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2019年10月の記事一覧
「director’s voice」New
director's voice
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若林奈央子さん 陶芸 長野
Q1
若林奈央子さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
マグカップ、飯碗、鉢など普段使いのうつわをメインに出品します。
しのぎを施したシンプルな作品ですが、ずっと作り続けているもの、作りたかたもの、
自分が作るのが好きなもの色々おりまぜた構成にできればいいなと思っています。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。そして、その説明をお願いします。
一日で一番長く居る場所、一番の仕事道具。
(普段のままの写真なので泥など目立たないようモノクロ写真にしました)
電動ろくろは独立するときに、退職祝いとしてほぼ未経験から5年近く働いた窯元の先生から頂いた大切な道具です。
まだまだ5年ですが、これから10年、20年を一緒に仕事をする相棒のような道具になればいいです。
Q3
若林さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
「ものづくり」という言葉に憧れは昔から持っていましたが、そのものづくりのなかで一番身近(?)だったのが陶芸でした。
陶芸教室が近所にあったこと、その教室の先生が同性で年も近くこの仕事の大変さや厳しさ・楽しさを沢山話したこと、
それから半年もしないで陶芸の職場で働き始めました。
仕事としてやってみたいとここまで勢いよく行動できたのは、
その陶芸教室の先生をはじめ会社員の時に出会った本当に様々な人の影響です。
考えるときっかけは、とても曖昧というか様々な要因が同時期にあったことだと思います。
イット窯と名付けた陶芸工房で制作をする若林さん。
日々の食卓に活躍する器をもりもり!作ります。
今の暮らしに心地よい陶器。
楽しそうに並べられた姿を想像してしまいます。
若林さんは、以前工房からの風に来場者としてこられた時に、
素敵に展開されていた陶芸作家のブースが心に残っているとのこと。
今回は、ご希望を叶えてその場所で展開いただきます。
若林さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、トキニワカフェの近く。
お隣は片田学さん。
ホームページはこちらになります。
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滝沢 都さん 染織 長野
Q1
滝沢都さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?
A1
手紡ぎ手織りのストールなどを出品します。
綿と亜麻(リネン)は素材を畑で栽培しています。
藍も栽培し、すくもに加工し醗酵建てして糸を染めています。
冬前なので、羊毛のマフラーも出品します。
素材そのものの色を活かしたり、植物で染めた羊毛で織っています。
羊毛は恵みを与えてくれる羊そのままに、空気を含んであたたかく優しい素材です。
綿も植物のそのままに、強く潔くまたとても柔らかい布です。
同じ畑で育った藍との相性は何より合っていると思います。
亜麻は小さな青い花を咲かせる一見たおやかな植物ですが、繊維は強く光沢があり、とても面白い素材です。
各々の素材に、それぞれの可愛さや魅力があります。ぜひ手に取って感じていただけたら嬉しく思います。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
私が織っている布のすべての糸を、この糸車で紡いでいます。
沖縄の工房にいた頃に、南風原の機作りの大城さんに作っていただいたものです。
染織といっても、私にとって織っている時間はわずかです。
畑仕事も繊維取りも染めも時間がかかりますが、なんといっても糸作りをしている時間が一番長いといえます。
左手に繊維の塊を持ち、右手でこのハンドルを廻すことで、糸が少しずつ紡がれていきます。
窓の外に見える日々移ろう季節を眺めながら、時に膝に猫をのせながら、ひたすらに糸を紡ぐ時間は、とても大切なものになっています。
Q3
滝沢都さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
銅版画を夢中で制作していた学生時代に、石牟礼道子の文学作品に出会ったことが、私にとっての大きな出来事でした。
『椿の海の記』について池澤夏樹がこう書いています。
「明らかなのは、この作品は読んだ者のものの感じかた考えかたを変えるということだ。
我々はこういう豊かな世界を失って今のこの索漠たる社会に生きている ということである」
私は石牟礼作品に出会うことで、ものの感じかた考えかたが変わり、生き方を変えざるを得ませんでした。
その後、芭蕉布に出会いその美しさに打たれ、染織の道に入りました。
「工房からの風」を始めた想い、続けてきた想いには、
作品はひとつの姿であって、その姿がすべてではない、ということがあります。
念のために言えば、作品は作品として力があればよいので、
その背景なんて意味がない、という考えもあるかもしれません。
作り手として、想いに寄りかからずに、実りの形に全力を注ぐ姿勢はすばらしいと思います。
けれど、受ける側、使う側、感じる側としては、それだけではとてももったいない。
なぜなら、現代において、個人や少人数で誠実なものづくりを続けていこうと思えば、
ぼんやりなんてしてはいられず(チコちゃんには怒られなさそう)、
思考、哲学が必ずあると思うからです。
(思う、というか、企画者としてそういうものにいつも触れさせてもらってきた、という方が正確ですね)
その思考や哲学に触れることも、何かを選んで購入して使うということと同様に大切で、そういうこととの出会いの場を創りたい、続けたいと思ってきたのでした。
と、ちょっとまじめに語ってしまいました・・。
滝沢都さんの布には、布としての魅力だけではなく、その背景、ひとつひとつの制作過程、行為に意味、愛、があるのだと思います。
その意味や、愛を感じていただくことは、布を前にしたときに、自分に似合う、似合わない、ということを超えて豊かなことと思っています。
(似合う、似合わない・・というお見立ても楽しいですけれど!)
