2024年10月の記事一覧

「出展作家紹介/工房からの風」New

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天野琴音さん/漆芸

Q1
はるばる青森県から出展くださる天野琴音さん。(お名前がすでにすごいです・・)
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
「漆」をもちいての制作をしています。
欅や栃などの天然木の木地に漆を塗っていること、シンプルなラインや柔らかな色彩が特徴です。
(作品を)迎え入れてくれた方の生活に入って初めて完成するような、”余白”を大切に制作しています。

さまざまな技法で制作されたカトラリーや普段使いしやすいアクセサリー、一点もののアートピースのような器を出品します。


「breeze」滑らかなラインと二色のぼかし塗りが特徴のお椀


「根来小椀」使い込まれて塗りがかすれてきた様が特徴的な小さめのお椀。小鉢としても◎


「栃の木の銘々皿」杢(もく)が美しい栃の木の銘々皿


「ティースプーン」ぬくもりあるふっくらとした塗りと、柄にあしらわれた小さな絵が可愛らしいティースプーン


「cotone./a drop」”さりげなく、軽やかに”がコンセプトのアクセサリー。
故郷青森の津軽塗や螺鈿で仕上げました。

Q2
大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。

A2
芸術大学に合格した時に、叔父夫婦からお祝いでいただいた「裂き織り」のランチョンマット。
「芸術の分野に進むことになった姪のために…」と、選んでくれたものです。

恥ずかしながら入学当時は工芸に対する知識が乏しく、いただいた品物が裂き織りであることに気がついたのはしばらく経ってからでした。
パソコンの上に掛けたり、お茶やお菓子を収納している箱の目隠しに使っていますが、
どんなインテリアにも馴染んでくれる軽い色彩や、洗濯してもほつれてこないよう裂いた布に丁寧にこよりをかけられて織られた仕立ての良さ…。
私自身が作り手に回った今、ものを作る上で大切にしていかなくてはいけないことを教えてくれてる気がします。

もう15年以上使っていて、コーヒーをこぼしてしまい薄いシミも出来ましたし、
黄色かった経糸も褪せて白い横糸と馴染んできましたが、これからも大切に使っていきたいです。

この夏、天野琴音さんとお話しさせていただいて、制作への一途な想いに感じ入り、豊かな個性が伝わってきました。
漆の作品は馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、幅広い制作のなかから、
より天野さんらしさが香り立つようなものづくりに熟していっていただきたいと願わずにはいられませんでした。
お話もとても楽しくしてくださいますので、ぜひ漆のお話、お聞きになってみてください。

天野琴音さんの出展場所は、スペイン階段前、コルトン広場です。
ホームページはこちらになります。
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佐藤牧子さん/陶芸

Q1
茨城県土浦市で作陶される佐藤牧子さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
陶で器を制作しています。
焼き物は大学でオブジェ制作を通して学びました。

器の制作を始めたのは卒業後で、産地などには入らず独りでひたすらロクロを挽く事で技術を習得していきました。
ふだん制作の手掛かりにしているのは、遠くに見える山並みの形だったり、道端におちる建物の影だったり日常の中にあるものです。
そういった気になる形をもとにスケッチをしたり試作を繰り返したりして、これだと思った質感や色味を拾い上げて作品に仕上げていきます。

わたしが作る焼き物は何々焼きという決まった特徴は持ちませんが、現時点での「一番好きな焼き物」をお見せできたらいいなと思っています。


豆皿 ランダム柄


風景のいれもの


マグカップ 黄色マット

Q2
佐藤牧子さんが12歳のころ、将来なりたかった職業について教えてください。

A2
ケーキ屋さんになりたいと思っていました。
こどもの頃、よく行く製菓店の外から窓ガラス越しに見える職人の手捌きを夢中で見ていた覚えがあります。
くるくるとひと撫でするたびに平らになっていくクリームや、リズミカルに出来上がっていくマジパンの人形をワクワクしながら眺めていたものです。

結局ケーキ屋さんにはならなかったわけですが、土で形を作っていると期せずして共通点の多い職業を選び取ったなと思う事があります。


フリーカップ 黄色マット

手でかたちを成形して、焼き上げる。
ケーキ作りと陶芸には、近いエッセンスがありますね。
幼い佐藤牧子さんの描いた夢、少しかたちを変えて、「工房からの風」にやってくるようですね。

佐藤牧子さんに出展場所は、スペイン階段前のコルトン広場。
ガラスの山崎雄一さんのお隣です。

ホームページはこちらになります。
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山崎雄一さん/ガラス

Q1
コロナ禍が続いた中、ちいさく開催したときに初出展くださった山崎雄一さん。
今回の「工房からの風」には、どのような出品をされますか?

