2016年9月の記事一覧

「出展作家紹介/工房からの風」New

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竹村聡子さん(陶芸)

出展が決まってからの約半年。
50人(組)いらっしゃるので、ディレクターとのやりとりも50通りあります。
内容的にかなり濃いやりとりになる場合もあれば、
さっぱり事務的に終始する場合もあります。

もっとも、今「工房からの風」で
ご一緒いただいている風人さんたちに関していえば、
決して初出展時の準備期間に濃いやり取りがあったか、
といえば、案外そうでなかった場合もあります。
菅原さんや長野さんは、個人ミーティングも叶いませんでしたし、
出展以降にじんわり響きあって、今日を得たような気もします。

なので、この半年で私がおひとりおひとりの作家の方を
わかったようにご紹介などできませんし、
わかったふりをしてご紹介することも戒めています。
作家はすべてすばらしい!みたいなこと、私は書けない(笑)ですし。

それでも、佳き予感がすることは、期待をもって、皆様と一緒に感じたり、
見つけたりしていきたいなぁと思います。
そんな佳き予感の水先案内としてこのブログ「director’s voice」を
お読みいただけましたら幸いです。

と、前振りが長くなってスミマセン!
佳き予感の作家、陶芸の竹村聡子さんからのメッセージをご紹介いたします。

Q
竹村さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
主に銀彩で装飾を施した器(animate series)を出品します。

以前人形アニメーションに関わる仕事をしていて、
その中で「アニメート」という言葉には「命を吹き込む」
という意味があることを知って衝撃を受けました。

手間暇かけて人形を少しずつ動かし、
まるで生きているかのように表現ができる
プロのアニメーターのきめ細やかな手仕事に物凄く感動しました。

私もアニメートに近い感覚を器で表現できないかなと考えていた時に、
家で飼っていた鶏をなんとなく器に銀で描いてみました。

その鶏の絵は日に日に酸化して色合いが変化していき、
まるで人間みたいに年をとっているようで、
自分なりの「アニメート」がほんの少しできた気がしました。

日々の生活の中で人と共に年を重ねていく器を
「animate series(アニメートシリーズ)」と名付けました。

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竹村さんの作品を初めて拝見した時、
とりとけものの絵にとても差があることを感じました。

鳥たちはそこで呼吸をしているかのように瑞々しいのに、
けものたち(足のあるもの)のどこか偶とした表情。
アンバランスをプリミティブ、かわいい、と言えばそうなのかもしれませんが、
鳥たちの美しさと比べると、その違いが不思議だったのです。

聞けば、鳥はすいすい伸びやかに描けるのだけれど、
動物(たとえば馬とか)は、苦手意識があってと。

まあ、なんて正直なひとだろう、と思いました。
そして、苦手克服なんかしなくっていいから!
得意なものを伸び伸びどんどん描きましょうよ!!
と、わははと笑いあって語らいました。

その後、竹村さんの描く鳥の絵は、ますます自在となって、
まさに飛び立たんばかりの表情なのです。

(そして、いつの日にか、動物たちの絵も、
自然に伸びやかに美しく描ける日が巡ってくるような気がします。
なんでも、「ネギ」という名の「ヤギ」を可愛がっているそうですから(笑))

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おまけ画像

Q
竹村さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
日本の伝統芸能をベースとした
人形アニメーション作品に
触れる機会が多く、
個人的に勉強していた頃に、

能の大成者の世阿弥の言葉の中で「風」のつく用語がいくつもあり興味がありました。

その中の「花風(かふう)」という言葉は
芸の成果を「花」、それに至るまでの様々な工夫と心構えを「風」と例えてあり、
「工房からの風」への出展が決まってからの半年間は
まさにその「風」を常に自分の中で感じる尊い日々でした。

その成果としての「花」が咲くかどうかはわかりませんが、
今後も自分の中で風を意識し続け、いつか
「閑花風(かんかふう)-静かで気品のある芸風」な器を作れるようになりたいです。

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芸の成果を「花」、それに至るまでの様々な工夫と心構えを「風」

「工房からの風」は、まさにそのような風でありたいと思います。
背筋が伸びるような美しいメッセージを、竹村さん、ありがとうございます。

Q
竹村さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
祖父がつけてくれた「聡子」という自分の名前が好きなので本名で活動しています。

祖父は若い頃航海士で船に乗って世界中を巡っていました。
デジタルではない時代の航海は日中は太陽の方角、
夜は星の位置を見て舵をとっていたそうで、星にとても詳しかったのを覚えています。

「工房からの風」のミーティングの中で
「作り手は自分で舵をとって進んでいかなければならない」という話を聞いて、
この先どんな暗闇があっても、祖父からもらった名前と共に
自力で星を見つけ出し舵を取って進んでいこうと思いました。

