2024年 工房からの風

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庭に集う

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今年度の「工房からの風」(10月28日(土)29日(日)開催)へ応募いただくための要項を公開しております。
→ click

3月15日から31日必着です。
郵便配達が以前よりも遅くなっていますので、お早目のご準備をおすすめいたします。
また、出展が適していると思われる作り手の方をご存知でしたら、ぜひ情報をご案内くださいませ。
豊かな第21回「工房からの風」を皆さんと創りあげたいと希っております!

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3月に入って庭の手入れの日。
庭全体はまだ冬の名残りでさびしい雰囲気ですが、ひとつひとつ花が開いてきています。
ささやかな音色から、春爛漫、そして夏へと向かって、徐々に音量が豊かになっていく。
そんな目覚めを感じさせてくれる春の庭。

「工房からの風」の会場の一部「ニッケ鎮守の杜」(その中に、「手仕事の庭」という空間があります)の手入れは、私たち「工房からの風」「galleryらふと」スタッフが事務局となって運営しています。

具体的には、「工房からの風」のメインビジュアルを描いてくださっている大野八生さんに全体構成のアドバイスをいただき、月に3日ほど実際にお庭に入っていただいています。

そして、庭人さんとお呼びしている15名ほどの地域にお住いのボランティアさんが、共に庭作業を行ってくださっています。
(ちなみに、5月から新年度になり、新規庭人さんの募集も行います。
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庭人さんと一緒に作業着で庭の手入れをしていながら、「庭」という言葉の豊かさについて考えていました。
自然そのものである草木。
その草木のままであれば、山野や草原。
けれど、庭という空間には、人の意思と行動が自然と結びついて姿を成している。

まるで工藝のようですね。
自然素材と人の想い(デザイン…)と手の技が結びついて成したかたち。

そして、庭では、さまざまな草木(そして虫やいきものたちも)が影響し合って育まれていきます。

コロナ禍のこの3年間。
新たに世に出ていこうとしていた作り手たちは、出会いの機会の消失の中で、必死に模索してこられたのではないでしょうか。
自らを発露するために、SNSなどを活用してこられた方も多かったことでしょう。
たとえば小さな植木鉢の中で、一生懸命花や実をつけようと励んだように。

今年、「庭」に出てこられませんか?
工房で蓄えてきた力を持った作り手たちが、庭に集う。
集ったことで、影響を受け、与え、成熟に向かう。
そんなイメージを抱いて。

ホースで水撒きをしながら、「工房からの風」という野外展が、庭づくりと響き合って存在していることが、不思議なくらい必然に感じられたのでした。
一年を通して、庭人さんたちと共に育んでいる庭。
そこに、全国からはるばる集ってくる瑞々しい作り手。
そんな年月が、20年以上も続いてきたこと。
小さな奇跡の集積が、この時空を存在させてくれている。

21回目の「工房からの風」。
豊かな出会いをこの庭で叶えていただけまうように。

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水撒きで出現!した虹。
新しい季節の始まりを祝福してくれているようでした。

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今年度「工房からの風」

今年度、第21回「工房からの風」のご案内をいたします。

開催日 : 2023年10月28日(土)29日(日)
応募期間: 2023年 3月15日(水)~31日(金)

まもなく2023年度の応募要項を公開いたします。

基本的には、2022年度に準じます。
出展作家は、55作家程の構成で行います。
2022年に出展された方にはご応募いただけません。
前後の週末となる10月21日(土)~11月5日(日)に、
個展、クラフトフェア、規模の大きな展覧会への出展がないこと。
などで行います。

今年度は、昨年以上に通常開催となることを願っています。
何より、「工房からの風」の特長である、開催前の交流の機会を活性させたいと思います。

佳き作り手の輪がひろがり、佳きものづくりが豊かに育まれることを願い、第21回展を企画いたします。

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「工房からの風」について取材、考察いただいた書籍が出版されました。

