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2018年10月の記事一覧
「皆様へのお知らせ/工房からの風」New
director's voice
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伊藤慎さん(陶芸)
この夏、滋賀県から兵庫県に移られたばかりの
伊藤慎さんからのメッセージをご紹介します。
Q1
伊藤さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
豆皿・豆花器といった可愛らしい器、
釉薬や土に個性がありつつも普段に取り入れやすい器、
生活空間のちょっとしたアクセントになる陶器を出品します。
豆花器はその時々で即興的に色や形を決め、
小さいながらも一点もの作品という意識で制作しております。
一期一会の豆花器に是非会いに来てください。
選ぶ楽しさに満ちた展開になりそうですね。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
「indigo jam unit」さん「Uyama Hiroto」さんの曲をよく聞きます。
だいぶ平たく言うと、JAZZをベースに様々な音楽要素を混ぜ、
再構成や実験的な新しいことをしながらも、
叙情的な景色が浮かぶような音楽が好きです。
音楽に限らず古今東西温故知新、
色々混ぜたり重ねたりして生まれた型にはまってないものが好きです。
伊藤さんの陶芸も、古今東西温故知新のよさをたずね、
型にはまらず、混ぜたり、重ねたりして表情が豊かなのかもしれません。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
制作中の陶芸を乗せて運んだりする木の板を
「サン板(さんいた)」と呼びますが、
大きな工場を閉鎖された窯元さんから貰いました。
その用途でも使いますが、
年季が入った味わい深い木は展示什器としても重宝してます。
裏面に工場の方が品名を筆文字でカッコよく書こうと
練習した跡や、作業の痕跡など、ひたむきに作っていた魂を
受け継いだ気分に勝手になりながら、大切に使ってます。
使われていたものを譲り受けて生かしていくってなんだか気持ちの確かさがありますね。
今回の展示にも使われているのでしょうか?
伊藤慎さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前
ホームページはこちらになります。
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牛平安代さん(木彫)
京都で木彫を続ける牛平安代さんからのメッセージをご紹介いたします。
Q1
牛平さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
楠や山桑の木を使った木彫りの人形やブローチを出品します。
「工房からの風」への出展を通して出会った方が、
私の作品を見て祈りを感じると教えて下さいました。
その祈りとテーマを頭の片隅において制作しています。
一草一木まで愛を注ぐ母性のような強さと
優しさを感じる作品を是非ご高覧いただきたいと思います。
牛平さんの木彫には、どこかぎゅっと心を掴まれるような懐かしさを感じてしまいます。
それは作る速度(彫る速度)が、
牛平さんの心弾み、心澄む速度と響いているかではないでしょうか。
小さな作品であっても(だからこそ)時間のかかる制作だと思いますが、
作る人の幸せとともにある制作が続くことを願っています。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
幼少の頃に大好きだった「ちょこまかくまさんとのっそりくまさん」という絵本です。
小さなはたらきもののクマと大きくてのんびりしているクマのお話です。
ある日ちょこまかくまさんは、朝からおうちの掃除をしてクッキーを焼いてのっそりくまさんのおうちへ遊びに行きます。
のっそりくまさんはお昼寝をした後にちょこまかくまさんが遊びにくると思ってお茶の準備をします。
そしてお庭にテーブル置いて二人で仲良くお茶をするというお話です。
ちょこまかくまさんは赤い屋根のおしゃれなおうち、のっそりくまさんは藁葺きの素朴なおうちで、
どちらの生活も二人の関係もとても素敵なのです。
私の木彫りの制作で大切にしている事は「暮らしの中で生まれる豊かな心」です。
それはきっとこの1冊の絵本から始まっているのだと思います。
ふふ、ちょこまかくまさんのお話し、
ここでこんなにお伝えするのもなんだか、ふふふって笑ってしまいましたが、
牛平さんの想い、とっても伝わってきますね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
私の思い出に残る草は数珠玉です。
子どもと鴨川へ遊びに行った時、数珠玉を見つけました。
ハト麦のような草の実で子どもの頃に首飾りや腕輪を作って遊んでいました。
あの時感じていた色や艶、青い匂いの記憶が鮮やかによみがえり
私は夢中で数珠玉を摘みました。
私は京都に住んでいますが、子どもの頃は香川県で過ごしました。
田んぼの畦道や用水路、河川敷などでよく遊びました。
河口付近でしたので潮の満ち引きも海から吹く風も光も感じながら、
広い河川敷で背丈ほどある草叢の中を犬と散歩をしたり、
草花を摘んだりして遊んでいました。
