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2019年10月の記事一覧
「皆様へのお知らせ/工房からの風」New
director's voice
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TALLER URARAKA 染 スペイン
Q1
スペイン在住で、TALLER URARAKA として創作活動をされる片岡陽子さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品なさいますか?
A1
スペイン北部で紅型 ステンシル 草木染の技法を使い日常使いの布小物を作っています。
カバンやポーチの様に持ち歩くもの、クッションカバーやコースターの様に家で使うものの両方を出展します。
地中海から吹くユルイ風、素朴なカタチと天然顔料 植物染料の優しい色合をこの機会に感じていただけたら幸いです。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、
空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
大切な道具
左から夫ルイス作、樫の木のスリ棒(豆汁作り用)、
いくつかある中で一番愛用してる英国製の刀(型彫用)、
昨春沖縄の恩師から頂いたルクジュー(島豆腐を乾燥させた型彫台)、
蚤の市で買った古いブラシ(型洗い用)。
写真にはないですが義母から譲り受けた1960 年代製足踏みミシンも、
長くつきあいたい大切な道具の一つです。
Q3
TALLER URARAKAさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
街を離れて、森のそばで布染めて、畑耕して…という暮らしになって10 年。
時々再読する宮沢賢治さんの作品集が、より深いところで共感でき励まされます。
自然と語らい共生しつつ暮らしの中で四季折々の詩を紡ぐことと、
それを作品を通して色んな方達とシェアしたいという想いが、制作の火種となっています。
「工房からの風」では、出展作家が決定した後、全体ミーティングを2回行います。
今年も北海道から沖縄まで、はるばるさまざまな地に工房を構える作家が毎回9割以上、
ここニッケ鎮守の杜に集います。
片岡さんはスペイン在住のためこのミーティングには参加が叶いませんでしたが、
毎回メールでやりとりしたり、一度は電話でもお話しができました。
電話でお話ししたい、とのご希望でしたので、何かご質問などメールでやりとりできないことでもあるのかしら?
と思いながら、時差を考えての電話でしたが、ふふ、所謂「用件」はなかったような気がします。
なにか「用件」「質問」に応えなければ!と思ってしまったオカタイ私の頭を
ゆるやかに解いてくれるような、ほんわかとしたごあいさつの会話。
海外との電話に慣れないこちらの緊張感が拍子抜けするようなお声は、
陽子さんというお名前がぴったりのあたたかさでした。
TALLERとは、工房のことなんですね。
工房うららか。
まさに、そのままのお人柄を想像しながら、東京のご実家から沖縄を経て、
スペインで制作を続けてこられたひとに思い巡らせました。
たぶん、今頃は緊張できゅうきゅうとなっている出展作家の方々。
その緊張感も得難いものですけれど、気持ちが一色になってしまうのもつまらないですよね。
ゆるやかな空気が流れていそうな片岡さんのブース。(あ、想像ですけれど!)
スペインの森のほとりで宮澤賢治を愛読する人の作るもの、作り続ける気持ちが、
「工房からの風」をわたる一筋になってくれることが、どんなに豊かなことかと思います。
TALLER URARAKAさんの出展場所は、おりひめ神社の後方。
ホームページはこちらになります。→ click
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手塚えりかさん ガラス 東京
Q1
手塚えりかさん、「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?