滝沢都さんの出展場所は、手仕事の庭の花壇に面したところ。
奇しくも銅版画の岩田圭音さんのお隣。
インスタグラムはこちらになります。
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水村真由子さん 木工 奈良
Q1
水村真由子さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
食にまつわる木の道具を出品します。具体的には、スプーンやフォークの食具、炒めへらの調理具などです。
定番のオイル仕上げのものに加えて、今年から挑戦している漆仕上げの道具もお出しします。
その中でもカラフルな色漆のれんげは、今年の高岡クラフトコンペティションで入選しました。
普遍的な形と形のあいだを、私なりに読み解くような気持ちで一本一本削りだした食の道具たち。
じっくり味わい共感して頂きますと嬉しいです。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
最近、念願の工房を持ちました。
その工房の入口は全面ガラス張りになっていて、きれいな光が差し込みます。
お天気のよい日に扉を開け、手を動かしていると心地よい風が通り、仕事が捗ります。
道をはさんで向かい側に大きな公園があります。
仕事の合間に手を休めつつ、公園の緑や人の往来をぼーっと眺めるのが好きです。
Q3
水村真由子さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
昔から実用性のあるモノに惹かれます。
理由は解りません。陶芸を学んだ学生時代、恩師のお宅で食事に招かれた時、その食卓には恩師お手製の素朴な銅製スプーンが並んでいました。
すごくいいなと思って作り方を習い、卒業制作で器と一緒に並べたほどです。
結局卒業してからもそのスプーンのことはずっと心に留まっていました。
その後、台湾への語学留学や会社勤めを経て、縁あって木という素材に出会い、食いしん坊な私は自然な流れで今の仕事を続けています。
友達みたいに遊園地に行きたいとせがむ幼い私の手を引き、野山や寺社仏閣、博物館ばかりに連れていった両親にも感謝しています。
あの頃はよく分からないながらも目にしていたものは、ちゃんと記憶の片隅に留まり、私の創作に大いに影響を与えてくれているのですから。
これが種火と言うのか解りませんが、きっと数えきれないほどの小さなきっかけや経験が積み重なって、こんな風に私を導いたのかもしれません。
捗る(はかどる)って、工藝作家の方々がよく用いる用語のひとつでもありますね。
美しいものを生み出すことは、喜びとともにどこか困難もあることと思いますが、
捗っているときは、きっと気持ちがよいはず。
そんな気持ちの良い時間から生み出されたものは、これまた気持ちの良い道具なのだと思います。
匙、カトラリー、調理道具などに集中して、まさにモクモクと制作する水村さんの原動力、その種火のお話し。
ひとつひとつのささやかな火を絶やさずに継いで、今の姿につながっていったことがよく伝わってきますね。
新たな色漆の作品も加わって、楽しいリズムを感じるブースになりそう!