A1
吹きガラスという技法を用いて作品を作っています。
作品の中には、吹きガラスで作ったガラスの表面を削って模様にしているシリーズも制作しています。
「工房からの風」への出品は、器類と一輪挿しをメインに考えております。


「薄荷杯」


「mushikui一輪挿し」


「ami-ami一輪挿し」

Q2
二問目の質問。
今年は稲垣から二つの質問を投げかけて、どちらかを選んでいただきました。

12歳のころ、将来は何になりたかったですか?
or
大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。
です。
山崎さんは、大人になったら、、、にコメントをくださいました。

A2
小学生の時の卒業文集には、将来の夢は伝統工芸士になりたいと書いておりました。

えっ。
それは、あまりにストレートですね。
12歳で伝統工芸士という単語を知っていたのもすごいです。
夢を実現させた山崎さんのお仕事を見て、今年来られるお子様が「ガラス吹きになりたい!」って思うかもしれませんね。

山崎雄一さんの出展場所は、スペイン階段前、一番本八幡側です。
今年復活する大人のワークショップテントの近くでもあります。
数年ぶりに拝見する山崎さんの進化したお仕事に触れることができるのも楽しみです。

山崎雄一さんのインスタグラムはこちらです。
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2024年「工房からの風」
今年も10月の最終週の土日、26日、27日の開催です。

出展作家名を公開いたしました。
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そして、楽しいメインビジュアルもお披露目です。

今後、ワークショップや、食品販売のご案内も追加していきますね。

10月最終週の土日。
「工房からの風」でお待ちしています。

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映像:ものづくりのよこがお

インスタグラムで公開した出展作家の映像版。
もう少し長尺ヴァージョン(各2分ほど)をyoutubeで公開しました。

vol.1 → click

TSU ZU KU

ムラカミ染織

土岐千尋

chichi

vol.2 → click

enku

工房まりも屋

nikadori

平戸香菜

vol.3 → click

horieee

木と漆 万緑

樋口萌

平井岳・綾子

(敬称略)

今回、全作家に募って、ご自身で映像を撮って送っていただきました。
12作家から送られてきたものを、映像作家にお願いして編集する、という試みをしてみたのです。

ものを作る表情、よこがお、手。
言葉では伝えきれない何か深いもの。
真剣で澄んだ空気。
この短い映像でも、感じていただけるでしょうか。

私からの初めての投げかけに、素直に!(笑)投げ返してくださった12作家に感謝と敬意を表します!
ご覧になられた皆様、ぜひ、各作家のブースで、感想などお伝えくださいね。
「見ました!」だけでも。
作家の方々、きっと励みになると思います。

そして、その中でも特にすばらしい映像を送ってくださった平井岳さん、綾子さんのものは、単独で長尺も作らせていただきました。
こちらもぜひ、ご覧ください。
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追記
もうひとつ、お庭の映像を27日金曜日までに公開予定です。
初夏、初秋のお庭の風景、庭人さんたちとの庭仕事、そして、最新のお庭の風景。
21回目となる「工房からの風」。
今年のお庭は絶景です。
21回目の中で最も秋の草花が美しく咲いている2日間となることと思います。

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平井岳さん・綾子さん(漆)

出展作家の方々からのメッセージも最後のひと組となりました。
このあとは、風人さんのデモンストレーション、ワークショップ、トークイベントなどのご紹介や、当日に向けてのご案内をしていきますね。

今回、あえて、皆さんから寄せられた長い文章を省略せずに、そのまま綴っていきました。
スマホの時代、短いセンテンスでキャッチ―に伝えていく方が広がりやすいと思ったのですが、あえて。

あえての理由は、出展作家の方々がこの機会に想いを心の中で確かにできればとの願いです。
その想いを、作家同士で読みあうことで、モチベーションを高めることはもちろんですが、もっと芯のところでこれからの制作に大切なものが育めたらと願って。
そして、その結果、当日の展示内容がよりよくなれば、来場者の方々にも一層喜んでいただけるのではないかと思ったのです。

実際のところ、出展作家、そして、過去出展の方々の反応が大きいように思います。
ちょっとディープでもありますから、一般の方にはちょっとすべて読み込むのはヘビーだったかもしれません。
けれど、あらかじめ、ここを読んでいただけたら、当日は何倍も楽しんで、充実した時間、交流を体験いただけるように思います。
きっと!

