2019年10月の記事一覧

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文庫テント

文庫テントは、長野麻紀子さん(Anima uni)と松塚裕子さんが創ってくださいました。
本のリストが知りたい!
というリクエストも多数いただきましたところ、
松塚裕子さんからまとめたリストと、メッセージをいただきました。

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文庫テントは、風人の皆さんからの大切な本をお貸しいただいての展開となりました。

お立ち寄りくださる方、ご意見、反応さまざまでした。
ぜひ毎年やってほしい、
こういう企画はここでしか見ることができない、
とおっしゃってくださる方。

熱心に本のメモをとってゆく方。
全体を写真におさめてゆく方。
なつかしい!と言って手に取ってくださる方。
本をひらいて、涙する方。
いずれも、やはり言葉の世界に敏感な方がゆっくりされておられる印象でした。

出展作家の方でお立ち寄りくださった、
二井内さん、片田さん、土居さんと、
お話できたこともありがたかったです。
(もしかしたら、私が把握していないだけでまだおられるかもです!)
工房からの風のたいせつにしているところ、
同じように大切に想って出展くださっているのが伝わり、ほんとうにうれしかったです。

目立つテントではありません。
作品やワークショップがならぶ野外展では、むしろ少し不思議な存在だとおもいます。
けれど、作り手の思考に触れたい方、
作品の奥にある何かを見たいと思って足を運んでくださる方が確実にいる。
そこに大きな励ましを、まるで私自身が頂いているような時間でした。
ささやかに、でも確かに火が灯るような静かな瞬間をいくつも見ることができたこと、
嬉しく思います。

本を提供してくださった風人のみんなが、
当日はなかなか忙しくてゆっくり見ることがかなわなかったかと思います。
色々な方から、ぜひ紹介した本のリストが欲しいというお声を頂きましたので、
一覧としてまとめたものをお送りします。
ぜひ、出展者のみなさまに、来場者や工房からの風にお気を留めてくださっている方々に向けてもブログに掲載いただけましたら幸いです。

アトリエ倭
原色インテリア木材ブック   宮本茂紀
スキップ  北村薫
最初の質問 長田弘 いせひでこ

永盛千賀   
葛西薫の仕事と周辺  葛西薫
わたしのワンピース  にしまきかやこ
茨木のり子の詩集   茨木のり子

川崎千明
わすれられないおくりもの   スーザン・バーレイ
どうぶつのあしがたずかん
文・加藤由子 絵・ヒサクニヒコ 慣習・中川志郎
バケツでごはん  玖保キリコ

和泉綾子
色を奏でる  志村ふくみ
すこやかにおだやかにしなやかに  谷川俊太郎

森友見子
海からの贈物  リンドバーグ夫人
センスオブワンダー  レイチェルカーソン
よあけ  ユリー・シュルヴィッツ

磯敦子
青春を山に賭けて   植村直己
智恵子紙絵    高村智恵子
長くつ下のピッピ   アストリッド・リンドグレーン

フクシマアズサ
GOLEM   David Wisniewski
生きる  小野田寛郎
「ない仕事」の作り方   みうらじゅん

谷田貝陵子
THE ATLAS OF BEAUTY    MIHAELA NOROC
さむがりやのサンタ   レイモンドブリッグズ
ザ・ストリートスタイル   高村是州

大野七実
いのちの窓   河井寛次郎
ばらに贈る本   鈴木省三
はっぴいさん   荒井良二

吉田慎司
春原さんのリコーダー   東直子
フラワーズカンフー   小津夜景
hibi   八上桐子

岡林厚志
おおきなきがほしい
文 佐藤さとる 絵 村上勉
シェーカーへの旅   藤門弘
魔女第2集   五十嵐大介

大濵由恵
一日江戸人   杉浦日向子
ほのぼの革小物教室   大濱由恵

vanilla
装苑
ゴールディーのお人形   M.B. ゴフスタイン
小鳥の贈りもの

勢司恵美
西表島フィールド図鑑

nomama
触れもせで‐向田邦子との二十年‐  久世光彦
チャーちゃん   保坂和志
ヘンな論文   サンキュータツオ

長野麻紀子
よあけ  ユリー・シュルヴィッツ
吹上奇譚    吉本ばなな
長い旅の途上  星野道夫

松塚裕子
ことばの食卓 武田百合子
ぶらんこのり   いしいしんじ
よるのかえりみち    みやこしあきこ

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私自身、美術からこの世界に入ったわけではなく、
文芸の世界から気づけばここにいた、という感じです。
でもそれはとても自然なことで、古来より作り手の中には、
佳き書き手も多く存在しているのでした。
手と文章。
これらの豊かな在り方は、工房からの風でずっと大切に想っていたいこと。
そして、長野さん、松塚さんには、常々、書くことも続けてほしいと願っています。
そんなことで二年続けて「文庫テント」をご担当いただいたのでした。
ご自身の制作のほかに、ご苦労が多かったことと改めて思います。
ありがとうございます!

