2016年10月の記事一覧

「皆様へのお知らせ/工房からの風」New

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朝日新聞に出稿しました。

10月6日朝日新聞首都圏版夕刊に広告を出稿しました。
出展者、ワークショップや制作公開など
当日関わってくださる作家、工房、
全員のお名前を掲載しています。

写真は紙面の関係上6名の方。

森谷和輝さん(ガラス)
フジタマリさん(木工)
梅田かん子さん(陶芸)
Renさん(金工)
谷田貝陵子さん(革)
今井なお子さん(染織)

この出稿からも新たな来場くださる方と出会えたり、
いつも来場くださる方が、あらためてご予定確認くださったりと、
豊かな広がりにつながることを願っています。

首都圏版ですので、ご希望の方は、首都圏在住で
朝日新聞が入手可能な方からお譲りいただいてもと思います。

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木曜日。
秋晴れの中、お庭の整備も進めました。

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造園屋さんにも加わっていただき、高木の剪定も。
空間に優しい光が注ぐように繁り過ぎた枝を払っていただきました。

花壇の補修をしたり、草木の手入れを進めたり。
あと9日後の祝祭に向けて、現場もピッチがあがってきました。
全国の作家の方々の工房でもさぞや!

作家からのメッセージの掲載もピッチあげますね。

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岩沢彰一郎さん(ガラス)

今展では、ご夫婦でひとつのブースで出品くださる作家が二組いらっしゃいます。
それぞれが別の名前で制作発表されていますので、
2名+2名=4名のガラス作家です。
この方々をご紹介していきましょう。
まずは、鎌倉で制作される岩沢彰一郎さんです。

Q
「工房からの風」には、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
雪代ガラス<ユキシロガラス>
作品に込める想いの中には常に大好きな水への畏敬の念があります。
その大好きな水景の中でも渓流の清らかな水への拘りは特別な物があります。

春先の雪解け水を雪代水といい、冬の沈黙から川が目覚める瞬間であり、
まだ何も混じってない白銀の世界から
ピュアな水が産み出される時の感動を形にしたものです。

水はそれ自体は手触りの感触を持たないのですが、
吹き<ガラス>は誰が作っても同じ手触りの感触があります。
そのような事を思いながら、手に触れる器として
触感の心地よさを伝える事が出来ればと思ってます。

水の源より産み出される、まさにその瞬間をイメージして
作品に取りかかり産み出された作品が<雪代ガラス>です。

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雪代ガラス。
まさにその名の通りの美しい白いガラスの器ですね。
かたちや表情、さまざまなバリエーションをたっぷり見てみたいです。

Q
岩沢彰一郎さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
僕は今まで20年間(ガラスを)創ることを生業にしてきました。

最初の7年間は修行として、独立してからの10年間は生活の為、
そして3年前に40歳になった時に作家として生きて行こうと決心しました。

それでも色々な事がありました。
安易な道を選択する時も少なくはありませんでした。
そのような私の作る<ガラス>は、様々な表情を持つ反面、
まだまだ自分自身をさらけ出したものとは言えないのではないか、
その反省から再度、原点に立って、ピュアな作品で世に出したい、
ここ(工房からの風)が作家として歩み出す一歩だと考えています。

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職業としてのガラス制作を続けられてきた岩沢さん。
「工房からの風」を、作家として歩み出す一歩ととらえてくださって、
なんだか頭が下がるような、重みのあるお気持ちを感じます。
どうぞ伸びやかに爽やかに、二日間、思いっきり「工房からの風」を
味わっていただきたいと思っています。

Q
岩沢彰一郎さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
工房を立ち上げるべく、鎌倉の極楽寺を選んだ時には
極楽という言葉の響きや書体のカッコ良さに惹かれたこともあります。

そして、それから13年、すっかり落ち着いて
<ガラス>を作る喜びにひたり、家族も増え、
苦楽を共にしてきた仲間達との深い付き合いの中で感じる喜び、
まさにそれこそが<ガラス>達の生まれ出ずる極楽の環境となっています。

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素敵な時間の紡がれ方ですね。
<ガラス>達の展示される極楽の環境!を「工房からの風」で展開してくださいね。

岩沢彰一郎さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
本八幡方面からのまっさきのテントです。
今年からは、welcomeテントという、レモンの?テントも出現するブースです。

ホームページはこちらになります。
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pupila カミツレさん(木・装身具)

素材を木をベースとして、装身具をかたちづくる
pupila カミツレさんからのメッセージをご紹介します。

Q
pupila カミツレさんは、「工房からの風」に、
どのような作品をお持ちくださいますか?