今思いかえしてみるとそれはとても大切な時間でした。
先日「工房からの風」のミーティングの前に縄文展に行きました。
そこには縄文土器や土偶と一緒に貝に穴をあけただけの
シンプルな腕輪の装飾品がありました。
私は美しい貝を見つけて喜んでいる縄文人を想像しました。
美しいと感じたり創作したいという想いは
私の数珠玉へと繋がっていたのだと思うと
嬉しくてきらきらとした気持ちになりました。
牛平安代さん、「atelierきりかぶ」と工房名を名付けて活動されています。
(なので、私はつい、「きりかぶちゃん」と呼んでしまうのです・・
皆さまも、テントで「きりかぶちゃん」ってお声をかけてみられては・・・)
弾むような心を持ったまま、手刀を静かに握るきりかぶちゃんの世界。
サイズ自体は小さくとも、その作品の蔵す世界の広さを大切に、
牛平さんならではの制作が続きますように。
牛平安代さんの出展場所は、道路側から参道に入ったところ。
galleryらふとの西側です。
ホームページはこちらになります。
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Honda Silk Works(染織)
Honda Silk Works
本多祐二さん、さくらさん夫妻の染め織り工房です。
3年前、養蚕から行う布づくりをするおふたりが、
「工房からの風」に初出展くださいました。
覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
Q1
Honda Silk Worksさんは「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
絹のショールを出品します。
布の表情と質感にこだわり、糸作りから手掛けています。
糸は繭を茹でて挽いたものと、
綿状にして紡いだものに強く撚りをかけて、
天然染料で染めて織っています。
制作の根っこにある、養蚕での経験と感じた思い、
素材の特性を布に表現できる様に、
繭や糸を沢山いじくりながら、
発見と閃きと悩みを繰り返しつつ製作して来ました。
何年もかかりようやく少しずつ、
これからも作り続けて行きたいと思う形が出来て来ました。
日常使いと言うには存在感がありすぎるかもしれませんが、
とても力強くこの一枚でどこにでも出かけて行きたくなる様な布になりました。
大判のものは、ぐるぐる巻いたり肩からすっぽり身体を包んで服一枚分の代わりにお使い頂けます。
当日は実際に触れて、巻いてみていただけたらと思います。
力づよさと優しさのたっぷりつまった布。
本多さんの想い描く布の姿、鮮やかになって、
こうしてこの場に戻ってきてくださったのですね。
3年前、「工房からの風」出展後に染織の修行のために、
京都に移られたおふたり。
出展後にくださった文章を基にした「凪ぐ浜の宝もの」
あらためて、皆さんにも読んでいただきたく、ここにリンクいたしますね。
→ click
本多さんたちにとって、この場で出会う方々と交わす言葉や想いは、
おふたりの制作の上でのかけがえのない養分なのではないでしょうか。
ぜひ、今のHonda Silk Works の布を手に取って、
その感触を味わっていただき、
感想をお伝えいただきたいと私からも願っています。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
音楽が大好きでよく作業中に聴きます。
織るときは集中したいので、
Glenn Gould の『The Goldberg Variations 』や
Pablo Casalsの『Cello Suites Nos.1-6』等が多いですが、
染めている時は民族音楽等を大音量で流すことが多いです。
染める時と織る時にともにある音楽が違うというのも面白いですね。
でも、なんとなくわかるような・・・。
そして、作られる布にそれが響いているような気もします。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
それは茅葺き屋根です。
茅葺き屋根の家に引っ越しをしました。
いつか(近々!?)葺き替える時の為と、
少しでも自分で修繕出来るようにと、
茅葺きの勉強会に参加してきました。
屋根の上で触れたものは、
木・竹・草 ”そこらへんにあるもの”。
“そこらヘんにあるもの”
が、人の知恵と技術で
想像を絶するものへと変わって行く様を目の当たりにして、
改めて素材と人の手について考えた貴重な体験でした。
おふたりの暮らしのダイナミックさは、
「生きている」ことを十全に楽しみ、味わい尽くしている、
そんな気持ちよさに満ちていますね。
今できることを先送りにしない。
今すべきことをやり尽くす。
“そこらヘんにあるもの”
の尊さを見出す人の生み出す布、
ますます楽しみになってきました。
Honda Silk Worksさんの出展場所は、
galleryらふとの西側の日本庭園調の空間。
3年前と同じ場所で、進化した布に出会ってみてください。
ますますふかぶかと豊かになった笑顔のおふたりに出会えますよ。
director's voice
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小林達也さん(木工)
今展の隠しテーマは草と木。
今回木工作家の方々がすばらしく、
作風もさまざまに、見応えたっぷりな構成なのです。
隠しテーマが「草木」なせいでしょうか?