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最後に、ごくごく個人的なストーリを。

今年、文庫テントで一冊の絵本と出会いました。
よあけ
ポーランド人のユリー・シュルヴィッツ作の絵本。

長野さんと森友見子さんの選んだ大切な本。
今、この本をぜひ贈りたい。
そう想うひとがいて、そのために写メを撮ってその場を後にしました。
二冊を買って、一冊をそのひとに、そしてもう一冊は自分自身にと。

工房からの風が終わって1週間後。
巡ってきた私の誕生日に、その人から贈り物をいただきました。
包みをひらけば、そこに「よあけ」が。

寄せられたメッセージには、
「文庫テントで出会った絵本がとても美しかったので、
稲垣さんとお揃いで持てたら・・と思いお贈りさせていただきます」と。

まったく同じように思っていたこと。
驚き、そして、どこか嬉しさの泣き笑いのような気持ちになったのでした。

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文庫テントでは、上記のリストのように、
作家たちのさまざまな心を育んだ本が二日間揃いました。
会期が終わり、それらの本は再び持ち主のもとに戻っていきました。
けれど、二日間の「出張」が、幾つかのストーリーを生み、
どこかのだれかの心をこれから育んでいくように思います。
当日ご覧になれなかった方も、
このリストからストーリーが生まれていくかもしれませんね。

 

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素材の学校テント

素材の学校テントを担当してくださったのは、
森友見子さん、磯敦子さん、フクシマアズサさん、谷田貝陵子さん。
授業はほかに、川崎千明さんも加わって充実の構成でした。

校長先生といつのまにか呼ばれている!森友見子さんからレポートいただきました。

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素材の学校では、こども達のワークショップブースとして2つのテントで4時間ずつ、
革の時間、ほうきの時間、綿の時間、紙の時間、金属の時間、綿と紙の時間を行いました。
どの時間もこども達がものつくりを楽しめるように心を込めて準備しています。

始めた当初は何度も会場アナウンスで参加者を呼びかけましたが、
今では受付にこども達が集まり、毎年楽しみに来てくださる子も増え嬉しい限りです。
また先生をやってみたいという作家の方までも現れ、楽しいことになってきました。

2日目の最後には課外授業として、
こども達とテントを飛び出して手仕事の庭や作家テントを見て回る、
キッズ庭めぐりツアーを行いました。

いくつかの作家テントにおじゃまして2つの質問をします。
「素材はなんですか?」
「なぜその素材を選んだの?」
少し恥ずかしそうな作家と興味津々のこども達の目。
私たちがしたかったこと、こども達と作る人との出会いが確かにありました。
こども達にわかりやすく説明してくださり、
またお土産の素材のかけらをご用意してくださった作家さんも!
ご協力いただき、本当にありがとうございました。

森友見子

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コルトン広場、モニュメント周りの二基のテントが素材の学校。
作り手が、所謂こどもだましではなく、本物の素材を使って、
真剣にものづくりを行う時間。

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ここ数年取り組んでいる「キッズツアー」。
日曜日の最後のプログラム。
こどもたちを連れて、数名の作家のブースを訪問する企画。
この画像は、藍のあをのようさんのところですね。
ほかに、

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木・竹・漆の中村理さんのテントなども巡ったツアー。
どのテントでも真剣!こどもたちも、作家さんたちも(そしてご父兄も!)

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締めは、竹細工の㔟司恵美さん。
青竹まるごと一本からヒゴを割り出していく、
豪快な仕事をたっぷり見ていただきました。

周りの方たちも、目が輝いてしまう恵美さんの手技と口上!

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今回は、このようなドームまで拵えて、キッズツアーの締めを飾ってくださいました。
これは、恒例にしてほしいなぁ。。。

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初期から参加くださった森友見子さんとの話し合いから始まった素材の学校。
簡単なキットがあってのイベント的ものづくりではなく、
素材そのものに親しんで、なるべくものづくりのレアな部分に触れてもらおう!
という想いをもって始まりました。
とはいえ、商業施設内でのイベントですし、
定員があること、時間に限りがあることも含め、
プログラム構成にはいつも風人さんたち、頭を働かせてくださいます。

「いつか、素材の学校から出展作家が出てきたらいいね―」
森校長先生!ぽかぽかの笑顔で言いますが、
ええ、きっといつかそんな出展作家が出てきてくれますよ。

ゆっくりじっくり始まった「素材の学校」ですが、
森さんの言葉にもあったように、
先生をやってみたい!
協力したい!
という作家さんも増えてくれました。
この企画テントがあることも、「工房からの風」の
重要な個性のひとつになってきたんだなぁと、

今回改めて思ったのでした。

さぁ、来年はどんな先生で、どんなプログラムが生まれてくるでしょう!
愛あるアイデア、お待ちしています!