A
木材を使ったブローチやピアス、
イヤリングなどの装身具をご用意させていただきたいと思っています。

絵を書き、切り磨きビーズを縫い製作しています。

木片にガラスビーズ、天然石、布など、
さまざまな国や時代の物を組み合わせる事で
たったひとつの物となり身に付けていただけたら幸せな事だと思っています。

一番初めのモチーフとなった、月とうさぎもご用意させていただきます。

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ほかにない個性的な装身具は、独学でものづくりを進めた作者ならではのもの。
幼いころから、とにかく手芸全般が大好きだったというpupila カミツレさん。
そのころから身に付けられた様々な技術、心に沈めた美しいものたちが、
今、かたちになって「工房からの風」に、やってきてくれるんですね。

Q
pupila カミツレさんさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
つむじ風に思えます。

つむじ風がくるりと立ち上がり風がおさまると、扉が現れます。
まだ、扉の向こう側に何が待っているのか、
どんな人と出会えるのかどこに続いているのかそれはわかりません。

10月の本番が終わった後に、その扉の向こう側がきっと見えるのかなぁと思います。
また、扉が待っていても、それも楽しみな事だと思っています。

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風の予感展にも出展くださったpupila カミツレさん。
さらに進化した作品が揃いますね。
つむじ風も予感展を通して、恐れるものではなくなったのではないでしょうか。
その時のブログはこちらです。
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Q
pupila カミツレさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
pupila(プピラ)はスペイン語で瞳、
私の名前の仁美と読み方が同じなのと、
まっすぐに物事を見れる様になりたいと言う思いからpupilaに、

そして、カミツレはカモミールの和名
(弱っている植物の側にカモミールを植えると元気になると知って)から名付けました。

身につけて頂ける方にそっと寄り添えるような物になれば嬉しいなと思い決めました。

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pupila カミツレさんの優しい気持ちが名前に表れていますね。

pupila カミツレさんの出展場所はおりひめ神社の脇。
VANILLAさんと谷田貝陵子さんの間のブースになります。

ホームページはこちらになります。
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フナハシトモハルさん(木工)

木工で同じくカタカタのお名前の方がもうひとりいらっしゃいます。
フナハシトモハルさん。
愛知県から出展くださいます。

Q
フナハシさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
生活道具として、使い心地のよい木の小物を制作しています。

曲木の小箱、オーバルボックス、
カンナで削ったままの竹箸、木の皿等を持っていきます。

曲木の小箱は、手の平にのる位の大きさで、
好きな色を塗ったり、蓋の取手を削り出したりと、
楽しみながらたくさんつくりました。

自由につくったものなので、
ぜひ、なにを入れようか悩まずに、お選びいただきたいと思います。

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ヴァリエーション豊かな木のブースになりそうですね。
上の画像の蒔地(まきじ)の作品や、曲木もぜひお手に取ってご覧いただけましたら。

『自由につくったものなので・・・』

っていう素朴なメッセージが、なんとも朴訥と
作者らしくって微笑ましく読ませていただきました。

Q
フナハシさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
「背中を押してくれる風」

家具工房や木工所などに勤めて20年が過ぎ、
ようやく独立を決心したのが2月、3月に出展の知らせが届きました。
自分の思うままにやってみなさいと、応援されているような気がしました。

このタイミングでの出展は、運命を感じずにはいられません。
10月15,16日には、多くの方との出会い、
若い出展者からの刺激など「工房からの風」を
存分に味わいたいと、わくわくしています。

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「工房からの風」への出展は、
タイミングをぜひ生かしていただきたいと思っています。

木工房への勤務から独立されたということは、
注文品を制作することから、
自ら制作するものを構成していくタイミングなのだと思います。

さまざまな技術を生かして、自在なものづくりを、
ぜひ、工房からの風でそよがせてください。

Q
フナハシさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
漢字表記すると舩橋朝治です。
姓は、松橋とよく間違えられます。

