2015年10月の記事一覧

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AC CRAFTさん(木工)

Q
岐阜県美濃市で木工の制作をするAC CRAFTの石井学さん。
二回目の出展となる今回の「工房からの風」に
どのような作品を出品くださいますか?

A
「日本の森林ですくすくと育っているスギ、カラマツなどの針葉樹。
それらの材をどう使って、暮 らしの中で生かしていくか…」
を一つのテーマに活動をしています。

「柔らかい」「軽い」という特徴を生かせたら…と制作した家具と、
「材特有の表情」を生かせたら…と制作した小物などを出品したいと思っています。
その他、「堅さがほしいなあ…」というものは、
クリ材で制作していきたいと思っています。

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Q
AC CRAFTさんにとって「工房からの風」はどんな風でしょうか?

A
心の風車をぐるぐるとまわしてくれる風。

AC CRAFT2

Q
石井さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。

A
小学校3年生でキャンプ部に入ったとき、切り出し小刀を買ってもらい、
竹のスプーンを作りました。
自分の切り出し小刀を手に入れたことがとてもうれしかったことを覚えています。

丁度同じ頃に、授業で糸鋸を使い小黒三郎さんデザインの木のパズルを作り、
いまでも宝箱に入っています。
そのころにした「ものづくり」がとても印象的で、いまでも記憶に残っています。

AC CRAFT3

「休ちゃん」(握って楽しむ木の塊)

:::

今年の1月、岐阜県立森林アカデミーで特別講座を持たせていただいたとき、
卒業生の石井さんと再会しました。

美濃市は和紙とうだつのある町で、小京都のような佇まいの美しい街並みがあって、
その中に、AC CRAFTさんの工房兼ショップもありました。

郊外の豊かな山林、そして美観地区、ここに暮らし、制作する中から、
石井さんならではの森の循環、
自然や歴史との響きあいを感じる作品が生まれてくるのですね。

galleryらふとでも、AC CRAFTさんの作ったひのきのスツールを愛用しています。
ひのきならではの軽さと、使い込むほどの艶めいた木の色合いが、
ギャラリーに来られた方々にもとても好評です。

木工と言っても、用いる樹種でお仕事はだいぶ異なります。
AC CRAFTさんの作品、その木にぜひ触れて、
素材の恵みを感じていただきたいと思います。

AC CRAFTさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐの進行方向右手。
昨年までは、カフェのテントがあったところに、今年は作品が並びます。

AC CRAFTさんのHPはこちらです。
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ci.cafu metal workさん(金属)

Q
ci.cafuは、チ、カフーと、お読みします。
沖縄で金工制作をされる喜舎場智子さんと平澤 尚子さんのユニット。
さあ「工房からの風」には、どのような作品とともに
はるばるやってきてくださるのでしょうか?

A
私達が主に使っている素材は真鍮とシルバー、鉄などです。
装身具やオブジェを中心に制作しております。

古代から続く普遍的な美しさをもつ形を表現するとともに、
元々は装身具として作られてはいない、
日常品の一部分を切り取ったシンプルな中にも仕掛けや遊び心のある
作品作りを心がけています。

写真の銀の鎖のバングルは身を守る為の武具の一つ、
鎖帷子の一部のパーツをアクセサリーにしたものです。

真鍮のブローチ達は、元は折りたたみ定規から発送を得て
その日の気分で色々な形に変化させることの出来るものです。

ペンダントの紐は、ワックスコードを使ったものもありますが
もう一つ沖縄の染織作家の方に染められた絹糸を分けて頂き、
様々な発色の糸をよったものとの二種類を出します。

その他にも、ピアスやヘアゴム、モビールなど様々なバリエーションで
普段の沖縄の店舗そのままに楽しんで頂こうと思っております。

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Q
ci.cafuさんにとって、工房からの風はどんな風でしょうか?