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岡野達也さんより

12月25日にプレゼントのように封筒が届いたのが10か月前。
2回目の展示になるので前回の反省から入りました。

前回の出展では、自分が今後どういう方向で進めていくか展示出来ていなかったこと。
期待するのではなく、期待されるような展示を心がけて臨まなかったこと。
このことを心に留めて準備していこうと決めました。

期待されるような展示って?
改めて考えると、ん?ん?でしたが、僕なりの仮説・解釈ですが、
またこの人の展示会があるのなら、足を運びたいと思ってもらうこと、
そう思い続けて貰えるように積み重ねていくことかな?と解釈しました。

そこを踏まえて、今回の展示は定番品を中心に、
限定品や普段はやらないことをして、自分なりの遊び心を入れて準備をしてきました。
結果は次の展示か、またその次の展示か、
いつになるかわかりませんが、この積み重ねだと思っています。
稲垣さんや風人さんが、結果はすぐに出るわけではなく、
数か月後、一年後、二年後にでることもあると言っていたことがストンと腹に落ちました。

今回出展をして、こういう自分なりの考えが出ただけでも出展して良かったと思っています。
違うのであれば修正すれば良いし、信頼できる相談者もたくさんいるし、
工房からの風に関わる事が出来て本当に良かったと思っています。

初日に天気が良くなかったので、サポート側の大変さは分かっているつもりです。
みなさんが親身になって良くしてくださったので、僕たちは安心して出展に集中出来ました。
感謝しています。
ありがとうございました。

岡野 達也

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岡野さんの言葉はとても滋味深く。
どこかから引っ張ってきた言葉ではなくて、
自ら絞り出した実感がずしりとこめられた言葉。
だから、何度も読み返してしまいます。
平易な言葉の中には、本物しかありません。
その意味や想いをしっかり感じ取ろうと思って。

初めて出展された後の言葉。
「期待するのではなく、期待されるような展示」
の意味。

そして、今回の
「この人の展示会があるのなら、足を運びたいと思ってもらうこと、そう思い続けて貰えるように積み重ねていくこと」
「結果は次の展示か、またその次の展示か、いつになるかわかりませんが、この積み重ね」
という考え。

不言実行、終わったあとで深く考え、問われれば応えてくれるひと。
岡野さんの作品が、じっくり進化していく理由がわかるようなメッセージでした。

優しくって力持ち!の岡野さん。
風人さんたちが、また戻ってきてくれるよねーと、
熱烈ラブコールが届いていること公開でお伝えいたします!

岡野達也さんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click

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五行テント「火」

五行テントを担当くださったのが、
陶芸の大野七実さん、木工の岡林厚志さん、箒の吉田慎司さん。
吉田慎司さんからレポートをいただきました。

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五行テント「火を巡るものづくりの旅」

・五行テントについて

五行テントでは、工房からの風16回展から20回展に向けて五行「木火土金水」をテーマに構成していきます。
昨年は「木(一草一木)」今年は「火」がモチーフでした。

工芸の内側をより深く理解して戴くために手仕事の素材や背景をご紹介する事が目的です。
今年は、大野七実・岡林厚志(hyakka)・吉田慎司(中津箒)、三人の風人が企画・構成しました。

・「火」をどう考えるか。「心の火」

「木火土金水」は、木が火を生み、灰が土を育み、土から金属が生まれ、金の表に水が生まれる…
という森羅万象が支え合って世界が循環している、というような考えを手仕事と重ね合わせる企画ですが、
今年の「火」は、「素材」ではなく「反応」、化学現象という事が課題でした。

ただ、火の在り方に自然の理を感じ、作り手が共鳴する事には変わりがありません。

「継火」と言われるように、誰かが火を受け継ぎ守りながら、何十年、何百年と営みは続いていく。
新たな風と燃料によって少しずつ、対話をしながら「種火」を育み、生きている火を大きくしていく。

そんな風人同士の対話の中で、話は抽象性を高めていきました。
作家の「心の火」に触れ、ご来場の皆様と共有するにはどうしたらいいか。
そこで、作家さんの工房を訪れ、取材をする事になりました。

お訪ねしたのは、ろうそくの作家の鈴木有紀子さん。
鈴木さんは、ウィンドウディスプレイで見た…などの些細なきっかけから、ひたすらに自ら考え、創作し、道を拓いてきた作家さんです。
溶け方、透け方、形、実験室のようなアトリエで、日々試行錯誤を繰り返しています。

工房からの風当日は、三人+鈴木さんの対話の中で、印象に残ったエピソードをまとめ、パネル展示しました。
そこには、多くの作り手に響く、手仕事のエッセンスが凝縮されていました。

文・ 吉田慎司
写真・岡林厚志

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五行をテーマに五年間、という提案をしましたが、
こうして我がこととして引き取って、私の想像以上に取り組んでくれた3人。
その3人の取り組みから、多くの人へ手渡ったものがありました。
まさに、「火を継ぐ」営みだったのではないでしょうか。
吉田慎司さんからは、合わせて、感想、メッセージもいただきました。
私信でしたが、許可をいただきましたので、
以下に一部を転載させていただきますね。