名は愛知で有名な運命鑑定の先生に命名していただいた、
ありがたい名前です。
(私は愛知生まれで、ずっと実家住まいです)

しかし、今まで正確に読まれたことがないため、
また書きやすいことからカタカナ表記にしています。

工房名は「ふなもく」ですが、舩橋木工の略です。
なぜ、ひらがな表記かといいますと、
明朝体の「ふ」のカタチ(曲線美)が好きだからです。
これは、私の作品にも通ずるところです。
曲線には、こだわっています。

いずれも子供の頃から、始業式後の初めて出席を取る時など、
名前を正しく呼ばれてこなかったという、
心の中のモヤモヤを払拭したかったのです。

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素晴らしいお名前ながら、間違われやすいことでモヤモヤが続いたとのこと。

ふなもく
も、
フナハシトモハル
も、認知いただきやすいと思います。
皆さん、ぜひ、お名前読んで差し上げてくださいね。

フナハシトモハルさんの出展場所は、
コルトン広場スペイン階段前。

ホームページはこちらになります。
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written by sanae inagaki

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フジタマリさん(木工)

樹種の違い、特徴を生かした作品づくりを展開するフジタマリさん。
岐阜県から出展くださいます。

Q
フジタマリさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
色々な木の色味をいかした、アクセサリー・小箱・
花器などの小物からスツールなどを出品いたします。

木の持つ色々な表情を楽しんでいただければと思います。

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心楽しい作品群かと思いきや、シックな表情のアクセサリーがあったり。
彫刻を学ばれたた後に、家具工房で技術を高めるお仕事にも就かれたフジタさん。
イメージと手が結びついて、これから扉が開いてゆかれるところですね。

Q
フジタマリさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
時には嵐のように厳しく私に向かって来たり、
時には私の背中を押してくれているような風です。

この風にのってまた次のステップに向かっていけたらと思います。

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この準備期間に感じたり、考えられたこと。
この二日間で終わりではなく、これからのフジタさんの制作にとって、
よき滋養になってほしいなぁと思っています。
じっくり、あせらず、次のステップに進んでいかれますね、きっと。

Q
フジタマリさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
フジタマリというカタカナの名前で活動しています。
なぜカタカナなのか・・・。
漢字だと同姓同名が多いですし、
ひらがなだと柔らかすぎるかななどなど。

カタカナの記号的な雰囲気が気に入っています。
普段の私と作家の私とのスイッチの切り替えのためでもあります。

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この抽斗のシリーズ、とっても手がこんでいますね。
ぜひ、全方位から木の表情の豊さ、みてみてください。

フジタマリさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の真ん中あたり。
楽しい空間が生まれそうです。

ホームページはこちらになります
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written by sanae inagaki

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柳 弘之さん(木工)

今回、木工は8名(木の装身具の方も含めると9名)いらっしゃいます。
毎年、木工の方々のブースには特にたくさんの方が見にこられますね。
野外、木立の中での木の器や生活具を選ぶ時間、
楽しんでいただいているのかと思います。
今年も個性豊かな新鮮な作家が集まってくださいました。

まずは、都内で fremont という工房名で
制作をされている柳弘之さんからのメッセージをご紹介します。

Q
柳さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
暮らすことと、木の役割について考え、学び製作しています。
器として、道具として、家具として、
実用性のあるものを。

用途を持たないものとして、
形としてそこに在るという事、佇むということ、見つめるということ。
全ては日常のかけらの様なものでありたいと思います。

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柳さんのお仕事は、表面的なかたちというよりは、
作者の内側から立ち上がってきたものをかたちにしたように感じています。

って、抽象的な言い方になってしまうのですが、
奇をてらっていない、キャッチ―な造形ばかりではないものこそ、
長く使うほどに作者の精神性のようなものが現れてくるように思っています。
精神性、なんていうと、これまた難しなってしまいますが、
柳さんの作品の場合、上品なスープのような澄んだもののよう、
と言ったら近いかしら。

Q
柳さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
ものをつくるということは、生きること。
自分と世界との呼応と調和をはかること。