A
風も色の様に季節や地域によってたくさんの呼び名があることを知りました。
私達にとって工房からの風はまさに「恵風」。
万物を成長させる、めぐみの風です。

今まで、個展やグループ展などを中心に活動してきましたが、
県外でのこの様な野外作品展は初めてです。
色んな分野の方達と一緒に出展することでたくさんの刺激を受けて
今後の活動に反映されていくと考えております。

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Q
ci.cafuさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。

A
トイレットペーパーの芯を使った双眼鏡。
それを持ってよく一人で近所の電気メーターなどを見て
ブツブツいいながら探検していました。

ティッシュの箱にセロハンを貼った水槽。
岩やワカメ、魚を一杯作って泳がせていました。

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ci.cafu (チ、カフー)。
沖縄らしい響きの言葉ですが、どんな意味なのでしょう?

ci (チ):イタリア語で『 そこに 』『 私たちに 』
cafu(カフー) :沖縄の方言で『 カフー(果報)』『 幸せ 』
この二つを合わせた造語とのことです。

響きは沖縄らしい工房名ですけれど、
作品や展開は、特に沖縄らしさを出さずとも、

ご自分たちならでの世界観が伝わるようにしたい、と伺いました。
誰か風やどこか風ではない、ci.cafu
(あ、洒落みたいになっちゃいますねー)ワールド、

ぜひ工房からの風でそよがせてくださいね。

遠路はるばるのご出展!
どうぞお気をつけて~、来場者の方々と共に、
スタッフ一同お待ちしていますね。

ci.cafuさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って右手。
AC CRAFTさんのお隣です。

HPはこちらになります
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佐藤亜紀さん(染織)

Q
京都で染織を行う佐藤亜紀さん。
二回目の「工房からの風」では、どのような作品を出品くださいますか?

A
糸を草木で染めた手織りのストールを出品します。
絹糸で織り上げた、さらりとした素材感のものや、
絹糸を中心に、綿糸をところどころ織りこんだふっくら感があるものがあります。
それから、絹糸とウールで織ったあったかもののマフラーもそろえています。

季節のうつろいとともに感じる光や空気感、
日常の中で目に耳にする断片からイメージをふくらませて、制作しています。

素材や色のここちよさを感じてもらえたらうれしいです。

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Q
佐藤さんにとって、「工房からの風」はどんな風でしょうか?

A
初めての出展の時は、染織を学んでた頃からのあこがれの風に吹かれることに、
かちんこちんに緊張しておもいっきり背伸びしようとしてました。。。

それからも、ゆるゆると私の背中をおしてくれる風。
知らぬ間にかかえこんでいた不要なものを少しずつそぎ落として、
やっと見えてきた自分自身。
自分が自分でいることの大切さが府に落ちました。
懐の深さでつつんでくれる、やさしさにあふれた風だと思います。

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Q
佐藤さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。

A
実家が商店をしていたので、家に段ボールがとにかくたくさんありました。
なので、段ボールを重ねたり、くりぬいたりして、あそび道具をよく作っていました。

でも家の中でじっとしていられず、
草むらや田んぼの畦道をかけまわるような野趣あふれた子供でした。
野山であそびながらも、物語や空想の世界のことが頭の片隅にいつもありました。
子どもの頃から、手先は不器用で大ざっぱ、
機織り仕事を選ぶとは意外とも言えますが、空想力は活かされてるように思います。

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初めての出展の時、ミーティングの時から、ほんとうに緊張されていた亜紀さん。
けれど、当日はなんとも穏やかで晴れやかな表情で、
お客様と布を介して交流していましたね。
とても素敵な画像がいくつも残っています。

その後も、galleryらふとや三越展などで作品発表を続けてくださって。
織りあげる布もぐんぐん自在になってこられました。

絹を中心に草木染をする亜紀さん。
日本的な情緒だけではなく、どこかエキゾチックな大胆さもその色遣い、
柄出しにうかがえます。

今回は、うんと華やかものから、シックなものまで、幅広く布が織りあげられたようですね。
そのどれもが、亜紀さんならではの光を宿した布となって、
今年の来場者の方々に手渡されていくことでしょう。

