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2013年9月の記事一覧
「出展作家紹介/工房からの風」New
director's voice
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JUNIOさん(陶芸)
3人(組)目の北海道からの出展者のご紹介は、陶芸のJUNIOさん。
二回目の出展となります。
え?でも、陶芸??
ガラスではなかったのでしたっけ???
はい、ご存知の方も多いかと思いますが、
ガラス作家として活躍していたJUNIOさんは、
東日本大震災での工房の破損を機に、北海道に移住して、
新たに陶芸作家としてのお仕事を始められたのでした。
この周辺のことについては、拙著
『工房からの風-作る・働く・暮らす・生きる-20の工房を訪ねて』
に記させていただいていますので、ぜひ、ご一読くださいね。
(当日、本部テント3の「kaze books」でも販売します)
昨年の夏、やっと工房を整えられて、試作を重ねていらした最中に、
取材をさせていただきました。
それから1年。
JUNIOさんが、すっかり充実のお仕事ぶりで帰ってきてくれました。
水面下で整え、準備されていた時間は長かったことでしょうけれど、
こうして始められると、よくもこの短期間でこのような充実のお仕事を!
と驚いてしまいます。
前置きはさておき、さっそくメッセージをご紹介いたしましょう。
Q
JUNIOさんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?
A
私たちはさまざまな土の質感に魅せられました。
土と釉薬とのコントラストが楽しめるような作品づくりを目指しています。
今回出品するのはそんな作品の他、七宝焼のような質感を思わせる
新作のフルーツボウルなども出品します。
北海道の余市へ移住してから、海・山・川(暗号っぽいですね。笑)に囲まれ、
緑に触れる生活をすごしていると、自然と創ることへそれが影響してきます。
余市は美味しい特産物も多く、気候もよいので、
趣味で果樹園をされているご夫婦がいらっしゃって、
今年の夏はそちらの方が不在時管理人をまかされました。
(管理人といってももいで食べるだけですが)
そんな夏の思い出を絵日記的に作品に落とし込み、
フルーツをモチーフにしたボウルを制作しました。
ありそうでなかった焼き物、陶の器。
異ジャンルから入られたからでしょうか、ほんとうに新鮮な器の数々です。
けれど、ちゃんと陶芸ならではの味わい、豊かさも抱いた作品であるところが、
JUNIOさんの力量ですね。
そして、新作のフルーツモチーフの器。
み、魅力的ですー。うっとり。
Q
JUNIOさんにとって、「工房からの風」は、どんな風ですか?
A
私たちが元気な風の子ならば、工房からの風はいつも私たちを成長させてくれる母風です
風の子!
どこかやんちゃな泰明さんに、ぴったりな言葉!
JUNIOさんには、ふんわり優美な雰囲気の(でも、なんだか楽しい)いすゞさんとおふたりで、
作家としての出展時以外にも、企画側のサポートも数年担っていただきました。
おふたりの「伸びていこう!」「進化していこう!」とするアグレッシブな気持ちそのものが、
この風を母とさせているのでしょうね。
ありがとうございます!
Q
JUNIOさんは、小学生の頃、何になりたいと思っていましたか?
A
泰明 → 植木屋さん
いすゞ → 和菓子屋さん
わ、泰明さんのいなせな植木職人姿、すぐ想像つきますねー(笑)。
そして、和菓子やさんのお嬢さんだったいすゞさんは、
今、陶芸のお仕事で、その希いを叶えているのかもしれませんね。
陶芸作家となったJUNIOさんのホームページはこちら → ☆
出展場所は、コルトン広場モニュメント周り。
今から見ごたえたっぷりな展開が想像できて、とっても楽しみです。
director's voice
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瀬戸晋さん(木工)
北海道からのふたり目のご紹介は、木工の瀬戸晋さん。
旭川から、はるばるやって来てくださいます。
Q
瀬戸さんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?