A1
硝子の器や装身具を出品致します。
主にパート・ド・ヴェール、またはキルンキャストと呼ばれる、硝子の鋳造技法で制作しています。
粘土で作った原型から石膏で鋳型を作り、ガラスの粒や粉を詰めて鋳造するというやり方です。
「生活の道具」という枠を超えて、誰かの感受性に触れられるような、そんな作品を作りたいと思っています。
Q2
手塚さんご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
「窓からの眺め」を選びました。
私の工房は、実家の一室を間借りしています。
かつて祖父の台所兼ダイニングだったところで、祖父が亡くなった後は、母が洋裁のアトリエにし、
その後、病気になった母の寝室としても使っていた場所です。
そういった家族の歴史や思い出が至る所に沁みついた、古いけれど愛着のある小さな部屋で、所狭しと機材や道具を置いて制作しています。
物に溢れて圧迫感があるので、一番多く居る作業台は、解放感を得るために、常に庭が見えるように、窓に向けて設置しています。
のびのびと育った庭の緑や、差し込む光は、清々しい生命力で溢れていて、緊張感のある作業の合間に、すっと透き通るような、ほっと暖かくなるような、そんな気持ちにしてくれます。
Q3
手塚さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
初めてガラスで何か物を作ったのは、大学一年の時です。
母校である女子美術大学付属高校から同大学への進学の際、ガラスコースのある工芸科を選びました。
その頃は、恥ずかしながら、将来のプランなど皆無で、
「ただ綺麗だから。楽しそうだから」という理由でガラスを選びました。
そんな風に、若さ故に、何のしがらみも知識もなく、感性と直感だけで選んだことが、実は良かったのかもしれません。
家族から「熱しやすく冷めやすい」と言われる私の性格ですが、ガラスという種火だけは、長く灯り続けています。
ガラスに携わって早17年。
これからも、灯し続けていきた いです。
手塚えりかさんと初めてミーティングをしたのは1月のこと。
作品と作家の表情がとてもシンクロしていて、愛らしく華やかな作家との出会いでした。
それでも手塚さん自身は、ここからの展開をどのようにすべきかと、
開けるべき扉の前にかかる雲を伺いながら、立ちすくんでいるような印象でした。
可愛らしい装身具のほかに、器にも展開を進めたい気持ちを感じ取って、そのことについてお話を深めました。
その後、硝子作家の繁忙期でもある夏の展覧会シーズンを走りながら、器の制作も深められたことと思います。
ちょうど今日、自由学園明日館での催事で、その片鱗を手に取ることが出来ました。
初日で居合わせた硝子作家の津田清和さんが、手塚さんの作品をたいそう褒めていたのが印象的でした。
津田さん、超正直で、直球なので!
パート・ド・ヴェールの硝子も大好きでよく見るという津田さんが、器の裏の仕上げの美しさまでほとほと感心していました。
手塚さん、よかったですね。きっと励まされたことと思います。
と同時に、もっと自分を信じて、器のシリーズを深めたらよいね、とこれは私もまったく同意見でお話ししました。
自分を信じる。
制作において、この肝の座り方は大事ですね。
もちろん、座っていればすべてよし、という単純なことではありませんけれど。
軌道修正はいつでもできます。
でも、やると決めたら一度とことんやってみるのもひとつなのだと思います。
手塚えりかさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、広場側のゲートから入ってすぐ右手。
秋の光をまとって、愛らしい色合いの硝子が輝いていることと思います。
ホームページはこちらです。→ click
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鈴木有紀子さん ろうそく 静岡
Q1
鈴木有紀子さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
物語の一場面を切り取ったような風景や植物の姿を、
炎と呼応させて愉しむ「透ける灯り」と、
今展では、「静かに色を重ねる…」という灯りを並べて灯します。
はっきりと目に見えるものだったり、纏う空気の中にある不確かなものだったり、
「時」の中にある色を「重ねる」という単純な行為を、
心のままに手を動かし仕立ててゆく灯りです。
「透ける~」とは対照的な作り方ですが、
火を灯すという所作を、灯りのある時間を、
普段の生活の中に…灯して育てる灯りです。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
工房内、メインの作業台。
訪れた方は『実験室のようだ』と仰います。
金型、金属トレー、香料瓶、スポイト、温度計、量り、ピンセット…理科室のよう。
算数・理科の類いは大の苦手だったけれど、理科室にある道具は好きでした。
ここでは、日々健やかな灯りを制作し、知らないことを知るために試作が続きます。
Q3
鈴木有紀子さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
澄んだ水の中を覗き込むように、それは何だろう? と自問してみると、
浮かんでみえたもの(種火の大元)は、
『どきどき・わくわくする気持ち』だと思いました。
ものづくりに初めて大きくわくわくしたのは小学4年の頃。