(いや、応募時にはわかっていなかったので、
そんなはずはないのですが、
天ならぬ、展の思し召し??)
京都からもおふたりの力ある作家が出展くださいます。
小林達也さんからのメッセージをご紹介しましょう。
Q1
小林さんは「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
今回の「工房からの風」には、皿や小型の盆といった木の器類を出品予定です。
その中でも、漆で仕上げた角盆や、
高台付きの角皿は、実際に使用してみて使い勝手も良く、
自分でも欲しかったものが作れたと感じていて、大変気に入っています。
今回は鑿跡の仕上げの違いや、サイズも大小様々な物を制作しましたので、
ご来場の方には、ぜひ手に取って、ご自身の手と、ご自身の暮らしに、
しっくり馴染むものをじっくりと見てお選びいただけたらと思っております。
端正な形に、美しい鑿の跡。
使い心地がよく、使う程の愛着が増す器、暮らしの道具になりそうですね。
目から感じる美しさ、手から伝わる美しさ。
木の器に美を感じる日本独特の感性を幸せに思います。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
東京の土田刃物店の土田昇さんの著書で
「時間と刃物~職人と手道具との対話~」
という書物に深い感銘を受け、手元に置いています。
私自身が、ものを作り出す過程において、
素材である木と、私の手の間に存在しているものこそが無数の手道具達です。
この手道具無くしては制作活動が成り立ちません。
そして、この手道具の数々も、全てが職人の手仕事なのです。
この本には、有名無名の刃物鍛冶をはじめとした手道具の作り手たちや、
名人大工や建具職等の使用者にまつわる話が詰まっています。
私も制作活動における何割かの時間を、
刃物の研ぎや、道具の調整といったメンテナンスに費やしています。
当然、その時間は作品は出来ていかない訳ですが、
研ぎや調整無くしては、仕事になりません。
刃物を研ぐという静かな時間は、
作り手にとって、刃物との対話の時間なのだと思います。
年代物の古道具なども時に仕事に使ってみようかと思い、
刃物を研いでみて、使い物にならず、
結局、舌打ちするようなこともあるのですが、
その静かな時間の中で、研いでいる刃物から
物作りにおける誠実さや情熱ということを
考えさせられる瞬間が確かに存在する。
この本は、そうした、作り手と手道具の関係を
様々なエピソードをもって書いています。
物を作るにあたって、相棒である道具、
又は、なってくれるであろう道具と、
今後も真摯に向き合い続けようと思わせてくれる一冊です。
ブログを通じて作家にメッセージを寄せていただくことの喜びは、
このような文章と出会えるときですね。
作る仕事を支える道具。
その道具も作られたもの、なのですよね。
道具を作る仕事は縁の下の力持ち。
その仕事が報いられるようであってほしいと、
心から思います。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
昔から家にある「鞍掛」です。
鞍掛とは元は乗馬の鞍を掛けていたのですが、
踏み台や腰掛として使用することもあったため、
いつの頃からか、踏み台や腰掛としての使用がメインになったようです。
代々農家だった我が家の物は、
もちろん鞍など掛けたことも無いような風体のものですが、
亡き祖母が昭和の初めに嫁いできた頃からあったと申しておりましたので、
事実なら作られてから、80年以上は経過しています。
おそらく、家の新築を請け負った近隣の大工さんか何かが、
端材の檜でサービスにでも作ったのだろうと思われます。
座の部分は丸太を半分に割ったもので、曲面を下にして、
通しホゾで貧弱な脚が接合されているのですが、
ホゾに全く緩みが見られない隙の無い仕事がされています。
決して、大切にされてきたものではありませんが、
いつも玄関先の広い土間に置かれ、農作業や、餅つきなど、
我が家の日常の暮らしを見守ってきたものです。
今では私がたまに腰をおろし、コーヒー片手に、
本を読みながら子供たちが玄関先で遊ぶ姿を見守っています。
もちろん定位置は玄関先の土間です。
80年以上も前、ふと作られたかもしれない鞍掛が、
時を経て、このように見て、感じてもらっていること。
見る目、感じる心を持ったひとに出会えたこと。
ものの力、ひとのちからを感じさせてくれるストーリーを
お伝えくださってありがとうございます。
小林達也さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
銀座アスターを背中に並んだテントのひとつです。
director's voice