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おじいさまからいただいたという聡子さんというお名前、とても素敵ですね。
そして、竹村さんのどのメッセージからも、このブログの質問に
とても丁寧に向かい合ってくださったことが感じられて、ありがたく思っています。

まじめてとっても面白い(まあ、褒め言葉として、かなーりヘンな(笑))竹村さん。
命を吹き込む器づくりを目指して作られた作品は、
おりひめ神社隣、神宮社の脇に並びます。

竹村聡子さんのサイトはこちらになります。
→ click

written by sanae inagaki

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VANILLAさん(洋服)

おりひめ神社周りの出展作家をしばらく続けてご紹介していきましょう。
VANILLAさん。
洋服を仕立てるご夫婦の作家です。

Q
VANILLAさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
綿、麻素材のお洋服。
VANILLA定番の丸襟ブラウスやシンプルなシャツ、プルオーバー。
これからの季節に重宝する羽織にも使えるワンピースも作っています。

ボトムスは男女兼用にも着られるパンツや、
リネンたっぷりのフレアスカートなど
どれもシンプルで着まわしの利くお洋服です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
VANILLAさんの洋服と出会ったとき、
「ああ、こういう洋服を作る人を探していた!」
と出会いに感謝しました。

着心地の良い今の気分をとらえたデザイン。
特性がよくとらえられた生地の選択。
そして、長きにわたる愛着を支える確かな縫製。

生地が手織りだとか、草木染だとかということだけが
手仕事の基準ではないと思っています。
素材を選ぶ目、デザイン力、それをかたちにする技術。

VANILLAさんの服は一見「特殊」には見えませんけれど、
「特殊」な印象が手仕事の意味ではないのですもの。
ハレの日ばかりではなく、日常にも着たい服。
それが着るほどに、ああ、縫製の技術が高い服っていいなぁ。
と、うれしい気持ちに包まれます。

一番端的にそのことが表れているのが丸襟だと思います。
このふっくらとした絶妙なカーブ。
VANILLAさんの丸襟と出会ってから、
他の丸襟では満足できなくなってしまいました(笑)。
というか、別物、なのだと。
ぜひ、会場でその立体的な美しさ、触れてみてくださいね。

Q
VANILLAさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
そっと背中を押してくれるあたたかい風。
とてもやさしくて心地よいです。

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高野さんご夫婦とは、この半年の間に
何度も服づくりのことを介して言葉を交わしました。
その想いは、日ごろ私が仕事で出会っている陶芸や、
木工、彫金の作家と同じ質のものでしたので、
会話に何の違和もありませんでした。
きっと「工房からの風」の中で、自然に溶け込み、
新鮮な風をそよがせてくださいますね。

Q
VANILLAさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
「VANILLA」と言う名前は、
服飾専門学校へ通っていた頃から密かに考えていた名前でした。

いつかお洋服を世に出せる時が来たら...と。

VANILLAとは、アイスクリームのバニラ味のことです。
バニラって普通だけど特別な響きが私にはありまして、
色んな味のアイスがあって色々食べてみたけど、
やっぱりバニラが一番おいしい、なんだかんだ食べたくなる、
やっぱりバニラだよねって。

私たちのお洋服もそんな風に思って手にとってもらえたら嬉しいな...と思っています。
「定番」とか「普通」とかそういう意味合いも含めてのVANILLA、です。

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「やっぱり、バニラだよね」

とっても素敵なネーミングですね。
作品ポリシー、コンセプトとぴったり!
飽きがこない素材の良さ。

そんなVANILLAさんの服は、おりひめ神社脇。
革の谷田貝陵子さんと陶芸の瀬川辰馬さんの間に出展します。

VANILLAさんのサイトはこちらになります。
→ click

written by sanae inagaki

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オオタ硝子研究室さん

「風の音」寄稿組!?続いてはオオタ硝子研究室さん。
キルンガラスの太田良子さんです。
(キルンガラス
→ 冷えたガラスを組み合わて電気炉に入れ、加熱することで形作る手法)
谷田貝さんと同じく、りょうこさんとお呼びします。

Q
オオタ硝子研究室さんは、
「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?


キルンワーク技法で制作した作品を中心にもっていきます。
石膏型を彫って模様を施したうつわやミニオブジェ、
吹きガラスと組み合わせた作品など
様々な表情を楽しんでいただけるような
そんな展示を考えております。

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太田さんに「風の音」への寄稿をお願いしたことの理由のひとつが、
以前は車の仕事をしていた、と伺ったことでした。
現在のようなコンピューター制御前のアナログの車。
ご自身も初代サニー(66年式)に自ら手を入れながら乗っていた、
というお話しがとっても愉快で爽やかで、ああこの人の作るものを見てみたい。
そして、車からガラスに向かわれた話をぜひ書いてもらいたい、と思ったのでした。

Q
オオタ硝子研究室さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?


