director's voice

糸花生活研究所(木工・織・彫り絵)

「工房からの風」では、出展後二年間は応募をいただけない仕組みとしていました。
出展作家が固定せずに、いつも新鮮に門戸を開いていたいということなどが主な理由です。

けれど、2020年、2021年はコロナ禍の中、通常開催ができませんでした。
そのため、変則的に2020年、2021年の限定的な開催年に出展された方は、今年も応募ができることといたしました。
そのような中、昨年に引き続き出展されるのが、ご夫婦でひとつの世界観の制作を繰り広げる糸花生活研究所さんです。

Q1
糸花生活研究所さんは、工房からの風に、どのような作品を出品されますか?

A1
木工のカテゴリーでは、身近な植物をモチーフにした木の器やカトラリーを出品いたします。
木工部屋と絵付け机を行ったり来たりしながら生まれる食器は、
挽いて生まれる木目の表情や形と、焼きながら描く絵柄のバランスをとりながら、制作しています。

植物を育てたり飾ったりすることが大好きなのですが、
使ってくださる方の日常に、ささやかながら花を添えられるような存在になれたらと願って作っています。

織りのカテゴリーでは、日常の景色を描くように織った手織りの小さな作品を出品いたします。
縫い取り織りという技法で絵柄を織り出す細幅の織物は、手製のリボン織り機で織っています。
額装した背景の織物は、まだ試作中の手製の高機の調整を重ねながら、日々出会う空や景色の色合いを織っています。
道具も技法もオリジナルで探りながら進めている作品ですが、ご覧くださる方の心の中の景色と、少しでも響き合うことができたら嬉しいです。

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Q2
糸花生活研究所さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
自宅兼アトリエのリビングです。
写真は、毎月開いている小さな手織り教室のときのレイアウトです。
普段は、1歳の息子と8歳の娘と一緒に、賑やかに過ごしながら制作している場でもあります。
暮らしと仕事が繋がる私たちの、真ん中にある場所です。

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Q3
糸花生活研究所さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
娘が幼かった頃にお店で出会って購入した、手回しのミシンです。
使うたびに、眺めるたびに、機械というのを忘れるくらい、細部まで美しい工藝品だと感じています。
カラカラカタカタ…という心地良い静かな音で縫えるので、赤ちゃんが寝ている側で手を動かす時間に使用してきました。
娘がミシンに興味を持ってからは、お人形の服を一緒に縫うときに使っていました。
最近は出番が少なくなっていますが、ずっと大切にしたい工藝品のひとつです。

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糸花生活研究所さんのお仕事、その想いについては、20回展アニバーサリー特設サイトで取材頁を掲載いたしました。
こちらもぜひご覧ください。
とても素敵な工房ですよ。
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糸花生活研究所さんの出展ブースは、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとと花壇の間です。
おふたりの雰囲気とぴったりの秋の草花揺れる空間です。

作家ページはこちらになります。
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