私が生まれる前に祖父の作った大型犬の犬小屋を、
当時拾って出逢った子犬の為に、
ベニヤ板やビニル袋(笑)で真冬の風を凌ぐリフォームを一人でしたこと。
それはもう愉しかった。
大人になって、本格的にものづくりを始めるきっかけは、
失敗したろうそくの原因を知りたいと思って、
そのまま知らないことを知ることにどきどき・わくわくする気持ちが大きかったから。
今は、その先にものを通していろんな方の時間が続いてゆく。
やはり静かにどきどき・わくわくとしています。
ほかの誰もが制作していない有紀子さんならではのろうそくの世界。
派手な意匠ではなく、品のある個性的なろうそくの世界が、
ここ数年で構築されてきたように思います。
独学で培った制作方法から、時を味わうかのような光を生み出すろうそく。
今年のテーマは火。
なんとしても、美しい有紀子さんのろうそくを、
あらためて今展で皆さんにご紹介したかったのでした。
「工房からの風」で出会う工藝や手仕事がお好きな方々には、きっと響くと思います。
テーマテントとして、おりひめ神社奥には「五行テント」が建ちます。
大野七実さん、岡林厚志さん、吉田慎司さんが担当くださったのですが、
富士山のふもとの有紀子さんの工房を3人で訪ね、
そのレポートをテントで展開くださいます。
こちらもぜひご覧くださいね。
鈴木有紀子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜のgalleryらふとの正面奥。
おりひめ神社の近くでもあります。
そうそう、「五行テント」にも近いです。
他にも、トキニワカフェ周りのお庭に出現するかも!です。
有紀子さんのインスタグラムはこちらになります。
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坂本美奈子さん 装身具 大阪
Q1
坂本美奈子さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
別珍、サテン、キュプラの布生地を染め、針金などを使用して立体的に仕上げた
ブローチ、ピアス、イヤリングを用意していきます。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。そして、その説明をお願いします。
A2
洋服を吊っている場所です。
撮影もほぼこの場所です。
私自身、洋服が好きで、でも何着も持つことが出来ないので、
どうにかブローチを身に着けることで、
何着も持っているように見せたいと思っています。
ここにあるシンプルな洋服の上で、
想像を膨らませたり、ブローチを2つ並べてみたり、
身に着ける場所や角度を変えてみたりと、
自分自身に提案しながら、引きで見たり、写真を撮ったりして楽しく悩んでいます。
Q3
坂本美奈子さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
いくつかある種火の1つですが、11年ほど前、地元で初開催されたクラフト展「灯しびとの集い」に行ったときの、金工作家の小原聖子さんの作品との出会いです。
その当時の私は、クラフト展というものに馴染みがなく、
たまたまバイト先でこんなイベントが開催されるらしいよーと前日聞かされ、
暇だったからいってみようという具合でした。
行ってみて…
自分の思っていたクラフトというものとの違いに驚き、大きく感動しました。
中でも小原さんのブースの世界観に大きく惹かれました。
その当時、アクセサリーには全く興味がなかったのですが、
その世界観、自分の佇まいのなかで作りたい…みたいな感じのことを思ったのでした。
(でも、当日、買えなかったのですが…。)
そんなことがきっかけのひとつで、アクセサリーが好きになり、
自分なりのものはつくれないかなと思ったり、
少し恥ずかしいけど人に提案できたらいいな、
など図々しくも思い、今に至っています。
小原さんに対する大きな憧れ、秘かな想いはもちろん告白できてはおりません。
小原さん、読んでますか~!?
小原聖子さんも「工房からの風」に出展くださり、その後企画運営にも加わっていただきました。
今も果敢に伸びやかに制作されていますね。
ひとりの作家の世界観から、このような作り手を生み出すとは。
作品を生み出すだけではなく、ひとりの生き方まで生み出してしまったのですね。
坂本さんはとても明快なひとという印象があります。
もちろん揺らぐ気持ちは制作の養分でもあると思いますが、
それらを含めて、信じた道を明るくぐんぐん進む人。
作品にその明快さが素敵なセンスに響いてかたちになっているように思います。
ありそうでほかにない、オリジナリティー豊かな作品群。
自分の「好き」を信じて、愛して、貫く素敵さは、きっとブースに満たされていますね。
坂本美奈子さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
アトリエカンタさんの隣です。
あ、おふたりとも、大阪からですね。
大阪の言葉が闊達に行き交う界隈になりそう!!
そして、ホームページはこちらになります。
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二井内覚(さとる)さん 陶芸 佐賀
Q1
二井内さんは「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?