楽しい風
向かい風
風向きが変わる予感の風

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向かい風、追い風。
この質問にそう答える方は毎年多いのですが、
「風向きが変わる予感の風」というような意味で返してくださった方が、
今回の出展者には多かったです。

「工房からの風」は、所謂「ポットデ」の方はいないので、
一定の仕事のあと、次の扉を開けたい方が多いのでしょう。
そして、「工房からの風」を契機に、
風向きが変わった作家が多くいらっしゃるので、
それにならおうという希望を抱いた方が多いのでしょうか。

今、充実の仕事をしている「風向きが変わった」作家にお話しをきくと、
皆さん、一様におっしゃいます、「じわじわ後から変化がやってきた」と。
気づくと違うステージにあがっていた、
そんな風にとらえている方が多いようです。

二日間が終わった月曜日に!
風向きの変化を感じられなくっていいのだと思います。
でも、後になってみると、あの二日間から、じんわり変わっていった・・・
そんな確かで充実の時間を、今年の「工房からの風」でも作り出したいですね。

Q
オオタ硝子研究室さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?


あらためて「オオタ硝子研究室」と申します。
よく聞かれますが1人研究室です。
日々あれやこれやと思いついたことなどを
コツコツ研究そして制作しています。
イメージしたことと違った結果になったとしても
またそれが発見や次のアイディアにつながる楽しさがあります。

昔から白衣に憧れていて
着てみたかったというのが
正直1番の理由だったりします。
当日は白衣を着てお待ちしてます!

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ぷぷっ。
ちょっとヘンですよね(笑

今回、太田さんのようにまじめにヘン(シツレイ!!でも、褒め言葉です)な方が数人います。
あ、まだ気づいていないだけで、もっといらっしゃるかもですが。

白衣を着て!太田さんが立っているのは、おりひめ神社と稲荷社の間の空間。
昨年まではテントがなかったところなのですが、
今年はオオタ硝子研究室さんに。
玻璃の宝物、みたいな感じで構成してもらおう、と思っていましたが、
まさか白衣のテントになろうとは!

オオタ硝子研究室さんのfacebookページはこちらになります。
→ click

(ログインしなくても見られるfacebookページなのでリンクしています)

written by sanae inagaki

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谷田貝陵子さん(革)

「風の音」(当日本部テントにて配布する小冊子)に寄稿いただいた作家、
続いては谷田貝陵子(やたがいりょうこ)さん。
革でバッグや小物をおひとりで制作しています。

Q
谷田貝さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
学生の頃友人へ作ったバッグ、
お客様からのオーダーで改めて気づけたその革の魅力など、
人や出来事が始まりとなり作った、バッグや小物を出品します。
10年来、素材もデザインも大好きなバッグを使っており、
それを超えて惚れ込めるものを作ることが一つの目標です。
そのタンナーの素材を今年の春にようやく手にする機会に恵まれ、
バッグやオサイフも作って持ってまいります。

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これが、そのバッグでしょうか。
谷田貝さんが愛用されたものを拝見しましたが、
実用的でとってもおしゃれなバッグでした。
使い範囲がうんと広やかな感じです。

Q
谷田貝さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
訪れる時は、季節のにおいがする風です。
出展する今年は、強い追い風、優しいそよ風と、変化しています。

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つい先日、9月の連休には「galleryらふと」で
ワークショップも開いてくださいました。
素敵な革のばね口ポーチを8名の方が制作されました。
「工房からの風」で、見かけられるかもしれませんね。

Q
谷田貝さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
10代の頃は四角ばかりの字面が好きではありませんでした。
山(谷)を下り、平地(田)を流れ、海(貝)に出る
そういうことにして、いまは好きな名前です。
循環のなかで、どうにもならない自然の動きも恩恵も受けていて、
手にしている革も、自分自身もその一部であることを出来るだけ内に留めて作っていたいです。

実は、そんな姓を受けてバリーシェルという名前で仕事をしています。
テキスト表記出来ないので表立たないのですが、
地形を象ったロゴマークも存在し、なかなか気に入っております。

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あ、これは、今年のモチーフ『レモン』で作ってくださったものでは!
日焼けさせて模様を漬けられたのかしら。