A
主に拭き漆で仕上げた木工品で、小さいものから大きなものまで、
いろいろな形の器やお盆、お皿などを出品します。
刃物で削った刃跡を残したものが多いので、
ぜひお手にとってその質感を感じてもらえればと思います。
瀬戸さんは二回目の出展。
一見ごつっとした存在感のある木の器ですが、
そのフォルムを支える繊細なデザイン力が瀬戸さんの作品の魅力です。
前回出展くださって以来、都内各所での展示や、某有名セレクトショップでの取り扱い、
そして、現在は雑誌の『haru_mi』での紹介など、じわじわと人気が広がっています。
Q
瀬戸さんにとって、「工房からの風」は、どんな風ですか?
A
たった二日間のために、全国から作り手が集まらずにはいられない
と思わせてくれる作り手を集める風。
そして、二日後には、また地元に戻って、
作り続けていくことを後押ししてくれる追い風。
優しくて、厳しくて。
そんな風です。
旭川からの出展は、ほんとうにエネルギーが要ることと思います。
それでも、このように思って出展くださる瀬戸さんのような方がいらっしゃるから、
この風が生き生きとしていられるのですね!
ありがとうございます!
Q
瀬戸さんは、小学生の頃は何になりたいと思っていましたか?
A
特になにになりたいというのがなく、でも木工に限らず何かしら、
ひとりでものを作っているのが好きな子でした。
ちょっとシャイな瀬戸さんらしいメッセージ!
関西から北大を経て、旭川で木工をするようになられたのも、
子どもころのこの思いの延長線上のことなのかもしれませんね。
さあ、瀬戸さんの今回の出展場所は、スペイン階段前になります。
正面は、皮革のヌイトメルさんです。
そう、ま後ろには、夕張の西山雪さんがいらっしゃいますので、
少し心強いでしょうか!?
director's voice
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西山雪さん(ガラス)
今回の出展作家は、北海道から沖縄までの広きにわたって。
例年、応募をいただいても、選考を通られる方が
必ずしもこのようになるばかりではないのですが、今年はこのようになりました!
これもなんだか、わくわくしませんか?
その北海道からは3人(組)の出展者。
まずは、夕張のガラス工房で制作をされる、西山雪さんからのメッセージをご紹介します。
Q
西山雪さんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?
A
色ガラスやエナメルを使った彩りある器を出展します。
ポップな色使いのグラス、鳥模様のガラスドーム、エナメルで絵付けした虹雨模様のボウル etc…
日常の生活を明るくする、だれかを笑顔にする、そんなものづくりを目指して制作しています。
自分自身がいつも明るくありたい、という雪さん。
北海道に生まれ育ち、気持ちと色との結びつきを、独特に体感されているのかもしれませんね。
作り出す作品は、さまざまな色が雪の輝きを映しているように眩しく感じられます。
Q
西山雪さんにとって、「工房からの風」って、どんな風ですか?
A
外ばかり向いていた自分に、立ち止まって、いま一度自分の内側と向き合わせてくれました。
力強く背中を押してもらった追い風でしょうか。
制作を続けていくと、目や行動が向かうときも大切でしょうし、
自分自身に向かうことも必要なんですね。
雪さんは、「工房からの風」を、ご自身で追い風にされているのですね、きっと。
Q
西山雪さんは、小学生の頃、何になりたいと思っていましたか?
A
「絵描き」と文集に書いた覚えがあります。
図工と体育だけが好きな子供でした。
この頃から、頭で考えるより身体で覚えるというスタイルが身に付いたようです。
溌剌とした今の雪さんの姿から、なんだか想像がつきます!
ガラスの制作は、まさにスポーツのようですし。
では、西山雪さんのホームページはこちらです。 → ☆
出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
北海道からやってきた、明るく元気なガラス作品とその作者が、
眩しい表情で迎えてくださいますよ。
director's voice
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結城琴乃さん(木・針金)
今回の50人の出展作家の方々は北海道から沖縄まで、
ほんとうに広範囲から、ここ市川に集ってくださいます。
これからご紹介する結城琴乃さんは、四国は高知から。
二回行った全体ミーティングにも、はるばる駆けつけてくださるパワフルな方。
(しかも、日帰り夜行バス!)