A1
陶器で黒や青色のマット(不透明)な表面の雰囲気のうつわを出品します。
碗やお茶用のポット、花器なども展示できたらと考えています。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
制作する時間の大半を、写真のロクロの前で過ごしています。
ロクロで成型する時は、朝に制作を開始して、午後に仕上げ(削りなど)を行います。
時間帯によって光の具合や気温が変わり、作業をしながら時間の変化を感じられるのが好きなところです。
Q3
ものづくりの種火ともいえる、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
佐賀で陶磁器について学びました。
そこで知り合った同世代の人や先輩と話をしたり、作品を見せてもらうことがものをつくる上での刺激(種火)になります。
他の作り手の人と話したり作品をみる中で、作品に向かう動機が趣味・好みと作品の関係性などが見えたりすると、その理由を考えたりして自分の作る上でのヒントをもらうことがあります。
佐賀県有田からはるばるやってきてくださる二井内覚さん。
すでに愛用されている方も多いと思いますが、買い足される方、新たに出会う方と、初めての「工房からの風」で豊かな出会いを重ねてほしいと願っています。
二井内さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
手仕事の庭の中央部です。
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石毛みほさん 竹 栃木
Q1
石毛みほさんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
真竹を使って作っているかごを出品します。
栃木県大田原市へ移住し、2016年から竹工芸を習っています。
大田原には竹工芸の先生がたくさんいらっしゃり、教室を掛け持ちして習いました。
竹林で竹を伐ってくるところから始まり、油抜き、天日干し、竹割り、幅決め、厚さ決め、面取り、と編み始めるまでがとても長いです。
すべて手作業で作っています。
作品を見ていただけるだけでも幸せだなぁと思いながら作業しています。
竹っていいなぁと感じていただけたら嬉しいです。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
印象的な道具は、竹割り用のナタです。
竹工芸を習い始めようと思って最初に買った道具です。
始める前は、自然にまっすぐ割れるものだとイメージしていたのですが、大間違い。
均等に力がかかっていないと偏っていきます。
「竹割り三年」という言葉があり、毎日割っても思い通りに割れるようになるのに三年かかると言われています。
私は四年目ですが、毎日割ってきたわけではないのでまだまだ思い通りには割れません。
Q3
石毛みほさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
伝統工芸の後継者が不足しているとよく聞くので、自分が何か継承したいと思ったのがきっかけです。
伝統工芸展を見て、中でも竹工芸をやってみたいと思いました。
竹でこんなにもいろいろな表現ができるんだなぁといつも驚かされます。
技を身に付けるのにはまだまだ時間がかかります。
焦らず諦めず楽しみながら、美しいものを作ることを目標に精進します。
全体ミーティング、懇親会、個人面談まで、こんなにしていただいていいのか?とびっくりするほど万全の体制で迎えてくださっています。
応募条件に「プロもしくは明確にプロを目指している人」という項目があるので、素晴らしい作家さんばかり。
石毛さん、インスタでこのように書いてくださっていました。
ありがとう!!ございます。
出展楽しみすぎるーーとのことですが、私も楽しみすぎですよー。
ええ、石毛さん、くすっとユーモアたっぷりな方。
生み出す作品は、ザ・真面目!ですが、楽しい会話、皆様お楽しみくださいませ~。
今回、風人さんで竹細工で㔟司恵美さんが加わってくださっています。
恵美さんは、石毛さんと遠からず場所で竹のドーム作りの公開もしています。
その作風は異なりますが、竹細工の世界、豊かに知っていただけるような気がします。
石毛みほさんの出展場所は、稲荷社の脇。
インスタグラムはこちらになります。
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宮内知子さん 木工 京都
Q1
宮内知子さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
参加は2回目になります。
初めての出展から5年。
それまでに作り続けてきた漆で描いた器類、ブローチ、これから力を入れたいと思っている合わせ木の器を出品いたします。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。そして、その説明をお願いします。
A2
家から10歩ほどのところに工房があり、そこから望む山々を、日々、朝に何気なく眺めます。
青空だったり、雲がかかってたり、霞がかかってたり。その景色は見飽きることがありません。
Q3
宮内さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
美大を卒業後、京都で就職し、ものをつくることからしばらく離れていたのですが、
次第に自分の根っこのようなものを失うような不安を感じて、
とりあえず闇雲に木っ端から器を彫り出したのが自分の木工のはじまりでした。
そのころは自分の思いの火種がきちんと燃え出す在処みたいなものを必死に探していたような気がします。
それから22年経ち、あれは小さな種火かもしれないけれど、あのとき確かに見つけられたのだと感じます。
もう5年も前になるんですね。
とびっきりの笑顔で、会場を後にしたこと。深く心に刻まれています。
その時に舵を切って作り始めた作品群を柱にして、
この5年、たくさんの制作と発表を重ねて活躍してきた宮内さん。
定番となったそれらの精度は増して、今回は高まった技術をもとにした新作も自在に発表くださるもよう。
平面(絵)だけではなく立体(彫刻)の意匠の個性が際立ったものになるのかしら??