アートプレイスとパブリック・リレーションズ

川北眞紀子・南山大学教授/薗部 靖史・東洋大学教授 共著
有斐閣

5年ほど前から取材いただき、工房からの風本展はもちろん、
百貨店での関連催事や、大阪のニッケ本社への取材など、実に丁寧に考察、執筆くださいました。

取り上げられた活動はほかに、資生堂、ベネッセ、サントリー、トヨタ、大原美術館など充実したメセナ活動で、そちらの中で、ニッケの「工房からの風」の特性を客観的に執筆くださっています。

私たちは、工藝作家のよき仕事が育まれ、現代を生きる使い手の方々の心豊かな営みにつながることを願って企画運営していますが、
社会学、マーケティング、メセナ活動についての専門の方々に客観的に考察いただいたことは、活動の骨格を整え、筋肉を鍛えていただくような励みとなりました。

とても読みやすい文章で書かれてありますし、他の活動についても興味深い内容です。
よろしければぜひご一読いただけましたら幸いです。
→ click

当日の朗らかな楽しさ。
その楽しさを裏打ちする真剣さ。
「工房からの風」ならではの活動を、コロナ禍が落ち着いた中で、じっくり行っていきたい。
この書籍に書かれたことを、そのことへのエール、養分としていきたいと思っています。

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映像公開のお知らせ

「工房からの風」当日、花壇の奥に「風人からの風」というテントがありました。
20回展を記念して、年表やさまざまな展示物、掲出物、のほかに、映像も放映していました。

小泉すなお (陶芸) いとうゆり撮影
㔟司恵美  (竹細工)本人撮影
アトリエ倭 (木工) 本人撮影
RIRITEXTILE(染織) 中川碧沙撮影
大野七実  (陶芸) 本人撮影
岡林厚志  (木工) 本人撮影
編集 岡林厚志 敬称略

工房からの風の名のごとく、工房など制作の現場の光景が伝わるようにと、風人さんたちが作ったものです。
期間限定で公開いたします。
是非、ご覧くださいませ。

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風人:岡林厚志さんから

無事帰宅しました!
このメールをいただき、一区切りです。
あとほんの数名の方からをお待ちしていますが、この場の「凪ぐ浜の宝もの」の記事は、このへんで閉じたいと思います。

早、1週間、ですね。
私自身も力仕事、事務仕事、さまざまな風の後のあれこれに加え、
身心整えにも意外と時を要し、たくさんのメール全てにはお返事がとてもできそうにありません。
そして、確実にNEXTの仕事の波がやってきますね。
作家の皆様もきっとそうだと思います。

ひとときしっかりと今回のことを見つめ直し、できれば言葉に記して、そして、次へ。
こうして、また、お互いが今より熟した仕事でご一緒できますことを願っています。

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最後には、風人さんを代表して、いただいたメールをご許可をいただき転載しますね。
出展作家さんのメール99%に、風人さんへの感謝が記されていました。
(そして、ほんとうに多くの出展作家の方が、「工房からの風」のお客様があたたかい。
作品や作り手をちゃんと見てくださるすばらしいお客様だったと記されていました)
私からもこの場からあらためて御礼申し上げます。

自分のためじゃなくて、誰かのために、こんなにも楽しく動いてくださる方たち。
この気持ちが、また次の、未来の風人さんになって、よきものづくりにつながっていったらいいなぁと思っています。

今回、「風人からの風」という花壇の奥のテントで展開くださっていたのが、
大野七実さん、岡林厚志さん、吉田慎司さん。

代表して、岡林さんからのメールをご紹介いたします。

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長い準備期間を経ての本番の2日間、本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございます!
20回の記念の年をお天道様も祝福しているかのような気持ちのいい晴天でしたね。
お庭の草花もとても美しく(秋明菊が本当に綺麗でした…)、おかげでたくさんの笑顔に溢れた2日間になったように思います。
僕もお手伝いさせて頂くようになってから、ここまで何の心配もなく晴れるのは初めてで、とても楽しい3日間になりました。
本当に何よりのプレゼントでしたね。