風はやむことはなく世界を循環していて、
自分の中にも工房の中にも、絶えず様々な風が吹いています。

10月までの約半年の間、毎日のように考えていたと思います。
風は何かを運ぶもの。

当日は、静かで穏やかな風が吹いてくれることを願っています。

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柳さんとは、もっと機会を持ってお話しがしたかったです。
きっと風人さんたちもそう思っているのでは。
柳さんご自身が静かで穏やかな方ですが、
滋味深い風を奏でてくださいますね、きっと。

Q
柳さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
普段の活動は柳弘之で活動しています。

工房の名前はFremont (フリーモント)という名前です。
数年前、暮らしについて色々考える様になった時に
アメリカのバークレーという町に行く機会がありました。
そこから少し離れた場所にフリーモントという町がありまして、
訪れたわけではないのですが、名前を気に入って工房の名前にしました。

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柳弘之さんの出展場所は、
ニッケ鎮守の杜のgalleryらふとや、花壇の近く。
su-nao homeさんのお隣です。
お二方でcool and smart、
そして、穏やかなゾーンを作ってくださることと思います。

柳さんのホームページはこちらです。
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written by sanae inagaki

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松本郁美さん(陶芸)

今年の陶芸には絵付けもされる作家が4人います。
それぞれに素材や技法、テーマが違ってユニークなお仕事。
ぜひ、会場で行ったり来たり!してみてくださいね。

では、その絵付けでは先日の長野の竹村聡子さんに続き、
京都で作陶される松本郁美さんからのメッセージをご紹介しましょう。

Q
松本郁美さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
磁器に掻き落とし
(化粧土を陶磁器表面に塗り、
模様だけを残して周りを削る技法)
という技法を用いた器を出品します。

私は古いものが好きで、
特に中国の古陶器の持つ独特の形や、
絵柄に強く影響を受け、陶芸を始めました。

その中で、自然の草花、動物、小紋、
その時々に感じたものをモチーフに、
どこかアンティークだけどあたらしい
今の暮らしに寄り添う、日々の器を出品します。

1つ1つ手描き手彫りで作るため、
デザインは同じでも絵の表情が少しずつ違い、
特別な1つを選んでいただきたい気持ちで作っています。
鉢やお皿、茶器、ティーポット、花器を出品します。

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中国の古陶器の持つ独特の形や絵柄に惹かれたという、
ものづくりへの原点のような感覚、想い。
制作を続け、職業として発表するなうちに、
その原点からはぐれてしまうこともありますね。

松本さんと春の終わりにゆっくりお話しをさせていただいたとき、
やりたいことと、望まれることの溝に迷い込んでいるように感じました。

そんな時は、原点、です!
原点のままにいることはありませんが、
そこから発展、進化成長しているのならよいけれど、
無理に蓋をしてしまったり、見えなくなってしまっていたら、
振り出しに戻ってみたら。
そんなことをお話ししました。

そもそも、望まれることって、
そんなに大事じゃなかったりすることもあります。
まじめなひとほど、望まれることに応えようとしてしまう。
けれど、そこで苦しくなってしまうなら、
望まれなくってもやってみたいことをやってみては。

なーんて、この日も、わははと笑い飛ばしながら
ふたりでお話をしたのでした。

松本さん、来られた時とは打って変わった表情になられて、
まさに憑き物が落ちたよう!に爽やかに。
そして、夏から現在、焼きあがってくる作品も、
まさに爽やかに伸びやか。
松本さんならではの器になっています。
よっかた!
ぜひ、皆様にもご覧いただきたいです。

Q
松本さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
忘れもしない、思いがけぬ時に
春一番が音を立てて通り過ぎたような風。
そこからが始まりでした。

初回ミーティングから時が経ち、稲垣さんとお話をさせていただき、
今は余計なものや不安が削ぎ落とされ、
この風を身体と心で感じ、
しっかり両手を広げて捕まえることができる予感がしています。

心から届けたい器、なりたい自分へ向かわせてくれる
追い風になってくれることと思います。

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もうすでに、松本さんに風は届き、吹きこんできたんですね。
二日間は完成、終わりではなくって、ここからが始まり!
さまざまな感想や結果のひとつひとつが、次への恵みなのだと思います。