双子のお嬢さんを持つおかあさんでもある人は、そんな強行軍を
さらりとやってのけてしまう、たくましい人でもあります。
Q
結城さんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?
A
せっかくの屋外展示ですので、それを生かした展示をと考えています。
主に木と針金で制作した家、車、舟のオブジェで小さな街並みをメインにおき、
足をとめて下さる方が私の作る小さな世界に入り込んでくだされば嬉しいです。
他に、糸のような細さのワイヤーで作るアネモネや曼珠沙華、百合などの花を展示します。
目をこらさないと見過ごしてしまいそうだけど、
手に触れると確かに咲いている凛とした様子を是非見ていただきたいです。
同じく細いワイヤーで形作った気球、
風船の中にブリザーブドのアジサイを閉じ込め吊るして楽しんでいただくオブジェも作りました。
また、ペンキの上からハンダゴテで焼き焦がしながら描いた鳥や、花、少女のブローチも出品します。
その他、新作も現在制作しておりますので、皆様に見ていただきたいと思います。
結城さんのジャンルをお伝えするのは、なかなかむずかしいのですが、
素材としては、主に木と針金。
けれど、いわゆる趣味の手作り工作とは、あきらかに一線を画した作品群なのです。
どうしてかなぁ、なんでだろう??
その答えは、会場で皆さんがそれぞれに感じて、出されることと思いますが、
私は、確かな世界観があること、そして、その世界観を正確に伝えることができること、
なんじゃないかしら?と思うようになりました。
工芸の作品群の中にあっても、新鮮ではあっても、響きあうものがありますね。
次の質問へのコメントを拝見して、なるほど。。
と思いました。
Q
結城さんにとって、「工房からの風」って、どんな風でしょうか?
A
3月に行われた携わる方々との初顔合わせに、知り合いもなく、とても人見知りなので
随分緊張し会場に向かいました。
そして今回の緊張の根源「自己紹介スピーチ」!
一言一言一生懸命話される方、とてもスマートに話される方、緊張し気絶寸前で倒れそうになりつつの私も含め、それぞれの方が作品の説明、これからの心意気や目標、そして今後の悩みなどを話していきました。
どの方も大きく分けると目標は同じ方向で、同じ悩みのように思えました。
私は制作を始めまだ8年目なのですが、独学と試行錯誤で一人制作をしてきた為、
同じような志しを持つ人と語ったり、知り合う機会に乏しく、この日皆さんのお話を伺い、
こんな風にいっぺんに、同じように思う方々が全国からこの場所に集い、
こうして共にいることに驚き、物凄く嬉しく感じました。
お一人お一人、その方だけの道を進み、それぞれの志しを持ち
「工房からの風」の選考に通りこの場所に集まったんだなぁと。
会場を案内していただいたとき、丘の上に皆さんで立ち、
「始まりますよ」という稲垣さんの声と共に風が吹いた景色を想像しました。
今日は入学式だなと緊張でクラクラしつつも思いました。
それが、私にとっての「工房からの風」に吹いた風です。
その日からずっと風は吹いています。
一人の作業部屋に戻っても、同じ風が皆さんにも吹いている事を思い制作してきました。
いよいよ迫ってきた展示当日、この風の中皆さんと同じ空間を共有し、
最終日を持って卒業になるとしたら、その時吹く新しい風はどんなんだろうと
それが何よりとても楽しみです。
今年はちょうど桜の花が咲いて、雰囲気がちょうど入学式みたいだったんですよねー。
立派な大人が集まって!桜のもとで緊張しつつ、新しい出会いを結ぶって、
なかなかないことかもしれませんね。
Q
結城さんは、小学生のころ、何になりたいと思っていましたか?