佐藤亜紀さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜
レンガ道をおりて、テニスコート側の花壇のほとりです。

HPはこちらになります。
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morinosuさん(金属)

Q
東京西部で金属装身具を制作するmorinosuさん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
これまでは真鍮を腐蝕させて凹凸のあるデザインをほどこした後に
着彩し樹脂を塗布したものを主としていたのですが、
今回は、樹脂を塗布しない、真鍮の生地を活かしたものを主に出品いたします。
手に持った時の感触も楽しんでいただけたらと思います。

猫(ブローチ)

Q
morinosuさんにとって、「工房からの風」はどんな風でしょうか?

A
洗濯機のような風です。
グルングルンと悩み迷うけれど、
次第に余分なものが落ちてきて、まっさらにしてくれる風。

鳥(ブローチ&ペンダント)

Q
morinosuさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
初めてのものづくりは、おそらく土団子あたりかと思います。
土いじりが好きで、よく爪に土が入っていました。

土いじりの延長でか粘土も好きで、紙粘土で動物の顔をつくり、
手が隠れるくらいの大きさの布を顔の下に差し込んだだけの
シンプルな指人形をつくった記憶があります。

何の動物をつくったかは覚えていないのですが、取り付けた布が
チェック柄だったのをよく覚えています。

猫(ブローチ&ペンダント)

morinosuさんの2番のメッセージ。
実感がこもっていて、うまいっ!と思わずうなりました。
洗濯機、グルングルン・・・。
この数か月、まさにそんな感じのmorinosuさんでしたから。
(ご本人は、えっーそんなー!という感じかもですが)

もともと銅版画作家で、そこから発展しての装身具作りへの展開。
応募時には、すべての作品に樹脂が施されてありました。

それはそれできれいなのですが、金属のままの表情もよいのではないだろうか?
そう思ったのは私だけではなくて、風人さんや他の出展作家の方々からも、
いろいろな感想が寄せられたのでした。

まっすぐで原石のようなmorinosuさん。
そして、そのお人柄が、多くの方々の感想を呼び寄せたのだと思います。

とはいえ、新たな展開へ繰り出すのは、とても大変だったことと思います。
しかも、短期間で。
でも、もともと持っていたもの、そこに耳を澄ませてのお仕事ですから、
大変ながらも、充実されていたことと思います。

当日、銅版画展を見るような展示かもしれませんね。
展示の壁は、来場者の皆様の服や帽子となって。

morinosuさんの展示は、ニッケ鎮守の杜に入って、レンガ道をおりて左手。
小振りなテントに、物語がぎゅっと詰まっていることでしょう。

HPはこちらになります。
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服部謙二郎さん(染織)

Q
東京西部で布づくりを進める服部謙二郎さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
自然染料で染めたシルクのストールと、
シルクとウールを織り交ぜたストールを出品いたします。

今回この3つの質問に対して、じっくりと考えながら制作を進めるなかで、
思い浮かんでくるのは、「古代」という言葉でした。
それは私の布づくりにおける一つのテーマのようなものです。
そんな思いもお伝えできればと思っております。

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Q
服部さんにとって「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
スーっと軽やかで、ポンっと弾けるような推進力もある、透明な風。
何か自分の中が少しクリアになった、そんな感じがしています。

もっと自由でいい、風に吹かれてあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、
テキスタイルの世界をもっともっと旅してもいい。
そんなことも思える、自由な風です。

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Q
服部さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
図工の時間に描いた、雲崗石窟の巨大な石仏の鉛筆デッサンです。
ものづくりとは少しずれるかもしれませんが、とても印象深いのです。

石仏の表情やその雰囲気に、不思議な魅力を感じていたように思います。
渋いモチーフを選んだなぁと思いますが、子どもの頃から遺跡が好きで、
初めて海外を一人旅した時も、旅先はカンボジアのアンコール・ワットでした。
フランスの探検家アンリ・ムオが、密林を彷徨い見つけた幻想的な遺跡、
この発見をモチーフにした漫画を、小学校の図書室で読んだのがきっかけでした。