さあ、どんな新作なのでしょう!
ほんとうに楽しみですね。
宮内知子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galeryらふとの正面当たり。
あえて、前回と同じ場所をご提案しました。
ホームページはこちらになります。
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岡野達也さん 木工 東京
Q1
岡野達也さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
ソーイングボックス、収納箱などの箱物と木の器。この2つの作品を中心に展示します。
木の器はいつもの自分の作品と違った雰囲気のものに挑戦しましたのでこの機会に是非見て頂けたらと思います。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
写真はシェービングホース(削り馬)。
独立前に自分が制作したものを手作り市に参加して、手に取って貰うことができるのか試したく、
まずはスプーンから始めようと思い、ネットで調べていたらこういう道具があることを知り、自作。
削るものをただ抑えるだけの道具です。
今スプーンは閉店しているので出番はなくなりましたが、独立する前に色んな思いを持って制作した思い入れのある道具です。
Q3
岡野さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
自分が納得したいから。
それがものづくりの世界にあると思ったんですよね。
何に納得かは説明出来ないのですが、それが原動力?種火?になって探しながら続けていければと思っています。
二回目の出展となる岡野達也さん。
じっくりと作品群を育むスタイルの中で、新鮮な作品が豊かに生まれてきたようです。
ボックスのラインと、器のライン。
デザイン、作りともに丁寧に手掛けられた木の作品、楽しみです。
岡野さんは昨年、風人(かぜびと)さんとして、企画運営を手伝ってくださいました。
困った場面には、いつも岡野さんが静かに笑顔で立っていて、
出展作家の方々やほかの風人さん、私たちスタッフがどれだけ助けられたことでしょう。
今年は出展されているので、その面ではちょっと心細く!?もありますが、
本来のお仕事を十全にやり尽くして、出展作家としてこの場に立ってくださることをありがたく思います。
岡野達也さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、銀座アスターを背中にした4つのテントの中。
金属の北直人さんのお隣です。
ホームページはこちらになります。
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白井隆仁さん 陶芸 滋賀
Q1
白井隆仁さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
花ブローチや指輪、ピアスなど、白を基調にしたアクセサリー。
箸置きや小さなオブジェを出品します。
ブローチは一枚一枚花びらを重ね合わせて作っており、また箸置きやオブジェは自然の草花や、
その時々に感じたものたちをモチーフにしたものです。
華飾的に人を飾り立てるのではなく、優しく人に寄り添う存在、また身に付ける人に、控えめながらも
華のある存在であればという思いで日々制作をしております。
今回は、素材や質感にこだわったアンティークのような風合いのブローチや陶小物も出品したいと思っています。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
奈良から近江に抜ける里山、信楽の町のいっかくで、もともとは診療所だったところを仕事場として日々制作活動をしています。
慌ただしい仕事もありますが、普段はゆっくりと丁寧なものづくりを心けています。
特に大切にしているものは仕事場、手回しロクロ、作業をするための道具たちです。
毎日の生活の中でふれる、モノ、は仕事の道具もその一つであり、ずっと愛着をもって長く使い続けてきたものたちです。
ところどことにさびが残っていたり、削れて傷ができたり、、と。
使い込まれた道具たちですが、それはいつも暮らしに少しずつ幸せをもたらし
豊かさも紡いでくれるような、そんな存在でもあるような気がします。
Q3
白井隆仁さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
私は古く時間を経てできたもの、朽ちてゆく姿や過程に心惹かれます。
小さい頃から、道端に落ちているさびた釘やネジを拾って集めたりしておりました。
何気ないものなのに、そこにはとても存在感があり、大きなエネルギーが宿っているような気がしました。
朽ちてゆく過程にもその一つ一つに物語がある、、
飾らないものにも美しさあり、自然体でありながらも存在感があるものたち、
そんな作品を生み出せるような仕事がしたいと思うようになったのがきっかけです。
自分がいいと思うものを見つけたとき運命的な出会いを感じることがあります
自分が描いて想像し制作したものたちが出会えてよかったと思えるような、そして使う人の心を動かすような、そんな存在でありたいとも願っております。
身につけている人の内にある魅力を引き出し、輝かせる存在。
これからイベントに足を運んでくださる方との、新鮮な出会いを通して、
私が見つけ、感じた作品の物語の断片が、皆さんの元で新たな物語を紡いでゆくことを願っております。
白く繊細な磁器のブローチ。
この作者の名前が白井隆仁さんということに、何度も書類を見直してしまいました。
その後、ミーティングに出席くださって、お話しをし、工房のある信楽でもお会いしました。
こまやかな美しさを湛えたブローチ。
思わずひとつを求めさせていただき、帽子につけてみたり、服につけてみたり。
最初は破損が怖かったのですが、とても丈夫で(壊れないということではないでしょうが)、
見た印象よりずっとしっかりとした装身具でした。
白井さんは設計のお仕事を経て、陶芸の道に進まれたとのこと。
自由な発想からのものづくりで、このような作品が生まれたのだと思います。
制作発表を始めたのは近年からのことですので、これからの展開もとても楽しみですね。
ぜひ、しなやかな発想で、新鮮な作品を生み出してほしいと思います。
白井隆仁さんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
インスタグラムはこちらになります。
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三温窯 陶芸 秋田
Q1
三温窯の佐藤幸穂さんに伺います。
秋田から、工房からの風にはどのような作品をお持ちくださいますか?
