実際は綾子という名前で、
織りにまつわる字がついています。
染織にまつわる由来があるわけではないのですが、
今このような道を進んでいることに不思議な縁を感じます。
リリー。
なんだかわかる気がします!
RIRI TEXTILEさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐ。
少し小高いところから、みんなを見下ろして!いる、
気持ちよい空間です。
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麻生綾子さん(染織)
北海道上川町(真ん中より少し北の方ですね)から出展くださる
麻生綾子さんからのメッセージをご紹介いたしましょう。
Q
麻生綾子さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?
A
手つむぎ糸を織り混ぜたウールやアルパカの巻き物、
ウールの敷物などを出品します。
一つ一つ個性的な表情のある布達を見て微笑んでもらえると嬉しいです。
麻生綾子さんはスウェーデンのカペラゴーデンで学んでこられた方。
今年は、藤野華子さんもスウェーデンの
セーテルグランタン手工芸学校で学んでこられていましたね。
けれども、その作品の色調は好対照。
華子さんはカラフルな布づくり。
綾子さんはナチュラルカラーの魅力を引き出すお仕事ですね。
羊好きな方々!ぜひ麻生さんのブースへ。
Q
麻生綾子さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
無限大に飛んで行けそうな気がする風でした。
織りは長く忍耐のいる仕事で、
時には混沌とした状態になることもあるのですが、
だからこそ探求すればるほど自分の知らない世界が見えて来て、
たくさんの喜びを感じることができます。
そんな無限大のテキスタイルの世界に飛んでいけそうな気がする風でした。
無限大!
遠く北海道からのご参加なので、あまり打ち合わせやお話しができなくて、
「工房からの風」に流れる音や光をうまくお伝えできていない申し訳なさがあります。
この会がすぐにどこかに連れて行ってくれるような魔法は、
どなたにも降りては来ないもの。
(魔法があるよ、って言ったほうが夢がありそうですが、
そう言ってはいけない、という気持ちがあるのです)
でも、二日間、会場で麻生さんならではの
祝福の音や光を感じ取っていただければと心から願っています。
そのために、今も精一杯制作に励まれていることと思います。
Q
麻生綾子さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
日本ではいかにも織りをやってそうな名前だと言われるんですが、
スウェーデンで織りを学んでいたときに、
よく名前の意味につい聞かれました。
スウェーデンでは、あまり名前に意味が無いそうなんです。
麻に生きる、綾織りの綾であると説明すると、
テキスタイルネーム!と驚かれました。
だけど私はどちらかというと羊が好きなんですけど・・。
ほんとうにテキスタイルネーム!ですね。
麻生綾子さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
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text sanae inagaki
director's voice
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nagamori chikaさん(染織)
「工房からの風」に初出展される方の年齢は
なぜか33歳が一番多いんです、毎年。
複数回出展者はもちろんそれ以上になるので、
ほとんどが30代と40代の作家。
そのような中、今年は20代の素敵な作家が三人います。
陶芸の瀬川辰馬さん、金工のRenさん、
そして、染色のnagamori chikaさんです。
Q
nagamori chikaさんは「工房からの風」にどのような作品を持ってきてくださいますか?
A
糸を染め、織り上げた生地で仕立てた
鞄やポーチをメインにお持ちします。
全て色柄が異なるよう織りあげました。
その日のお出かけが楽しくなるような、
一緒に出かけるような気持ちで使っていただけたら嬉しいです。
カラフルで独特な配色が印象的な永盛さんの布。
ポーチやバッグに仕立てるのもお好きなようですね。
Q
nagamori chikaさんにとって、「工房からの風」は、どのような風でしょうか?
A
目の前をふわっと吹いてその先が開けたり、
その下に隠れていたものが見えたりするような風です。
未熟だからこそみえてくることの喜びをとても感じることができ
前よりいっそう織ることを楽しんでいます。
きっと目がパチクリするような会話があちらこちらで交わされていたのでは・・・。
それらをしんと心に受け止めて、栄養にされていくのを感じています。
Q
お名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?
A
nagamorichika と自身の名前を用いたのは
作品と共にわたしを知ってもらいたいと思ったことが正直な理由です。
chikaは千賀と書くのですが、
たくさんの幸せがあるようにとこめられた名前のように
私もたくさんの作品に気持ちを込めて皆さんに届けたいなと思っています。
たくさんの幸せがあるように
あたたかで深い想いですね。
nakamorichikaさんの布から感じる幸福感は、
お名前にこめられた願いと通じているのかもしれません。
nagamorichikaさんの出展場所は、galleryらふとの奥側。
参道口に入ってすぐのところ。
ホームページはこちらになります。
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written by sanae inagaki