子どもの頃の興味関心が、その後のアジアや南米での仕事や旅行に、
そして今に繋がっているような気がしています。

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服部謙二郎さんも、この半年強の間でぐんぐん変化、
脱皮?した作家のおひとりではないでしょうか。

6月のgalleryらふとでの「風の予感」展の時の布から、
8月の日本橋三越での「工房からの風から」展を通して、
たくさんのお客様、作家、私たちと交わしたやりとりから、
ぐんぐん服部さんのあんぱんの餡の部分に入り込んでいかれたような気がします。
(あんぱんって、なに??という方はこちらをどうぞ
→ click

物静かで熟考型のようにお見受けしましたが、
今回の作品画像を見て、服部さんの引き出し、いよいよ開け始めた!んですね。
とうれしくなりました。

そう、服部さんとお話ししていると、引き出しいっぱいあるのに、
まだまだ開けていないのでは!
そんなことを思って、ちょっとお伝えしたのでした。

織り布は、思い付きで進む仕事ではなく、
意図の調達、染めのこと、整経、、、、と、最終のイメージを前に
しっかり整えておかねばならないことがたくさん。
その中で、新たな取り組みをすることは、
他のジャンル以上に手がこんでしまうところもあります。

2年ほど、ペルーの美術館でボランティアスタッフとして活動していた服部さん。
もともと手にしていた美の種に、あらたな養分が加わって、
発芽するときを待っていたのかもしれませんね。

「工房からの風」で芽吹いたものがすべてではないでしょうが、
これからの制作にも、その引き出しを惜しみなく開けてほしいと思っています。

シルクとウールの上品ながら野性味のある巻き布。
かっこいいです。
今回の画像の布たち、服部さんそのものの雰囲気ですねー。
ぜひ、作品と作者、一緒に見てみてくださいね(笑)

服部さんの出展場所は、おりひめ神社奥。
菅原博之さん藤武秀幸さんの「男の仕事場」の隣です。
ペルー滞在時のあれこれの品も展示くださると思いますので
それらも、ぜひお尋ねになってみてください。

服部謙二郎さんのHPはこちらです。
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林志保さん(陶磁)

Q
岐阜県多治見市で作陶される林志保さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
暮らしの器と、生活に添える小さなオブジェを出品します。
食卓や窓辺などの空間を演出し、使う人の心が少し豊かになればいいなと思います。

林1

Q
林さんとって、「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
換気したような、新鮮で緊張感ある空気を感じています。

この出展を機に、自身のものづくりを立ち止まって見直すことができました。
納得のできるものづくりのために、日々コツコツと続けるのみです。

林3

Q
林さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
細々したものを作るのが好きでした。
「初めての」というと記憶力低下で思い出せないのですが、
記憶に残るのは、父への誕生日プレゼントに、
愛車の置物を針金や色紙で作ったことでしょうか。
今でも大切に保管してくれているので、よく覚えています。

林2

林さんの作品は、そのフォルムと質感の美しさが印象的です。
オヴジェと器に同じような美の鉱脈が渡っているようで。
器ひとつの佇まいで、ぐっと空間が演出されてくような佇まい。

きっと素敵な作品構成になることと夢見て、
おりひめ神社の奥の空間をご提案しています。
お手元で、そして、少し離れて。
林志保さんの作品世界、ゆっくりとご覧いただきたいと思います。

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千(sen)さん (金属)

Q
千(sen)という工房名で活動する西本卓也さん。
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
生活に関わる暮らしの道具を中心に、
照明やタオルハンガーなど住まいに関するもの、
一輪挿しや花器、
その他オブジェや装飾品など、
金属で表現出来る様々なものを出品させていただく予定です。