水村真由子さんの出展は、「ニッケ鎮守の杜」、「galleryらふと」を参道を挟んだ椎の木のふもと。
ホームページはこちらになります。
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day dream ガラス装身具 愛知
Q1
day dreamさんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
ガラスの装身具です。
とても小さくて皆様気づかずに通り過ぎてしまうかもしれませんが、
普段使いでも身体の一部のように身につけられるもので、
その小さな世界にガラスの不思議を閉じ込めるように、
その不思議から想像の世界が広がるようなものになることをイメージして制作しています。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
大切にしている場所はやはり火の前です。
ここに来ると しゃん とします。
バーナーは空気からではなく酸素を取り入れるタイプのもので、
硬いガラスもぐんぐんと溶かしてくれる優秀な相棒です。
温度は2000℃といわれています。
このバーナーにはとても思い入れがあります。
子供のように現金でこつこつ貯金をし、
バーナーの会社で細かい現金を一括で出したら、会社の人はびっくりしていました。
吹きガラス専門がだった私はこのバーナーとともにもっと小さな世界でやっていこうという決意を新たにしました。
Q3
day dreamさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
ガラス屋にとって種火は欠かせないもので、今回のテーマ火はご縁を感じます。
装身具に絞ったガラスを始めたのは2017年のことです。
毎日吹きガラス工房で様々な技法で、様々な表現で、様々な用途のものになっていくガラスを見ていました。
特に勤めていた米国の工房では、たくさんのアーティストが出入りし、
必要なガラスって世の中にこんなに多様にあるのだな、と思っていました。
その中でもレースケーンというイタリアの技法があります。
模様の入ったガラス棒です。
難易度も高く揃った柄にするためにたくさん棒を準備してから選ぶのですが、
できた器はどうにも自分の生活にはなじまないもので、
ため息をつきながらその美しい棒を見ていたときに、
これは器にしないほうがよいのでは、と思ったのです。
装身具にするために、もう一度その棒を理想のサイズまで引き伸ばす。
吹きガラスから卓上のトーチへの連携プレーをすることにしました。
吹きガラスの知識をフル活用し、トーチは独学で思考錯誤しています。
そして耐熱ガラスに出会いました。
ガラスという一言では片付けられない程、
性質の全く違うガラスは装身具にもっと適していて、制作の幅が広がりました。
装身具を始めて気づくのはガラスの素材の透明性。
ごまかしは全部拡大して見えてしまいます。
本当に厄介で魅力的な素材です。
まとまりなくなってきましたので、もしよろしければ続きはブースにて。
吹き硝子の制作に打ち込んでこられた先にたどり着いた現在の制作。
小さな装身具の中に、作家の想いと制作にかけた時の重なりがこめられています。
見れば見るほど、ガラスの深い魅力と出会えるような装身具。
ぜひお手に取ってご覧になってみてください。
day dreamさんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
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椿井木工舎(ツバイモッコウシャ) 長野 木工
Q1
椿井木工舎は、「ツバイモッコウシャ」とお読みするんですね。
椿井木工舎の二宮大輔さん、「工房からの風」には、どのような作品を出品なさいますか?
A1
コーヒーメジャースプーンやジャムスプーン、トレーなどの生活雑貨、シンプルなスツール、それにナイフ作家さんとコラボで制作したフォールディングナイフなどを出品させていただきます。
現在定番として制作している作品は、自分が好きなことや、好きな人たちとの関わりの中で生まれてきたものが多いです。
コーヒーが好きで、最初に作ったコーヒーにまつわる道具。
そこで生まれたカフェのオーナーとのご縁で制作したトレー、大好きなジャム屋さんのためのジャムスプーン、趣味の登山でも使えるフォールディングナイフ。
自分が好きなことにまつわる道具を作り、そこから生まれた様々な人たちのと関わりでまた新たな道具が生まれていきました。
そんな人の繋がりと循環の中で生まれていった道具たちを、ぜひ見ていただければと思います。
Q2
椿井木工舎さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、そのお話をしてくださいますか?