A
小学校の時の夢は「歌手」一本でした。
確か物心ついた位の時から思春期を迎える頃までずっと。
モノを作るのはその頃から好きで、紙粘土やフェルトで作ったキーホルダーやマスコットなんかを作っては友達にプレゼントしていましたが、モノ作りをしていきたいとは全く考えず、夢は歌手一本でした。
でもそれを誰に言うでもなく、お風呂の中や、留守番の時間なんかで歌の練習をし、
自作の歌詞をノートやメモ用紙に書いては隠し、メロディーが浮かべばテープに録音し
またそれを隠すという、ひっそりコツコツとした努力をしていました。
あの隠しまくったメモ用紙とテープ、全然内容覚えていませんが
かなり赤面ものだったのだけは確か。
ちょっと見てみたいけど、でもやはりどうかうっかり出てきませんように。
なんだか、聞いてはいけなかったような秘密のお話!
読んでいてちょっとドキドキしてしまいました。
夢に向かって、一生懸命なところ、結城さん、今も変わらない感じがします。
(むしろ、パワーアップ!)
さあ、結城琴乃さんのホームページはこちら → ☆
出展場所は、ニッケ鎮守の杜、入ってすぐの手仕事の庭。
どんな構成で展示をされるのか、楽しみですね!
director's voice
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大濱由惠さん(皮革)
プロレスラーやボクサーといった格闘家になりたかったという
鳥居さんの次には、この方しかいない!と思いました。
ご本人の姿を見たことのある方は、えっ!という感じなのですが・・・。
それは、今回二回目の出展となる、皮革の大濱由惠さんです。
Q
大濱さんは、今回の「工房からの風」では、どのような作品構成をされるのでしょうか?
A
植物の渋で鞣した革を使用した、バッグや小物を出品します。
定番で制作している長財布やポシェットの他に、新しい作品も多く、
ブローチやペンダント等、小さなものから大きなバッグまで革色も豊富に制作しました。
かっちりとした職人仕事、その技術を真ん中において、
今の人が使ってうれしくなるバッグや革小物を作る大濱さん。
試作をなんども使い、修正を重ねて完成させていく、その誠実なお仕事には、
リピーター、ファンの方が着実に増えています。
そして、昨年にはご本も出版された大濱さん。
『ほのぼの革小物教室』(雷鳥社)
基本にきっちりした仕事の大濱さんだからこその、
初心者にもわかりやすい本となっています。
装丁も著者のイメージ通り、とても愛らしく。。
こちらもぜひお手にとってみてくださいね。
Q
大濱さんにとって、「工房からの風」って、どんな風でしょうか?
A
「清風」です。
制作中は焦ったり、迷ったり、手が止まるときもありましたが、
秋の日のことを思うと心に気持ち良い風が吹き、また手を動かすことができました。
爽やかで優しいけれど、背筋がピンと伸びる程良い緊張感。
そんな清々しい風を感じながら制作できた作品たちと一緒に、
この風をお届けできれば良いなぁと思っています。
清々しい言葉。
大濱さんらしい感じ方、捉え方ですね。
ひとつの展示に向けて、気持ちを整え、向かっていく。
清風とは、大濱さんのお仕事そのもののような気がします。
Q
大濱さんは、小学生の時、大人になったら何になろうと思いましたか?
A
空手家です。
小学生の頃空手を習っていたので。
練習の他に、腕立て伏せが日課でした。
この、きっぱり書くところが、いかにも大濱さん!
今でも腕立て伏せ日課なのでしょうか??
では、大濱さんのホームページはこちら → ☆
出展場所は、コルトン広場モニュメント周り。
といっても、モニュメントのぐるりではなく、お庭のフェンスを背中にしたところ。
使うほどに艶めいて愛着の増す皮革の作品がたくさん集うことでしょう。
director's voice
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鳥居明生さん(陶磁)
続いては、埼玉県加須市でAM陶工房を開く、
鳥居明生さんからのメッセージをご紹介します。
Q
鳥居さんは、「工房からの風」にどのような作品をお持ちくださいますか?
