おりひめ神社、鳥居のほとりで糸車で紡ぎながら展示をされていた旅する羊、猪又裕也さんからメールが届きました。
この度は第20回『工房からの風』に出展させて頂きまして、誠にありがとうございました。
先般、無事に岩手に戻りました。
千葉より半歩ほど季節の進んだ北の地で、日常に戻りつつあります。
まずは、このコロナの情勢が読めない中開催を決断され、変則的ながらも万全の準備と臨機応変な運営のもと、無事に第20回展を開催して下さりありがとうございました。
そのおかげで、私にとっての初めての『工房からの風』のあの2日間、穏やかでいて澄んだ空気と陽光に包まれたニッケ鎮守の杜の光景は、今もきらきらと耀きをもって脳裏に焼き付いております。
おりひめ神社の鳥居の袂で、作品を携え、糸を紡ぎ、それを来場者の方々が温かく囲み、羊毛についてお話しする、まさに作り手冥利に尽きる空間でした。
そしてそれは、稲垣さんをはじめ、風人の皆さま、庭人の皆さま、昼夜を問わず警備をして下さった警備員の皆さま、私が思い至らない所で会を支えて下さった皆さまが、来場される方々や私たち出展者を思い続けてくれていたからこそだと、深く感じ入ります。
また、ありがたいことに初めてお会いした来場者の方から、後日温かなご連絡を頂きました。
それも思いが20年に渡り連綿と繋がれ、機運としてそよぎ続けてきた風の賜物と、感動と感謝に胸がいっぱいです。
何かと真剣に“向き合い、思い、行動する”ということの尊さを教わりました。
準備の期間から当日を経て今日に至るまで、そしてきっとこれからも、『工房からの風』は私に訴えかけ続けてくれる気がします。
教えも、出会いも、気付きも、反省も、成果も、この宝物をずっとずっと大切にします。
あらためまして、皆さま本当にありがとうございまいした。
自分の成すべき仕事に向き合い、また逢う日まで、しっかりと歩み続けたいと思います。
再会の日を心より楽しみにしております。
それでは、気候変化の激しい折、どうぞご自愛ください。
旅する羊
猪又裕也
コロナ禍の中で、以前のような集まりの機会を持つことが難しかった今回。
その中でも、特設頁づくりでのやりとりを介して、猪又さんのひたむきなお仕事ぶりい触れることが出来て、当日、会場にお迎えすることができました。
おりひめ神社のほとりでの糸車を回しながら、たくさんの方たちと言葉を、想いを交わす光景は、
今展の中の忘れがたいいくつかの光景の中のひとつとなりました。
若い猪又さんのお仕事は始まったばかり。
続けていく中ではさまざまな局面が現れてくるかと思いますが、
この二日間に感じたものを初期感動のひとつとして、立ち戻れる心の場所のひとつにしていただけたらと思います。
旅する羊、猪又裕也さんの出展前のメッセージはこちらです。
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