と、お名前のことでしたね。
谷田貝さんて、とても珍しい名字。
バリーシェルとは、谷田貝さんならではのブランド名ですね。

谷田貝さんがこのように大きく発表するのは初めてのこと。
ランナップもまだこれからでしょうし、
バリエーションも豊富ではないかと思います。
けれど、出来あがった作品には、
どれも今の作り手のベストの手わざとハートが込められたもの。
中途半端にかっこをつけずに、コツコツ納得できるものをお出しする、
そんなよき頑固者!が谷田貝さんの印象です。

今回の皆様からの反応が、きっとこの若い作り手を先に進ませてくれますね。
ぜひ、前向きなご意見、寄せて差し上げてください。

谷田貝さんの出展場所は、おりひめ神社の脇。
サイトはこちらになってます。
→ click

written by sanae inagaki

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Renさん(金属)

おふたりめのご紹介はRenという工房名で活動をしている中根嶺さん。
金属の作家です。
若干26歳。
今展の最年少作家です。

Q
Renさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
鍛金という技法で作った、オブジェやアクセサリー、カトラリー、照明器具を持って行きます。
硬さと柔らかさを併せ持つ金属は、一打一打、一削一削に呼応し、手の動きを形として留めます。
今回は特にその「形」に意識をおいて制作しています。

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カトラリーや装身具、そして動物などのオブジェ。
金属ならではの素材感に、手ならではの仕事でかたちが生まれています。

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Q
Renさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
風は目には見えないですが、肌で感じその風に季節や人、
モノや事、場所の気配を感じます。

工房には「作ることが好き」の延長線にある、
その人が選んだ素材や技術があり、
それを生業とするための創意工夫や様々な思考、
努力、姿勢がモノへと変わる特別な場所だと思います。

そんな場所から吹き集まる風、「工房からの風」という空間。
五感を研ぎ澄ませて、たくさん吸い込みたい風です。

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このふたつは、私が京都のRenさんの工房をお訪ねしたときに撮影したもの。
金閣寺のほとりにアトリエ兼ショップを構えられています。
自らリノベーションした渾身の空間。
京都へ行かれる折には、ぜひお訪ねになってみてください。
(お休みなどはホームページでチェックくださいね)

Q
Renさんのお名前、あるいは工房名についての由来、またはエピソードを教えてくださいますか?

A
小っ恥ずかしながら名前そのままです。
本名を中根 嶺(ナカネ レン)と申します。
当て字なので本来レンと読まないのですが…
産まれた朝に山嶺が綺麗に見えたそうでこの漢字にしたそうです。
おかげで?登山も趣味の一つ。
山に登っていると無心になります。
そんな時に作りたいモノの良いアイディアが浮かんだりも。

独立して屋号をどうするか散々悩みました、けれどどれもしっくりこず
シンプルに、そして多くの人に読んで頂けるよう「Ren」としました。

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生まれた日の気象や出会った季節の恵みを名前にいただくって、
自然に祝福されているみたいで素敵ですね。

Renさんにご寄稿いただいた「風の音」の800字のタイトルは「手の温度」。
ものを作り、発表を始めたばかりの頃の少年との出会いを綴っていただきました。
こちらも、どうぞお楽しみに!
(当日、本部テントでご入手くださいね)

Renさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って花壇の手前の下草の空間。
ガラスのとりもと硝子店さんがお隣です。

Renさんのサイトはこちらになります。
→ click

written by sanae inagaki

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瀬川辰馬さん(陶芸)

今年の「工房からの風」まで、いよいよ3週間となりました。
今日から今年の出展作家のご紹介を始めていきますね。

ちょうど昨日、お目にかかった方から
「そろそろ作家紹介が始まるかしら?って、ブログを見に来ていました!」
と、うれしい言葉をかけていただきました。
(ありがとうございます)

この場は作家紹介ブログなのですけれど、
ただ単に私からの質問に対しての作家の答えを掲載する場合もあれば、
出展が決まってからの約半年、そのやりとりの軌跡のようなものを
垣間見ていただける場合もあります。

「工房からの風」への出展を通して、作家がどのようにご自身をみつめ、
どのように考え、手を動かし、形を作っていったのか。
結果だけではなくて、経過が人の営みには大切なんだなぁと、
「工房からの風」を続けながら、私も学ばせてもらっています。

そんなこんなも感じ取っていただきながら、
純粋に素敵な作品写真に喜んでいただいたり、
最後の質問にくすっとしていただいたり、、、、
50人(組)の出展者や、
ワークショップなどで関わってくださる20名の方々からの
メッセージをぜひこの3週間、お楽しみいただけたらと願っています。

どなたからご紹介しましょうか。
昨年と同様、「風の音」に文章を寄稿いただいている方から始めましょう。
(「風の音」は現在鋭意編集中!
当日、本部テントでご入手くださいね。
無料ですが、数に限りがありますのでお早めに!)