千sen3

Q
千さんにとって、「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
我々は普段、建築家、設計士、デザイナーと共に、
店舗やギャラリー、住宅に関する、空間に静かに佇む金物を目指して制作をしております。

それ以外の我々の制作した作品は、
基本的に店舗に卸すというイメージで制作していました。
個展などでしか表にはほぼ出ておりません。

ただ、昨年からご縁があり、
百貨店やクラフトフェアにて直接お客様と接する機会を持つ様になり、
いままで裏方というイメージで活動していたので、
その機会があまりにも新鮮で、
それが凄く楽しく、そして良い出会いが沢山ありました。

今回の「工房からの風」への出展も、
新しい出会いやお客様との会話、
共感いただける物作りをしている方々との新しい流れを作り出せればと思っています。

千sen1・

Q
千さんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてくださいますか?

A
簡単に答えてしまうと、絵画コンクールで県の知事賞を頂いた事でしょうか。

ただしっかりと考えると、ものづくりという考えの範疇外なのかもしれませんが、
料理は大好きで小さい頃から母親と作っていました。

焼ける音、香り、食材が手を加えてどんどん変化していく過程が凄く好きでした。
おそらく小さい頃からものづくりというより、ものの変化が好きなのかもしれません。

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今年の「工房からの風」は、金属の作家が特に充実しています。
増田さんが実用的というよりはアートな作品であったり、
千さんは暮らしを支える裏方的実用的な作品であったり。

津軽塗の三上さんのところでは、
唐塗や七々子塗のことに触れましたが、
千さんのHPでは、ざらめきらり、黒仕上げ、など、
金工ならではの用語も書かれています。

「工房からの風」の来場者の方々や、
このブログを読んでくださる方には、
工芸の用語に興味関心のある方が多いかと思います。

これらの用語は、とっても美しいですね。
大好きな日本語です。

これらの美しい日本語を、外国語でどのように言うのでしょう。
きっと、西本さんならいくつかご存知でしょうね。
何しろ、ご夫婦で世界一周を時間をかけてしてこられたそうなのです。
応募用紙にも、そのことが書かれてありました。
世界をじっくり旅することと制作をしっかり進めること。
西本さんにとっては、同じことなのだと思います。
生きることを拓きながら、すべての経験を享受すること。

そんな西本さんの作るもの。
すっきりシンプルであっても、奥行きがしっかりあるように感じます。
飽きの来ないデザイン、そして手仕事。
会場で、ぜひご覧くださいね。
そして、旅の話も・・・。

千さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの向かい。
木立の中のテントです。

HPはこちらになります。
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増田周一さん(金属)

Q
仙台で金属造形の制作を進める増田周一さん、
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?

A
銀や真鍮などの金属を使った装身具と雑貨とオブジェ。
一つ一つに物語性を持ったものが多く、
その物語の中に入って楽しんでもらえるような作品を持っていきます。

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Q
増田さんにとって、「工房からの風」は、どんな風でしょうか?


まだ始まっていないのでわからないのですが
僕の工房は今、子供の頃に感じた台風の直前の窓がガタガタ鳴っていて、ワクワクする感じ。

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Q
増田さんの初めての「ものづくり」は、どんなものでしょうか?
印象的なもの教えてください。


小学校の時に友達と造った秘密基地かな。
細い笹の枝で作った弓矢や仕掛け罠とかアケビの蔓で編んだロープとか。。。
今思うととてもチープだったけど放課後のとても楽しい時間。

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増田さんは今年は当たり年のよう。
ミラノ国際芸術大賞を受賞されたり、
日光東照宮の四百年式年大祭奉賛に際しての美術奉納を行ったり、
ほかにも国内外で受賞が続いています。

当たり年、なんて書きましたけれど、今までの制作で蓄えた力が、
一気に花開きだしたのですね。

今も「工房からの風」に向かって、什器、造作を含めて、精力的な制作が佳境のようです。
えっ!これが指環!などなど、見る人の心をわくわくさせる作品がたっぷりとやってきますよ。

もりもりわくわくのブースは、コルトン広場スペイン階段前の大きなテントの一角。
大人もきっと、子どもの心に戻って魅入ってしまいそうですね。

増田周一さんのHPはこちらになります。
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三上優司さん(津軽塗)

Q
青森から出展くださる三上優司さん、
工房からの風にはどのような作品を出してくださいますか?

