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2019年10月の記事一覧
「皆様へのお知らせ/工房からの風」New
director's voice
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山口未来さん ガラス 東京
Q1
山口未来さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
吹きガラス、江戸切子、バーナーワークの技法を組み合わせた器やアクセサリー作品を出品します。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
製作工程の中でも特に江戸切子の道具を大切にしています。
ひとつひとつの道具に癖や個体差があり、使い続けることで少しずつ自分に馴染んできました。
写真にあるのは木盤といって桐材の旋盤で仕上げの磨きをする道具です。
はじめてこの道具を手に入れた時、師匠が名前を彫ってくれたのが思い出に残っています。
そしてそれは「これ(ガラス)をやっていくんだ」という覚悟が実感できた時でもあります。
Q3
山口さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
私にとってものづくりの種火と言えるのは「好き嫌い」なような気がします。
ガラスを始めた頃まずやったことは、自分が何を「好き」で何を「嫌い」なのかを知ることでした。
フランスで学生をしていましたが、その頃かなり挫折し自信を失っていたので
もはや何がよくて何が悪いのかも自分では判断できなかったのです。
そんな私ができたのは「好き嫌い」をジャッジし積み重ねる事だけでした。
そのためにあらゆる本や雑誌、街なかのあらゆるもの、美術館や博物館で物を見ては「好き」と「嫌い」に分けました。
理由や整合性は一切なくただの「好き嫌い」です。
そうするうち「好き」の輪郭が少し見えてきて、それを作ろうという方向が生まれました。
自分でも意識していなかった「好き」なものが、いつしか作りたいものになり、見てもらいたいものになりました。
そうしてそれがここまで私を連れてきたように思います。
それでも今もなお「好き嫌い」は難しい。
「好き」だと思っていたはずがそれほどでもなくなっていたり。
「嫌だ」と思っていたこともせざる負えなかったり。
「好きでも嫌いでもない」ものが多過ぎるような気がしたり。
時間は流れ、環境も変わる。自分も変わるからいつも揺らいでいるような心許ない気分にもなる。
ただそれでもいつも「好き」と「嫌い」はジャッジし続けていこうと思っています。
それだけは自分のやっていることの理由になってくれると信じています。
山口未来さんが、港区で吹き硝子をされていると伺って驚きました。
どこか半信半疑(すみません!)でお訪ねすると、全日空ホテルの程近くにガラスの窯が!
聞けばさまざまなご縁が巡ってこの地で窯を開くことができたと。
山口さんのガラスとの出会いはフランス。
文学を学びに行ったフランスでガラスの修行へと転向し、
フランスの吹きガラス職人養成学校で国家資格を取得されました。
ドイツなどでも研修をされたのちに帰国して、
今度は江戸切子の技法を学ばれた山口さん。
その作品は和の技法を用いながらもどこかよい意味で無国籍な伸びやかさがありました。
長くお教室でレッスンのお仕事もされていましたが、
作家活動へと軸を動かされたタイミングで「工房からの風」に出展くださいました。
キャリアが長い方ながら、作品の制作発表はこれから広がっていくというタイミングですので、
伸び代をうんとお持ちだと私は思っています。
山口未来さんの出展場所はコルトン広場、スペイン階段前。
本八幡方面からいらして、すぐのところです。
インスタグラムはこちらになります。
→ click
director's voice
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菊知真由美さん 陶芸 埼玉
Q1
菊知真由美さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
和紙染めという技法で装飾したうつわを出品します。
普段使いのうつわが主ですが、コンポートやピッチャーなど、生活に変化をもたらしてくれるようなテーブルウェアもご覧いただく予定です。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
和紙染めとは、好きな形に切った和紙をうつわに貼り付け、顔料を染み込ませるという伝統的な技法です。
ですが、私は和紙は使わず、キッチンペーパーを使っています。
リーズナブルだし、細かい形も切りやすいし、顔料もきれいに染み込みます。
Q3
菊知さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
両親です。
幼い頃から私の遊びは絵を描くか、物を作るかのどちらかでした。
外に遊びにも行かず家にこもりがちな私を 、父も母も呆れながらも認めてくらていたように思います。
物作りの道を選んだ私を、ためらうことなく送り出してくれました。
和紙染めをキッチンペーパーで。
考えてみたら、この技法が生まれた時には、紙は「和紙」だったんですよね。
身近な素材で新たな技法を生み出したことを思うと、
菊知さんが身近な紙を使って制作するというのは、しなやかな発想だなぁと思いました。
作品も、しなやかで軽快なリズムが流れているよう。
菊知真由美さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
お隣はガラスの山口未来さんです。