では、トリの平井岳さんと綾子さんからのメッセージをご紹介しましょう。

Q1
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
磐梯山と猪苗代湖に囲まれた福島県猪苗代町で夫婦2人で、自ら採取した漆を使用して器を制作しています。
今回はこれからの寒い季節にぴったりな、木と漆の風合いを生かした溜塗りのお椀や蒔地のカップなど日常使いの器を出品します。

『溜塗り(ためぬり)』とは顔料の入っていない漆を木地に塗り重ねる仕上げで、木目が透けて見えるのが特徴です。
『蒔地(まきじ)』とは漆を塗った上から地の粉という珪藻土の粉を蒔いている仕上げで、さらっとしたマットな質感が特徴です。

この2つの仕上げの器をメインにしています。
どちらも“食卓に馴染む漆器“を目指して、形と色艶にこだわって制作しています。
そのために重要なのが材料選びです。
主に漆と相性が良く軽くて柔らかな栃と適度な重厚感とハッキリした木目が特徴の欅を使い分けています。
そして仕上げには自ら漆掻きをして採取した漆を使用しています。
採り方や時期によって少しづつ色艶が変わるので、それぞれの特徴を見極めながら仕上げによって最適な漆を使い分けています。

そして今回はじめてお披露目する新作の器もあります。
中でもご紹介したいのが高脚椀。
名前の通り高台が高くスラリとしたイメージなので洋風のスープなどもぴったりです。
私はこれにオニオンスープとチーズを乗せて焼いたバケットを乗せ、グラタン風にして食べるのにはまっています。

冬の食卓をよりおいしく温かくしてくれる器たちを沢山持っていきますので、ぜひ木と漆の風合いと手にした時の心地よさを感じにいらしてください。

Q2
平井さんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
仕上げ塗りに使う漆刷毛
漆刷毛は人の髪の毛で作られているのでとても高価な道具。
修行に入った直後の自分には欲しくてもなかなか手の届くものではなかったのですが、ある程度仕事ができるようになった頃に親方が買い与てくれた物で独立した今でも大切に使い続けています。
漆刷毛は使う人によって毛の長さや毛先の形が違い、自分の塗り方にあわせて調整するのがとても重要になってきます。
「いい仕事をするには良質な道具を使う」ということをこの刷毛からたくさん学びました。
今回出品する溜塗りの器のほとんどはこの刷毛で仕上げ塗りを施しています。(岳)

Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。

A3
村木雄児さんの三島飯碗と尾形アツシさんのヒビ粉めし碗です。
2点になってしまっていますが、実はこれが私たち夫婦の唯一の結婚記念の品なのです。
指輪や式はもちろん写真も撮っていないので本当にこれだけです。

入籍の前後に地元の器屋さんで飯碗を選んでご飯を食べるという会に行った時にそれぞれ選びました。
記念に買いに行こう、と考えていたわけでもなく選んだ後に『そうか、タイミング的にも物としてもこれがぴったりかもな』という具合です。
揃いじゃないという所も自分達らしいような感じがして気に入っています。
なんだか無計画でだらしないような気もしますが、自分の事となると畏まった事が苦手なのです。

丈夫で使いやすく使うほどに愛着が湧いてくるまさに質実剛健といった姿に、作りたい物も定まっておらず、とにかく模索する日々だった当時の私たちに指針となるような形を示してもらったような気がしています。

余談ですが、これを求めたお店の店主さんとはその時からお付き合いがあり、昨年結婚40年の記念として私たちの汁椀を選んで頂きました。
作り続けているとこんな思いがけない嬉しい事があるのか!と時間が経ってさらに思い出深い器になっています。(綾子)

平井夫妻との出会いは、2020年の冬の名残りの浅い春。
この年の「工房からの風」への出展が決まっていたのでした。

早々に個人ミーティングをお申し出くださって、
「これはすごい人たちが出てきた!」
と思い、秋の出展が楽しみになったのでした。

けれど、この年。
通常開催は中止となって、「工房からのそよ風」として、近隣在住の作家だけで小さく行ったために、平井さんの出展はなくなってしまったのでした。

これから世に出ていこうとしていた新進の作家には、ほんとうに大変な3年間でした。
その中にあっても、先に出会いの機会をいただいておりましたから、他の場での展示に何度か声をかけさせていただき、その中で益々力を蓄えていかれたのでした。