+++

今回も、誠にありがとうございました。

例年に増して、すごく得るものの多い二日間だったように思います。

初日は生憎の天候。
初めての作家さん、はるばる来た作家さん、気持ちの落ちてしまう方がいないか…?
残念がっている方がいないか…?
という事が何より心配だったのですが、神社の周りや庭には誰1人として、
下を向いている人はいなかったように思います。
工房からの風への思いが、作家さん、コルトンの皆さんにまで
深く伝わっている事に既に感動していました。

今年もこの場所があるんだ…!と、
水たまりを歩きながら、強く噛みしめていました。

オープンの瞬間には晴れて、祝福されているような気持ちでしたね。

更に二日目は、レイアウトを大きく変えて、本当に花が咲いたようで…
昨日雨だったから、などではなく、今日を精一杯に花開こう、形にしよう。
という意志を感じて、またすごく嬉しくなりました。

手仕事の面白さ、深さ、熱さ。
皆が抱えているものが、本当に生々しく形になる時、
手仕事の世界はもっとおもしろくなるし、
新たな作り手も竹のように次々と伸びてくるのだと思います。

誠実な作り手が等身大のまま真っ当に受け入れられる世界にこそ、
自分の作ったものがあるようにしたいと思っています。
自分だけではなくて、真剣な全ての作り手が報われる世界でこそ、
ものを作り、語りたいと思っています。
そこは譲りたくないですね。

そんな事もあって今回は、素材の魅力、深さ、
奥行きを幾らかでも紹介出来た思いがあり、
夢を少し叶えさせてもらった気持ちです。
(勿論、続けていくこと、営み自体が目的なのですが…!)

自分が変わったのか?分かりませんが、
いつもより数段、作家さん達とも心を通わせられた感触があります。
こんな思いの種を持った作り手の皆さんが、全国に帰られ、
心の火を大きくしていく事を思うと、本当に大きな希望を感じます。

吉田慎司として、箒屋として、作り手として、
この場所の歴史が1つ進んだ事に感謝しています。

帰ったら、札幌はもう冬の風でしたね。

皆様も大変お疲れかと思うのですが、何卒ご自愛下さい。
今後とも、工房からの風で生まれた美しい景色が続き、
広がっていきますよう!心よりお祈りしています。

吉田慎司

+++

吉田さん、ありがとうございます!
吉田さんからは、いつも「自分」ではなくて、
他者や社会への温かくも冷静なまなざしを感じます。
吉田さんのまなざしも、影響し合って、他の出展作家へと継がれていくのだと思います。

今回は、多くの出展作家が「種火」について考えてくれました。
日々の制作、暮らしの中でその種火がくすむときもあるかもしれません。
でも、そんなときは、ぜひ今展のこと、五行テントでの3人の作家の展開、
思い出してくださいね。

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上の画像は、日曜日のトークイベントの時のもの。
陶芸作家の小泉すなおさんが撮ってくださいました。
すなおさんも、ありがとう!

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三温窯さんより

こんばんは。
三温窯の佐藤です。
ミーティングから会期中と大変お世話になりました。
昨晩遅く無事に秋田に戻りほっとしているところです。

出展は自分にとって初めてのことが多く
どんな作品をどんな展示にしたらいいかとかなり考え悩みました。
結論として普段自分が作っているものをじっくり見て頂くことにつきるという考えに至り
作り手として使い手に何を伝えたいかを自問自答を繰り返し制作をしてきました。

器を作るために、土・灰の各材料の準備に制作時間の半分を費やします。
今回、五行テントで三温窯の制作のストーリーを作り手として
お伝えする機会を得ることができ、大変嬉しく思いました。
一つの器が出来るまでの作り手側のストーリーと
使い手側のこれからのストーリー、
それぞれ器を介してストーリーを繋ぐ展示が出来たのではないかと思っています。

この経験は次の制作に向けて大きな活力となるはずです、
これからも伝えることができるよう作陶していきたく思っております。
ありがとうございました。

秋田にお越しの際は是非お立ち寄りください。
交通が不便な所ではありますが最寄まで迎えにあがりますので
遠慮なくおっしゃって頂けると幸いです。
またお会いできる機会を楽しみにしております。

三温窯 佐藤幸穂

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秋田から、首都圏の大きな催事に初めて出展された佐藤さん。
個人ミーティングも早めに行って、意気込みも十分、
準備にも力を注いでくださっていることを感じていました。
ほんとうは秋田の三温窯をお訪ねしたかったのですが、
それが果たせずに時間が過ぎていきました。

個人で始めた作家活動と違って、
お父様が築いた窯で共に制作を継ぐひとの仕事に対して、

同じようなアドバイスはできないと感じていました。
お父様の意思や、それを継ぐ幸穂さんの想いの先に実っていく仕事。
現在の純朴な窯の在り方と、これからの時代での在り方・・・。

折々電話で話したりもしましたが、どれほどの力になれたか心許なくもありました。
けれど当日、関東に暮らす弟さんのサポートのもと展示を行った佐藤さんの姿には、
私の心配など杞憂でした。
しっかり焼かれた使い心地のよさそうな陶器を並べて、堂々とお客様とお話を重ねている姿は清々しかったです。

そして、五行テントの企画との連動で、土や灰づくりから行う制作について、
ご自身のテントでも展開してくださったのもすばらしかったですね。
三温窯、しっかりと伝わっていました!
これからも今の窯の豊かさを尊重しながら、新たな使い手と豊かに出会える三温窯でありますように。

三温窯さんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click

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片岡陽子さんより

この度は本当に何から何まで大変お世話になりました!