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glass accessory tubu(ガラス装身具)
「工房からの風」には、二回目の出展となる
glass accessory tubuさんからのメッセージをご紹介します。
Q1
glass accessory tubuさんは、
「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
ガラスに、真鍮、銅などの金属を合わせてアクセサリーを作っています。
今回は小さめのブローチを色々と作りましたので楽しんで見ていただきたいです。
tubuさんの特徴は、なんといっても素材のガラスパーツから手作りであること。
もともと宙吹き硝子の荒川尚也さんのガラス工房で修業をしていらしたので、
ガラス作家を目指していたtubuさん。
独立後に、吹き硝子からバーナーでのガラスパーツ作りに制作形態を変えて、
それをアクセサリーに構成する現在の制作を独自に開拓されました。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」の一部、
漆の器のくだりが高校の教科書に載っていて、
「吸い物椀を手に持った時の、掌に受ける汁の重みの感覚と、、」
の一文を読み、どんなだろうとわくわくした気持ちになったのをきっかけに、
暮らしで使うものに興味を持ちはじめ、つくってみたいと思うようになりました。
ものをつくる時、私はガラスや金属といった人工の素材を選ぶのですが、
そのなかでも
「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、、」
と書かれてあったような、素材の翳りや古美を大切につくりたいと思っています。
この画像の作品群は前回にはなかったシリーズ。
愛らしく具象的なモチーフが多かったglass accessory tubuさんのアクセサリーに、
新たな表現が加わりました。
このシリーズには、「陰翳礼讃」の美が宿っているように感じませんか。
他の定番の作品群も前回以上に構成がブラッシュアップされていて、
美しさが高まっているように感じています。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
曽祖父の作った木のトレーです。
今回の写真、花のブローチをこのトレーに並べてみました。
木の仕事を生業にしていたわけではないので数は少ないですが、
林業の盛んな町でしたので、良い木の素材が身近にあって、
お盆やお皿などを好きで作っていました。
私の手元に来たものは、
炒った米糠をシュロの葉で磨きこんだものらしく
(実際の作業を見た事がなく、聞いた話ですが)
50年以上の年月も手伝って、艶のある深い色になってきました。
これからも大切に使い、どんな風になっていくのか楽しみです。
こちらも、なんてすてきなお話しでしょう。
そういえば、木工作家の方に米糠で木の器を磨く話を伺ったことがありましたが、
シュロの葉で磨くのですね!
今度お伝えしてみようと思います。
それにしても、皆さんの木や草のお宝を集めた展示もしてみたいですね!
glass accessory tubuさんの出展場所は、
コルトン広場スペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
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director's voice
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お迎え準備
出展作家の方々からのメッセージ紹介を一呼吸。
今日は台風一過の穏やかな日でしたので、
会場の一部、お庭のニュースを。
いつも庭人さんたちと整えている花壇。
今日は、大野八生さんが終日入って手と心をこめて手入れをしてくださいました。
大野さん、とぉーーてもお忙しく、イラストのお仕事たっぷり抱えられる中、
終日のお庭手入れはどんなに時間のやりくりが大変だったことでしょう。
けれど、そんなことおくびにも出さず、
黙々と植物と信頼の会話を交わすように手を進めてくださいました。
大野さんが入ってくださった後の庭って、ほんとうにぴかぴか輝くんですよね。
本展の前日もはいってくださるので、きっと輝きの庭、
みていただけますよ
庭の補修、保全。この場に合った土を入れて、その上に砂利を載せていきます。
昨年の雨天のことを想い、うんとたっぷり土と砂利を入れてもらいました。
いいかんじですー。
画像上は、Ohamaさん、CHIGUMAさん、佐藤亜紀さんのあたり。
お足元がうんとよくなりましたし、美観もうんとあがりました!
