-
新着情報
- 2024/10/23 director's voice 今日も作っている hada makoto(木彫)
- 2024/10/23 director's voice カタルーニャでの紅型制作 片岡陽子さん ( Taller Uraraka )
- 2024/10/23 director's voice これまで 吉田欣司さん(木工)
-
月間アーカイブ
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年2月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年6月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年3月
- 2022年1月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年6月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年5月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
2015年10月の記事一覧
「皆様へのお知らせ/工房からの風」New
director's voice
コメントする
増田周一さん(金属)
Q
仙台で金属造形の制作を進める増田周一さん、
「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?
A
銀や真鍮などの金属を使った装身具と雑貨とオブジェ。
一つ一つに物語性を持ったものが多く、
その物語の中に入って楽しんでもらえるような作品を持っていきます。
Q
増田さんにとって、「工房からの風」は、どんな風でしょうか?
A
まだ始まっていないのでわからないのですが
僕の工房は今、子供の頃に感じた台風の直前の窓がガタガタ鳴っていて、ワクワクする感じ。
Q
増田さんの初めての「ものづくり」は、どんなものでしょうか?
印象的なもの教えてください。
A
小学校の時に友達と造った秘密基地かな。
細い笹の枝で作った弓矢や仕掛け罠とかアケビの蔓で編んだロープとか。。。
今思うととてもチープだったけど放課後のとても楽しい時間。
増田さんは今年は当たり年のよう。
ミラノ国際芸術大賞を受賞されたり、
日光東照宮の四百年式年大祭奉賛に際しての美術奉納を行ったり、
ほかにも国内外で受賞が続いています。
当たり年、なんて書きましたけれど、今までの制作で蓄えた力が、
一気に花開きだしたのですね。
今も「工房からの風」に向かって、什器、造作を含めて、精力的な制作が佳境のようです。
えっ!これが指環!などなど、見る人の心をわくわくさせる作品がたっぷりとやってきますよ。
もりもりわくわくのブースは、コルトン広場スペイン階段前の大きなテントの一角。
大人もきっと、子どもの心に戻って魅入ってしまいそうですね。
増田周一さんのHPはこちらになります。
→ click
director's voice
コメントする
三上優司さん(津軽塗)
Q
青森から出展くださる三上優司さん、
工房からの風にはどのような作品を出してくださいますか?
A
お箸とお弁当箱、酒器を中心に、装身具も少々。
津軽塗のオーソドックスな技法を用いつつ、色合いをより優しく変えて塗りました。
Q
三上さんにとって、工房からの風は、どんな風でしょうか?
A
終わってみないとわかりませんが、今感じるのは、朝霧の山から里へ吹く静かな風。
自分の心と体を起こし目覚めさせてくれているようです。
Q
三上さん初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なものをぜひ教えてください。
A
小学校の夏休みの工作で、角材を削ってペーパーナイフを作りました。
自分なりに綺麗だと思う曲線になるまで削り込んで、
だいぶ細くなってしまった記憶があります。
「美しいもの」というものをはじめて探った時かもしれません。
この薄紫色の箸は、イナガキが愛用中のもの。
三上さんが朴訥と津軽塗のことを語ってくださった中で、
自作の箸への深い自信と、自らの仕事への愛情を感じて、
ぜひ使ってみたいと求めたものです。
20年ほど前、
青森出身の敬愛するこぎん刺しの作家の方から贈られた
津軽塗の箸があまりによくて、今でも愛用しています。
その作家の方は亡くなられたのですが、
今も箸を使うたびにその方のことを思います。
あまりによくて、と書きましたが、何がよいかと問われれば、
持った瞬間の頃合い、使うときの頃合い、と言ったらよいでしょうか。
重さだけではない、塗りの感触や、目に映る深み。
重ねて重ねて塗られているので、先がちびらないことも。
そう、長年使うほどに、作った方の丁寧な仕事にしみじみ感謝してしまいます。
愛用中のものは赤に唐塗(からぬり)でしたので、
三上さんのはピンクがかった薄紫に七々子塗(ななこぬり)のものを。
あまり身の回りにない色なので、どうかしら?と最初は思いましたけれど、
かえってアクセントになって、食卓が華やぎました。
唐塗や七々子塗については、
こちらに詳しく書かれています。
→ click
馬鹿丁寧過ぎるほどの下地処理と、塗っては乾かして研ぐことをひたすら繰り返すことで生み出される製品の馬鹿丈夫さから、「津軽の馬鹿塗り」とも呼ばれることもあります。