昨日は久しぶりにぐっすりと眠りました。
朝、木の葉の影映るカーテンを開けると、3日前まではまだ青い葉をつけていた庭の木々がちらほらと紅葉し始めていました。
ふと家の中の方に視線を移すと、子どもたちが忙しなく学校の準備をするなか、
南の窓から低く長く差し込んだ陽光が部屋のなかのもののかたちを写し取り、北の壁に影絵を作っていました。
まるで、工房からの風が吹き渡り、季節を一歩進ませたような、浦島太郎のような?気分に落ち入ってしばらく見入っていました。
そんななかテレビのニュースを何気なく観ていると、世界初のキリン研究者である89歳の女性が、若者に向けた言葉としてこんなことをおっしゃっていました。

「自分の船を他人に押させるな」

あまりにタイムリーな言葉に、必然的に風のことを連想しました。
自分の船は、自分独りで漕ぐもの。
行く方角を見定め、時に波に揉まれながらも、必死に櫂を漕いでゆく。
独りで船を進ませるのは辛いこともあるけれど、そんなとき、ふとあたりを見渡すと、同じように独りで船を漕ぐ人たちがいる。
向かう先はそれぞれで、併走する船もあれば、すれ違う船、前を横切る船もある。
それでも、船が近付くひとときに、こんな挨拶を交わせたら。
「こんにちは、お互いがんばりましょう」
それは船を進ませる大きな力になり、挨拶を受け取った方は、また別の場所で別の船に挨拶を交わし、
そうして工藝という大海原全体が温かな温度を持ったものになれば、ひとりひとりの漕ぎ手にとっても希望のあるものになることでしょう。
工房からの風は、その大きな一端を担っている場所だと思っています。

20回という長い時を通して、稲垣さんはじめ、スタッフの方や風人の方々が作り上げ、連綿と繋いできた想いが今、とても慈愛に満ちた場を作り出している。
僕もそれを受け取った一人として、次に繋いでいけたらと思っています。

20回、本当におめでとうございます。
ありがとうございます。

ゆっくりとはなかなかいかないかもしれませんが、
どうぞお身体しっかりと休めて下さい。

長文失礼しました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

hyakka
岡林 厚志

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岡林さんは5回風人さんを担っていただきましたが、続けてくださる中で感じてくださったことが深くてありがたく、そしてちょっと驚いてしまいます。
惜しみなく我がこととして取り組んだ人だけが感じる何かなのでしょうか。
風人さんたちから、いつも私は学んでいるように思います。

目先の損得という小さなものごとで心を留めないで、
もっと大きな喜び、手応えに向かって漕いでいきたいですね。
その折々に手に実った作品を携えた作家の方たちと、この場で出会いたいと思います。
第20回「工房からの風」に関わってくださいました皆皆様に心より感謝申し上げます。

佳き出会いの風にのって、また、ぜひお会いいたしましょう。

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旅する羊さんから

おりひめ神社、鳥居のほとりで糸車で紡ぎながら展示をされていた旅する羊、猪又裕也さんからメールが届きました。

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この度は第20回『工房からの風』に出展させて頂きまして、誠にありがとうございました。

先般、無事に岩手に戻りました。
千葉より半歩ほど季節の進んだ北の地で、日常に戻りつつあります。

まずは、このコロナの情勢が読めない中開催を決断され、変則的ながらも万全の準備と臨機応変な運営のもと、無事に第20回展を開催して下さりありがとうございました。
そのおかげで、私にとっての初めての『工房からの風』のあの2日間、穏やかでいて澄んだ空気と陽光に包まれたニッケ鎮守の杜の光景は、今もきらきらと耀きをもって脳裏に焼き付いております。