思いがけず素敵な贈り物までいただいてしまい…
貴重な体験をさせていただき、本当に感謝しています。
そしてお疲れ様です!

今回搬入時まで雨で地面ぬかるむ難しい状況の中、
稲垣さんをはじめスタッフさん達皆さんの協力で
みるみるうちに庭が整えられ感動しました。
そしてイベント中も色んなスタッフの方に声をかけていただき、心強かったです。

今回沢山のお客様に作品を手にして頂き、
手仕事を愛する方達の反応を直に感じることが出来て、嬉しかったです。
二日間でこんなに沢山の作品が巣立っていったのは、初めてのことです。
もっともっと頑張ろうと励まされました。

「これ紅型だね~優しい色合いね~」
と、紅型の技法をよく知ってる方が何人もいたことにも驚きました。
「工房からの風のウェブ、読みましたよ~」
と、来てくださったお客様もいらっしゃいました。
素敵なご縁を結んでいただき、ありがとうございました!

まだ私はスペインの工房へは戻っていないですが、余韻を楽しみつつ、
気持ち良く一年をしめくくるべく、次のイベントへ向けて
少しずつ頭をシフトしていっています。
そして友人・家族と集い、つかの間の日本滞在を楽しんでます。

お会い出来てうれしかったです。 またお会い出来ます様に!
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

片岡 陽子 拝

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片岡陽子さんは「一番遠くから来たで賞」の方!
スペインからですもの。
贈り物とは、その賞品のことですね。

陽子さんのような方が出展くださると、風穴があくんですよね。
日本のこの世界(業界?)の慣習に何となく縛られてしまいがちな心が放たれるような。
几帳面で責任感が強いのは、よいこともあるけれど、縛ってしまうこともありますね、
いろいろなことを。

本質は大切にしながらも、ふんわり、周辺のことはあまり拘らずに笑顔で向かうこと。
陽子さんのブースから放たれる幸福感は、きっと「工房からの風」によき軽やかさを奏でてくれたように思います。

「工房からの風」の一生懸命さが、ひと色に向かってエスカレートしていくことに、
どこかで私はいつもブレーキもかけています(笑

海外に暮らす方が、こうして出展くださることも歓迎しています!

片岡陽子さんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click

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木と出会うテント

アトリエ倭の香田進さん、佳子さんから企画テントのレポートをいただきました。

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木と出会うテントでは、2015年から工房からの風のテーマに合わせて
『風の…』というシリーズで木工のワークショップをしてきました。
今年のワークショップのタイトルは、『風の刻(とき)』
神代(じんだい)の木を使った、砂時計を作るワークショップです。

神代とは埋れ木とも呼ばれる、地殻変動や火山活動などで地中に埋もれ、長い年月をかけて変質、炭化した木をいいます。
今年の風のテーマの『火』によって木は燃えてしまうだけでなく、
火山灰などに埋もれて時間をかけて美しく変化することもあるのだと伝えたいと思い、
その時間の流れを感じられるようにと砂時計を作るワークショップにしました。

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※写真の、オレンジ色が変質していないケヤキ。
漆黒が、神代ケヤキです。

砂時計って時間が見える道具だと思っていて。
上に未来が入っていて、下に過去が入っていて、落ちている一粒が現在。
長く続く工芸の中の、ほんの一粒の今をいる、
みたいなことも伝えられたらいいなと考えたワークショップです。

それから自分の一生の中の今を重ねていることの尊さも、最近とくに思います。
長く長く、長〜く続く時の中の、自分達がいられるのはほんの一瞬で。
その中で、工房からの風で出逢えたこと。
何気ない一瞬の『今』を重ねられるって特別なんだって、
そんな気持ちをぎゅっと込めたワークショップになりました。

当日は例年より多めの両日65人分ずつご用意し、
初めましての方や、また今年もお会いできましたね!の方や、
キラキラした目の小さなひとや、風で出逢った作家さん達や、
高校の恩師や、独立した頃からお世話になっている憧れの作家さんまで本当にたくさんの方に作っていただけました。
私どもは建具屋で修業したので、職人の道具もたくさんお持ちし、使っていただきました。
古くから伝わる道具に触れていただくことも、工芸をつないでいく一粒になれたらと思っています。

ご参加くださった皆さん、ご一緒できてとても楽しかったです。
ありがとうございました!