まさに[じょっぱり(意地っぱり)]と呼ばれる津軽気質の職人たちが魂を塗りこめた津軽塗は、高尚にして飽きのこない、堅牢で優美な漆器として好評を博しております。
という記載もありますよ。
(青森県漆器協同組合連合会HPより)
初夏のある日、青森から三上さんがgalleryらふとを訪ねて来られました。
日帰りの夜行バスを使って。
工房からの風への出展が決まり、
この出展に向けて精一杯仕事に向かっていらっしゃることが
しみじみ伝わってくる時間をいただきました。
津軽塗の先人が自分に伝えてくれたこと、
それを自分がどのようにして、今の時代にかたちと成すのか。
そして、どう次代につなげていくのか。
ひとり黙々と工房にこもって作られる仕事でありながら、
ひとりではない、世代を超えたたくさんの人々と共にある意識の中で、
三上さんのお仕事があることが伝わってきました。
それは、大変そうなことでもありましたが、
と同時になんて幸せなことなんだろう、とも思いました。
確たる故郷を持たない根無し草の自分にはない時と人の連なり。
もちろん、それを幸せにしているのは、三上さんの心なのですけれど。
今、漆器では下塗りで仕上げる無地のものが多く作られています。
その中で、津軽塗らしい表情がどのようにあるべきなのか。
三上さんの問いかけは続きます。
その問いかけに答えが返ってくるためにも、
まずは作り手自身の心に適うものを作ることなのでしょう。
それを示して、使い手がどのように応じてくれるか。
工房からの風で何か手ごたえに触れられるでしょうか。
お箸は、サイズ、色柄、種々に作られたとのこと。
箸の値段と思うと決して安価ではありませんが、
長く長く使えるもの、その使い心地のよさ、使う頻度を思うと、
決して高価ではないと思います。
その制作工程を思っても。
ぜひ、三上さんのブースで手にしてみてくださいね。
三上さんのブースは、スペイン階段前の大きなテントの一角です。
director's voice
コメントする
Honda Silk Works 本多祐二さん、さくらさん
Q
Honda Silk Worksさん、
工房からの風にはどのような作品を出品くださいますか?
A
絹のストールを出品致します。
今年の春繭からは太目の糸を挽き、撚りをかけずに織ったふっくらとしたストール、
草木の色や、糸の凹凸を活かした手触りの気持ち良いストールを中心に出品致します。
ハレの日も、日常のケの日も愛用して頂けるシンプルなストールを制作しております。
絹の持つ強さと温かさ、しなやかな肌触りを感じて頂けたら嬉しいです。
Q
Honda Silk Worksさんにとって、
工房からの風は、どんな風でしょうか?
A
出展が決まってから、それはもう色々な風が吹きました(笑)
しかし、この移り気な風も私達を成長させてくれる大切な風だと感じています。
色々な風が吹いたからこそ、一度立ち止まり考える時間ができました。
当日が楽しみです!
Q
Honda Silk Worksさんの初めての「ものづくり」は、なんでしょう?
印象的なもの教えてください。
A
この質問を受けて思い出し、自分でも驚いているのですが
初めての「ものづくり」として印象に残っている物は「織物」です。
子供用の小さい織り機で祖母と毛糸の敷物を作りました。
玄関で花瓶敷きとして使って嬉しかった気持ちが掘り起こされました!
4月、第一回目の今年度出展作家全体ミーティングのとき、
Honda Silk Worksの祐二さん、さくらさんは「時の人」でした。
お蚕を飼うところからの布づくりだということに、
他の出展作家も興味津々になったのでした。
どの出展作家も手のかかる、地味な作業を取りこんだ制作をしている方ばかり。
それでも、さすがに養蚕から行っているとは!という驚き。
そして、それを淡々と普通のこととして話される姿、
おふたりが1980年代の初め生まれの若さだったこと、
ああ、こんな人たちもいるんだなぁーという
喜びのような共感が広がったのでした。
それから数回、市川まで遠く秩父の里から、
さくらさんが何度も訪ねてくださいました。
工房からの風に集った作家たちが蔵している何か
(それはテクニカルなことよりも、パッションのように感じましたが)
に触れよう、吸収しよう、という意欲だったのでしょうか。
染織の学校などからこの道に入ったのではなく、
養蚕農家の手伝いをしたことから進んだ布づくり。
だからこその野に咲く実生の草花のようなたくましさと、
オリジナリティーがふたりの布の魅力です。
とはいえ、布づくりの道は始まったばかり。
どういう糸を作るのか、どういう色に染めるのか、どういう布に織り上げるのか、
ゆく道は遠く遠く先に続いています。
一方、若い二人が養蚕をすることなど、特殊な要素があることなどから、
その部分を取り上げられての興味関心を持たれることも多いでしょう。
ライフスタイルとしてだけ取り上げられ、消費されてしまうことを、
本能的に遠ざけているような姿勢が、とても印象的でした。
ふたりが求めていること、目指していることは、もっと本質的なことなのだと思います。
そのための養分を、きっと今回の「工房からの風」から吸収しようとされているのですね。
出展が決まってから、ぐんぐん進化した布との出会いがとても楽しみです。
Honda Silk Worksさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜
galleryらふと奥の岩があるエリア。
若きふたりの作り手が手掛けだした地に足の着いた瑞々しい布に、
ぜひ触れてみてくださいね。