A
半磁器土に色化粧をほどこした器が主になります。
この作風のもとは、子供と一緒に切り絵?をして遊んでいた時に、
「やきものでもこういう表現が出来たらいいなっ」と思ったのが始まりです。
鳥居さんの作品は、とっても伸びやかな文様が特徴的。
お子さんとの切り絵遊びが原点だったとは!
その楽しさが、器にそのまま表れているような作品ですね。
先日のチャリティーにも、たくさんご飯茶碗を協賛くださいましたが、
(ありがとうございます!)
なんだかわんぱく心のような楽しさが伝わってきて、
大人気でした!
Q
鳥居さんにとって、「工房からの風」って、どんな風でしょうか?
A
自分のなかでは「強風注意報」がでて居りまして、
風で何処に運ばれても良い芽がでるよう、
たくさんの方との出会いを大切に、そして楽しみにしています。
わ、ちょっと意外な答えでした(笑)
なんだか、どーんと構えていらっしゃる感じがしていたので・・
どうして、そう思ったかは、次のメッセージを読んでいただくと、
ちょっとわかってもらえそうでしょうか?
Q
鳥居さんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?
A
小さいころはプロレスラーとかボクサーとか。
格闘技がすきでした。
また、UFOや魔術や妖怪など神秘的なものにも興味があり、
そういう研究者もいいなと思っていました。
ね、強風にもびくともしない感じですよね!
さあ、鳥居明生さんのホームページはこちら → ☆
出展場所は、コルトン広場、モニュメント周りです。
先日ご紹介した木工のふるいともかずさんのお隣です。
楽しく、伸び伸びとした器がたくさん、気持ちよさそーに並んで、
きっと、選ぶのが楽しくなりますよ。
director's voice
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denさん(柿渋染め)
『ニッケ鎮守の杜』に、柿の木があったらいいな、
と時どき思います。
柿渋染めのお仕事と出会うと、特にそのように。
今回ご紹介するのは、denさん。
柿渋染めを手掛ける方は増えましたけれど、
denさんはどのようなお仕事なのでしょうか?
Q
denさんは、『工房からの風』にどのような作品を出されますか?
A
柿渋、ベンガラを主にした自然素材で色づけした布作品を出品します。
包む、敷く、掛ける、巻く、木陰をつくり 風をうける一枚の布は、
大きい布から小布までひろげてたたんでいろいろなかたちに姿を変えていきます。
そのような布に木漏れ日の影を雲のながれをうつしとるような、
自然にまかせた色を重ねています。
古いものから醸し出される時間の重なりからくる美しさ、
そして同じだけの時間を重ねてもそれぞれの物語があり同じものはありません。
そんなものが好きです。
なんでもないもの、日よけにかけられた布、道具を入れておく袋と、それにあてられた繕いのあと。
そんなものを追いかけているのかもしれません。
ストールなど身にまとうもの、そして大きい物は敷いてかけて、
小布や染め糸も捨てるものなく継いで重ねて作品にしています。
柿渋染めのものは自然においても色を変えていきます。
その様子を育て楽しんでいただければと思っています。
denさんは、もともと写真の仕事をされていた方。
どこか錆びた、時間の経過にストーリーを感じさせる雰囲気のある写真を撮られます。
染める布にも、そのような風合いが感じられて、世界観が一貫しているのですね。
素材であることも含めて、denさんならではの柿渋染めの雰囲気をぜひ、
味わっていただけたらと思います。
そして、男性の方にも、特に見ていただければと思います。
何かものづくりされている方など、触発されるもの、あるのではないでしょうか?
Q
denさんにとって、『工房からの風』はどんな「風」ですか?