A2
制作時に使用する治具(ジグ)と呼ばれる道具です。
作品の形状などに応じて、0.1mm代の精度で微調整をくりかえして、全て手作りで制作します。
一つの作品を作るために、10以上の治具を作ることもあります。
写真のものはコーヒーメジャーを作る際に使用する治具なんですが、工房で見ていただいた方からは「かわいい」という感想を多くいただきます。
システマチックなんだけどなんだか愛らしい、とても大切にしている道具です。
Q3
椿井木工舎さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
以前は自動車メーカーで車のデザインモデルを造る仕事をしていました。
生産性重視の工業的なものづくりと、職人的な手仕事が融合する、少し特殊な職場で培った経験を活かして、
「木」という自然素材で自分のものづくりがしたい思ったことがきっかけです。
その後、退職し木工を志して入学した技術専門校に在学中、転機となる大きな出会いがありました。
ある木工家の方で、ご縁をいただいたときは残念ながらすでに鬼籍に入られていたのですが、
その方が使用されていた機械や道具、材料の多くを引き継いで使わせていただくことになりました。
直接お話することは叶いませんでしたが、遺された作品、工房や道具、治具などから、多くのことを教わりました。
わたしの自身のものづくりは、前職の経験が種火となり、その後の出会いを経て、徐々に大きな火になりつつあると感じています。
二宮大輔さんの立ち上げた「椿井木工舎」。
美しい名前の工房ですね。併記して「ZWEI WOOD WORK」、ドイツ語で2。
日本の美しい文字にドイツ語をひそめたネーミングは、二宮さんのお仕事をどこか象徴しているような気もします。
明解なデザイン力を実際のかたちにするのは、「治具を使った効率的な加工」と「手仕事による加工」と二宮さんは言います。
「高品質な製品を効率的に作る」という考え方には、いわゆる「手仕事」に寄せられる情緒的な想いに頼るのではなく、手仕事でなければ生み出せない美しさを尊重する姿勢が伴っています。
と、ちょっと堅くご紹介してしまいましたが、まずは、見て、触ってみてください。
美しいのです。
ひとつが熟したフォルムなので、複数あるとその美しさが増幅していくような。
好きなことと関わりながら作り出す。
それは、好ましい人の輪の中から生み出されてきた幸せのかたちでもあります。
コーヒーの道具、カトラリー、スツール、ナイフ…。
椿井木工舎が生み出してきた木の道具が並ぶのは、おりひめ神社の手前。
きっと、治具への考え方など、興味関心のある方も多いのではないでしょうか。
ぜひ、ブースでお話しなさってみてくださいね。
新しく生まれたホームページは、こちらになります。
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Rie Nakamuraさん 金属装身具 福岡
Q1
Rie Nakamuraさん、「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?
A1
金属や七宝を素材に制作したアクセサリーを出品します。
日常からうけたインスピレーションをもとに、
温もりや軽やかさを感じられるアクセサリー制作を目指しています。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
大学で彫金を専攻した時にまずはじめに道具を作りました。
金鎚も何種類か作ったのですがその中でも特に1番使うのがこのおたふく鎚です。
タガネを叩く時や彫る時に使います。
柄を削り丸みをつけ握りやすいように工夫して作ったおたふく鎚は、20年使いこむうちに自分の手により馴染んできました。
これからもずっと作業を共にする大切な道具です。
Q3
Rie Nakamuraさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
出産を機にものづくりだけを仕事にすることにしました。
今は小さな娘2人の子育て中です。
私が日々制作に奮闘している姿を見て育つ娘達が、何かを感じとり自分の生き方について考えてくれたらいいなという思いが、私のものづくりの種火になっています。
おたふく鎚の画像もいいですねー。
頭の短いこの鎚が、Rie Nakamuraさんの制作の相棒でもあり、お守りのような安心の素かもしれません。
いつも初々しい心を抱き続けていられるような。
今回、作家の方々の工房や道具、その大切なものを見せていただけてとてもうれしく思います。
来場者の皆様もぜひ、心に留めて作家とお話しなさってみてくださいね。
Rie Nakamuraさんは遠く福岡から一回目のミーティングに出席くださいました。
小さなお子さんをふたり持つ日々の中、きっと、かなりの時間のやりくりをしてくださったことと思います。
タイトな日々の中でもエンジンを切らずに制作を続ける想いは、ひとつひとつの作品に、そしてこれからの制作に豊かな実りとなることと思います。
まずは、今ならではのRie Nakamuraさんの作品とゆっくり出会っていただきたいと思います。
Rie Nakamuraさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の中。
花壇の近くに愛らしい世界が繰り広げられていることでしょう。
これまた可愛らしいホームページはこちらです。
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TAJIMA KISHIKO 染め 東京
Q1
TAJIMA KISHIKOさんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
柿渋染め、草木染めを主としてストールなど身に纏うもの
包むもの掛けるもの