こちらは先日おりひめ神社で執り行われた安全祈願・晴天祈願、千客万来祈願祭です。
宮司さんにお越しいただき、清々しき日に行いました。
コルトンプラザの代表者や警備、保全担当の方、
そして、作家代表で大野七実さん、稲垣が玉串奉奠もさせていただきました。
今のところ、予報はよい感じです。
あと10日。
日々粛々と、作家の方々、そしてご来場者様をお迎えすべく
スタッフ一同心を込めて整えています。
10月13日14日の土日、工房からの風へぜひご来場くださいませ。
director's voice
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R.BROWN Labo(革)
大阪で革バッグや革小物を制作するR.BROWN Laboさんからのメッセージをご紹介します。
Q1
R.BROWN Laboさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
革の豊かな表情を活かしたバッグや財布・小物類を。
素材を活かしたシンプルな作りの中にも、
意匠を凝らしてより良いものができるように、
日々製作しています。
また今回の工房からの風のテーマである
『草と木』をイメージしたカラーで財布などの小物類も出品予定です。
シックでスマートなフォルムが魅力のR.BROWN Laboさんの革バッグと革小物。
『草と木』をイメージしたカラーって、どんなものでしょう。
会場で出会えるのが楽しみです。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
Q2
工房ではJAZZやSOUL MUSIC を聴くことが多いです。
特に70年代に活躍していたアーティストの楽曲をよく聴いています。
昔、音楽活動をしていたのですが、
発想して形に進めていくところなど、
楽曲作りと、ものづくりはとても似ていると感じる時があります。
それが今の自分のものを作るときの、
スタイルにも影響している部分があるのかなと思ったりもします。
R.BROWN Laboさんが楽曲作りなど音楽活動をされていたと伺って、
とっても納得してしまいました。
作品にもどこか心地よいリズムが流れているような気がします。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
Q3
菱ギリという革を手縫いする時に使う道具です。
一般的に売られている市販品では大きく扱いにくかったので、
職人さんに作っていただきました。
自分の手に合わせてサイズを調整してくれているので、
とても手に馴染みます。
道具一つで作るものの出来栄えも変わってくると
感じさせてくれる一品です。
作る人たちが作るための道具。
今回、この質問に、こうして道具を答えてくださった方も多いですね。
道具を作る方たちもいて、ものを作る仕事も成り立っています。
縁の下の力持ちの道具作りの方たちへのリスペクト、忘れずにいたいですね。
R.BROWN Laboさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
銀座アスター側を背中にした4つ並んだテントの中になります。
インスタグラムはこちらになります。
→ click
director's voice
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佐藤亜紀さん(染織)
今年度出展作家のご紹介も東日本からの方々が終了しました。
30名。
ここからは、関西、中国四国、九州、沖縄、スイスからの
出展作家19名の方々からのメッセージをご紹介していきます。
まずは滋賀県の佐藤亜紀さん。
3回目の出展ですが、京都から信楽に工房を移してから初めての出展になります。
Q1
佐藤亜紀さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
草木染めの糸で織り上げたストールを中心に出品します。
素材は、絹糸100%のものや、絹糸に綿糸をくわえたものもあります。
経糸の色に緯糸の色をかさねることで浮かびあがる色。
染めためた濃淡の色や微妙に違う同色系の色がひきそろうことで
うまれる粒子のような色。
手織りならではのこまわりのきく色づかいが楽しく、
おおらかで自由な気持ちで織れるように心がけています。
一枚一枚の布を、ゆっくりと見てさわって、巻いて
あじわってもらえたらうれしいです。
亜紀さんの布の魅力は、絹を中心とした輝きのある素材に、
得も言われぬ繊細で奥行き豊かな色が奏でるふかぶかとした世界です。
布そのものとして美しく、人がまとうことによって生まれる陰影の美しさが格別なことです。
染め織りを続ける年月を重ねるほどに、
じんわりと亜紀さんが目指している布の世界が