A
お箸とお弁当箱、酒器を中心に、装身具も少々。
津軽塗のオーソドックスな技法を用いつつ、色合いをより優しく変えて塗りました。

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Q
三上さんにとって、工房からの風は、どんな風でしょうか?

A
終わってみないとわかりませんが、今感じるのは、朝霧の山から里へ吹く静かな風。
自分の心と体を起こし目覚めさせてくれているようです。

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Q
三上さん初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なものをぜひ教えてください。

A
小学校の夏休みの工作で、角材を削ってペーパーナイフを作りました。
自分なりに綺麗だと思う曲線になるまで削り込んで、
だいぶ細くなってしまった記憶があります。
「美しいもの」というものをはじめて探った時かもしれません。

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この薄紫色の箸は、イナガキが愛用中のもの。
三上さんが朴訥と津軽塗のことを語ってくださった中で、
自作の箸への深い自信と、自らの仕事への愛情を感じて、
ぜひ使ってみたいと求めたものです。

20年ほど前、
青森出身の敬愛するこぎん刺しの作家の方から贈られた
津軽塗の箸があまりによくて、今でも愛用しています。

その作家の方は亡くなられたのですが、
今も箸を使うたびにその方のことを思います。

あまりによくて、と書きましたが、何がよいかと問われれば、
持った瞬間の頃合い、使うときの頃合い、と言ったらよいでしょうか。

重さだけではない、塗りの感触や、目に映る深み。
重ねて重ねて塗られているので、先がちびらないことも。
そう、長年使うほどに、作った方の丁寧な仕事にしみじみ感謝してしまいます。

愛用中のものは赤に唐塗(からぬり)でしたので、
三上さんのはピンクがかった薄紫に七々子塗(ななこぬり)のものを。
あまり身の回りにない色なので、どうかしら?と最初は思いましたけれど、
かえってアクセントになって、食卓が華やぎました。

唐塗や七々子塗については、
こちらに詳しく書かれています。
→ click

馬鹿丁寧過ぎるほどの下地処理と、塗っては乾かして研ぐことをひたすら繰り返すことで生み出される製品の馬鹿丈夫さから、「津軽の馬鹿塗り」とも呼ばれることもあります。
まさに[じょっぱり(意地っぱり)]と呼ばれる津軽気質の職人たちが魂を塗りこめた津軽塗は、高尚にして飽きのこない、堅牢で優美な漆器として好評を博しております。

という記載もありますよ。
(青森県漆器協同組合連合会HPより)

初夏のある日、青森から三上さんがgalleryらふとを訪ねて来られました。
日帰りの夜行バスを使って。
工房からの風への出展が決まり、
この出展に向けて精一杯仕事に向かっていらっしゃることが
しみじみ伝わってくる時間をいただきました。

津軽塗の先人が自分に伝えてくれたこと、
それを自分がどのようにして、今の時代にかたちと成すのか。
そして、どう次代につなげていくのか。
ひとり黙々と工房にこもって作られる仕事でありながら、
ひとりではない、世代を超えたたくさんの人々と共にある意識の中で、
三上さんのお仕事があることが伝わってきました。

それは、大変そうなことでもありましたが、
と同時になんて幸せなことなんだろう、とも思いました。
確たる故郷を持たない根無し草の自分にはない時と人の連なり。
もちろん、それを幸せにしているのは、三上さんの心なのですけれど。

今、漆器では下塗りで仕上げる無地のものが多く作られています。
その中で、津軽塗らしい表情がどのようにあるべきなのか。
三上さんの問いかけは続きます。

その問いかけに答えが返ってくるためにも、
まずは作り手自身の心に適うものを作ることなのでしょう。
それを示して、使い手がどのように応じてくれるか。
工房からの風で何か手ごたえに触れられるでしょうか。