ようやく。
3年ののちに、出展が叶ったと喜んでくださったおふたり。
3年前よりもぐんと作品の量も質も高められての出展です。

今回、出展作家の方々から任意で映像を提供いただき、こちらで映像作家の方に依頼して編集いただいたものを制作しました。
先に公開したインスタ版に加え、少し長尺のyoutube版も本日公開いたしました。

また、特に優れた映像を提供くださった平井夫妻のものは、これだけで1本に編集制作させていただきました。
漆の植林、漆掻き、塗り・・・(&猫)で構成された3分32秒版もぜひご覧ください。
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平井岳さん・綾子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、花壇よりのgalleryらふと脇。

ホームページはこちらです。
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平戸香菜さん(鋳金)

Q1
富山県砺波市で金属を素材とした制作をする平戸香菜さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
生命のうつろいをテーマに作品を制作しています。
自分で金属を溶かして作品をつくることが、なにより楽しいです。

Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
溶けた金属が入った坩堝を掴む道具です。
鋳金の道具は市販されているものが少なく、あるものを加工したり作り直したりして使うことがほとんどです。
大切な大先輩から譲り受けたとても重要な道具です。

Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。

A3
野村瑞穂さんの抹茶茶碗
なんでもない形ですが、柔らかな釉薬の色がとても心地良い作品です。
野村さんの作品は白い釉薬が多いのですが、これは珍しく桜色です。
当たり前のことを丁寧に行う大切さを思い出させてくれます。

金属を鋳込む鋳造。
今回も金属を素材として制作する作家が7名ほどいらっしゃいますが、大掛かりな鋳造をされるのは平戸香奈さん。
金属材料を高温で溶解させ、独自に作った鋳型(いがた)に流し込んで冷やし固めることで制作する技法です。

小さなものは装身具から、花瓶からインテリアのものまで。
金属の幅広い作品世界に触れていただく機会になるように思います。

平戸香菜さんの出展場所は、galleryらふとと花壇の間。
秋のお庭にオヴジェも映えるように展示してほしいと思っています。

余談ですけれど、平戸さんはもともとは茨城県のご出身。
展示場所の隣、galleryらふとでは、茨城県在住の竹細工の勢司恵美さんが竹割りをしています。
茨城ののどかで楽しい言葉が行き交うエリアになるかもしれません。

平戸香菜さんのホームページはこちらです。
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そして、平戸さんの登場する映像はこちらです。
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小泉すなおさん(陶芸)

Q1
二回目の出展となる小泉すなおさん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
千葉県柏市にて工房を構えて作陶しています。

食器や花器を、半磁土と陶土を作品によって使い分けて作っています。
砂糖菓子のような滑らかな質感、河原で拾う石のような質感など、どれも手に取った時の質感を大切にしています。

食の器はマットな釉を掛けたものが中心ですが
花器やオブジェなどは、土を重ねて表面に装飾を施し
た作品もあります。

陶芸は窯で焼く事で完成するので、最後の最後を見届けられません。
毎回がテストのつもりで、ドキドキの窯出しを行い
自分の中の正解は数を重ねなくては得られない、を痛感しています。

初めて出展させて頂いてから6年になりますが、
小さな窯を新しく手に入れ、沢山の釉薬の試作を行い
色の世界が広がりました。

釉薬の掛け合わせや、滲みで生まれる柔らかな景色。
移りゆく空や広がる波のように、ぼんやりとした優しい景色を
器に写せたらと思っています。

Q2
小泉すなおさんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
工房を構えた時に入れたガス窯と、新しく加わった電気窯。
道具というより相棒で、どちらもクセがあります。
開ける時にこんなに高揚感のある扉はありません。

自分のやっている事は、広い陶芸の世界では
本当に狭い範囲の試作の繰り返しに過ぎないのですが、失敗も多い中、少しでも「ああこれは!」と思うものが出てきた時は、この窯の前で小躍りしてしまうのです。


前回から6年!
その間、風人(かぜびと)さんとしても活躍いただきました。

すなおさんのご自身の創作は、この間、ぐんぐん展開を進められて、作品構成がかなり変わったように思います。
釉薬の変化による色のグラデーションなど、きっと今現在の渾身の展開を見せてくださることでしょう。

小泉すなおさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、入って中央右側。
梅とアーモンドの木の間です。

小泉すなおさんのインスタグラムはこちらです。
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Deep Gorge(陶芸)