そのままでも多用途に使っていただきたいもの
また袋物など手を加えたものも提案させていただいて
染めや布に親しんで愉しんでいただきたいと思っています。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
染め場の風景です。
今の会社の仕事場の一角を借りています。
以前は古い平屋に住んでいて多摩川も近く畑に囲まれ、染めを始めたのもその環境あってはじめたものでした。
子育てと製作とゆっくり続けていければと思っていた矢先、
家の取壊し立退きとすでに日常だと思っていた染めのある暮らしを考え直す時期となりました。
そもそも染めを作ることを続けたいのだろうかと思うこともありました。
染めは絵を描くような自分にとって私的なものでもあったので、
自宅ではなく(染めとは別の)仕事場である会社の一角を使うことは、
気恥ずかしさと関わりを思うと少し複雑な思いもありました。
けれど、どちらかを選ぶことなく、それぞれあって作ることに関わっていきたいと思い、
大げさに言えば宣言や覚悟のようでもあり、今は清々しく見られる好きな風景です。
Q3
TAJIMA KISHIKOさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
最近夫と話すのは「いつまでからだを動かしていけるだろう。」ということです。
震災、災害、病気 自分の力の及ばない出来事は、
暮しや仕事を振り返り時に変わらざる得ないこともあります。
自分が作ったモノを売るという行為自体は、まだこの数年にしかなりませんが
お会いした方々が言ってくださる「世界観」というものがあるとするなら、
その何度か繰り返した立ち止りと振り返りのなか、
かたちを変えながら消さずにいられたからかもしれません。
きっかけ、出会いは遠いことになりますが、
いつまでといいながら共にある作り手に出会えたことは種火のもとになり、
その先の様々な出会いにも通じているのだろうと感謝しています。
二回目の出展となるTAJIMA KISHIKOさん。
染めへのアプローチが独特で、染め上げられた布の存在感に心を揺さぶられる人や、
暮らしに生かしたいと思う方が多くいらっしゃいます。
今展でも、素材としての魅力的な布、形になった布、
さまざまなTAJIMA KISHIKOさんの心に叶った布が、
たっぷりやった来ることと思います。
TAJIMA KISHIKOさんの出展場所は、おりひめ神社脇。
漆と木工の中村理木工所さんの近くです。
インスタグラムはこちらになります。
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mica jewelry works 装身具 鳥取
Q1
mica jewelry worksさんは、「工房からの風」にはどのような作品をお持ちくださいますか?
A1
日常使いのジュエリーや花器を出品します。
主な素材は金属ですが、今回は七宝を使った新作も出品予定です。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
本棚と椅子の写真をとりました。
本棚には小物、仕事道具、子供がつくってくれたもの、自分が小さい頃から大切にしてるものなど、お気に入りのものがたくさんつまっています。
その本棚の前の椅子は狭い空間ですが、居心地よく一息つく時はいつもこの場所です。
Q3
mica jewelry worksさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
種火として、次の3つの出来事が浮かびます。
1つ目は、小さい頃の記憶です。
母がオーダーメイドの服を作る洋裁師でした。
その影響で端切れなどを使って小さな袋や人形の服を作って遊んでいた記憶があります。
私が作ったものを母がすごく褒めてくれ、嬉しかったことを覚えています。
質問Q2の写真にある赤い小さなミシンは、布を縫うことができ、実際に私が子供の頃に使っていたものです。
2つ目は、仕事をフリーで始めた時に出会った人たちです。
私に色々なチャンスを与えてくれると同時に、
今後のことに不安を感じていた私に「ものを作る仕事をやっていいんだ」と思わせてくれました。
3つ目は、素材に対する思いです。
以前作っていたアクセサリーでは、地金の種類や耐用年数にこだわることなく、メッキ加工したものなども使っていましたが、そのことに少し違和感を持っていました。
結婚に伴う転居・出産・子育てと続き、仕事に長期のブランクが生じましたが、「日常使いのものを作る」ということについてじっくりと見つめる期間となりました。そして、その違和感を払拭すべく、素材を大切にした制作をするよう方針を転換することとなりました。
制作を再開した今では、リサイクル、リビルド、リアレンジメントのできる素材を使用し、
かつ長期にわたって日常にとけこむことができるものを作るよう心掛けています。
山陰、鳥取から出展くださる芳賀美佳さん。
東京在住時代には、活発な制作発表をされていましたが、鳥取に移られてから制作に移行されました。
手のひらに収まる小さな装身具。
身につけたとき、その人の心が
ふっとゆるむといいなと思う。
七宝の作品もどんな感じでしょう。
mica jewelry worksとしての制作活動をぜひ「工房からの風」で伸びやかに見せていただきたいと思います。
mica jewelry worksさんの出展場所は、スペイン階段前。
隣のテントは、ヒグチリエさんです。
ホームページはこちらになります。
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迫田希久さん 白樺樹皮 奈良
Q1
迫田希久さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?