+++

香田夫妻によるアトリエ倭の木を素材とした「風の・・・」シリーズ。
工房からの風にはなくてはならない企画テントになりましたね。
お二人が、素材と人の手の働きをほんとうに大切に想っているからこそ叶うテント。
素材×手×想い
回を重ねるごとに、楽しい営みから、じんわりその底流にある想いが広がっていくような気がします。

「砂時計は、時間が見える道具」

アトリエ倭さんがとらえた砂時計観。素敵ですね。
ぜひ、作品化もしてほしいです。

そして、追記で以下のようなメッセージもお寄せ下さいましたので、
掲載しますね。

+++

日曜の夜、出展者さん達を見送る時に、
自然とお互いに『ありがとう』を伝え合えるのがうれしかったです。
火がテーマの年にぴったりな、熱量たっぷりの熱い出展者さん達でした。
またどこかでご一緒できたらと、たくさんの笑顔とその笑顔にどこか似た作品達が浮かびます。

出展年度を越えてつながっている、風人の仲間にお礼を。
今年の風人の赤いTシャツ、風愛に燃えるひとひとがウロウロしているみたいでよかった(笑)
みんなといると、『同志』という言葉が浮かびます。
今年をご一緒できて、うれしかった。
が、毎年更新されていくことが、うれしいです。

『惜しみなく』をぜんぶで伝える事務局の皆さんを見ていると、自分もぜんぶを渡したいと思います。
そういう風人でいたいなと思いながら準備期間をいて、当日にそれがもっともっと強くなりました。

工房からの風に関われることは、すごいと思っています。
こんな言葉しか出て来ないけれど、心からそう思う。
風人という立場で工房からの風に関われることを、
自分の人生において大きな出来事と思っています。

今年も、佳き出逢いの風が吹きました。
待っているだけでは吹かない風で、
大きな台風のあとで初日は雨のスタートで、
そんな中みんなで呼んだ佳き風だったのだと、数日経って感じています。

たくさんのたくさんの感謝を。
ありがとうございました。

アトリエ倭 香田

+++

進さん、佳子さん、ありがとう!
こんな風に感じてくださっていて。
いささかお疲れ気味?の心をふんわりふくらませてくれるようです。

企画テントのレポート、「凪ぐ浜の宝もの」と織り交ぜながら、このあとも続きます。

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工房ゆり介さんより

こんばんは!
夜分にすみません。
工房ゆり介の竹島です。

今回の「工房からの風」では、大変お世話になりまして
本当に、本当にありがとうございました。
風人さんたちや、スタッフの方々にも温かく支えていただきまして
心より感謝しております。

昨日のお昼過ぎに、苫小牧に着港しまして
そのまま子どものサッカーの試合会場に行ってから
無事に、家に帰ることができました。

帰ってすぐに子供たちの賑やかさに巻き込まれ
もうすでに、今回の旅路が夢の出来事だったかのように感じています(笑)。

あまりにも怒涛の日々で、落ち着いて振り返れるのには
もう少し時間が掛かりそうです。

今、思うことは
出展させていただけることになってから当日までの期間は
ちょうど雪解けから冬目前の時期でしたが
いつもとは明らかに違う、まるで魔法に掛けられたような
日々でした。

力強く、背中を押していただいたおかげで
今までずっとやりたいと思っていたけれど
なかなか実現することができなかったことを
だいぶ実践することが出来たように思います。

設営時や会期中は、なにかと気を揉ませてしまいましたが
風人さんたちの頼もしさと笑顔に助けていただき
楽しさに変えることが出来ました。

そして、物作りを生き方として志す仲間に出会えたことと
一緒に火を灯し合えたことが、なによりの宝物です。

これからは、この火種を胸に
自分たちにどんな風が吹いてゆくのか、
吹かせることが出来るのか、楽しみながら
一歩一歩、踏みしめながら進んでいきたいと思います。

ありがとうございました!

工房ゆり介 竹島

 

_ ゆり介(ミルクパン画像)

「工房からの風」では、出展作家と主催者が一緒になっての懇親会を開いています。
今年は、ちょこっと趣向をこらして、
主催者のニッケの方から6名がプレゼンテーターとなって、

6名の作家にプチプレゼントを差し上げました。

一番遠くから来たで賞
一番早く会場に来たで賞
一番最初に応募用紙が届いたで賞
一番早くブログ用メッセージが届いたで賞
ブービー賞的に、最後から二番目に日報を納めたで賞

これら5つは、事実に基づいた!客観的な賞です!(威張るほどでもありませんが(笑))
そして、もう一つは、主観的な賞で設定をしました。

一番搬入が大変だったで賞

どなたも搬入は大変です。
なのですが、その中でも、小さなお子さんをお祖母様に預けて、
夫婦で北海道からフェリーに乗ってきた「工房ゆり介」さんに、
この賞を受け取ってもらおうと金曜日に決めていました。