では、さっそくおひとり目を。
陶芸の瀬川辰馬さんです。

Q
瀬川さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
皿やボウル、花器などのうつわを200点ほど展示・販売する予定です。
うつわを制作するうえで強く心がけていることとしては、
それらが根源的には「命を抱き留める道具」であるという点です。

動物にしても、植物にしても、生きたままではそれを食卓に並べることはできず、
狩られ刈られることで初めてうつわの上に並び、それを握って人は生きていきます。
私は、食べるもののためだけにつくられたうつわを傲慢だと思いますし、
また食べられるもののためだけにつくられたうつわ
(そんなものがあるとすれば、ですが)を寂しいと感じます。

それを握るものの悦びのためにあるのと同時に、
それに抱きとめられるものへの祈りのためにあるような、
そんな大らかで静謐なうつわを紡ぎたいと願って、制作を続けています。

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瀬川さんの器はとても静かです。
でも無音ではなくて、清流のせせらぎや、しんしんと降り注ぐ雪の調べのような、
「ないようである」美しい必然の波長のような静かな器です。

もっともそれは、単なる自然物や自然現象から生まれてきたものではありませんから、
その器も人工物に違いありません。
それでも、無音ではなく美しい調べが感じられるのだとしたら、
そう奏でようという作り手の確かな意思があるのだと思います。
その意思自体の静かな深さが、器の姿になっているのでしょうか。

(私は大ぶりなオーバルと丸いお皿を愛用しています。
いつもの料理を盛っても、なんだか凛として、澄んだように心に映るので、
とても気に入っているのです。
今度撮影できたら、ここにもお載せしますね)

Q
瀬川さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
私が普段作業をしているアトリエは、
築年不詳の精肉店を改装した建物の一階にあります。

建設時の衛生面での配慮だったのか、
それとも歴代の入居者が改装していく過程でのことなのか、

アトリエには開閉のできる窓がひとつもなく、
空調は専らエアコンに頼っています。

建物の一面すべてがガラス張りになっているので、
光は気持ちよく入ってくるのですが。

風は、殆ど通らないアトリエです。

その風通しの悪いアトリエで、うつわという道具について、
随分と長いこと独りで考え、また手を動かしてきました。
今思えば、黙々と地面を掘り起こし、
余分な根を取り除いていくような時間でした。

そうして耕していた土の上に、この一年程で、
ぽつりぽつりと芽が出てくるようになったと感じています。

自分が理想とする、うつわという道具のはたらきが少しずつクリアになり、
またそれに具体的なかたちが伴い始めました。

そのような時期に、工房からの風にご縁を頂きました。

稲垣さん、風人さん、出展者の方々との対話の時間は、
私のアトリエに吹く新鮮な風そのものでした。
これまで黙々と独り培ってきたものを、風通しのよい場所に移し、
育むような半年間であったと感じています。
本当に、多くの恵みを頂きました。

当日は、この半年で少し背が伸びたその芽を、
来場者の方々にも気持ちよくお見せ出来ればと思っています。

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このメッセージを読みながら、
梅雨のある日、初めて降りた私鉄沿線の駅をさまよいながら、
瀬川さんの工房をお訪ねした日のことを思い出しました。

『随分と長いこと独りで考え、また手を動かしてきました。』

たしかにその工房には、深い思考と試行の時間がたゆたっていたように思い出します。
その後、幾度か風人さんたちも交えながら交わした言葉は、
ものづくりのことにとどまらず、藝術のこと、文学のこと、
もっといえば生きることについてまで広がる豊かな会話となりました。

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『新鮮な作り手たちは、時代の中で果実のように生まれてきます。』

「工房からの風」を始めた16年前から伝え続けてきたこのフレーズ。
今年出会った27歳の瀬川辰馬さんを、まさにその果実のように思っています。

想いを正確につかもうとすること。
それを正確に言葉にしようとすること。
そう、その正確であろうとする姿勢に、私も教わることがとても大きかったのです。

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慶応SFCで先端の学びを経たひとが、
東日本大震災を機に、陶芸の世界へと進み、
今手元にある確かな素材と手を用いて、
ものを生み出す世界への扉をひらく。

瀬川さんの陶芸は始まったばかり。
きっと、作品の姿はぐんぐん変化していくことでしょう。
それでも、今掴んでいる物種は、
すでに瀬川さんが求めているそのものなのだと思います。
あせらず、取り繕わず、その物種が実るべき方へと、
瀬川さんの時間が紡がれることを心より応援したいと思います。

2016年秋の日現在の瀬川辰馬さんの実りの姿、
その器がとても楽しみなのです。

Q
お名前、あるいは工房名についての由来、またはエピソードを教えてくださいますか?