A
はじめは何かを変えてくれる、どこかへ運んでくれる風に出会えると思っていました。
今、どんな「風」かと思うと、自分に真ん中へと「引き戻していく風」かもしれません。
大きな企画展示に参加するのは初めてのこと。
「作品」としてのかたちも明確でないまま、
10月の「ゴール」にむかって走り出したような気持ちでした。
焦る気持ちのなか、打ち合わせや、ほかの作家さんとの交流で
自分のことをはなすことときには、染めをはじめたこと、そのまえの仕事のこと、
家族のこと、いったところみたところ、ずっと好きだったこと、
変わっていたことと変わらないことと考え、いつか真ん中にむかう風になっていました。
今は 本番当日の「スタート」にむかう気持ちです。
良い出会いがありますよう、自分の真ん中で会えますよう10月を迎えたいと思います。
私も最近気づいたことなのですけれど、『工房からの風』での出会いって、
自分自身との出会いが一番大きくて、大切なものなのでは。。。
そんな風に思うようになりました。
始まる前に、すでにそれに気づかれたんですね、denさん!
Q
denさんは、小学生のころ、大人になったら何になりたかったでのでしょうか?
A
いまだ家族の中では伝説のネタになった、小学校の卒業新聞「将来の夢」への一文。
「大好きなひとのかわいいお嫁さん」!!
洋裁や編み物をする母、革物や写真、パソコンをはじめ多趣味でいつも新しいことの好きな父。
転勤で引っ越しが多かったにもかかわらず、時間があれば窯元や木工芸店をのぞいたり、
そんな両親を見ていたので、何かになりたいということが思いつかなかったかもしれません。
つくるくらし。
それはだれと時間を時間を過ごしていくかということでしょうか。
小学生の時、キッチンを遮光してつくった暗室で父と過ごした時間が写真にむかったはじまりです。高校の時 写真館で遺影作る仕事に出会いました。
故人の写真を複写してエアブラシで背景をつくります。
モノクロの世界の中にその方がいちばん幸せな時間をつくる仕事だと思いました。
布を染めていると「なにに使うのですか」といわれていつも困るのですが、
つかう方、包むまれるモノが主役であるような背景がつくりたいと
今も思っているのかもしれません。
そしてこれからそのような場をふたりで作っていきたいと思っています。
denさんは、ご夫婦で揃っているとき、ほんわかと、ほんとうにお幸せそうなんです。
小学生の時の夢、見事に叶えられましたね!
「私の撮った写真をとても好きだと言ってくれたのが、このひと」
とお話を伺ったことがあります。(ゴチソウサマです)
その写真と、柿渋染めの布が同じ思いを伝えていること。
今回のメッセージでとてもよく伝わりました。
さて、denさんのホームページは、こちら → ☆ です。
出展場所は、スペイン階段前。
本八幡方面からいらした方が最初に出会うブースです。
布でしつらえた味わいのある空間で、迎えてくださることでしょう。
そうそう、お隣は、陶器の市岡泰さんです。
director's voice
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uiny by nakamurayuiさん(アクセサリー・服)
今日は、急に秋が深まったような陽気ですね。
ニッケ鎮守の杜でも、曼珠沙華の花が咲きました。
お彼岸の頃、理(ことわり)のようにひらく花。
季節って、そして、自然ってほんとうに不思議ですね。
そんな不思議がいっぱい詰まったこの空間に、
あと20日後には、50の果実!が揃います。
さあ、今回はご紹介するのはuiny by nakamurayuiさん。
アクセサリーと服を制作される女性です。
Q
uiny by nakamurayuiさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?
A
野菜やスパイスなどの自然のものをモチーフにしたものや、
月の満ち欠けなどの自然現象をモチーフにしたもの、
ドローイングからおこしたデザインを落とし込んだシルバーのアクセサリーと、
麻や綿などの天然素材のノーパターンのお洋服をご紹介します。
一部お洋服には今回はじめてオリジナルで作った真鍮のボタンを使用する予定です。
ボタンもパーツとして販売する予定です。
作者が心にくすっと響いたモチーフを、小さな世界にぎゅうっと凝縮したようなアクセサリー。
親しみやすいモチーフでありながら、見たことのないかたちは、
uiny(ウイニー)さんならではのもの。
風の予感展のとき、金色のアクセサリーを、
真鍮ではなく少し割高となってしまう金であえて制作することの意味を、
丁寧に教えてくださったのが印象に残りました。
売りやすさよりも、大事にしているポリシーの確かさを感じたのでした。
Q
uiny by nakamurayuiさんにとって、「工房からの風」は、どんな風ですか?