おりひめ神社の鳥居の袂で、作品を携え、糸を紡ぎ、それを来場者の方々が温かく囲み、羊毛についてお話しする、まさに作り手冥利に尽きる空間でした。
そしてそれは、稲垣さんをはじめ、風人の皆さま、庭人の皆さま、昼夜を問わず警備をして下さった警備員の皆さま、私が思い至らない所で会を支えて下さった皆さまが、来場される方々や私たち出展者を思い続けてくれていたからこそだと、深く感じ入ります。

また、ありがたいことに初めてお会いした来場者の方から、後日温かなご連絡を頂きました。
それも思いが20年に渡り連綿と繋がれ、機運としてそよぎ続けてきた風の賜物と、感動と感謝に胸がいっぱいです。

何かと真剣に“向き合い、思い、行動する”ということの尊さを教わりました。
準備の期間から当日を経て今日に至るまで、そしてきっとこれからも、『工房からの風』は私に訴えかけ続けてくれる気がします。
教えも、出会いも、気付きも、反省も、成果も、この宝物をずっとずっと大切にします。

あらためまして、皆さま本当にありがとうございまいした。
自分の成すべき仕事に向き合い、また逢う日まで、しっかりと歩み続けたいと思います。
再会の日を心より楽しみにしております。

それでは、気候変化の激しい折、どうぞご自愛ください。

旅する羊
猪又裕也

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コロナ禍の中で、以前のような集まりの機会を持つことが難しかった今回。
その中でも、特設頁づくりでのやりとりを介して、猪又さんのひたむきなお仕事ぶりい触れることが出来て、当日、会場にお迎えすることができました。

おりひめ神社のほとりでの糸車を回しながら、たくさんの方たちと言葉を、想いを交わす光景は、
今展の中の忘れがたいいくつかの光景の中のひとつとなりました。

若い猪又さんのお仕事は始まったばかり。
続けていく中ではさまざまな局面が現れてくるかと思いますが、
この二日間に感じたものを初期感動のひとつとして、立ち戻れる心の場所のひとつにしていただけたらと思います。

旅する羊、猪又裕也さんの出展前のメッセージはこちらです。
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laglag__さんから

コルトン広場、今回から広げた会場のテントでラグとラグ制作の技法を使った作品を展示していたlaglag__さんからメールが届きました。

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この度は「工房からの風」開催20回目という記念のときに携わらせていただき、誠にありがとうございました。

出展が決まってから、改めて信じられないほどの高いクオリティの作品と、出展作家さまの想いの熱量に圧倒されていました。
今の自分にできる最良をと、当日までどう過ごし、どう迎えるかを思案しました。

現実は、緊張と興奮に空回りなことばかりを起こしてしまいましたが、
今回の出展で多くの学びと貴重な経験をさせていただきました。

今朝起きて、冷たい外の空気を吸い込みながら。
新生な気持ちで、自身の作品と改めて向き合おうと決意しました。

try&errorを臆さずに続け、自分の作品の“真ん中”を見つけたいと思います。

laglag__
佐藤貴美子

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オックスフォードパンチニードルという道具に惚れ込んで制作、お教室と果敢に取り組む佐藤さん。
galleryらふとでは、さっそく11月にワークショップを開くことといたしました。

■11/19 (土) 「パンチニードルでつくる – 波の模様のポットマット」
講師:laglag_
第1回:10:30~13:00
第2回:14:30~17:00
定員:各回4名様 会費:4000円

きっと、お庭も季節が進んで、冬の一歩前の美しい光景と思います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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laglag__さんの出展前のメッセージはこちらになります。
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CHIAKI KAWASAKI さんから

ニッケ鎮守の杜中央部で、金属装身具の展示をしていたCHIAKI KAWASAKIさんからメールが届きました。

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おはようございます。
このたびの工房からの風では、お世話になりました。
会場から送った荷物も届き、たっぷり眠って、少しずつ日常に戻りつつあります。

20回展という大きな節目の年に出展という形で関わらせていただけて、大変嬉しかったです。
2日間ともに、アニバーサリー展を祝福してくれているような穏やかな秋晴れで、お庭も会場全体もきらきらと輝いていて、とても美しかったです。

