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かぜつち模様染工舎(藍染め)

Q1
静岡県伊豆市で、かぜつち模様染工舎を立ち上げた南馬久志さん。
「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
手紡ぎガーゼストールやふきんやタオル、靴下などをお持ちしますが、中でも亜麻布や手紡ぎ木綿布に型染で様々な紋様を施した正藍型染布をご覧いただけると幸いです。

僕が手がける紋様は大きくわけて、
1.古代布の再現模様
2.自身のオリジナルの模様
の二つに大別しています。

1.は古くから綿々と続いてきた日本独自の紋様の再現をアーカイブ目的でおこなっています。

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2.はオリジナルの模様です。
写真の「草原の馬」という模様は 2.に分類しています。
僕の名前に「馬」という字が含まれる事から、馬という動物に昔から関心があり、コロナが始まる頃から何度も書き直している模様です。

今僕にはコロナの影響を感じる時代を早く駆け抜けて、健やかに生きたい想いがあるかも知れません。
藍染にも抗菌効果があると言われているので、実用を備えたお守りとして活躍することを祈っています。

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Q2
かぜつち模様染工舎さんが、工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
スキージと呼ばれるゴムベラの道具です。
型染は木ベラをよく使われるのですが、あえて僕はスキージを使います。

20歳の時に京都の染屋で修行していたのですが、その当時にお世話になった職人から頂きました。
かぜつちを始める前まで、10数年間、大切に保管していました。
丁稚奉公時代は手捺染によるシルクスクリーンプリントの配色やサンプルを、この片手ほどのサイズのスキージで見本をとるのが仕事でした。
当時は早朝から工房の中に入らせて頂き、色んな合成糊を用いた様々なテキスタイルの研究をした思い出は今も鮮明に覚えています。

シルクスクリーンから型染に変わり頭を打つことも良くありますが、当時の経験が助けてくれる場面も多々あります。

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Q3
かぜつち模様染工舎さんが、自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
大阪の高槻市の奥にある中の畑窯 佐藤夫妻の器です。
ご夫婦ともに沖縄の読谷村で修行を積まれ、地元高槻の土や薪を使い手仕事を行なわれています。
大皿や小皿、一人用の鍋や子供茶碗まで丈夫で収納しやすく、毎日の食卓で愛用させていただいています。
とても大変気に入っていますが息子が1歳になる頃、幾つか割れてしまったので新調したいなと思っています。

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かぜつち模様染工舎のお仕事は、20回展特設頁でもご紹介しましたので、ぜひご覧ください。
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かぜつち模様染工舎さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、中央部、花壇の手前。
すぐ後方の花壇では、藍の花が咲きこぼれています。
藍染めの道具なども持ち込んでくださるので、見ごたえあるブースになることと思います。

作家ページはこちらになります。
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