A
私にとって工房からの風は沢山の小さな風の集まった大きな風、
影響しあう化学反応の様な風です。
私はものづくりをする時、とても抽象的な表現ですが、
自分の中にある何か“きらきら”したもの、
“小さな光”のようなものを見つめかたちにしています。
それは誰かにとっては“心”であったり“希望”であったりするかもしれません。
そういう“こめられた”作品が、それを作る作家が、携わる方々が、
それに呼応して来て下さる方々が小さな風を起こし、
集まって大きくなった風が“工房からの風”なのかなと思います。
1人1人は、ひとつひとつは小さなものなのだけれども、
“ていねいにつくられたものへの想い”という、同じベクトルを見ている人々の
影響し合った化学反応のような風なのかなと思います。
ですので、自分の力を、心を全開にした作品たちを来てくださる方々に手にとっていただき、
“心地良い風”をおこしたいと思います。
会場で沢山の方々にお会い出来るのが楽しみです。
「工房からの風」の一つの姿を、言い表してくださっているような文章ですね。
ものすごくびっくりしたり、大きな声のものはないかもしれないけれど、
来場くださる方、関わる人々の多くが、求めていること、大切にしていることがとても近い。
そんな場で、静かな化学反応が起こり、それが嬉しく、楽しくなる。
今年は、どんな化学変化が起こるのでしょうか。
Q
uiny by nakamurayuiさんは、小学生のとき、将来何になりたかったのでしょうか?
A
絵を描くことが大好きなので、イラストレーターでした。
立体がとても苦手で絶対立体の仕事はしないだろうなと思っていました。
イラストレーターは、なるほど~!という感じですけれど、
立体が苦手だったなんて。
きっとどこかのタイミングで、uinyさんならではの立体のとらえかた、コツ、を掴まれたのですね。
uiny by nakamurayuiさんのホームページはこちら → ☆
出展場所は、ニッケ鎮守の杜、稲荷社の手前。
大きな庭石のある隅っこの空間を楽しげに、
アクセサリーと服が作家とともに待っています。
director's voice
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寺田知司さん(染織)
京都は染織文化の奥深い土地ですね。
その京都で染織を学び、技術を深め、工房を開いた
寺田知司さんからのメッセージを紹介します。
Q
寺田さんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?
A
織物でできた敷物を出品いたします。
人に座っていただくもの、踏んでいただくもの。
グラスやマグカップ、お茶碗にお皿、花器などに敷いていただくもの。
私の布は生活の中で使用しますが、主役になることはありません。
あくまで、人や器を支えたり、寄り添って使えるものです。
その布を添えるだけで空間が引き締まったり、華やいだり、気持ちが良かったり、
たまに壁に掛けて別の使い方を楽しんでみたり‥。
いつも何気なく使われて、何気なく見た時に、織られた生地目を眺めていると、
糸の流れや色を発見して楽しんでいただければ、なお嬉しいです。
主役ではなく、添うもの。
寺田さんの作品作りのキーワードのようですね。
「工房からの風」でも、自作のマットと調和する器を展示したい
と希望されていた寺田さん。
メインで制作している、文様も楽しいノッティングの椅子敷きとともに、
どんな風に展示が構成されるのでしょうね。
Q
寺田さんにとって、「工房からの風」は、どんな風ですか?
A
初出展の私は、応募に向けて、知り合いの数名の
出展経験がある作家さんにお話を伺っていました。
スタッフの方や作家さんたちともお話していると、
「工房からの風」は作家がひと皮むけるクラフトフェアだとより強く感じました。
初めてなので期待と不安もあります
ですが、今回のご縁で出会えた方々にたくさんの刺激をいただき、
おかげさまで毎日糸と向き合えています。
私の布がどれだけ関東の方に響くのか。
きっと、「工房からの風」は大きな風だと思います。
自分もその一部として微力ながら風を起こせられたらと思います。
ひと皮むける・・・!