2回目の出展ということで、意気込んで臨んだ今展だったので、初日の朝はかなり緊張して会場入りしました。
自分のテントに向かう途中で風人の皆さんが笑顔で挨拶してくれたり、頑張りましょうと声をかけてくれて、
こんなにも心強いものだったか!と、1回目の出展時の気持ちを思い出しました。

本当にたくさんの方に作品を見ていただけたこと、
試みでつくった作品を気に入ってくださった方がいたこと、
動物の好みの合う方とお話ができたこと、
初出展時のことを覚えていてくださった方がいたこと、
拾ったどんぐりをくれた男の子がいたこと、
すべてが栄養になりました。

ここ2年ほどなかなか思うように制作を進められず、自分に喝を入れるつもりで応募した今展、
至らなかった点や、計画倒れに終わったこと、悔いの残ることが正直多かったです。
でも、今の自分にとって何が課題でどんなことが足りていないか、
漠然としていたものがはっきりと見えた気がしています。
これもまた次に進むための成果であったと思います。

出展して本当に良かった!

2日間は本当に目まぐるしくて、秋の草花が美しく咲いた花壇や、他の出展作家の方々のテントをあまり見られなかったことが心残りでしたが、会の終わりに大野八生さんが手渡してくださったお庭のブーケが大変嬉しいお土産になりました。

改めて、風人の皆さん、庭人の皆さん、スタッフの皆さんに感謝しております。
本当にありがとうございました!
お庭で得たものを作品に込めて還元していけるように、これからも精進してまいります。

川崎千明
CHIAKI KAWASAKI

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『出展して本当によかった!』

川崎さんの笑顔、そして声が聞こえるかのようです。

コロナ禍の中、やりたくてもやり尽くせなかったことも多かったかと思います。
それでも展示という今の自分の仕事を白日の下に晒すことによって、何より自分自身が見えてくるものがありますね。
見えてきたもの、気づいたもの、生々しいうちに、行動を起こしてぜひ、よき制作に進んでいただければと思います。

CHIAKI KAWASAKIさんの出展前のメッセージはこちらです。
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安藤大悟さんから

ニッケ鎮守の杜、中央部、花壇の前で陶芸作品を展示していた安藤大悟さんからメールが届きました。

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この度は節目となる20回目の『工房からの風』に参加させて頂きありがとうございました!

8月のミーティングに参加し、20回と積み重ねて来られた『工房からの風』の会場の雰囲気、
稲垣さんや風人さん達の想いに触れ、気を引き締めて帰りました。

2日間充実した展示になる様に、作品の数やカテゴリー、ブースの雰囲気作りなど
いかにお客さまに来て良かったと満足してもらえるかをずっと考えて過ごす日々。

出発当日まで窯出しを行い、夜中に三重県を出て、朝方、会場に到着と共に、すぐ準備。
バタバタと初日を迎えました。

2日目は配置換えなど行いつつ、初日に負けないぐらいの作品の量でお客さまをお迎えする事が出来ました。

おかげさまで、2日間ともお客さまが途切れる事がなく、
自信を持ってやり切ったと言える充実感のある嬉しい疲労でクタクタです!

3年振りの通常開催という事もあり、お客さまの熱量をもの凄く感じました。

インスタグラムの広告を見て来てくださったお客さまや、両日、お越し下さったお客さまも多く、たくさんの反応を受け取る事が出来ました。

こんな時代に突入してしまい、生活様式もガラリと変わってしまった世の中ですが、
お客さまに感謝の気持ちを込めて作品を手渡しする事は、こんなにも嬉しい事なんだと実感いたしました。

そして、稲垣さんや風人さんたちの手厚いサポートとお心遣い、愛に溢れた空間作りに作家冥利につきました。
きれいなお花も用意して下さり、展示に花を添えて下さりました。

この場所で得た経験を栄養としこれから、僕はもっと前に前に進んでいきます。
みんなを巻き込むような、時には包み込むような風になります。

これから季節が進み、より寒くなりますので、体調など崩されぬようご自愛くださいませ。
本当に本当にありがとうございました!

