2018年9月の記事一覧

「ワークショップ/工房からの風」New

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勢司恵美さん(風人)

竹細工の勢司恵美さんにお尋ねいたします。

Q1
勢司さんは、今年の「工房からの風」では、何を担当くださいますか?

A1
出展者さんのサポートをしつつ、、、
実演、ワークショップをします。

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勢司恵美さんの竹細工の制作公開、ここ数年の恒例になりました。
毎年やっていただいていても、初めて!ご覧になる方も毎年いらしゃいます。
竹細工を身近に見る機会は貴重ですし、このような場を通して
竹細工に親しんでいただけることをうれしく思っています。
そして恵美さんのお話しが、とっても楽しく、面白くって、
皆さん引き込まれてしまうんです。

ワークショップについては、詳細を詰めているところ。
まもなく、決定してこちらにもお書きしますね。

Q2
勢司さんは、何年に出展しましたか。
その時の印象に残る体験(感想)をひとつ教えてください。

A2
2013年。
5年前とは、、、早い。

初めての出展。
次から次へといらっしゃってくださるお客様とのお話が止まらず、
目まぐるしく、周りは全く見えていませんでした。

2日目の朝、まだお客様が来る前、
でも私はまだドキドキで自分のテント内をウロウロしていたところ、
周りを、稲垣さんが水を撒いていてくれました。
水がすっごくキラキラしているように思え、
浮き足立った心を抑えてくれているようにも思えました。
あの時のほんの数秒、音は無く、砂と水と光と籠との光景がなぜか印象に残っています。

緊張と興奮の出展時、このような一瞬が心に残っていくのですね。
ちなみに、私は水撒きしながら、自分の心を冷ましていたのかもしれません。

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Q3
勢司さん、木を素材として作られたもので、
心に残るもの、または、大切にしているものを教えてください。

A3
作業場と部屋をぐるりと見渡しても思い入れのある木のものはありませんでした。
この家にはたいしたものが無い(汗)
でも、好きなものしかない。
木のもの、木のもの、うーん、、、
りんごの木箱。かな。

高校生の時、家にあった木箱を、
拾ったピンクのスプレーで塗って棚として使っていました。
それから東京で一人暮らしをする時にも持っていきました。

幾度かの引越しを経てそれは無くなってしまいましたが、
また新しい木箱たちが作業場と部屋の棚になってくれています。

家にあったもの、貰ったもの、買ったもの。
全部で40個ぐらい。
もう色は塗らないか塗っても柿渋。
何が好きって、何が好きなんだろう。
ただりんごを運ぶために作られたっていうざっくりさ。
でもサイズとか持つところとかちゃんとしてるし
重ねられるし、呼吸もできそうだし、道具としては満点なところ。
他にも使えるよっていうなんでも感。
お値段。
これ、1日に何個作るんだろう。
どうやって早く作っているんだろう。
尊敬。
箱の外側に「む」とか識別するためになぐり書きしてある所も、ぐっときます。

手のかかった思い入れのあるうっとりするようなものももちろん大好きですが
(作家さんの洗練されたものとか!
あとは彫り物とか!大きなものは建物まで!
たまりませんよね!)
これはこれで、身近で、大好きな木のものです。

勢司さんの好きな世界がとっても伝わるお話しですね。

勢司さんのブログはこちらです。
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フクシマアズサさん(風人)

今年初めて風人をしてくださるフクシマアズサさん。
箒(ほうき)を種まきから収穫までを行い、
その素材で制作まで行っている女性です。

Q1
フクシマさん、今年の「工房からの風」では何を担当くださいますか。

A1
今年は「素材の学校」で、ほうきの時間を担当させていただきます。

ほうきの時間では、子どもたちにほうきの材料である
「ホウキモロコシ」という草を脱穀するところから体験してもらい、
机の上を掃除できる小さなほうきを作っていただきます。

また、今年6月からコルトンプラザにある「手仕事の庭」で
庭人さんたちと一緒にホウキモロコシを栽培したのですが、
その草を使って作った「庭のほうき」も展示します。

「風のケミストリー」では、アトリエ倭さんの木工の仕事と、
そしてRIRI TEXTILEさんの染めの仕事と
ご一緒させていただいた作品を出品する予定です!