A2
白樺の手仕事。
スウェーデンで学んだnäver slöjd(白樺樹皮工芸)。
北ヨーロッパの人々が昔から大切に使っている白樺の樹皮は水に強く生活に欠かせない資源です。
その特性を活かした昔ながらのカゴやお出かけに使えるカゴバック。
また、クリスマスに窓辺に飾るオーナメントなど。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。そして、その説明をお願いします。
A2
Mora kniv(モーラナイフ)
Mora knivは私が住んでいたスウェーデンダーラナ地方で作られている。
手工芸には欠かせない手道具で用途に合わせて5〜6本を使い分ける。
また、自作のナイフも同様である。使うほどに柄は手に馴染み、
刃も好みのカタチや厚みに変化していくことが気に入っている。
Q3
迫田希久さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
教育機関での仕事を辞め、日本で家具の基礎を学んだ後、スウェーデンの手工芸学校に入った。
そこでnäver slöjdをはじめ手道具だけで生活の道具を作る授業に衝撃を受けた。
また、スウェーデンを語ることに欠かせない素材であるnäver(白樺樹皮)のポテンシャルの素晴らしさやその美しさに惹かれた。
そして、暮らしとものづくりがみじかなスウェーデンで生活する中で、手工芸と共に学んだ文化や歴史、言語は、本来、人が人らしく暮らすことの大切さを気づかせてくれた。
スウェーデンでの経験と手工芸との出会いは、私のものづくりにおいて大切にしていることの一つである。
今年度の工房からの風には、スウェーデンで工藝を学んだ方が多かったのです。
それぞれの方々は同時期に同じ学校にいらしたわけではなく、
さまざまな巡り合わせの中で、今年の工房からの風で一緒になられて。
北欧に学ぼうと想われたその種火が、それぞれの方のもとで豊かにふくらんで、この場に集う。
とても不思議ですね。
白樺樹皮による作品は、スウェーデンでの用の美として愛用されてきたもの。
迫田さんの手を通して、今の私たちにどのようなかたちとなって届けられることでしょう。
その造り、風合いもぜひ触れてみていただきたいと思います。
迫田希久さんの出展場所は、galleryらふとを参道を挟んだ旧日本庭園。
木のカトラリーなどを作る水村真由子さんと背中合わせの場所です。
インスタグラムはこちらになります。
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director's voice
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あをの用 藍 神奈川
Q1
あをの用さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
藍の服飾小物です。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
染め場です。
藍の液にはたくさんの微生物が生息しているので、毎日気にかけていなければなりません。
藍を攪拌する為の木の棒です。
藍の液の上と下ではPHが違うので上下一定にする為と、酸素を好む菌に適度な酸素を与える為に毎日攪拌します。
Q3
あをの用さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
東日本大震災による原発事故で、持続可能な事全てに意識が向きました。
藍は春に種を蒔いて、夏に刈り取りをし、秋から冬にかけて葉を発酵させて原料を作り、更に発酵させて染料液を作って、染まらなくなったら畑に還す。
藍染のこのサイクルは持続可能そのものでした。
神奈川県相模原市の山間部で、藍の種まきから染めまでを一貫して行う「あをの用」さん。
広やかにさまざまな工程を関心を持つ方たちと共に行う姿勢は、
作品作り、という部分ではなく、藍を通して自然のこと、いのちのこと、生きることをダイナミックに捉えて活動されています。
(土曜日の台風で、お住いの集落では全壊のお宅も多かったそうです。
あをの用さんは、お住まい・工房ともに無事だったとのことですが、
土砂の撤去などにいそしまれて、ご苦労されているご様子。
そのような中にも、「工房からの風」には予定通りに来てくださるとお話しくださっています)
展覧会では、どうしても作品の展示販売が主になりがちですが、
工房からの風では出展者が深く感じて実行しているその営みの部分でも、
ぜひ交流していただきたいと願っています。
ホームページを拝見するだけでも、その深く広い世界に引き込まれます。
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あをの用さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとと参道を挟んだ旧和風庭園の奥。
こちらでも広やかに藍の世界を展開くださいます。