安藤大悟
アンドーワークス

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安藤さんは1991年生まれ。
30歳をすぎたばかりのエネルギーに満ちた作り手。
今回、出展作品数は会場でも一、二の豊かさで圧倒していましたね。

作る喜びに満ちたその作品に、たくさんのお客様が引き寄せられて、
作り手の前で作品を選ぶ楽しさ、喜びを堪能されていたように思います。

『お客さまに感謝の気持ちを込めて作品を手渡しする事は、こんなにも嬉しい事なんだと実感いたしました。』

対面でのイベントが中止されていたここ数年に、ちょうど世に出るタイミングだった作り手は本当に大変だったと思います。
けれど、安藤さんのように、くじけず、日向を向いて、作ることに向き合ってきた人には、これからの道は洋々と広がっていることと思います。
今回出会えたたくさんの笑顔は、何よりの栄養でしょうし、進む道を照らしてくれる光になると思います。

安藤大悟さんの出展前のメッセージはこちらになります。
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藤田永子さんから

ニッケ鎮守の杜、レンガ道を降りた木立の中。
金属の美しい表情をさまざまに展示されていた藤田永子さんからメールが届きました。

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この度は、工房からの風の出展につきまして、選考や面談、インタビューなど準備段階から当日まで、大変お世話になりました。

最高のお天気で、お客様も非常に楽しそうにお買い物くださったのがとても嬉しかったです。
久々にお客様とお話しさせていただき、少しでも金属器のハードルを下げられるよう説明に努めさせていただきました。

工房からの風のお客様は、みなさん本当に素敵で柔らかいお客様が多く、イベントの質の高さを改めて感じました。
今回その一員に入れていただけたこと、改めて本当に光栄なことだったのだなと思い返しております。

今までお客さんとして伺ってきた中で、作家の皆さんが木々の中で少しテントをはみ出して、木々に溶け込むような展示をされているのが本当に好きでした。
今回私も少しテントをはみ出して、木々の中に溶け込むように花器を展示させていただけたのがイメージ通りで、お客様が思い思いにご覧になっていただけたのが非常に嬉しかったです。

これからは、頭の中の新作をしっかり形にしていく時間を作っていきたいと存じます。
また数年後、工房からの風の選考に挑む際には、進化したものをお見せできるよう制作に励んでまいります。
この度は本当にお世話になりました。またお会いできる日を楽しみにしております。

藤田永子

追伸 ニッケのお庭でいただいたお花を添えて…

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上の画像は、藤田さんから送られてきたもの。
作品に会場のマートルの実が響き合うように生けられて、なんとも心地よい光景ですね。

すでにお仕事が忙しくなってきている藤田さんだからこそ、
あらためてじっくり向き合おうと思うひとつのきっかけにもしていただいたのかもしれません。

生み出す、作る速度と、発表する、選ばれる速度。
作家活動を長く豊かに続けていくために、速度を整えていくことも大切なんですね。
藤田さんのこれからの制作、活動を楽しみにしています。

藤田永子さんの出展前のメッセージはこちらです。
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金城貴史さんから

稲荷社の脇のテントで木の匙を展示していた金城貴史さんからメールをいただきました。

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「工房からの風」の二日間、ありがとうございました!
二日目終了後、おそらく一番に撤収したのではないかと思っています。
できる人はなるべく早く撤収した方が良いかと考え、ろくにご挨拶もせずの撤収となり、失礼いたしました。
今回は一人での出展となりましたが、スタッフ並びに風人さんのサポート・気配りが心強すぎて、一切の不安を感じず、天気にも恵まれた幸せな二日間を楽しく過ごす事ができました。

六年ぶり二度目の出展であらためてはっきりと感じた事があります。
それは、「工房からの風」という場の特別さです。
真摯な思いと細やかな気配りをもって回を重ねつくりあげてきた形と、それに心を寄せ愛する人々が集うことで生まれる空気が、「工房からの風」という場を形成していました。
六年前とくらべて、作り手としてその場に応えられたような感触があったのが、嬉しかったです。