お箸は、サイズ、色柄、種々に作られたとのこと。
箸の値段と思うと決して安価ではありませんが、
長く長く使えるもの、その使い心地のよさ、使う頻度を思うと、
決して高価ではないと思います。
その制作工程を思っても。
ぜひ、三上さんのブースで手にしてみてくださいね。

三上さんのブースは、スペイン階段前の大きなテントの一角です。

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Honda Silk Works 本多祐二さん、さくらさん

Q
Honda Silk Worksさん、
工房からの風にはどのような作品を出品くださいますか?

A
絹のストールを出品致します。

今年の春繭からは太目の糸を挽き、撚りをかけずに織ったふっくらとしたストール、
草木の色や、糸の凹凸を活かした手触りの気持ち良いストールを中心に出品致します。

ハレの日も、日常のケの日も愛用して頂けるシンプルなストールを制作しております。
絹の持つ強さと温かさ、しなやかな肌触りを感じて頂けたら嬉しいです。

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Q
Honda Silk Worksさんにとって、
工房からの風は、どんな風でしょうか?

A
出展が決まってから、それはもう色々な風が吹きました(笑)
しかし、この移り気な風も私達を成長させてくれる大切な風だと感じています。
色々な風が吹いたからこそ、一度立ち止まり考える時間ができました。
当日が楽しみです!

小鮒草×藍 (800x600)

Q
Honda Silk Worksさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。

A
この質問を受けて思い出し、自分でも驚いているのですが
初めての「ものづくり」として印象に残っている物は「織物」です。
子供用の小さい織り機で祖母と毛糸の敷物を作りました。
玄関で花瓶敷きとして使って嬉しかった気持ちが掘り起こされました!

野いばら×五倍子 (800x600)

4月、第一回目の今年度出展作家全体ミーティングのとき、
Honda Silk Worksの祐二さん、さくらさんは「時の人」でした。
お蚕を飼うところからの布づくりだということに、
他の出展作家も興味津々になったのでした。

どの出展作家も手のかかる、地味な作業を取りこんだ制作をしている方ばかり。
それでも、さすがに養蚕から行っているとは!という驚き。
そして、それを淡々と普通のこととして話される姿、
おふたりが1980年代の初め生まれの若さだったこと、
ああ、こんな人たちもいるんだなぁーという
喜びのような共感が広がったのでした。

それから数回、市川まで遠く秩父の里から、
さくらさんが何度も訪ねてくださいました。
工房からの風に集った作家たちが蔵している何か
(それはテクニカルなことよりも、パッションのように感じましたが)
に触れよう、吸収しよう、という意欲だったのでしょうか。

染織の学校などからこの道に入ったのではなく、
養蚕農家の手伝いをしたことから進んだ布づくり。
だからこその野に咲く実生の草花のようなたくましさと、
オリジナリティーがふたりの布の魅力です。

とはいえ、布づくりの道は始まったばかり。
どういう糸を作るのか、どういう色に染めるのか、どういう布に織り上げるのか、
ゆく道は遠く遠く先に続いています。

一方、若い二人が養蚕をすることなど、特殊な要素があることなどから、
その部分を取り上げられての興味関心を持たれることも多いでしょう。
ライフスタイルとしてだけ取り上げられ、消費されてしまうことを、
本能的に遠ざけているような姿勢が、とても印象的でした。
ふたりが求めていること、目指していることは、もっと本質的なことなのだと思います。
そのための養分を、きっと今回の「工房からの風」から吸収しようとされているのですね。

出展が決まってから、ぐんぐん進化した布との出会いがとても楽しみです。

Honda Silk Worksさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜
galleryらふと奥の岩があるエリア。
若きふたりの作り手が手掛けだした地に足の着いた瑞々しい布に、
ぜひ触れてみてくださいね。