金曜日、大洗でフェリーを降りて、一路車でコルトンへ。
無事に到着をして、当日搬入ではやりきれないだろうと、
造作をテントに仕込んでの搬入も終えて、初日の朝を迎えるばかりだったのです。

土曜日。
朝。
工房ゆり介さんのテントは、まるで湖の中にあるような状況に・・・。
ぎゅっと凝縮した時間の中での判断で、急遽テントの移動を決断したのでした。
周りにいた人たちの力を結集して完成したのが、当日のテント。
10時開催時には、最初からその場であったかのように展示を始められたのでした。

一番搬入が大変だったで賞

土曜未明の大雨のため、どなたも大変だったのですが、
ゆり介さんと片岡陽子さんのテント二基は移動を余儀なくされました。
特に、ゆり介さんは前日に仕込んだ造作もあったので。。。
まさに、「一番搬入が大変だった」ひとになってしまったのでした。

懇親会で、「受賞者」から一言ずつコメントをいただきました。
俊介さんのあとに、ユリエさんだったのですが、
ユリエさん、言葉に詰まって涙が瞳からあふれて。
思わず周りの作家さんたちももらい泣きに・・・。

ゆり介さんの作品は、とにかく、ひたすら金属をたたかない限り形が生まれないもの。
手を止めれば作品が出来上がってきません。
とんとん、とんとん、叩きながら、どれほどの想いが駆け巡ったことでしょうか。
出展が決まってからのそれらの時間は、
一回の工房からの風で報われるようなものではなくとも、
これからの工房ゆり介号の帆をたしかに張って進む追い風になっていくのだと思います。

工房ゆり介さんの出展前のメッセージはこちらです。
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石毛みほさんより

感想を考えてたらキリがなくて困ります。
信じられないくらい貴重な経験をさせていただきました。

初日の足場は魔法のようなスピードで水がなくなり、
素晴らしいものを見せていただきました。

スタッフさん、風人さん、出展者さん、
皆様に出会えたことが、一番の収穫かなと思います。
こんなに素晴らしい方々がいるのかと、本当に驚くばかりです。
自分ももっと人間性を磨かねば!と思います。
そして全国に仲間ができたようで、とっても嬉しいです。
いつもなら、一人の方が好きなので人と繋がりたいとは思わないのですが・・・
今回は皆様の今後の活躍が楽しみで、
見てみたいな、影響を受けたいな、と思います。
また皆様にお会いしたいです。

工房からの風のブログやメールなどの文章を読んで
有り難くて有り難くて猛烈に感動しました。
皆様が全力で迎えてくださるのはミーティングなどでわかりましたが、
その全力具合がいつも想像を越えてきて、
こちらもさらに頑張るパワーになりました。
言葉の力をこんなに実感したことはありません。
愛が溢れてる、とこんなに感じたこともありません。

反省点は多々ありますが、
今の自分の限界を見せられたので、悔いはありません。
カメラはこれから買って練習します。
DMに載せる写真を撮っていただいてしまい、申し訳ありませんでした。
DMの写真の中で竹が一番綺麗だったと話していたお客様がいて、
心の中でガッツポーズしてました。
ありがとうございました。

とにかくよくここに私を入れてくださったなぁと驚き続けて
ただただ有り難いばかりです。
工房からの風のおかげでとっても幸せな年になりました。
楽しかったなぁ、幸せだったなぁ、とずーっと思っています。

またお会いできる日を楽しみにしております。
胸を張ってお会いできるように、日々過ごします。
とってもお疲れでしょうから、お身体ご自愛くださいませ。
本当にありがとうございました!!
皆様によろしくお伝えください。

石毛みほ

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栃木県大田原市から出展くださった石毛みほさん。
話せば、なんとも味のある会話も魅力の、静かにユーモアのある方。

出展中ひとりの方へは、どなたかお手伝いがいらした方がいいですよー。
といつもお伝えしています。
けれど、石毛さんはそれがどうもご負担だったよう。
一人の方がらくなので。
とおっしゃるので、大丈夫ですよー。途中で声かけますからね―。
と言いました。

なので、会が終わったあとのこのメールは少し驚きましたし、うれしかったのです。
関わったひとたちの魅力をすごく感じてくださったんだなって。

初日、朝の雨の困惑は、今となっては、出展作家、風人さんたち、
スタッフたちの心をぐんとつないでくれた恵みの雨となってくれたのかもです。
(で、でも、出来ましたら来年以降はこの恵みはご遠慮願いたいです・・・)

石毛さんは、今、キャッチ―に人の心をつかむものを作ろうという視線ではなく、
伝統的な技術をちゃんと次の世代につなげたいと願って制作に勤しむ人。
このような作り手が、自分と同じ目線ばかりではない他の作り手と
豊かな出会いを得ることは、巡り巡って、目指す道を明るく照らすような気がします。