Q1
Deep Gorgeという工房名で作陶する高田寛子さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
屋号のDeep Gorge(ディープゴージ)は、幼少期を過ごした米国東部コネチカット州の当時の住所、Deep Gorge Roadから名付けました。
ニューイングランドで培った感性と、日本の陶芸技術を組み合わせた独特の作風が特徴のブランドです。
「たおやか」をテーマに、信楽から取り寄せた2種類の陶土 x 自作の3種類の釉薬 x 2種類の焼成方法を組み合わせて、土の器を作陶しています。
和食器や洋食器といった用途にとらわれない、Versatile=多用途なデザインを心がけており、手に取ってくださった方の解釈で如何様にも使えるうつわを、出品致します。

例えば、代表作のCUP&SAUCERは、コーヒー、紅茶、日本茶、お酒、ジュース・・あらゆる飲み物が似合うデザインを想定して作りました。
お客様がいらした時はソーサーを茶托として。
普段はちょっとしたおやつを載せたり、取り皿としてカップと一緒に。
ハレの日もケの日も寄り添える、食器棚のスタメンを目指しています。

奇をてらわない、不完全だけど、特別。

くらしに寄り添い、何気ない一瞬を大切にしたくなる日々の器をご覧ください。

Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
道具、というには大きすぎるかもしれませんが、私にとって大切なのはやはり陶芸用の窯です。
電気とガスを併用する窯を用い、12~16時間かけて1250度まで温度を上げて作品を焼成しています。
そのあとで、24~30時間かけて冷ます時間も同様に大切な制作過程です。

陶芸にはたくさんの工程がありますが、泣いても笑っても、最後は窯の神様に作品を預けて仕上げていただく気持ちで毎回の焼成に挑んでいます。

神奈川県鎌倉市で作陶されていたDeep Gorgeさんは、この秋、群馬県北軽井沢に引っ越しをされるとのことです。
陶芸作家が工房を移転するのは、大きな変化ですね。
その直前の「工房からの風」への出展は、ひとつの節目、集大成にもなるのかもしれません。

Deep Gorgeさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、入って右手に添ったところ。
手前隣に、金工の玉置久実さん。奥隣に革のoceanoさんのテントになります。

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ふくべ窯(陶芸)

Q1
岐阜県土岐市で窯をひらくふくべ窯さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A1
精炻器(せいせっき)というやきものを出品します。

精炻器は昭和初期に岐阜県で生まれたやきもので、化粧土を使った加飾技法を特徴としています。
約50年前に生産が途絶え、現在制作ができる作り手はほんのわずかです。
約20年前に当時の精炻器に出会い、その美しさに魅了されました。
技法を学び、現在はふくべ窯として夫婦で精炻器を制作しています。
精炻器には化粧土を使った様々な技法がありますが、私たちはさまざまな色の化粧土を盛り上げるようにして筆で描いていきます。
身近にある植物や動物をモチーフに毎日の食卓が楽しくなるような器づくりを目指しています。

私たちが昔の精炻器から感じたわくわくを、ふくべ窯の精炻器から少しでも感じていただけましたら嬉しいです。
精炻器の貴重な加飾技術、作品を多くの方に広く知っていただくきっかけにしたいと思っております。

Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
私たちふくべ窯の大切な道具は、化粧土で加飾するためのヘラです。

筆以外の加飾の道具は多くが手作りです。
このヘラは精炻器の先生である曽根洋司先生が作られたヘラで、精炻器を学び始めた頃からずっと使い続けています。
先生のヘラは私たちが作った道具よりも格段に使いやすく、20年近く制作をしていてもかないません。
化粧土を柔らかく動かし、思い通りの表情を出せるこのヘラを使うたびに、制作したものだけではなく、そこに至るまでの過程も大切に受け継いでいきたいと強く思います。

Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。

A3
愛用している工芸品はNAKARI WATCH JP さんの腕時計です。

まだ使い始めて2年ほどですが、はじめは堅かった皮が使うたびにやわらかく肌に馴染み、木製の文字盤もだんだん深みのある色になってきています。
ただ時間を確認するだけのものではない、同じ時間を一緒に過ごしている生きもののようでとても気に入っています。
これから使い続けてどんな色合いになっていくのかとても楽しみです。

ご夫婦で制作される「ふくべ窯」。
どこか懐かしいような、それでいて新鮮な「精炻器(せいせっき)の器。
なかなか見る機会も少ないかもしれません。
その独特な美しさの有る器が、普段使われている様子を想像してみるのも楽しいですね。

ふくべ窯さんのインスタグラムはこちらです。
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