辰年生まれに、父親の名前の「篤樹」から一字もらって、
元々は「龍樹」と名付けられる予定でした。

ですが、調べてみると「龍樹」というのは2世紀のインドに生まれた
大変立派な仏僧「ナーガルジュナ」の漢訳名だということで、
これではあまりに畏れ多いと判断した父親によってボツに。

最終的には龍を辰の字に代え、「篤樹」から馬の字をもらい、
「辰馬」と名付けられました。
父が辞書を引く習慣のあるひとで、本当によかった。

辞書を引く習慣、すばらしいですね。
きっと瀬川さんにもその習慣が引き継がれているような。。。

瀬川辰馬さんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
studio fujinoさんが隣です。
瀬川さんのサイトはこちらになります。
→ click

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と、今年もおひとり目からかっとばしてしまいました。。。
director’s voice
これから怒涛のブログアップの日が続きます。

written by sanae inagaki

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大野七実さん(陶磁)

Q
地元千葉県市川市で作陶を続ける大野七実さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?

A
手びねりと型を使って制作した、カップやお皿など日常使いのうつわと、
花のうつわを出品いたします。
そっと誰かの暮らしの風景になるような、
そんなうつわがつくれたらいいなと思い、色を重ね、制作しています。
秋の手仕事のお庭の恵みいっぱいに囲まれ、
植物とうつわとの軽やかな響き合いも見ていただける展示にしたいです。

それともうひとつは。
「いちにちひとつのカタチをつくる」
を今回の私の craft in action として、
普段の仕事とは別にお見せしたいと思っています。

自分にとってうつわってなんだろう?
そんな問いかけがいつも私のつくる時間の中に漂っています。
掌のなかの小さな土の塊から、1日ひとつだけその日のカタチを残す。
日記を記すように…
ルールは玉作りだけ。
そんなことを春のおわり頃から始めました。
毎日制作に向かえない環境にいる自分にとって、
それはひとつのチャレンジでもあります。
遅く帰った夜でも仕事場に寄り、その日のうつわをひとつだけつくって帰る。
そうして必ず土に触れるのです。

うつわについて思うこと。
日々続けること。
この手から生まれるカタチ。
美しいもの。

こたえはずっとずっと先にあるものなのかもしれません…。
この秋、風に向かう私の時間がこころの種となり、
いつか淀みなくうつわの静かな深みへと映してくれることを信じて。
今は丁寧に手を動かす毎日です。

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Q
故郷に吹くやわらかな風。
わたしの大切な道しるべのようにいつもこころの奥にそっと感じていたい風です。

若い頃にご縁をいただき、
「工房からの風」が生まれてからの歩みをそばで見てきました。
毎年ずっと見る側にいましたが、またここからはじめたい
という再出発の想いから、今年初めて応募を決意し、出展が決まりました。

初心に還る思いと、緊張と、わくわくと、、、
私にとって home のような場所。
その場にはじめて立つ自分は、どんな想いを蓄え、
またここからどこへ羽ばたいていけるだろうか?
澄んだこころで次の頁をめくれるように…。

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Q
針仕事から木彫りまで、とても器用で多趣味だった祖母と。
身の周りのことは工夫してなんでも独自に作ってしまう父と。
そして、もっとも影響を受けた (今も受け続けている) 尊敬する姉と…。
幼き頃からつくることが自然と身近に感じられる恵まれた環境に育ちました。

小さい頃は、姉と2人でお庭に宝物を隠しその地図を描いて遊んだり、
梅林や川の土手を走りまわり、木の実や草花を集めたり…。
姉の後ろにくっついていつも遊んでもらっていましたね。
あっ、今も関係性は昔と変わらずたいして進歩していませんが…、笑。

毎年夏には家族で千葉の海に旅行に出かけました。
砂浜で大きなお山をつくり、固め、そこにあっちとこっちと両方から穴を掘るんです。
崩れないようにそうっと、そうっと掘りすすめ、
ようやくトンネルが貫通し、姉と指が触れたその瞬間。
つながったことがただ、ただ、とてもうれしくて、
よろこんで、はしゃいでいました。

お山は波に消されかたちが残るものではありませんが…。
さかのぼって記憶を辿り、幼き頃の私のものづくりの初めては、
夏の海のあの砂山のように思い出されます。

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「いちにちひとつのカタチをつくる」

七実さんとはお会いする機会が多いのですが、このことは知りませんでした。
素敵な試み。
驚きました。
きっと不言実行、確かなものになってこうして、伝えてくださったのですね。

驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、七実さんは今回が初出展。
長く続けてこられた陶芸ですが、次の地平に向かおうというとき、
この場を選んでくださったのですね。