A1
生活の中で使う器を中心に出品します。
ロクロで制作した皿、鉢、茶器を主体に他には型を用いて作る型皿です。
近辺で採れる稲藁やいろいろな木をストーブや窯で焚き、
それぞれの灰を精製し釉薬の原料とします。
それを調合し植物ごとの色合いを活かした釉薬作りをしています。
デリケートですが自然な風合いが生まれるよう、主に登窯で焼き上げます。
使いやすい器とは、盛り付けて料理と器が引き立て合うものと私は考えています。
会場では手に取って、料理を盛り付けることを想像しながらご覧いただきたく思います。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
私にとって大切な道具はコテ(手に持ち形を作る道具)です。
もちろん窯も轆轤も大切で不可欠な道具、
どの道具が欠けても作り上げることが出来ませんが私はコテです。
理由は素材と指先を繋いでくれる道具は特に大切と感じています。
指先で粘土に触れ成形しますが、
指先や手が届かない部分を挽く際や面を決める際には指先の代わりとなり形を作ります。
コテは桜などキメの細かい木を用い切出しなどの刃物で作りますが、
作り立てより少し使い込んだほうが馴染んで使いやすい気がします。
同じ形のコテを作っても前から使っているコテの方がなぜがしっくりくるのです。
ロクロの脇に置いてあり、作りたい形に添ったコテを選び使います。
Q3
三温窯、佐藤さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
ものづくりのきっかけはよくある幼いころから好きだったということです。
家業が陶器の制作をしていますのでかなり影響があったように感じます。
私にとっての制作の火種は人との出会いと会話だと思います。
自分の制作したものについての感想や、人それぞれの使い方を聞く機会がとてもエネルギーになります。
もっとこうしたら?こうなったら?こうすれば・・・と
提案~制作といったリメイクの繰り返しです。
ロクロでの制作は真上から見ると一つの軸から広がる円形状のものですが、
見込み(底)腰、縁とそれぞれどんなラインを選ぶかで形も印象も変わって見えてきます。
選択次第で何通りもの形になりますが、
この繰り返しの連続により自分の形が出来てくると思っています。
生活で使うものを制作する人間として出会いと会話は大切に感じています。
佐藤さんは一次募集で選考を通過されたので、早々にお会いできました。
ホームページを拝見すると、お父様が築かれた、まさに民藝の窯で、
首都圏から離れている分、純粋に築窯された当時の想いが揺らぐことなく続いていることを知って、奇跡のように感じました。
幸穂さんは、そのお父様の想いをご自身の想いに重ねて、
健やかに跡を継ごうとされている様子。
広やかに知ってほしい想いと、それが佳き人ばかりであることを願いました。
現代の流通に飲み込まれずに、立ち上げられた当時の想いの灯が気持ちよく継いでいかれるような。
お会いした日、幸穂さんが見せてくださった器の写真。
料理が盛られたその写真がなんともおいしそうでした。
所謂、インスタのバエル画像というよりも、
日本の当たり前の健やかな食卓のままの写真。
聞けば、お母さまの手になる日々の手料理と。
三温窯の器がもっともふさわしい料理でした。
三温窯の出展場所は、ニッケ鎮守の杜、
銀座アスターを背中に連なった4つのテントひとつです。
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