そう、かもしれませんね。
大風が余分なものを削ぎ落としてくれるということでしょうか。
そして、削ぎ落とすばかりではなく、
春からの同じ出展者の方たち同士の出会いで、
ふくらんでいくものをすでに、感じられているようですね。
Q
寺田さんは、小学生のとき、将来何になりたかったのでしょうか?
A
発明家です。
「Back to the Future」のドクと「The Goonies」のデータに憧れて。
そうなんですね!
映画を見て、そこから何に憧れるかって、ひとそれぞれで面白いですね。
さあ、寺田知司さんの ホームページはこちら → ☆
出展場所は、ニッケ鎮守の杜「手仕事の庭」。
先日ご紹介した、ガラスの遠藤章子さんの隣です。
花壇を後ろに従えて、京都の工房で織られた布が居心地よさそうにしていますね、きっと。
director's voice
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248 nishiyaさん(布バッグ・小物)
先日ご紹介した陶芸の市岡泰さんと同じく、
宮城県で制作をする248 nishiyaさん。
バッグを中心とした布ものを、自らの世界観を大切に制作しています。
Q
248 nishiyaさんは、「工房からの風」に、どのような作品を出されますか?
A
素材一つ一つにこだわり、持つ人に寄り添うような、やわらかなバッグや小物を出品いたします。
私たち248 nishiyaの作品は、自然からいただいた草木で染め、
草木染めされた糸や裂いた布を丁寧に手織りし、
ヨーロッパのアンティーククロスや素材にこだわったリネンを組み合わせて生み出されます。
時間とストーリーがつまったバッグは、時を重ねる度に表情を替え、
持つ人に寄り添うような特別な存在となります。
二つと同じものはない一点モノ。
末永く愛されますように…
今、248 nishiyaさんは、アトリエも整備中。
作品の撮影も、シャビーな雰囲気で、スタジオのようなご自身のアトリエで行われています。
ホームページからも、その雰囲気伝わってきますね。
現在発売中のnidでも、ヌイトメルさんと同じ特集内で、
1頁づつ紹介されています。
こちらも、ぜひご覧くださいね。
Q
248 nishiyaさんにとって、「工房からの風」って、どんな風でしょうか?
A
「工房からの風」に応募した時に見えていた風は、とても強く、とても早い突風でした。
だからこそ、この風にうまく乗れるのか、それとも流されてしまうのか…
そんな不安がありました。
でも、今見える風は、出展者、主催者、関わる全ての人、1人1人が起こす風。
それが集まっている風。
力強く、暖かい風に見えています。
流行のように乗る風ではなく、自分たちが起こす風。
私たち248 nishiyaが起こす風は、暖かく芯のある風です。
10月に集まった大きな風で、248 nishiyaの種がたくさん運ばれて欲しいです。
初めてお会いした時は、とっても不安そうにされていたのが、印象的でした。
けれど、お会いするたびに、眩しい笑顔で応えてくださるようになって。。
当日も、静かな色合いの布とともに、穏やかな表情で来場者の方々とお会いできそうですね。
Q
248 nishiyaさんは、小学生のとき、どんな大人になりたかったのでしょうか?
A
妻:クレープ屋さん、お店屋さん、歌手、ファンシーショップ、
印刷屋さん、水族館でエサをあげる人
夫:大工さん、とりあえず何かを作る人、意外と出来る人だなぁと思われる人、
危なくない仕事をする人
芯のない小学生ですよね…
ふふ。。
クレープ屋さんって、なんだかリアル・・・(笑)
さて、248nishiyaさんのホームページはこちら → ☆
出展場所は、おりひめ神社奥。
木工の菅原博之さんのお隣です。