慎重に石橋をたたいて渡る七実さん。
10月のお庭での展示に向けて、どれほど真剣に向き合ってこられたことでしょう。
人気の食器、花器の数々、いちにち一つずつ作られたかたち。
準備万端、たくさんの魅力ある作品に満たされますね。

3のメッセージをからも、七実さんの心の中には、
ストーリーがたくさん息づいているのですね。
その手になる器自体は静かな表情ですが、
そこにひそむ物語性が器の表情の奥行となって、
七実さんならではの風合いを生みだしています。
お料理も、花も、美しく、優しさに包まれた表情で受け止められていきます。

七実さんのこと、拙著「手しごとを結ぶ庭」の最後の章で綴っています。
お手元にありましたら、再読していただけましたら。
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大野七実さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の中央花壇のほとり。
お姉さまの大野八生さんも丹精くださっているお庭の中で、
にこやかに皆様をお迎えすることでしょう。

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高見由香さん(染織)

Q
東京で織りの制作を続ける高見由香さん。
二回目の「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
カシミヤで織った二重織りのストールや麻のレース織のハンカチ
そして今回初めて「ものつくりの人のための」麻のエプロンを出品します。

レース織ハンカチ

Q
高見さんにとって「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
「季節の変わり目に吹く風」
一つの季節が終わりを迎えて、
新しい季節になる前のわずかな時間に吹く風のように感じています。
変化をもたらす風なので力強く、
疾走感があり、次の季節を予感させる匂いのある風です。

前回の出展から6年。
この風が吹き終わる頃には
新しい季節の中にすっくと立っていられたらと思います。

二重織ストール

Q
高見さんの初めてのものづくりは何でしょう?
印象的なものを教えて下さい

A
「小さな紙の部屋」

少女の頃、折込チラシの家の間取図を見るのを好んで、
そればかりを抜き取ってはジーっと眺め、
「私の部屋はここ。お兄ちゃんはあっち(めっぽう狭い)。
テーブルはここに置いて、ベッドはあそこ。
カーテンは赤にして…」
なんて考える時間が至福の時でした。

当時、理想の間取図(風なもの)をチラシの裏にかいて、
ベッドやテーブル、鏡台なんかを紙で組み立てて
小さな小さな部屋をつくり、そこに理想郷を見ている少女時代でした。

エプロン

ものつくりの人のためのエプロン、素敵ですね。

「糸をあやつる人 木を削る人
ガラスを吹く人 金属を叩く人
土を練る人 料理をつくる人
ものをつくるすべての人へエールを込めたエプロン」

高見さんのブログにこのように書かれています。
「工房からの風」を通じて、
同時代に生きるたくさんの作り手と出会い、
交流を続けてきた高見さんならではの想い。
ひとつの形になったのですね。

続けていくこと。
「工房からの風」の募集要項には、
プロもしくは明確にプロを目指す人、
という条項がありますが、続けていくことがプロ、ということでしょうか。

でも、最近思うようになりました。
続けていくことって、意思ばかりではないのだと。
続けざるをえないひと。
作らざるをえないひとが、結果として続いているのだと。

初出展から今までの間に、出産、育児と
人生の多忙な日々を送る高見さんですが、
ボリュームの大小はあれど、制作から離れることはありませんでした。
それは、意思というより制作することが、
高見さんの人生の中で自然なものに育っていったのではないでしょうか。

もちろん、人それぞれですから、
お休みすることが必然な方もいらっしゃるでしょう。
それも然り。
そして、続けながら、布を進化させている高見さんも然り。
その自然に豊かに育まれた布が、もうすぐ「工房からの風」にやってきます。

高見由香さんのブースは、おりひめ神社鳥居のほとり。
galleryらふとの前方です。

HPはこちらになります。
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sonorさん(革)

Q
革素材でものづくりを行うsonorさん。
「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A
国産のエコレザーピッグスキン使用した、
今まで定番で作ってきたルームシューズ、トートバッグ、ブックカバーなどの小物・・・
新しく製作したコンパクトに収納できるバッグなどを出品します。
やさしい革の風合いとピッグスキンならではの軽さを手にとって感じていただきたいです。

IMG_9933 s

Q
sonorさんにとって「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
今回の出展が決まって以来、
自分のものづくりとじっくり向き合える機会をいただけていることを実感しています。
『工房からの風』当日の会場の風と出会いを楽しみに準備を進めています。