ふくふくと立ち上がってきているように感じています。
いえ、目指している、というのはちょっと正確ではないかもしれません。
かすかに、けれど確かに感じる光の方に向かいながら、
染め手、織り手である亜紀さん自身が見えてくるものに
喜びを感じているような布の輝きを感じています。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
最近、制作しながら高木正勝さんの音楽をよく聴きます。
昔話を聴いてるようだったり、異国を旅してるような気持になったり、
おだやかな陽ざしの日にそよいでくる風のようなここちよさを感じたり、
四季折々の自然の情景が浮かぶようだったり。。。
こんなにも奥ゆきがあって表情ゆたかに音って奏でられるんだなぁと
心魅かれていて、インスピレーションや良い刺激ももらっています。
亜紀さんの布ととても響きあう澄んだ音楽ですね。
風にそよぐ布のような。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A1
やはり、「織り機」です。
修行時代に自分の制作用に織り機がほしくて
新品を購入するのは難しく、中古で探していたところ、
ゆずっていただきました。
ゆずってくださった方は、
社会人になって初めてのお給料で購入したものの
30年ほど一度も組み立てず、ねむらせておいたそうです。
部品ごとに、お手製の布の袋に丁寧に入れられ
とても大切に保管されていたのがうかがえました。
使ってもらえるならどうぞどうぞ、ということでご好意でおゆずりいただきました。
今でも年に一度の年賀状で近況などをお便りさせてもらっています。
私が日々、機織りしていることをとても喜んで下さっています。
機には、ここぞという時には
無事に織り上がりますようにと
神頼みみたいにお願いしたりしています。
今まで、数々の山を一緒に越えてきたような仲のように感じます。
これからも大切にします。
織り手の方々の「機」との出会いには、豊かなストーリーがひそんでいますね。
亜紀さんに機を譲られた方も、こうして美しい布々が生まれてくることを、
ほんとうに喜んでいらっしゃると思います。
亜紀さんの織りあげた布も、そしていずれはこの機も、
心ある方々に譲られていく日に恵まれていくのだと思います。
佐藤亜紀さんの出展場所は、おりひめ神社の手前。
椎の高木のほとりで輝きの布がはためくことでしょう。
ホームページはこちらになります。
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小嶋紘平さん・祐希さん(和紙)
今年は手漉き和紙を手掛けるご夫婦の出展があります。
小嶋紘平さんと祐希さん。
新潟県で制作をされています。
Q1
小嶋さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
手漉き和紙を出品します。
私たちは、四季の移ろいや目の前に広がる風景を
それぞれのかたちで表現できたらと、
和紙の原料である楮の栽培から紙漉きを行っています。
紙漉きといっても紙を漉く工程は全体のほんの一部であり、
多くの時間は和紙の原料である楮の栽培や
草木の採取など自然に寄り添った時間から成り立っています。
そんな身近な存在である自然は、さまざまな想像力を与えてくれます。
長い冬の間、眠っていた大地からおぼろげな芽が出てきたかと思うと、
夏の暑さにも負けない青々とした草木を育たせ、
めいめいに咲き誇った花はやがて朽ちていく。
そしてそれは土に還り、その土地の風になっていくことを思うと、
真っ白で厳しくも静かな冬、ほの明るい光のようなものを感じます。
「工房からの風」の舞台である庭で、
さまざまな土地から生まれてくる風とともに、
私たちもその風の一部になれればと思っています。
工藝では、素材から仕上げ完成まで、さまざまな工程がありますが、
素材作りから一貫して手掛けることは、
大変と一言では済まない深い道のりがあります。
けれど、その大変さにこそ意義や喜びもあるのではないでしょうか。
自然と深く交わいながら生み出されてくる小嶋さんの和紙、
ぜひその風合い、存在感を感じていただきたいと思います。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
「ときをためる暮らし/つばた英子・つばたしゅういち」
だんだん美しくなる人生を設計する。
自分たちの手で暮らしを彩るおふたりの聞き語り。
自分たちのものづくりも、
目の前に広がる何気ない日々の生活から生まれてくるものでありたいと
改めて感じさせられた1冊です。
「木のいのち木のこころ〈天・地・人〉/西岡常一、小川三夫、塩野米松」
宮大工として法隆寺や薬師寺の復興に尽力した西岡さんの言葉からは、
職人としてのプライド、育てる人としての信念が感じられ、