Q
松本郁美さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
私は工房名はないため、名前の由来をお話しします。
今まで深く自分の名前について考えたことはありませんでした。
昔漠然と聞いた事がありましたが、実家の母へ改めて連絡をしてみました。

「郁美」
始めは生きる、生命力の「生」という一文字を入れて
「生美」にしたかったようですが、
同時に母がさまざまな文化、日本の文化、ことばの持つ美しさ、
深さを大切にできる人に育って欲しいという願いもあり、
最終的に「郁美」と名付けたそうです。

文化というのは、芸術も含まれると思うのです。
陶芸が芸術と言えるかどうかは分かりませんが、
今こうして陶芸という手しごとを仕事にして生きているという事は、
名前の力もあるのかな、としみじみ考えました。

大学を機に、いつの間にか故郷になってしまった実家。
自分の名前で生きるということは、
大切な家族と離れて暮らしていてもいつも一緒に生きている
ということだと改めて感じることができました。

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かおる、という意味の美しい文字ですね。
今回の質問がきっかけとなって、お母様とこのようなお話をしていただけたのも、
なんだかうれしいことでした。

松本郁美さんの出展ブースは、コルトン広場、スペイン階段前です。
手彫り、手描きのこまやかに手のこんだ器。
ぜひお手に取ってご覧ください。

written by sanae inagaki

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su-nao homeさん(陶芸)

華やかな前川わとさんの器の次は、
シックな渋い器づくりに特化している
su-nao homeさんからのメッセージをご紹介します。
大阪高槻からやってきてくださいます。

Q
su-nao homeさんは「工房からの風」に、
どのような作品をお持ちくださいますか?

A
2015年に個人の手作りの陶器ブランドとして「su-nao home」を立ち上げました。
「普段使い」をコンセプトに、軽く、重なり良く、食材の色の映える、
金属と陶器の中間のような肌感のマットな黒一色の器を展示いたします。

su-nao homeの器が暮らしの中にで毎日使われ、
使い手の暮らしの一部になれると幸いです。

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マットな黒一色という潔さの作品展開をされていますが、
緊張感を求めた黒というよりも、
食卓、暮らしになじむ穏やかな黒い器ですね。
黒だけれど生成り、みたいな印象。
まさに、素直な暮らしの器です。

Q
su-nao homeさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
作家たちがそれぞれ吹く違った風。
強く猛々しい風、季節の匂いを運ぶさわやかな風、
静かに流れる優しく柔らかな風、
感覚を研ぎ澄まさないと気づけないような綺麗な微風・・・

それぞれ別々の場所で吹いていた風が1カ所に集まり、
そして大きな風となる野外展示会が「工房からの風」だと感じています。

su-nao homeが、誰かにとって心地よい風であれるように、と願っています。

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ほんとうにそうですね。
個性がいろいろ。
でも重なり合って響きあう。
2016年の工房からの風のオーケストラが間もなく開演といったところです。

Q
su-nao homeさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
「simple」

余計なものを削げるだけ削ぎ落とした後に残る、
シンプルなものに美しさがあると思います。

以前「simple」を日本語にすると、
「素直」だということを読んだことがあり、
ずっと心に留まっています。

自分自身の考え方、在り方、生き方も
「simple=素直」でありたいと思っています。

ごく個人的なことですが、
2人の子供の名前に「素」と「直」の文字をそれぞれ入れています。

そして「home=家・家庭」。

使い手の方々の食卓で、毎日のお料理の相方のような器として、
日々の暮らしで使ってもらいたいという思いを込めて名付けました。

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素も直も、とても素敵な言葉。
お子さんのお名前、伺ってみたいです。

su-nao homeさんの出展場所はニッケ鎮守の杜の中。
galleryらふとと花壇の近くです。

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text sanae inagaki

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前川わとさん(陶芸)

富山県で白磁に清らかな加飾を施した作品作りを進める
前川わとさんからのメッセージをご紹介します。

Q
前川わとさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
私は石膏型を使った泥漿鋳込みという技法を
発展させた制作方法で主な作品を制作しています。