二日目のオープン前、什器の配置変更を検討していました。
たまたま近くにいた、風人さんの意見を参考に配置を変更したところ、ブースの空気が少し動いたような感覚がありました。
一日目を超える手ごたえがあったことに、少なからぬ影響があったと思っています。
自身も作り手である風人の存在も、「工房からの風」という特別な場を構成する重要な一要素なのだと強く実感しました。

今展への参加が決まってから展示二日目の終了までに感じた、できたこと・できなかったことを噛みしめながら、次への製作に邁進します。
またゆっくりと匙を見ていただく機会がありましたら、幸いです。
今回も多くの作り手の中から、選んでいただき有難うございました。

またお会いできる日まで。

金城貴史

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6年前の初出展の際は、思うように展開できなかったという金城さん。
その後、2020年に出展が決まっていながら、コロナ禍で遠方からの出展をいただけなくなってしまって。
今年、あらためてご応募の上、出展を果たしてくださったのでした。

初めての出展で力を出し切れなかった方が、力を蓄えてあらためて挑戦くださること。
そのような場に思ってもらえることを有り難く感じます。
そして、書きながら思いました。
「そのような場」にするのは、出展作家の想いと実践なのだと。

金城さんが幸せな二日間を過ごせたのは、まさに金城さんの想いと実践の賜物。
これからもますます魅力的で、使い手の心に響く木の匙を作られることでしょう。

金城さんの出展前の記事はこちらです。
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atelier bōc さんから

おりひめ神社に向かって右側の木陰で、手製本の美しい世界を展開くださった
atelier bōcの本間あずささんからメールをいただきました。

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こんばんは。
本間あずさです。
無事に昨日帰宅し、荷を降ろしました。
10月が終わってしまうんだなと、しみじみ噛み締めています。
特にこの一ヶ月は追い込みでタイヘンだったはずなのに、
終わってしまうと楽しさが蘇ってきて、また戻りたいと思ってしまいます。

これ以上ない晴天に恵まれた二日間、
祝祭のような美しいお庭にいられたこと、
感謝の気持ちでいっぱいです。
5年前の雨の悔しい思いがあったのもですが、
この間の色々なことを思い返してました。

魅力的な工芸作家さんのブースのたくさんある中で、
やはり異ジャンルの私のところに立ち寄っていただけたこと、
じっくり作品を見てお選びいただけたこと、
何にも代えがたく、ありがたく思います。
このような手仕事の形もあるのだなと伝わっていたら、嬉しいです。

ただただ「工房からの風」が好きで、通ううちに、注文制作だけでなく自分の作品も作ってみたくなり、、
工芸作家さんへの尊敬の気持ちが糧になり、オリジナルの作品制作へと向かっていった気がします。
無意識ではあったかもしれませんが、その根底には「工房からの風」への思いがあったのかなと、この十年ほどを振り返って感じます。

また同時に、
作る工芸、伝える工芸、一緒に作り上げる工芸と、
表に出るものは違えど、根底にひとつの思いがあればさまざまことを同時並行に進めてもよいんだ、と今回腑に落ちた部分がありました。

注文制作と教室を行う中で、作品制作に集中するのは容易ではなく、バランスに悩んでもいましたが、
すべてがあって、今があるように、思えました。

今回、ミーティングは4月にしか参加できず、
出展者さんとあまり交流ができなかったのは残念でしたが、
らふとでのワークショップや風人さんとの交流を通じて、工房からの風の芯に触れたように思います。

また、ワークショップ等々でも、
さまざまな形で手仕事、工芸を伝えられれば嬉しいです。

いつもながらスタッフの皆さまともども、今回も大変力強いサポートをいただき、ありがとうございました。
長文失礼しました。
まとまりませんが、お礼のメールまで。
ありがとうございました!!