背筋がすっと伸びるような気持ちにさせられます。
また自然と人間への敬意がどの言葉からも感じられ、
ハッと気付かされる事の多い1冊です。
だんだん美しくなる人生を設計する。
はっとさせられる言葉。
小嶋さんのものづくりの背骨を教えていただいたような気がします。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
草や木の魅力ってなんだろう。
待ちわびた陽だまり、何がなくとも人々はぞろぞろと外へと向かう。
ふとつめたい鼻先からやわらかな香りを感じる季節。
めぐみの雨が続き、空気にうるおいを与え、日に日に緑が生い茂る季節。
風を感じて景色がはやく動いて鼓動が高まっていく。
空が赤らんできたことを感じるころ、風に運ばれてくる香り。
そして金木犀の花が咲き始めると心が騒がずにはいられない。
そう、実りをむかえる季節。
枯れ葉も舞い落ちやがて深い眠りにつく山々、
澄み渡る空気があたりの景色をよりいっそう凛とさせる季節。
それぞれの季節の散歩道で、
なぜだか理由は分からないけれど惹きつけられる草や木に出会うことがあります。
そんな草木に胸の高鳴りを感じながら、嬉々とし戯れ帰る。
また日々の生活のなかでふとそれを目にしたとき、
おまもりのような存在になっていたり。
呼吸をともにする草や木に、
理屈ではなく安心感を覚えるのかもしれません。
小嶋さんの作品を心地よく見て、触れていただけるように、
「手仕事の庭」の花壇に面したブースで小嶋さんに展示をお願いしています。
「手仕事の庭」にも、楮とトロロアオイが育っています。
素材と生み出されたものが、同じ空間にあるのはとってもうれしいこと。
皆さんとその空間をご一緒できることが工房からの風の喜びでもあります!
小嶋紘平さん・祐希さんのお仕事のHPはこちらになります。
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foot of the mountain(木工)
北陸、富山県で木工をされる中西健太さん。
foot of the mountainという名前で作品を発表しています。
Q1
foot of the mountainさんは、
「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
A1
色々な形の取っ手が付いた、木の食器をメインに出品する予定です。
私の製作活動は取っ手付きのボウル作りからスタートしました。
趣味の登山の時に鞄に掛けられるものが欲しい、と思ったのがきっかけです。
生活の中でも吊るしたり重ねたりと役に立つことが分かり、
形・大きさ・樹種・仕上げなど様々に、楽しみながら製作を続けています。
その他、ボウル作りから派生した作品をはじめ、
色々と出品したいと思いますので、
お好みのものを探していただけたら嬉しいです。
登山に役立つ道具がものづくりの発想の起点というのが、
とてもユニークですね。
そこから、ぐんぐん発展していくことも。
あらためて見てみると、取っ手って面白くって広がりがありますね。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
音楽が好きで製作中にもよく聴いています。
ジャンル問わず気分に合わせて聴きますが、
学生時代にギターを弾いていた影響か、
ギターの入った音楽を流すことが多い気がします。
特にガットギター(ナイロン弦のギター)の音色が好きで、
Joao GilbertoやBaden Powellなどのアーティストがお気に入りです。
ギターの音からは木の響きを感じるので、やっぱり木が好きなのだと思います。
木を用いた楽器はとても多いですね。
foot of the mountainさんも、
いつか音とゆかりのあるものを制作されるかもしれませんね。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
展示台として使っている、桐の丸太。
初めてクラフトフェアに出展した時に用意したものです。
磨きながら使い続けていたら、良い風合いになってきました。
普段は製作時の椅子として使われています。
桐は軽いので大きさの割に持ち運びやすく、
今では製作・出展ともに欠かせない相棒になっています。
「工房からの風」にも持って行く予定でいますので、
作品と一緒にご覧いただければと思います。
桐の丸太!ぜひ見てみたいです。
foot of the mountainさんの出展場所は、
ニッケ鎮守の杜、手仕事の庭の近く。
トキニワカフェ席も近いので、ぜひお立ち寄りください。
foot of the mountainさんのホームページはこちらになります。
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