私自身は、季節の匂いを運んでくる風のように、
同じ匂いでもいつも新鮮でどこかホッとするような
そんな風であれたらと思っています。

IMG_9964 s

Q
sonorさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
小学生のころ祖母が自宅で開いていた洋裁教室。
そこに集まる方々が楽しそうに手を動かしていることに憧れ、
無理を言ってワンピースを作らせてもらったことがあります。
今考えれば当然完成度は低かったと思いますが、
完成したワンピースを着て出かけたときの
何とも言えないよろこびは今でも鮮明に覚えています。

IMG_9959 s

自作のワンピースでお出かけする小学生って!
すでに、現在のsonorさんの片鱗が現れていたのですね。

そんな器用で手仕事が大好きだった園田明子さんが、
墨田区でなめされるエコレザーピッグスキン(豚革)と出会って、
その素材の良さを生かしたものづくりをしよう!
とsonorを立ち上げたのでした。

優しく柔らかな風合い、使うほどになじむ感触、
トートバッグや、ルームシューズを中心に、新作のバッグも誕生したようですよ。
すっきりクールな造形と、穏やかな色調のハーモニー。
作り手のsonorさんとお会いすると、なるほど~!と納得されることと思います。

「かぞくのじかん」(婦人之友社)の手芸コーナーにも時々登場されていますので、
sonorさんのものづくりのエッセンス、ご覧になられた方も多いかもしれませんね。

sonorさんの出展場所は、おりひめ神社の正面に立って左側。
高木の茂る空間で、ほんわかクールなバッグや靴と出会っていただけますように。

sonorさんのHPはこちらです。
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ますみえりこさん(織)

Q
ますみえりこさんは、二回目の出展。
今回の「工房からの風」ではどのような作品を出品くださいますか?

A
古い蚊帳からイメージした、からむしの布を織ってみました。
これをバッグに仕立てて持っていきます。

あと、今まではからむしだけを織っていたのですが、
最近は他の素材の糸を使って織ったりもしています。

今回はリネンの糸で織ったハンカチの初お目見えの場としました。
きゅんとくるような作品を持っていけたら…と思っています。
ディスプレイも愉しい感じになる予定です。

masue2

Q
ますみえりこさんにとって「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
優しく背中を押してくれる風。

去年の秋くらいから今年の初め頃、
からむしで作品を作っていることや
ものつくりのことで悩んでいた時に稲垣さんから
「ますみさんの好きなように作っていいんだよ」
と言ってもらえたことが勇気になりました。

工房からの風に出展できたことが
優しく背中を押してもらえたように思います。
今年の工房からの風はますみワールドでシュワシュワと弾けて、
愉しんでいきたいと思っています。

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Q
ますみさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
子供の頃は作っている意識が無くいつも何か作って遊んでいたように思います。
草を摘んで茎で紐みたいなものを作ったり、花で色水を作ったり…。
雨の日は家で絵本を作ったり…。

でも、一番は泥団子作りです!
この泥団子作りはどこの砂や土がよく固まるかとか、
水の入れ具合や磨きかたなど自分なりに研究して作っていました。
最初は一緒に作っていた友達が飽きていなくなっても、
ひとり黙々と作っていた記憶があります。

mase1

からむし。
苧麻(ちょま)は、中世では人々のもっとも身近な衣服の素材であって、
今でも小千谷縮や越後上布など夏の和装地としても活用されています。

ますみさんは福島県の昭和村の織姫制度でからむし織を学び、
関東に戻ってからも制作や、ワークショップなどを通じて、
からむし織の技術をつなぎ、伝えてきました。

けれど、素材栽培や関わる方々が齢をとられて、
それを継ぐ人の不足や、震災の影響など、
からむしを自分のまんなかの仕事として進んできたますみさんには、
迷うことが続いたことと思います。

からむし織のことだけでとらえると、
適したことがなかなか伝えられませんが、
からむしと真剣に向き合っているますみさんならではのものづくりはきっとあるはず。
その思いで「今こそ思うままに手を動かしてみては」
とお伝えしたのでした。

ほんの一滴の雫にもならない言葉から動きが進んだのは、
ますみさんご自身の力ですね。
からむしならではの作品の他、
独特な色遣いに個性が光るますみさんならではの
楽しい利かせ色も美しいハンカチも誕生したり。

素材に向き合うことに一所懸命なほどに、
ときに縛られて苦しくなることがあるのかもしれません。
そんなときには、一度心を解放して、心の向くままに作ってみるのもいいかもしれませんね。
そうして作られたものには、きっと残るべきものはしっかりと残って、
新鮮な制作の流れが生まれ、動き出していくのだと思います。

今回のますみさんの伸びやかさ、幸福感に満ちた布が、
多くの方に伝わりますように。

ますみえりこさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、
galleryらふとの奥、岩のある空間。
おりひめ神社の参道に入ってすぐのところです。

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