お風邪など召されませんよう、
ご自愛ください。

atelier bōc
本間あずさ

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『・・・ただただ「工房からの風」が好きで、通ううちに、注文制作だけでなく自分の作品も作ってみたくなり、、
工芸作家さんへの尊敬の気持ちが糧になり、オリジナルの作品制作へと向かっていった気がします。
無意識ではあったかもしれませんが、その根底には「工房からの風」への思いがあったのかなと、この十年ほどを振り返って感じます。・・・』

なんというありがたい想いでしょう。
このように感じて、創作世界の歩を進める方がいらっしゃるということ。
背筋が伸びる思いとともに、続けることがてきて本当によかった、と深く思うのでした。
本間さん、風人さんやってくださらないかなぁ、なんて思ってみたり。

本間あずささんは活動のメインのフィールドは、工藝・クラフトとは少し違うかもしれませんが、「工房からの風」のフィールドが、ひとりの創作者にとってその制作を豊かにする存在であったとしたら、企画運営に携わるものとして、何よりの喜びに思います。

atelier bōcさんの出展前の記事はこちらになります。
→ click

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前田昌輝さんから

ニッケ鎮守の杜、中央部、galleryらふと脇で出展されていた前田昌輝さんからのメッセージをご紹介します。

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第20回 工房からの風 craft in action お疲れ様でした。
前田昌輝です。

心地良い晴天に恵まれた二日間、お客様やスタッフさん、風人さんたちの笑顔が素晴らしく輝いていました。
僕も皆さんのような笑顔になれていたのかなと、思い返してみたものの緊張しっぱなしだったので、ぎこちない笑顔になっていたかもしれませんね。

沢山の方が作品を観て「あなたの想いが伝わってきます」「木の力を感じます」と言ってくださり、作品を通して心が繋がる確かな手ごたえを感じました。
出展が決まったその日から、本番に向けて直前まで手を掛け続けた作品たちと共にあの場所に立てたこと、その想いが伝わったこと、本当に嬉しかったです。

8月のミーティングで出展場所を再検討くださったこと、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして本番が終わった後の脱力感もまた想像以上でした。
こんなに緊張してたし疲れてたんだな~と思うくらい一晩で体が軽くなりました。

終了後も市川に泊まり、月曜日は手伝ってくれた家族と共にのんびりと箱根へ。
ギャラリー関係の方ともつながることができて、おかげさまで少し風向きが変わってきそうな予感です。

この工房からの風に関わってくださったスタッフさん、風人さん、そしてもちろんディレクターの稲垣さん、大変お世話になりました。
感謝の気持ちは到底言葉では尽くせません。
本当にありがとうございました。
今後とも末永くお付き合いいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

Wood Work Studio タジェール・デ・マエダ
前田 昌輝

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祝福されたような青空の二日間の記憶が鮮明ですが、
第20回展、実は募集期間から夏まで、コロナ禍に悩まされ、どのような展開になるかは予測が立ちませんでした。
「工房からの風」では、準備期間の交流も大切に考えて企画しているのですが、全体ミーティングもできずに夏まで季節が進んでいきました。

それでも8月のはじめ、集まれる方だけでも集まりましょう、ということでミーティングの機会を持ちました。
その時の記事はこちらです。
→ click

この日、前田さんも岐阜県から訪ねてきてくださいました。
そして、応募用紙からだけではわからなかった制作、作品のことに少し近づくことができたのでした。
その上で、より適した出展場所のご相談もできたのですね。

時間も交通費もかけて、数時間のミーティングのために来られるのは大変なことだったと思います。
けれども惜しみなく行動しよう!という想いに、私たちも応えたいと思っています。

今年の出展作家の方々の交流は、今、始まったところ。
会期が終わったことで終わりにするか、ここから始めとするかも作家次第ですね。
このご縁を、これからの制作、生きていく日々に豊かに結んでいただけたらと思います。

前田昌輝さんの出展前の記事はこちらです。
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