フクシマ

「工房からの風」の会場内の「手仕事の庭」では、ホウキモロコシをずっと育ててきました。
今年は、フクシマさんからの種でフクシマさんの育て方で育成してみたのです。
耕しや畝づくりから、目から鱗なことばかり。
何より、私たちは例年熟させすぎていたんですねー。
種取り分以外は、箒に適した育ち具合で収穫するのだと教えていただきました。

それにしても、ほうきの素材を植えている会場!とおうのもレアですし、
吉田慎司さんとともに、ふたりの若き箒職人が風人さんというのも、
世界中でここだけ!(大げさですが)ですね。

Q2
フクシマさんは、何年に出展しましたか。
その時の印象に残る体験(感想)をひとつ教えてください。

A2
昨年の2017年に出展しました。
今でも鮮明に残っている記憶は、
あるお客様がほうきを目にした瞬間、
「わぁ、ほうきだ!」
ととてもまぶしい笑顔で、両手を伸ばして、
ほうきを手にとって見てくださったことです。

ほうき作りの半分は畑仕事で、
肉体的に辛い場面がたくさんあるのですが、
約半年間、「工房からの風」を目指してやってきたことが、
この瞬間に「報われた」と思いました。

素材の学校(ほうき)

それは幸せな瞬間でしたね。
作家にとって、このような瞬間がどんなに糧になることでしょう。
「工房からの風」のお客様は、ほんとうにこのようなあたたかな方が多いのだと、
毎回、作家からのお話しから感じています。

Q3
木を素材として作られたもので、心に残るもの、
または、大切にしているものを教えてください。

A3
とある木工作家さんが作ったコーヒーメジャーです。
これを手に入れたのは大学2年生のときで、
貧乏学生だった自分には思い切った買い物でした。

材質はサクラの木。
シンプルな形で、仕上げはオイルフィニッシュ。
使えば使うほどコーヒーの油が染みて色づき、香りもコーヒーに。
毎日使うごとにその記憶が刻まれていくようで、
道具を使い込むことの喜びを教えてくれたのはこのコーヒーメジャーでした。

愛用するほどに艶めき育つ、というのが顕著なのが木の道具ですね。
若く懐の自由がきかない中で手に入れたもので、
「よかった!」と思えたものは、それからの暮らしや考え方にも影響を与えてくれますね。
フクシマさんが作る箒をはじめ、工房からの風でご紹介するものが、
誰かのそのような宝物になってくれますように。
そう願うばかりです。

フクシマアズサさんは「素材の学校」や、「五行テント」を中心に会場をみてくださいます。

ホームページはこちらになります。
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谷田貝陵子さん(風人)

風人さんからのメッセージを続けます。

Q1
VALLEYSHELLという工房名で革の作品を制作する谷田貝陵子さん。
今年「工房からの風」では、何を担当くださいますか?

A1
「素材の学校」にて、ワークショップを担当します。
●木の葉のネームタグ
●木の葉のコインケース
というふたつのプログラムを行います。

詳しくは、ワークショップをまとめたブログ記事をご覧くださいね。

Q2
谷田貝さんは、何年に出展しましたか。
その時の印象に残る体験(感想)をひとつ教えてくださいますか?