そして、石毛さんのような想いを抱いた作り手が出展したくなる
「工房からの風」であり続けたいと願っています。

石毛さん、また、くすっと楽しいお話ししましょうね。

出展前のメッセージはこちらです。
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Leather Lab. hi-hiさんより

この度「工房からの風」では大変お世話になりました。
Leather Lab. hi-hiの平間博之です。
稲垣さんはじめ、スタッフさん、風人さんたちに支えられ、
無事に出展を終えることができました。
本当にありがとうございました。

当日の朝、ブース前の水を合羽に長靴姿ででずぶ濡れになりながら
懸命に対応してくださったお陰で私たちは幕を上げることができました。

開催中も沢山の風人さんが、
雨による革の影響や妻の体のことを気にかけて声をかけていただきました。
こんなに親身になってくれるイベントも今までなかったですし、
こんなにも沢山の人に愛されているイベントも初めてでした。
この様な素敵なイベントに出展出来たことに心から感謝しております。

思えば春に出展が決まり、初回のミーティングへ出向いてからというもの、
二人で「惜しみなく、惜しみなく」
と合言葉のように、時には呪文のように声を掛け合いながら制作へ向き合ってきました。

制作も佳境に入ると「惜しみないの呪文」は私たちの体に染み込み、
自然と惜しみなく注ぎ込めれていた気がします。

「よい結果に結びつくかは分からないけど、よい経験をしてほしい」
と掛けていただいた言葉を思い返し、
これは自分たちと向き合い、制作に打ち込む時間こそが既に「よい経験」になっているのではないかと、
始まる前に経験しちゃってるのではないかと思っていました。

本番の二日間、あっという間に過ぎてしまった時間を終え、
果たして私たちは何を得たのか?やり切れたのか?と疑問に思ってしまった自分がいました。
きっと作ることと届けることに夢中になり目標を見失っていたのでしょう。

そんな中、稲垣さんに最後にかけていただいた言葉で、
私たち二人はメンコを返された様に気持ちは反転しました。
私たちはしっかり素敵な出会いと経験に恵まれていたじゃないか。
そう思うと、手に取ってくださったお客さまとの時間が一つ一つ思い出されて、
悩んで選んでくれた様子や、手に取って鏡を見る笑顔が眼に浮かぶのです。

「そうだ、そうだった」
私たちはこの出会いに支えられてまた作らせてもらえるのです。
そしてその時こそが幸せな時間なのです。
これからも一人一人の喜ぶ姿のために、
まずは私たちが楽しんで作ろうと、気付かせていただきました。

「工房からの風」を終え、大変お疲れのことと思います。
これから寒さも増してくる季節ですのでどうぞご自愛くださいませ。

追伸
山で熊には出会いませんでしたが、
帰り道、猪に出会い家に着くまで気が引き締まりました。

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宮城の工房へと戻られた平間さん夫妻から、無事帰宅のメールが届きました。

「惜しみなく」
という言葉は、第一回ミーティングで、私がお話ししたことですね。
ケチになったらつまらない。
やると決めたら、惜しみなく取り組みましょうと。
それを呪文!(笑)のように唱えてくださっていたとは!・・・

galleryらふとの前。
hi-hiさんのブースはいつも人がいっぱい。
ご夫婦ふたりが笑顔で、お客様とずっと楽しそうにお話しをしていました。
私など、ゆっくりブースに入り込めなかったほど。

展示が終わって、ほぼ撤収できたころ、お声をかけました。
「どうでした?」って。
すると先ほどの笑顔とは違って、どこか曇った表情で反省点を話し始められたのです。

私、言いましたよ。
「反省なんて、あとでしようよ。
まずは、こんなに素敵に展示ができたんだし、
こんなにたくさんの方に笑顔で見ていただいたんだし、
こんなにたくさん選んでいただけたのだから、
成功!をちゃんと心に抱きしめて、
しっかり喜びを味わいましょうよ」って。

これがメール内にある「メンコ返し」!ですね。
hi-hiさんの革の作品は、楽し気で幸福感のあるデザインがエッセンス。
それは、おふたりがまじめだからこそでもあると同時に、
やっぱり、楽しいことが好きだからって思います。

「そうだ、そうだった」
私たちはこの出会いに支えられてまた作らせてもらえるのです。
そしてその時こそが幸せな時間なのです。
これからも一人一人の喜ぶ姿のために、
まずは私たちが楽しんで作ろう。

これからも続くものづくりの時間。
さまざまな反応を受けるときがあるかもしれません。
けれど、この二日間のために取り組んだ時間。
そして、この二日間に受けた喜び、達成感を揺るぎない宝物とできたらいいですね。

これは、平間さんたちだけのことではなく、
きっと他の作家の方にも言えるかもしれません。
「工房からの風」の私の誇り、自慢!?はいくつかありますが、
お客様のあたたかさ、すばらしさはその筆頭です。
2日間にお客様から受けたたくさんのエールを、
ぜひ心に蓄えておいてくださいね。

開催前にお寄せ下さったメッセージはこちらです。
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