「工房からの風」には、暮らしの中の器と
ブローチやピアスなどの装身具を持っていきます。

明るい色味が特徴ですが、磁器のサラサラした手触りと軽さを
手にとって感じていただければと思います。

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磁土の眩しい白さに、彫りの文様と
爽やかな色調が独特のハーモニーを奏でています。
作者とお会いした時、ああ、作品にぴったりの方だ、
と思いました。
皆さんもそう思われるのでは。

Q
前川わとさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
工房からの風に参加が決まった頃は
何処か見たことのない遠いところに
連れて行ってくれる強い風をイメージしていました。

今は少し違うような気がします。
追い風ではあるけれど、
ものづくりの過程の中にいて
優しく背中を押していてくれている感じです。

当日、私は風を吹かすことが出来るのか。
それはどのような風なのか
まだわからないけど、ワクワクしています。

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こういう渋い作風も展開されたのですね。

彫りのヴォリューム、色調の濃淡は、バランスいかんで印象が変わります。
少し抑えた余白が感じられるものもどうでしょう、
とお伝えしてみましたが、当日、どんな展開を見せてくださるでしょうか。

Q
前川わとさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
『わと』という名前は本名ですか?
とよく聞かれます。

驚かれるのですが本名なんです。
手塚治虫先生の『三つ目がとおる』という漫画の登場人物に
『わとさん』というヒロインがいて、
そこから取られているそうです。

面倒見が良くしっかりしたそのキャラクターとは
まるで違う性格に育ちましたが・・。

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とても個性的なお名前ですよね。
一度聞いたら忘れないような。
作家名としても素敵ですね。

前川わとさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐ。
広場側から入ってレンガ道の一番手前です。

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山下透さん(陶芸)

染織の方が続きましたので、陶芸の方を。
京都から出展くださる山下透さんです。

Q
山下さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
2種類のシリーズの器を作っています。
シンプルな形に成形して5種類の釉薬を施釉したものと、
昭和の頃の生活食器や、
東欧の国々のプロダクトなどをイメージした装飾をしたもの。
今回の展示に向けて新しく作った装飾の器や、
大きめサイズの皿を見て頂きたいと思っています。

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昭和や東欧の国々!
どこかノスタルジックな雰囲気のある器ですね。
きれいに整った形は使いやすく、
ほっとするようでいて、現代のセンスが響いている器。
揃えたくなりますね。

Q
山下さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
4月のミーティングから始まり、
半年間「工房からの風」当日に向けた準備と制作を続けて来ましたが、
その間ずっと風に吹き揺らされていました。

展示への心配、制作の試行錯誤でのもどかしさという向かい風。
一方、展示当日への期待感や新しい試みでの充実感という追い風。
それは今までにない心地よい緊張感でした。
展示の日、どんな風が何を運んでくるのか楽しみです。

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山下さんて、かわいいものへの感度がよくって、
女子力高い男子!なのです。
なので、お話しも楽しいのですが、
実は頭のスマートな方なんだなぁというのが、
私の山下さんの印象です。

デザイン力のある器とそれを束ねる構成力。
コンセプトをちゃんと立てて、そこに到達する道筋の考え方。
所謂陶芸家というよりは、プロデューサー的だったり、
デザイナー的だったりする力のあるひと。

今生まれてきている山下さんの作品ライン。
「工房からの風」では、きっと様々な方々からの風を受け取って、
それが、今後の制作に豊かな影響を与えていくのではないでしょうか。
今も、そしてこれからも楽しみな山下さんのお仕事です。

Q
山下さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
器の裏に印を押しています。
一見すると四つ葉のかたちに見えますが、その中に「山下」が隠れています。
「山下」
シンプルなかたちの漢字に少しだけあそびがあるのは、
自分の作る器にも似たところがあるかも知れません。

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山下透さんの出展場所は、
ニッケ鎮守の杜に入った桜の木の下に4つ並んだテントのひとつ。
ぜひ、器の裏のかわいい印を見てみてくださいね。

そして、当日本部テントで配布する「風の音」にも、
山下さんからの文章も掲載しています。
こちらもぜひご入手ください。

山下さんのサイトはこちらになります。
写真もとってもきれいです。
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written by sanae inagaki