A2
2016年に出展しました。
作品と一緒に、お守りのような気持ちで祖父が作った小さな石の塔を置いていました。
それについて、
「作品じゃなくてごめんね。すごく素敵、純粋な感じがする」
と声をかけてくださった方がいました。

会場をまわる前に風の音を読んでいらして、
祖父母のことを書いた私の文章も覚えていてくださり、
「そのお祖父様の作品なのね」と。

言葉がなくとも伝わることと、
言葉によって繋がったことがあり、
印象に残る出会いでした。

テントブースの中に、作家が大切にしているものを持ち込んでみるのもいいですよ。
と、お話しする場面があります。
作品と通じていたり、工房らしさが伝わったり、大切なものが、
交流すべき方とのきっかけ、橋渡しになる場合もあるのを見てきましたから。
谷田貝さんの石の塔のように、どこか空間のお守りとなって、
作家の心を落ち着かせてくれる効果もあったかもしれませんね。

Q3
木を素材として作られたもので、心に残るもの、
または、大切にしているものを教えてください。

A3
半分手前味噌になりますが、ベルトを作る際、家具職人さんに
木を貼り合わせてくり抜き、バックルを作っていただいたことがあります。

毎日使っていると、本当に僅かながら胴体に沿って
バックルがしなっていることに気付き、
なんて優しいんだろうと、愛おしくなりました。
毎日のようにお世話になっています。

スマートな谷田貝さんは、
よく素敵なベルトを身に着けていらっしゃると思っていましたが、
そこにはそのようなストリーがあるんですね。
工房からの風の会場で、見せてください、
ってお願いしてみてはいかがでしょうか。

VALLEYSHELL 谷田貝陵子さんは、「素材の学校」テントを中心にいらっしゃいます。
HPはこちらになります。
→ click

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森友見子さん(風人)

風人として、毎年「素材の学校」を担当くださる森さん。
私たちの間では、校長先生!と呼ばれています。
あ、先に担当を書いてしまいましたね。すみません。
でも、お決まりですので、

Q1
今年の「工房からの風」で、森さんの担当を教えてください。

A1
「素材の学校」テントの受付と紙の時間ワークショップの担当です。

革、綿、金属、織り、ほうき、紙、様々な素材の作家が講師となり、
子供たち(未来の作り手)に素材の魅力を伝えます。

今年の紙の時間では
「再生紙で作る壁飾り、この木なんの木?」
と題して段ボールや色紙をミキサーで粘土状にし、
木をテーマにした壁飾りを作ります。

毎年恒例となった「素材の学校」。
内容は、毎年刷新されていますので、
新鮮なものづくりをお子様に体験いただけます。
森さんはご自身の作家活動のほかに、
相模原でこどもの絵画・造形教室も主宰されていますので、
プログラムの組み方や実行もとても素敵に構成くださっています。

Q2
森さんは、何年の「工房からの風」に出展しましたか。
その時の印象に残る体験(感想)をひとつ教えてください。

A2
2005、2006、2009、2012年です。
思い出はたくさんあるのですが!
10周年記念の2012年では、
複数回作家の方が多く出展していて楽しかったことを覚えています。
同じ作り手としてのつながりが増えていくことが喜びなのです。

作家活動を豊かに継続させていくことに必要なことに、
作家同士のよきつながりがあるのだと思っています。
新たに出会うこと、出会いを大切に育んでいくこと。
森さんたち風人さんたちは、今年の出展作家の方々にも
よき出会いが生まれ、育つように支えてくださっています。

Q3
木を素材として作られたもので、心に残るもの、または、大切にしているものを教えてください。

A3
長男が幼い頃、木工作家の方に子供用の木の椅子を注文し作っていただきました。
今ではもう座ることはできませんが、部屋の入り口においてあります。
眺めるだけでただ可愛く美しく、大切にしています。

親の背丈を超えた子が、こんな小さな椅子にちょこんと座っていたなんて。
ものは時間を遡って蘇らせてくれるきっかけになったりしますね。
そのきっかけが、美しいものであるように。
工藝作家の手に生るものには、そんな願いも込められているのかもしれません。

森友見子さんは、コルトン広場モニュメント周りに立つ
「素材の学校」テントにいます。
「風セレクション」テントでは、美しい貝の箱を出品くださいます。
この日の思い出を詰める箱として選ばれてはいかがでしょうか。